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花降楼シリーズは、一部の作品しか読んでいなかったのですが、自分の中での何度目かの花降楼シリーズブーム到来!!!で、今まで未読だった巻を読んでいるところです。
読んでいて思うのは、毎回様々なキャラクター、お話の展開になっていて、マンネリ感や飽きを感じさせない作品だな~という事です。
今作の受け様である色子の撫菜は、歴代のキャラ達の中でも異例なタイプだな・・・と思いました。
良い暮らしを一度もしたことがなく、更には親からも愛されず・・・(歴代キャラは割と良い暮らしをしていたが没落パターンor貧しくてどん底生活でも親には愛されていた・・・パターンが多かった)、更には正直あまり賢くない・・・というキャラです。
なので、撫菜目線でお話が進む時は、ひらがなが多くて、難しい言葉も出てこなくて、ちょっと子供のお話を読んでいるような錯覚を覚えました。
そもそもオープニングから、「昔々あるところに○○という子がいました。その子は・・・」というような雰囲気を醸し出す進行になっています。童話みたいに感じました。
この作品はドラマCDを先に聴いていたのですが、その時は展開が急すぎる印象でちょっと良く分からない部分があったんです。
なので、今回原作を読んでみて、色々としっくりきまして、解決しました。
ドラマCDでもそうでしたが、今回は楼主と鷹村がなんとも妖しい雰囲気を醸し出していて・・・
謎多きこの2人のお話も執筆していただけないかなぁ~と切望中です。(シリーズ近刊のあとがきには、そろそろ鷹村のお話を・・を作者様が書かれていたので、期待しています。)
同時収録作品として、「愛で痴れる夜の純情・前夜」という綺蝶と蜻蛉のほのぼのエピソードが収録されています。
(投稿後加筆修正しました)
花降楼シリーズ第七弾になります。
時期としては玉芙蓉が身請けされて行ってから数年経ち、綺蝶が傾城として一本立ちした頃のお話です。
今回の主人公、撫菜は貧乏子沢山な家庭で産まれ、相手の手が上がると殴られるんじゃないかとビクビクする癖がついてしまうような家庭環境で育ちました。
そんな中で唯一褒めてもらえたのが身体だったんです。
そんな撫菜なので、花降楼に来たことをわりと前向きにとらえています。
客も仕事も嫌いではなく、家にいた頃よりもいい暮らしができている。
でも完全に開き直っているわけではなく、身売りをするのはいけないことのような気がするという意識は持ち続けていて。
でもそんな仕事に自分は向いているという自覚もあって。
なので攻めの氷瑞には色子だということを知られたくないんです。
でも自分の取り柄は身体しかないとも思っているから、氷瑞を慰めたり御礼をしたかったりすると簡単に誘ってしまったりもする、ちぐはぐさを持ち合わせていました。
ここまで書いた感じだと、なんだかとっても切ない感じですが、作品の雰囲気は暗くなりません。
それも撫菜のキャラクターゆえというか、簡単に言うと撫菜が結構なアホの子だからだと思います。
育ちは良くないけれど素直で可愛い、無自覚ビッチなアホの子受けといった感じ。
氷瑞のキャラクターや過去など暗く重い部分があるし、撫菜も色々悩んだり苦しんだりしているんですが、根が真っ直ぐなので沈まずに読んでいくことができました。
…ですが折檻シーンはもれなく苦手です。
他のトンデモ設定は楽しめるのですが、折檻だけはいつの時代よ!?な気分になってしまいます…
まあ、あれがあったからこそ氷瑞の最後の踏ん切りがついたのだとは思いますが。
同時収録は第二弾のメインカップル綺蝶と蜻蛉の小話です。
綺蝶が水揚げされたばかりで蜻蛉はまだ新造の頃、二人がまだ仲違いする前です
相変わらずの蜻蛉のやきもきした気持ちと綺蝶の独占欲が感じられて、ほのぼのと可愛いお話なんですが…この二人の今後を思うとどうしようもない切なさに襲われました。
鼻血で出血死しちゃうじゃないですか!!
