電子限定版
ほんとに素敵な作品で、先生の作品の中で一番好きな作品となりました。もちろん神作品でした。
前世からずっと秋成に仕えてきた銀次。
現世と、たびたび夢でみる前世のエピソードを織り交ぜながら進んでいく。
いつの時代でも、銀次は秋成を命懸けで守ることを自分の使命としてきた。
言葉通り、秋成を守るために死ぬことを繰り返してきたから、現世でも護衛対象の御曹司である秋成を死ぬことを躊躇わず守る。
一方の秋成は現世で護衛の銀次に対して、プレゼントをしたり、プロポーズしたり、
愛情を隠さない。
校門で待つ銀次を見つけて、破顔する秋成がとにかくかわいい。
「これからは僕が守るから」秋成の言葉が健気で泣ける。
銀次のためにお弁当を作る秋成。
穂先の柔らかいアスパラ巻のくだりを読んだだけで、胸が熱くなる。
2人の互いを想い合う気持ちが伝わってきてウルウル。
銀次は、秋成を守ること=自分の存在意義と信じて生きてきた。むしろその大義名分があったから生きてこれた。
でもそれが義務感や正義感ではなく、秋成への愛だと気がつく。
銀次は親の愛情を知らないので、近しい人への愛情という気持ちに気が付かなかった。
銀次をお役御免で解雇する秋成と、秋成への気持ちに気がつく銀次のやり取りでは涙腺が崩壊。
秋成も前世の記憶があって、銀次が自分を守って死んだあとの苦しみがあった。残されたものの苦しみは大きい。
一番大事な人を犠牲にして、生き延びなければならない立場。
秋成は秋成なりに、重圧、責任、悲しみ、苦しみを背負って生きてきた。
前世からのやり取り、その積み重ねの部分があるから、現世の愛情に重みが増す。素晴らしい構成だなと思いながら読みました。
秋成は途中先輩との交際諸々あったけど、子供の頃からの銀次への愛を貫いた。
本当によく頑張ったなぁと感無量。
一方の銀次も今世のこの気持ちに辿り着くまで、前世なら前からずっと仕えてきた信頼感、尊敬などの気持ちが愛情に変化。秋成に対して「かわいい」と思う。
これからの溺愛ぶりが垣間見える。
萌えたのは、秋成が一回でもいいから銀次に抱いて欲しいと切実に願うところ。
そして主従関係ならではの、攻めの敬語の”あんた”呼びが最高❤︎
何から何まで大好きでした。
この作品に出会えたことに感謝です。
珍しくも攻様視点オンリーのお話。
攻様視点、大好きです。
受様は大学生の秋成。
攻様は秋成の護衛である銀次。
銀次はこれまでに、4度の前世の夢を見てきた。
いずれもこの人こそ、という高貴な人と出会い、その人を守るために死んでいた人生で、それを少しも後悔していなかった。
今生では幼稚園だった秋成に会った時に『この人だ』と理解して、以来秋成を守って死ぬ為に生きてきた。
そんな秋成の護衛としてしか生きていない銀次に、楽しい事を教えようとしていた秋成。
やだ、とっても優しくていい子ではないの~。
護衛を優先させる銀次に、秋成から護衛はもう必要ない、と言われてしまい。
銀次のマグマのように溢れる熱い想いが、めっちゃいい(≧▽≦)
にまにましっぱなしです( *´艸`)
そして、大切な人が自分を守る為に死んでしまう、という前世を夢に見る秋成。
いや、これは辛いよね。
こんな身を切られる想い、大好物なのでけども。
1番好きなのは攻様の後悔なのですよ。
受様にはこんな辛い想いさせんなや、と思っちゃいまして。
銀次がモノクロの夢を、秋成が音声のない夢を見る理由には泣けました。
お互いを大切に想う2人が、これからは一緒に幸せでありますように。
受けの秋成が、攻めの銀次を好きすぎる話。
年上×年下。従×主。一途×健気。
受けは安心安全の童貞処女。
秋成(受け)→父の会社は継がないし結婚もしないし子供も作らない。ゲイ。攻め大好き。現世も前世も全部違う見た目。
銀次(攻め)→受け第一。自分の命より受けの命。受けを守るために今を生きている。受けにやめろと言われても命を懸けて受けを守るのをやめない。
受けの積極的なアプローチが可愛いです。海野幸先生の作る話はハズレが少ない!
