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表題作この愛、売ります

汐崎秀,在学中に起業した汐崎エンタープライズ副社長
相葉哉都,ある誤解から攻様の愛人となるジゴロ

その他の収録作品

  • afterwards
  • 温泉の効能

あらすじ

哉都の前に札束を積んで「俺がおまえを買う」と言う男―今では大企業の副社長を務める汐崎は、哉都が学生時代に淡い恋心を抱いた相手。
「俺は優良物件だろう。家族もないから頻繁に通える」朴念仁のくせに傲慢な態度の汐崎に、契約愛人としてプライドを刺激された哉都は、揶揄うつもりで汐崎と愛人契約を結んだ。
けれど、まるで新婚のような汐崎との生活も、予想外に情熱的で優しい汐崎の愛撫も、哉都には落ち着かない。
愛を売ることに慣れた心と身体が溶かされる…契約ロマンス。

作品情報

作品名
この愛、売ります
著者
妃川螢 
イラスト
一馬友巳 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
この愛、売ります
発売日
ISBN
9784877249052
3.1

(13)

(0)

萌々

(3)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
11
得点
40
評価数
13
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数11

誤解×3

ただのすれ違いならいいのですが、こちらはひとつの誤解が更なる誤解を招くタイプの話です。
なんかもう攻めの汐崎がいやなタイプで前半は彼にイライラさせられていました。冒頭の哉斗の話も聞かないで「そうだろう」「こうだろう」と決めつけて一方的に責め立てるシーンは正直かなろイラッとしました。
それが二人だけの問題ならまだしも、兄夫婦も巻き込んだ話なのだから呆れます。
見たまま決めつけるんじゃなくてもう少し考えたら?と思いました。これ誤解のキレる相手だったらヤバかったですよ。
でも兄夫婦も同じような誤解をしててなんかもういいやという気分に。

嫌いじゃありませんが、こういうふうに誤解が終盤まで解けないようなストーリーは少しストレスが・・・。

0

来る場所と帰る場所

愛人契約──自分を売りものにしてきた哉都。
そんな突然現れた男はかつての同級生で、多大な誤解をしながら哉都を責め、そしてなぜか自分と契約しろとせまってきたのだが──。

誤解、誤解、誤解のオンパレード。
ひとつ歯車が狂えば、こんなにこんがらがってしまうものなのでしょうか。
哉都も汐崎も素直じゃないし恋愛初心者だし鈍いし…で、もう読んでいるこっちはじれったくて仕方ありません。
二人とも自分のことでいっぱいいっぱいで相手のことまで見る余裕がないから余計こじれていくんですけど。
第三者からしたら、『もう勝手にやって…』状態。

突っ張って意地を張りながらもかいがいしくお世話をする哉都がかわいい。
仮初の言葉ならポンポンと吐き出せる哉都が、汐崎に『愛してる』といわれて照れるところも。

一方汐崎は朴念仁です。でもエッチは強い。
朴念仁はエッチが強いってもうテンプレなのかしら?笑
でも汐崎は自分の気持ちを自覚してからはかなり素直なので、そこらへん哉都は戸惑って照れてばかり。

自分は『来る場所』であって『帰る場所』ではない。
その言葉が、いかに哉都がぬくもりを欲しているかが伝わって、切なくなりました。
これで哉都は、帰る場所に…なったかな?

0

再会ものですが

表題作と、その直ぐ後を書いた「after wards」、甘い後日談の「温泉の効能」が収録されています。

大学時代の同級生ではあるのですが、二人は互いに意識しながらも声をかけることもなく別れます。そして、哉都(受け)は、兄との関係を誤解した汐崎(攻め)と再会します。誤解から汐崎と愛人契約を結ぶことになり、最終的には恋人同士になります。

哉都と汐崎、両方の目線で語られるので、互いの気持ちが分かりやすいです。互いに、大学時代で親しくなれなかったことを後悔しつつ思い出すのですが…面白いのは二人とも、それ以外の大学時代のことや、子供時代、卒業してから今までの過去を語りません。哉都は「帰ってこない親を待つ」「十五から身体を売り物にした」とはありますが詳細な事情はありませんし、哉都が怪しんだ汐崎の過去の経験とか一切でてきません。気になります!