でもとっても良いと思います。
そう、身体は淫らだけど、心は純情なんです。
今回もタイトルが秀逸ですね。
どなたがつけてるのかしら。
まぁそんなとこはさておき、感想をば。
受けの撫菜ちゃんの素直さで愛嬌のある所では、可愛らしさに読者のこちらもにこやかになります。
ですが、床に入る場面になると、淫らな身体が抑えられない・・・。
あまりの萌えに立ち眩みと息切れを覚えます。
でも、この快楽に非常に弱い身体の持ち主って、彼(撫菜)の過去から考えてみたら哀れさの象徴なのかなぁ、とも思います。
だって初めて、自分が必要とされて、誉められたものが具合の好さなんですよね。
全くの憶測なんですけど、この初めて誉められた事が強く自分の中で残り、そしてセックスは誉めてくれる嬉しいことだとインプットしちゃったんじゃないかなぁ。そして誉めてくれる=自分を見てくれてる=嬉しいな、俺も好きだよ!という気持ちに発展していき、抱かれることに対しての感情に嫌悪はなく、むしろ好きという心情だった。
だから身体もとても受け入れやすく、行為に快感を覚えやすいんじゃないか!?、とまで考えたんですけど
ふふ・・エロを真顔で考察するのってなかなか羞恥プレイ・・。
まぁでもどんな事情があれ、読者や撫菜ちゃんの旦那衆からしてみれば垂涎ものの美味しそうな身体なんですけど。目先の欲望に弱くってスマン!
読みふけっている時は、この考えなど勿論思い立っていません。しかし撫菜ちゃんの、励ましたい、喜ばしたい時に出てくる言葉が「ヤッとく?」なんですよね。これが場面によってはトンチンカンさに吹き出したり、今までどう扱われてきたか偲ばせ、痛々しさを感じたり・・・。
攻めの氷端さんには嫌われたくないからその場限りの嘘をついちゃうんです。
質問に対して、解釈によっては、とか、ある部分は本当だと自覚しながら答えるって嘘だよねー、と思ったんですけどちょっと厳しかったかしら。
他ではあまり姿の見えない桜主さんですが、今回は身内が攻めなのでかなり出張っています。全く語られていなかった桜主の過去も知れます。
しかし、二人の恋を結びつけるために悪役を引き受けたと豪語していましたが、意地悪している時はかなりウキウキしてたように思ったんですが(笑)
二人の恋を応援は一割で、氷端さんへ思いっきり意地悪できる・復讐が九割だったんじゃないですか(笑)
とっても素敵な作品なんですが、終わり方がえらく早足だったように思います。
綺蝶×蜻蛉の番外編分を本編に使ってくださったらなぁ~。
少し残念でした。
健気系じゅんじゅん(福山さん)でした。
兄弟が多くて売られてきたのに「みんなの役に立てるから」と喜んで色子になるような。
仕事も自分が必要とされている感じがするからどんなことがあっても受け入れられる。
偶然、出会った氷瑞に一目惚れして、どうせもう会えないと思っていたのに楼主に会えると唆されてゲームをすることに。
色子であることを隠さなくてはいけないけれど、それよりも氷瑞に会えることの方が嬉しくて。
一方の氷瑞は妻を亡くし、それを自分のせいだと思っているふしもあって。
なかなか感情が見えないような部分もありつつも、撫菜といるうちに次第に情を通わせるようになって。
どちらも本当に相手のことが好きなんだなーと感じられました。
この氷瑞のゆーきゃん(中村さん)の声がかなりステキvv
温度の低い男前声とでもいいましょうか。
あまり気伏は激しくないんだけども、撫菜に騙されたと思って乱暴に扱う時の抱き方とかの荒々しさとかには激しさもあって。
そこがステキ。
最後はなんだかあっさり収拾がついてしまった感はないでもないですが、じゅんじゅんもゆーきゃんもステキだったのでヨシとしましょう。
そ・れ・よ・り・も。
今回気になったのはやはり楼主と鷹村。
これまでも何かとあやしさを感じさせる部分があったような気もしないではないのですが。
今回の2人のやりとりの感じが非常にかけひきめいてて、親密さも感じられて好きです。
この2人もどうにかして!
