電子限定おまけ付き&イラスト収録
櫛野先生は人外ものを多く描かれる作家さまのイメージが個人的に強いのですが、今作品はゴブリンが主人公。ゴブリン、というか、ゴブリンと人間のハーフが受けちゃん、という設定のお話です。
森の奥深くで、ひっそりと一人で生活しているリュイが主人公。
表紙の右側の彼です。
22歳の彼が生まれる前の30年ほど前のお話。世界には魔王が魔物を操り、人間たちを恐怖に陥れていた。が、一人の勇者が立ち上がり魔王をせん滅。魔王亡きあと、操られていた魔物たちは正気を取り戻し、世界に平和が訪れた。
これからは魔物も人間も仲良くしようー。
そんな時にリュイの両親は出会い恋をして、リュイが生まれた。
リュイの父親は人間、母親はゴブリンだ。が、人間の姿をしているもののゴブリンの特徴でもある緑色の肌は斑に広がり、そしてとがった耳を持つリュイは人にも魔物にも受け入れられる存在ではなかった。それでも、両親はリュイを愛し、三人平和に暮らしていたが、ある日母は病にかかり、その病を治す薬を手に入れるために父は森を出ていき、それっきり3年という月日が流れた後も森に帰ってくることはない。
孤独に一人で父を待つリュイではあるが、魔物の友人やリュイが育てている薬草を買いに来てくれる商人もいて、それなりの日々を過ごしている。
が、そんなある日、森でリュイはケガを負った一人の騎士を見つける。こんな森になぜ?と思ったものの、彼の目に失明してしまう危険性のある花粉が付着しているのを見て、思わず助けるために声をかけてしまったリュイだったがー。
というお話。
リュイ視点でストーリーは始まりますが、この騎士・レオン視点と交互に切り替わりながら描かれていくので、二人の感情が分かりやすく感情移入しやすい造りになっています。
リュイは人間とゴブリンのハーフ。ということで孤独に生きてきた過程が読み取れて、序盤から一気に萌えを掴まれました。リュイが可愛いんよ…。母を病で亡くした過去から、彼は病で苦しむ人たちの助けに少しでもなりたいと尽力を惜しまない。
そして、一方のレオンも。
彼が傷つき、森の奥に逃げ込んできた経緯。
彼の素性。
そして、彼が成し遂げたいと願っている「こと」。
レオンもまた、リュイと同じように清廉な魂を持つナイスガイなのです。
一時的に目が見えなくなっているレオンと、ゴブリンと人間ハーフであるという素性を隠したいリュイは、けれどお互いを思い遣り優しい日々を過ごすうちに少しずつ心惹かれあっていくけれど。
レオンの素性と、リュイの隠したい魔物とのハーフであるという因子。
これらが上手に絡み、レオンの目的と、二人の恋の成就というバックボーンが過不足なく進んでいくストーリー展開に圧倒されました。
リュイは一人で暮らしていますが、でも、彼にかかわる人物はいます。
人間の商人であるカガリ。
魔物の友人・フラム。
彼らがまた良い味出していてですね、最後の最後までナイスなのです。
魔物と人間の、過酷な過去から生み出されてしまったすれ違い。
これに関してもきちんと描かれていて、バックボーンとしてはシリアス寄りなのですが、シリアスすぎずに、けれど軽視することなく終始温かな展開を見せるところも非常に良かった。見た目とか種族とか。自分と違うものを排除しようとするのではなく、お互いに歩み寄り、心を割って話し合うことで信頼関係は築けるのだと。多くの方に読んでほしいと願わざるを得ない、心温まるストーリーです。
挿絵を描かれている石田さん。
石田さんて綺麗な絵柄を描かれる作家さまですが、ちょっと色香が強いっていうのか。エロ度が高いというのか。そんなイメージがあるのですが、今作品の絵柄はとっても優しくてきれいでめっちゃ良かった。
今作品には、様々な形の「諍い」が描かれています。
けれど、それを上回る、愛情とか人の優しさとか、家族愛とか。それらもきちんと描かれています。
話し合い、相手を尊重し、自分と違うものにも歩み寄ることの大切さを説いた一冊。読後心がほっこりと温かくなる、そんな優しい作品でした。
初読み作家さんでしたが、読みやすくて他の作品も読んでみようかなと思いました。
ゴブリン受け(といっても人間とゴブリンのハーフ)ですが、こちらも問題なく萌える事が出来ました!
異世界転生ものも好きなんですが、ガッツリファンタジーもいいですね。ドラゴンとかゴブリンとか魔法とかが沢山出てきて、やっぱりこういうの幾つになっても好きだな〜と思いながら読んでました。
攻めのレオンが受けのリュイの見た目を見た時、酷いこと言ってリュイを傷つける展開が来たらやだなぁ…って読んでる途中に思うぐらいにはリュイの事が好きになっていました。(レオンは良いやつなのでマルっと受け入れてくれて読んでて安心できました。)
あと挿絵が素晴らしい!石田先生はこういうファンタジー系、本当にお上手ですね…!
大変面白かったです。
なんて可愛いゴブリン!
ゴブリンっていうと、ハリー◯ッターに出てきたりする緑色の小さい妖精(妖怪?)のイメージが強いですが、この作品の主人公のゴブリンはBLのフィルターが掛かってるせいか、美しくて可愛い…それに健気でとても優しい。
…つまり、ゴブリンだけどゴブリンらしくない主人公の魅力がたーーっぷり詰め込まれたお話ですψ(`∇´)ψ
人間と魔物が共存する世界…だけど魔物は人間を襲うとされ忌み嫌われている設定です。
リュイは人間とゴブリンのハーフで、人間との接触を避けて生活してきましたが、ひょんなことから目を負傷した騎士のレオンを助けることになりました。彼の目が完治するまで同居することになったリュイの生活は、今まで知らなかった感情を芽生えさせていく……という、正体隠しのスパイスが効いたドキドキな同居生活へとGOしていきます。
レオンの目が見えないってところが非常に良い効果を果たしています。リュイを見た目で判断することができないぶん、深く本質に触れることができるので、レオンの嘘偽りない感情を煽ります。心優しいリュイに抱いたレオンの恋心は、彼が魔物のハーフだと知ったときにも同じ気持ちでいられるのか、バレた時どんな態度をとるのか…そこが気になって仕方がない!