二人の再会した「今」の恋愛模様のお話でした。
誤解した人の話を聞いて、更に誤解して、それからまた…と誤解の連鎖で生じた物語は良かったのです。コミカル度合いがもう少し高かったらもっと面白かった気がしますが、そうすると嘘くさく感じてしまったかも…加微妙な加減だったと思います。週末汐崎が来なくて泣く哉都が可愛かったです。

続編として「この愛、買います」が発売されており、あらすじに哉都の元オーナーが登場するとありましたので、そちらに二人の過去なんかが出てくるのではと期待しています。

0

誤解のオンパレード、面白かったです

題名と色気のあるイラストに萌えを感じて購入。

朴念仁、傲慢•俺様攻の汐崎×契約愛人=ジゴロ、男前ツンデレなんだけど、健気な所もある受の哉都。
大学の同級生だったけれど、言葉は交わした事はない、でもお互いに気になる存在で、それが社会人になって、ある事がきっかけで最悪な再会をしてしまうお話しです。

汐崎の兄夫婦や兄嫁の弟千昭×部下(年上)の達川という人達が登場するんですけど、それぞれが誤解×誤解のオンパレードですれ違っているお話です。そこまで拗れさせなくてもと思うんですけど、誤解•すれ違いはBL王道展開(笑)私は好きなので、楽しく萌えながら読ませて頂きました。

結構情熱的で優しく、甘え甘えエロ汐崎と、いつもはツンツンだけど、汐崎の体を心配して、栄養のバランスを考えた料理を毎日作り帰宅を待つ、意外に健気な哉都。なんとか両思いになっても、痴話喧嘩ばかりな二人なんですけど、新婚さんみたいなラブラブぶりは読んでて微笑ましかったです。
汐崎が「愛してる」と言葉にすると、真っ赤になって照れる哉都や、最後の温泉話では、お互いに「愛してる」と伝え合いラブラブな二人が読めたので萌えポイントUPでした。

続編も出ているみたいなので、ぜひ続きも読みたいと思います。私は、今回の誤解を生み出した元凶は、千昭×達川のお騒がせカップルだったと感じているので、続編で、この二人のその後が読めたらいいな〜と思ってます。このカップルも大変そうですけどね‥。

大人の不器用な恋愛ものを読みたい方、誤解•すれ違いで、グルグルBL王道展開が好きな方にオススメです。最後はハッピーエンドなので安心して読めます。

2

こじれにこじれて。

 哉都の前に突然現れたのは、かつての大学の同級生・汐崎。
 彼は、哉都と彼の兄が愛人関係にあると思い、「関係を解消してくれ」と言いに来たのだった。

 確かに哉都は、「ジゴロ」を仕事にしていて、愛と身体を売ってはいたけれど、彼の兄とは関係を持ったことなど一切なく、完全に汐崎の勘違いであった。
 けれど、はなから哉都の言い分など聞く耳を持たず、手切れ金まで差し出して自分の思い込みだけで話を進める彼に、哉都は「所詮その程度にしか思われてないのか」と意地になった哉都は売り言葉に買い言葉で、ついつい関係を認めるような発言をしてしまう。
 すると、あろうことか汐崎は「俺がお前を買う」と言い出す。
 それこそ、冗談じゃないと思った哉都だったけれど、汐崎の言い草に、契約愛人(プロ)としてのプライドを刺激され、その条件を飲んでしまう。
 それきり、哉都の住んでいるマンションを「愛人に買ってもらったものだろう」と決め付けられ、連れ出されてしまった哉都は、汐崎が用意するマンションで生活することになる。

 いきなり無体な行為をしかけられたため、「したくない」と言えば汐崎は手を出さず、哉都の作った料理をおいしそうに食べて帰っていく。
 哉都が望めばもちろん、身体の関係も持つけれど、基本的に汐崎の哉都に対する扱いはとても丁寧であった。

 そんなまるで新婚のような生活に慣れない哉都は落ち着かない――という話でした。
 そんな折、友人である汐崎の義理の弟と会っていたことを、他の愛人と会っていたと勘違いされてしまい――

 という話でした。

 実は哉都は、大学時代に汐崎のことを「いいな」と思っていて、けれど自分とはまったく違う世界に生きている人間だと思っていたので、話しかけることもなく、たまたま重なった空き時間をいつも決まった席に座っている汐崎を見つめるだけで終わっていて。
 また、汐崎もそんな自分を見ている哉都を、気にしていて。

 卒業して数年が経った再会の暇でも忘れていなかった……というピュアっぷり。
 どっちもどっちなんですが、はっきり一言「好きだ」って言ってしまえばいいのだけれど、どっちも素直じゃないからその一言が認められなくて。
 結局、こじれにこじれてしまった――という。

 なんというか哉都の意地の張り方がとってもかわいくて。
 おまけに、愛を売り物にしてしまったがゆえに、売らない愛のささやき方がわからなくて。
 そいう不器用なところもかわいいなーと思わせてくれる作品でした。

2

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