フリトはじゅんじゅん、ゆーきゃん、成田さん、遠近さんで「褥」にまつわる話?
特典フリトも同じメンバーでこちらは方向音痴の話と名前の由来。
結論からいえば、4人とも方向音痴のようでした。
方向音痴あるある的な話をしてました。
私もわかります。
名前の由来は結局、ゆーきゃんだけ話してないんじゃ…。
じゅんじゅんは某アニメから兄弟揃って付けられようとしたのを母親が阻止して付けた名前(兄が生まれた時点でどうやらじゅんじゅんの名前も発生した模様)
成田さんは本名は「勉(つとむ)」だそうで、母親の知り合いにいろいろ見てもらった結果、芸名として「剣」になった模様。
最初は恥ずかしくて現場でも名前が言えなかったとか。
遠近さんは父親から「孝」を取って、長男なので「一」
ゆえに「こうい」まで父親とかぶってるとか。
あとはペットの話があって、ジュウシマツにまつわる遠近さんのエピソードとか。
一応、本編の基づくお題にはなってるんだけども、なんかまるでフリトのような印象でした(笑)
男たちの廓・花降楼で働く撫菜。
体を売ることに嫌悪感を感じたり、葛藤を感じたりする者の多い中で、撫菜は仕事が嫌いではなかった。
幼い頃から、子だくさんの家庭で生まれ、あまり自身を顧みられることのなかった撫菜にとって、客に優しくされることでさえも喜びであったし、気持ちのいいことも嫌いじゃなかったのだ。
そんな最中、偶然知り合った氷瑞の冷たい中に垣間見える優しさに惹かれるも、色子の身ではそんな感情は御法度だし、もう二度と会うこともないだろう……と諦めていた。
だが、楼主に呼び出された撫菜は意外なことを聞かされる。
実は氷瑞は、楼主の縁の者だと言うのである。
楼主に「あの男を虜にすることができたら……お前を自由の身にしてやろう」と甘い言葉をかけられた撫菜は、氷瑞を虜にすることなんて、絶対に無理だ、と思いながらも、氷瑞に会いたい一心から、撫菜は負ければ今より酷い境遇の河岸見世に送られるというその賭けを引き受ける。
そして、氷瑞と再会を果たした撫菜は、来る日も、来る日も、氷瑞が訪れるのを待って、うどん屋に通い詰めていた。
そんなある日、客の一人と路上で会話するところを氷瑞に見られ、どういう訳だか怒った氷瑞に対して、撫菜は勢いで体の関係を持ってしまう。
それを楼主に知られた撫菜は、氷瑞の本当の仕事を教えられて……
もう会えない、と決意をする撫菜に氷瑞は本当の撫菜の仕事を突き止めて追って来る。
そのまま撫菜を買い切りにする氷瑞に、撫菜は何か出来ることをと考えた挙句……という話でした。
簡単に言ってしまうと、ちょっと頭が弱くて、人の悪意に慣れ切ってしまって、ほんのちょっとの人の善意に喜びを見出す撫菜と、人を全く信用していない氷瑞の話……でした。
撫菜に対して、最初氷瑞は騙された! と猛烈に怒るのだけれど、結局最後は、その撫菜の裏表のない純粋さに惹かれてハッピーエンド、でした。
ちょっと今までの花降楼の話とは違って、色子があくまでも受け身……というか、現状を享受する力にあふれた話でした。
多分、今までで一番、あるがままを受け入れる力があるのが、撫菜なんじゃないかなー……素直だし。
ちょっと大分毛色の違う話でしたが、とっても面白かったです。
このシリーズは切なかったりいろいろするので、大好きです。