正体がバレないで欲しいような、バレて欲しいような…そんなムズムズ感に襲われるのは必至。姿が分からない状態で好きになった相手が実は……なサプライズ効果により、この物語は後半に向けて一層盛り上がりを見せていきます。
また、正体を隠しているのはリュイだけでなく、実はレオンにも言えることで、ダブルのシークレットが楽しめます。
魔物と人間のいる世界観や身バレドキドキ、国の後継者争いなどなど色んな設定が盛り盛りで、見逃せない展開が目白押しなので、よそ見厳禁で読んじゃいましょう^ ^
レオンとリュイの出会いやお互いに惹かれていく恋心が、国の行く末を左右する大きなスケールのストーリーに発展していく流れは見事でした。魔物と人間の種族問題もそこに絡ませ面白さがどんどん膨らんでいきます。
過去の歴史から生まれた2つの種族の対立構造が変化していくところは注目ポイントです。リュイとレオンのことがなければ変わることがなかったであろう種族の壁の問題もスパッと解決し、国の未来が明るい方へ歩み出す勧善懲悪の戦いは非常に見応えがありました。
魔物とて見た目以外は普通の人間と心は変わりません。結局このストーリーの中で一番の"魔物"…つまり恐れられる存在なのは、私利私欲にまみれた醜い心を持つ者だったということ。…それはどんな偉い立場の者であっても例外ではないんですよね。
そんなところも含め、BL以外にも色々と考えさせられる物語でした。
恋をするのに姿かたち、種族は関係ない。見た目に恋するんじゃない、中身に恋したんだ!…な、胸があったかくなる深い愛にキューンなっちゃいました。
可愛くて優しいゴブリンのハーフのリュイが健気で、みんなから好かれる理由も納得です。レオンの独占欲と嫉妬がこれから大変そうですが、たくさん愛されて幸せになって欲しいと思います(*´꒳`*)
エロス度★★★★★
レオンとリュイが紡ぐ恋物語・・・開幕♡
王子様とハーフゴブリンが恋に落ちるストーリーがとてもロマンチック。
石田先生の描く挿絵が神がかる眼福さで、レオンの肉体美やリュイの美しさが芸術的。
傷を負い、目が視えない状態のレオンを介抱するために一緒に生活を共にすることになったリュイ。
自分の姿を見られないことに安堵しながらもレオンを好きになってしまうリュイや姿が見えなくてもリュイの魂・心に惹かれ愛を囁くレオンがたまらないです。
それぞれの立場・境遇の苦悩を乗り越えて愛し合う2人が尊い・・・。
評価は神寄りです。評価悩み中。。。
ゴブリン受けに2度見して購入に至りました。
ゲームなどをやらない私が知るゴブリンは
転○ラor異世界放○メシのイメージなんですよね;
前者はとっても穏やかで可愛いんですが
後者は怖い顔をした典型的なTHE魔物!でした。
(がっつり駆逐されてたし…)
(耳も削ぎ落とされてたし…)
そんなゴブリンがBLになるとは ( ゚д゚)!?
石田さんの挿絵なら大丈夫だろうと思いながらも
ゴブリン受けは未知なる扉を開く気分ですねぇ…。
ーーーと読む前は思ってました。
それが蓋を開けてみたらもぅね…!!!
『ゴブリン』に対し先入観を持っているからこそ、
ガツンと来るんですよ…! この物語は…!
( `д´)⊂彡☆))Д´) ガツーーーーン
《人は見た目が9割》という言葉を思い出しました。
いわゆるメラビアンの法則にあてはめると、
他者から受け取る情報の大半は視覚情報であり
それが人間の感情や行動に大きな影響を与えるっていうアレ。
・人間とは違う異形の容姿
・ゴブリンという生き物への先入観
・魔物は人間を襲うという過去の例
これだけ揃えば嫌でも警戒心は抱いてしまいます。
じゃあ、、、
・ゴブリンと知らなければ?
・人間とは違う異形が見えなければ?
先入観なし!視覚情報もなし!
ただただひたすら相手の本質に触れて相手を知る。
本来ならば一番理想の形だけどとても難しいです。
この作品はその部分をクリアして、
・先入観なしで本質でゴブリンに惹かれた人間
・先入観に恐れて人間と偽ったままのゴブリン
という、、、もぅ!もぅ!いろいろ考えさせられる作品なんですよーーー!!!
作者さんの持ち味かな?
ベースは甘々の溺愛が見て取れる超王道です。
でも先の展開が見えるようで見えなくもあり、
続きが気になって気になって一気に読み上げちゃいました。
種族違いゆえの先入観。
周囲に立ちこめるきな臭い空気。
種族を隠したままの恋のゆくえ。
これらが三位一体にまとめ上げられて、
とても面白い物語だったと思います(∩´///`∩)スキ!
個人的には、
ゴブリン受けの心が引き裂かれそうになりながらも
身を引いたシーンが切なくてアカンでしたね(;ω;)
目が見えない人間攻めは何も知らないままで(;ω;)
2人の温度差がめっちゃ刺さりました。
あと孤独ワードに弱いので涙腺ガバガバでした。
(正直父親はクソだと思ってる)
(ここだけは後味良くなかったな…)