電子限定おまけ付き&イラスト収録
小説
勇者の息子の王子 × 人間とゴブリンのハーフ
勇者が魔王を倒し、平和が訪れました。
魔王に操られていた魔族たちは理性を取り戻し、平和な世の中になります。
それでも人間たちは魔族を恐れ嫌悪し時には攻撃してきたりします。魔族たちは人目を避けて森の中で暮らしています。
人間の父とゴブリンの母を持つリュイ(受け)は三年前に母が病で亡くなり、父は母の薬を探しにいったまま帰ってこないため、1人寂しく暮らしています。時々訪ねてくる商人たちや友人のウェアウルフが訪ねてくるきりです。
そんなある日、賊に襲われ怪我をした人間、レオン(攻め)を助けます。リュイはハーフなため人間にもゴブリンにもない容姿をしているため、人を避けていたのですが、フランは眼を痛めているためリュイの姿が見えず、普通の人間だと思っているので治るまで世話することにするのです。
人間とゴブリンのハーフって、もう少しパーツごとに似てるところがあると思ってたんだけど、リュイは右半分がゴブリンで左が人間というセパレートに外観に違いが出ています。
レオンの目が治るまでと世話をするのですが、お互いどんどん惹かれあってしまうのです。
このままほのぼの進めばよかったのですが、実は勇者の息子で王族のレオンは姉アンナと兄ルーカスの王位継承問題に巻き込まれてしまうのです。
劣勢のルーカスの反転攻勢か始まり、それに魔物たちが利用されてしまいます。
リュイはリュイで、自分の本当の姿を見られるのを恐れて逃げてしまう。
魔物たちを利用するルーカスの行動はまさに勇者に倒された魔王と同じ行為だとなぜ気がつかないのか。
彼が何故そんなに王位に固執したのかと思うと切ないです。
今回のことがきっかけで、人間と魔物との仲が良くなっていきそうな感じになって、これから皆で手を取り合って平和な国になるだろうという流れのための必要悪だったのでしょうか。
2人は甘い時を2人で過ごすにはやることがまだまだ多いですが、孤独なリュイが幸せになれてよかったです。
エロス度★★★★★
レオンとリュイが紡ぐ恋物語・・・開幕♡
王子様とハーフゴブリンが恋に落ちるストーリーがとてもロマンチック。
石田先生の描く挿絵が神がかる眼福さで、レオンの肉体美やリュイの美しさが芸術的。
傷を負い、目が視えない状態のレオンを介抱するために一緒に生活を共にすることになったリュイ。
自分の姿を見られないことに安堵しながらもレオンを好きになってしまうリュイや姿が見えなくてもリュイの魂・心に惹かれ愛を囁くレオンがたまらないです。
それぞれの立場・境遇の苦悩を乗り越えて愛し合う2人が尊い・・・。
こちらの作品を簡単に説明しますと… ”聖人同士の恋” です。
なんか、永遠に仲良しなおじいちゃん&おばあちゃんを見ている感じw
ラブラブすぎてこっちまで照れちゃうぐらい素敵な関係でした。
何気ない日常の中で 徐々に愛が~♡ みたいな流れに弱いので、
ストーリーの後半が特に好きでした。が、しかぁし!!
後から首をかしげるポイントが少しずつ現れてきて、
それが積み重なって最終的に評価が「萌2」に落ちました。
疑問点①-『都合のいい魔法』
リュイがたまに便利な魔法を使用しますけど、そこは別に気になりません。
問題はリュイの祖父。高度な時間停止の魔法を使ってましたよね。
メインテナンスフリーの庭。家畜も一週間眠った状態でもOK。
でもそれってさ、ゴブリン族の死病の進行を止めたりできないのかな?
例えば、少しの間だけでも感染者を眠らせて治療法を探す、とか?
ネイシャが慌てて子供を連れ回す必要がなくなりますよね?
まあ、ここはまだスルーすることができました。
疑問点②-『耳と牙』
リュイにはゴブリン特有の長い耳と二本の鋭い牙があります。
あれ、初めてチュッチュした夜… よくバレなかったね ( ̄▽ ̄;)
当時のレオンもまだ完全に目が見えてなかったから、
顔の位置を確認するためにもっと触ってくると思うんですけど?