まだ幼い頃に出会い、自分の命を犠牲にしても秋成を守る、と覚悟した理由は前世の記憶。何度も秋成を守って死んだ過去。タイムリープなとではなく、前世の記憶を夢で見てます。
少し地雷要素を上げるとしたら、前世の秋成(受け)が妻を持ったりする要素。
前世の話だし、今の秋成とは見た目も別人なのでまだ許容範囲でした。
前世の時代背景的に、秋成は天子、王子、領主、中尉という立場だったから、全てを捨てて銀次と共に生きることができなかった。
それなのにどの時代でも銀次に出会い、恋をして、死に別れるしんどい前世の記憶たち。
でも今世では戦争もなく、兵や軍を纏める立場でもないから、安心して銀次と恋愛が出来る。
前世についての回想シーンは結構あるけど、前世視点はぎっしりではないのでつまらないシーンはない印象。
銀次付き合う前から、同じ屋根の下でずっと一人で後ろの準備してることを白状して、いやらしい奴だと思われてるって不安になる秋成が尊い。
結ばれて初めてのエッチな絡みがすごく良かった。
流石、海野先生の新作。めちゃくちゃ面白かったです!
全編攻め視点の今作。何より攻めの銀次がいいですね!ワンコ系、しかも大型の、厳ついけど落ち着いたシェパード系といいますか。
抱く側か抱かれる側か確認するのは、坊ちゃんのことを心から思っているのだなと思いつつ、強面が真剣に聞いてる姿を想像すると少し笑ってしまいました。
銀次視点で話は進むんですが、読者は坊ちゃんの気持ちが手に取るようにわかるので、二人のすれ違いの切なさに胸が締め付けられます。
特に銀次が吹っ切れて、部屋を去る前に食器の分別をしようとするシーン。思わず、バカバカ!と声が出てしまいました笑
色んな時代の二人の別れが、入れ子状態で描かれる今作。二人の離別にうるっと来てしまうのですが、思わず泣いてしまったのが序盤のお弁当のシーン。
銀次の気持ちになったら不思議と泣けてしまいました。
あと坊ちゃんが男前で良いですね。だけどいつかの為に日々後ろの準備をするような健気さもあって、こんなの銀次じゃなくてもメロメロになってしまう!
電子限定のショートショートもすごく良かったです。ここでもうっかり涙が…。
さすが海野先生といいますか、隙のない面白い一冊でした!!!超おすすめ!
生まれ変わり続けては主を守って死ぬ従者・銀次(攻め)と、その主人・秋成(受け)の現代BL。
若いながら上に立つ者らしい風格のある秋成もかっこいいですが、銀次がとにかく健気で覚悟の決まった従者で、その覚悟の決まりっぷりといったら、身を挺して秋成を庇うのはもちろん、秋成と心を通わせだ後、受けでも攻めでも対応できるように心構えをしていくほど。
まさに寡黙で真面目なワンコといった風情で、本編が攻め視点であることもあり、とにかく銀次を応援したくなりました。銀次視点とはいえ、秋成の焦れる気持ちも手に取るように分かって、銀次の真面目さがもどかしく、積極的な秋成にいけいけー!と拳を握ってスタンドに立ちたくなります。
飽きるところのないぎゅっとおいしいBLでした。主従関係や歳の差もの、転生ものがお好きな方に、ぜひぜひ読んでほしいです。