電子限定かきおろし漫画付
初恋をずっと忘れられないアッパーミドル×黒い噂のある羽振りのいい経営者 1929年――享楽的な街・ニューヨークで、男たちは刹那の快楽に溺れる。
ストーリーも最高なのですが、作画!
1929年のアメリカが舞台なので当時のファッションがかっこいいです!!
撫でつけた髪や、スーツ姿に帽子。
作画にうっとりするってこういうことなんだと実感しました。
ストーリーもとても良いです。
1929年ったら世界恐慌。
初めて読んだときは、帯に「享楽的な街・ニューヨークで、男たちは刹那の快楽に溺れる」とあるので、アメリカ社交界のお洒落な男たちによる刹那な恋から、不安定な社会状況に揉まれつつも真実の愛に目覚めるみたいな話かなーと予想していましたが…
私の予想なんて甘ちゃんだったわ……。
予想をはるか彼方に着地した終わり方に、まじか??と。
不安定な社会状況に揉まれるなんてもんじゃなかった……。
基本的に光の腐女子なので、みんな幸せではっぴっぴ〜♪とか、いつまでもいつまでも幸せに暮らしましたとさ!ちゃんちゃん!みたいなのが好きなんです。
だから、こういう作品には耐性もあまりないし、うーわーーー………!!とどんよりしたのも事実。
でもただの鬱展開とか胸糞展開ではなく、一貫として大島さんの美学が感じられるところがいいですね。
最後の窓で終わる見せ方があっぱれというか、あそこがあるから萌萌評価です。あの終わり方だけ採り上げるなら神でもいい。
日陰者かつ死なば諸共なだけではなく、あの窓があることによって彼らのこれからの人生にささやかな光が入る瞬間もあるんだろうなと僅かな希望を抱くこともできる。
あれがなかったら、萌〜中立だったかもしれない。
大島さんの作品、全部読んでるけれど(作家買いしてるつもりはないけれど、結果的に全部読んでる)作風が幅広いですねぇ〜。
メリバっぽい今作の次は、アイドルものだったし。
次作も楽しみです。
冒頭の「1929年6月」で幸せな展開は望めないだろうなと分かる作品。表紙や中のカラーページの華やかさで上げられて、即落とされる。このタイトルにした理由も謎。刺さる層にわざと届きにくくしてるのかってぐらい、見える部分の擬態が強い。数ページめくれば登場人物が株とか言い出すからたまったもんじゃない。暗黒前夜だぞやめてくれ。家族があるんだろアーサー…!!!
大島先生の作品は雰囲気こそ淡々としているものの、暗くはない印象だから意外だった。こういう漫画の主役はカナッペとりすぎたりしないんだよ…!!!ほんと大島先生の緩急のセンスは謎である。いつもなら嫌いじゃないんだけど、手放しに喜べる展開ではない(というか最早胸糞作品ともいえる。)作品にはシュールなタイプの笑いは求めてなくて。
このまま2人野垂れ死ぬのかな…いっそそこまで描いてくれ。
1話目は、やたら色気あるいい男2人の大人の関係、萌えるぜ!と思いながら読んでいたら、まさかこんな過去があったなんて、まさかこんな重いものを背負っていたなんて...
重くて仄暗いストーリーですが、二人の間にある愛や恋は本物で、でもだからこそ上手くいかないとこもあって...
とにかく、読み終わったあともしばらくこの作品の余韻に浸っていました。
どんな世界でも、どんな人生でも、ただお互いがいればいい。
そんな2人の映画のような物語でした。
これは・・・メリバ、ですかね??
優しい雰囲気の大人の恋物語かな?と思って軽い気持ちで読みはじめたので衝撃が強いです。過去も現在も未来もずっと薄暗い・・・光属性にとっては読んでいて息が詰まりそうになる一冊。
アメリカの上流階級?に生まれた白人と、中華系の父と不本意に孕まされた白人の間にできた混血児。もうこの時点でだいぶダークなのに、マフィア、殺人と・・・。
二人の関係性は、甘い瞬間もあるのですが、手放しに萌えるのは難しかったです。これを切ない、萌える、と感じられる方にはたまらない一冊だと思います。
全体的な描写などは素晴らしいと思うので、萌ではなくその技量に加点したく、中立です。