変な意味でずっとハラハラしながらそのシーンを読みましたw
疑問点③-『ギィの実』
ただの果物が魔石の支配力を妨害するなんて急展開だし、
いくらなんでも無理がありすぎ。
疑問点④-『リュイの父親』
物語にとって凄く重要な要素が最後の最後であっさり解決☆!
なんか強引にハッピーエンドにした感じが好きじゃなかったです。
てっきりルーカスに捕まっていたとか、もしくはもう死んでたとか、
そういうオチを期待していたので個人的に少しがっかりしました。
長々となんだかんだ言いましたが、全体的に癒される作品でした。
お互い心が清らかな可愛らしいカプが読みたい方にオススメ。
さて、今年はもっとBL小説を読むぞ!
櫛野ゆい先生の作品は初めてなので、拝読させて頂くのがとても楽しみでした。
個人的、各項目5段階で
ファンタジー 4
健気 4
家族愛 3
エロ 2
な感じだと思います。
第二王子のレオンハルトさん×ゴブリンと人間のハーフのリュイくんのカプです。
森の奥深くでひっそりと暮らすゴブリンと人間のハーフのリュイくん。そんなある日、植物の花粉で一時的に目が見えなくなってしまったレオンさんと出会う。目の治療をする間、一緒に過ごすようになった2人。今まで経験してこなかった、誰かとの何気無い挨拶や生活に喜びを感じるリュイくんだったが…。
表紙では気付かなかったのですが、口絵でリュイくんの見た目にちょっとビックリしてしまいました。ごめんなさい。でもそんなこと気にならないくらい健気で良い子のリュイくん。だけど、ゴブリンと人間のハーフなので、やはり心無い言葉を、特に人間から言われてしまいます。
そんなちょっと不憫で健気なリュイくんと、目が見えない状態で一緒に過ごすレオンさん。次第に惹かれ合う2人だけど、リュイくんのことを人間だと思っているレオンさんに、正体を知られたらと不安になるリュイくんがまた健気で…。目が見える前に、と想いを通じ合おうとします。でもあるあるかな、男同士での身体を繋げることを知らないリュイくんの純粋さが可愛いですね。
リュイくんの正体を知っても大丈夫だとは思うくらい、レオンさんの人となりが良いですね。リュイくんへの気遣いや想いが素敵です。個人的にレオンさんがリュイくんのことを愛称でリュリュと呼ぶのが可愛いですね。でもその愛称を呼んでいる時が絡みの時っていうのが何だか良いですね。思わずキュンとしました。
人間は勿論だが、リュイくんの周りの魔物達の生活や様々なキャラクター、魔法などのファンタジー要素も多く書かれているので、読み応え充分で、人や魔物それぞれの思いやりや家族愛などが素敵なので、是非とも読んでほしいです。
異世界ものが大好きで最近はBL以外もたくさん読んでいます。それ故にゴブリンに一方的なイメージを持っていたので、王子との恋物語が想像出来ずに戦々恐々としながら読み始めたんです。
こちらは転生やトリップものではなく、純粋にその世界に生きている人間や魔物たちのお話でした。
面白いと思ったのは魔物に対する解釈でした。魔物は魔王に操られていただけで、魔王がいなければとても平和的で知能も高いのですよ。
だけど魔王討伐から30年経ってても人間も魔物もお互いに干渉しないように暮らしているので、お互いを誤解したまま歩みよるキッカケがないのでした。そんな時に怪我を負ったレオンをリュイが匿ったことにより、事態は大きく動くことになります。
ゴブリンと人間のハーフであるリュイと実は王子であるレオンをどうやってくっ付けるのか、とても難題に思えたのですが勇者だった王の後継者問題に絡めて実に分かりやすく解決していました。
また、レオンが最初は目が見えなかった設定も凄く良かったです。レオンはリュイの容姿ではなくて人間性に惹かれて好きになっており、またリュイが自分の正体を告げることが出来ない葛藤が凄く切なかったんです。
そしてリュイのところにやって来るウェアウルフのフロムやゴブリンの親子や旅商人のカガリによって、レオンが魔物への理解を深めて行く過程が凄く面白いのです。
この繋がりが終盤の魔物と王国の危機を救うことになるんです。
個人的に魅力的だったのはレオンの年の離れた第一王女でした。彼女がいたからこそレオンとリュイは恋を貫くことが出来たと思いました。
前半に比べて後半が駆け足過ぎたのと、石田惠美先生の描くリュイはとても魅力的でしたが、私的にはやはりゴブリンはないなと思ったので萌2です。