電子限定おまけ付き
カスタマシリーズ。やっぱり面白いです。中毒性があるというか、最初は「なんだろう、このノリについていけない」と思うのに、段々言葉のセンスや、謎の踊りとかに癒されてしまうんですよ。
今回は江藤さんの喜びの舞とか見れなかったですけど、江藤さんの二重人格な所とか大好きです。もっと登場してほしかった。
今回は目黒くんと渋谷くんでしたが、目黒くんも変わった子でしたね。目黒くんは過去の経験から誰にでも優しい人になったようですが、優しいだけじゃ恋人としては不十分なんですね。たしかに、自分が特別に愛されている感じが少ないかも。
愛されたくない男と愛したくない男という設定が面白く、瀬戸先生のキャラクターにぴったりでした。重くなり過ぎず、メッセージ性があったような気がします。
この二人のこの先も見たいですけれど、やっぱり江藤さんが見たい!
4人のお話を次は期待しています。
かの映画のタイトルを思い出すが、それとは意味が異なる。「カスタマーベリック」のマーベリックとは、ジェンダーを意味する造語。男とか、女とか、関係無くて。既存のカタチは関係無い、人を好きになる気持ちって、恋って。こういう事だよね!っていうハッピーを、その切なさを、タイトルに込めたのかなぁって。深読みしている。
タイトルにカスタマーと付いてるのは、分かりやすくスピンオフだよ、と。本作は「カスタマスカレード!」の江藤さんご指名の、渋谷くんが主役。私としては、江藤さん同様に男同士のカップルでワケあり風な綾瀬さんを御指名頂きたかったところだが。
渋谷くんも「カスタマスカレード!」本編中に、女の子好きのノンケの筈だが、幼ない頃に近所のお姉さんに無理矢理サレてから、女性が怖くなって苦手になったと話していたので、存分にフラグは立ててあったのだ。というわけで、一見チャラそうでワケありの渋谷くんは、軽そうな新キャラ目黒くんと出逢う。
互いに軽いので、サッサと済ませること済ませるし、付き合う!と宣言もしているのに。
渋谷くんが「キスは本当に好きになった女の子としたい!」などと言うものだから、ワケが分からず傷付いた目黒くんは、キレてしまう。渋谷くんもキスされた事で、目黒くんにキレている。何故。どうして?自ら関係をややこしくしては、拗れ合う2人。
心と心のピュアっピュアのセックスとは何ぞや⁈
綺麗な顔をしているから。近所のお姉さんや男の先輩に群がられて、辟易してきた渋谷くんは、未だ恋を知らない。
そして。恋愛下手あるある。というか、男が言いがちあるある。
渋谷くんは、目黒くんに(自分が)好きになるのはいい。「好きになられるのが怖い。」などと口走ってしまう。これもまた真理。
つまり。目黒くんは渋谷くんを怖がらせない様に、好きになる気持ちをセーブして。
渋谷くんは楽しい筈の永遠の片想いを満喫しようとする。
永遠の片想いや嫉妬に疑心暗鬼になる事の辛さ。そう。いつも受け身で、人に好きになられる事よりも、人を好きになる方がずっと怖くて。その先に嬉しい気持ちもある。
と言う事を、渋谷くんは身を持って知って行くという物語になって行く。
そして。人に依存しがちで、その気持ちを「激重」だとフラレた経験のあるこれまたワケありの目黒くんは、「人に期待しない」事で精神の均衡を保っていたのに。渋谷くんに心乱されてしまうのだ。
「人を好きにならない(様にしている)男」VS「人に好かれたく無い(んだと思いこんでいる)男」
の騒々しいから騒ぎ。
自分の気持ちに気付いて、「好き」を伝えるだけなのに。
気持ち捻れて拗れて。膨大な台詞と、気持ちの吐露。そして、結果的には大団円。
うみこ先生のキャラクターに対する温かさはここにも健在。
ずぷずぷエチも現在。短冊では隠し切れない渋谷くんの渋谷くんが可愛い。
いやー、何か、凄かったですね…。
開始1ページ目で、スピンオフだとメタ発言(笑)そしてもう、スピンオフ元の江藤さんもびっくりの1話での急展開ですよ。確かに読み切りで終わってもおかしくないくらいの第1話。深水くんが言う通り、展開早すぎておばちゃん、ついて行けないよ!(笑)
なんて言うか、言ってること滅茶苦茶なんだけど、何故かどうしてか筋が通ってるような気がして、あっという間に作者様の勢いに流されていきます。怖い(笑)
何かもうほんとに情緒不安定なんですよ、何か。キャラの感情の流れも忙しくて付いていくの大変で、詠み手のこっちまで情緒不安定に…!
いやー何だろう、元気な時に読む方がいいです(褒めてるつもり)
タイトルから江藤さんと岸本の続編!?と飛びついてみたら、
今回は江藤さんの部下の渋谷くんが主役のスピンオフでした!
とはいえ、名前と顔を見たところでいまいち思い出せず。
…渋谷くん?どんな子だっけ?
とりあえず既刊を復習してみたものの、
「恋愛対象は女性なのに過去のトラウマのせいで女性恐怖症」って
これまた個性が光ってんな~。
そして、いざ読み始めてみると…こんなあざと可愛い子だったの!?
性別問わずにモテまくるがゆえに周囲の魔の手から逃れるために
フェ〇の技術を磨いたとか、ビッチなのかただのアホなのかわからん…!
ついでに処女でキスは好きな人としかしないけど、フェ〇はするって
貞操観念も固いのか緩いのかわからん…!!
攻めの目黒も過去のトラウマが原因で人を好きになれない陽キャ+EDなど
設定てんこ盛りで渋谷に引けを取らないくらいに色々と拗らせキャラでした。
二人とも期待以上にキャラが濃ゆすぎでは?
過去のトラウマが原因で恋に臆病で、不器用な二人。
だからこそ、恋に落ちるとどこまでも盲目でピュアなのだけれど、
二人のあまりの拗らせっぷりに読んでいるとピュアがゲシュタルト崩壊を
起こしてピュアって?純愛ってなんだっけ?とわけがわからなくなります(笑)
スピンオフと油断していたけれど、ただでさえラブコメ色強めな本作に
さらに増し増しでギャグ色強めでした!
ノンストップジェットコースターの如くギャグ展開しつつ、あまあま&エロも
程よく盛り込まれ、瀬戸うみこ先生節が炸裂しまくりな1冊でした♪
すごく可愛いし、面白いんですけど…。
これは変化球?読み手は試されてるの?
すぐ泣いたりプンプンしたりブルブル震えたり渋谷がめちゃくちゃ可愛いです!
そんな渋谷を可愛いと思ってるけど好きだとバレたらいけない目黒も面白い。
すごい言葉のセンスで笑えて楽しいんです。
ですが…。
なぜか読めず途切れ途切れに頑張りましたが、もう可愛さでカバーできなくなったというか。こじらせを笑って見守れなかったです。
スピンオフを逆手に取った面白い試みでした。