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上巻があまりにもおもしろかったものですから、下巻への期待値がドカンと上がった状態で手に取った今作。
発売までのひと月をこんなにも長く感じたのはいつぶりでしょうか。
450P超の厚みがある文庫だというのに、ひとたびページをめくればあっという間にあとがきまで読み終えてしまうんですね。
それくらい没入して読める小中先生の確かな文章力に圧巻です。
上巻の終わりが終わりだっただけに、上巻と下巻でこれほどまでにガラリと雰囲気が変化するとは思っていなかったのです。
ところがですよ。海路の行動によって、少しずつなにかが確実に変化していくではありませんか。
何度も死を迎える光一と、懸命に光一の死を阻止しようとするも、何度も何度も親友の死を味わわなければならなかった蓮の苦悩が印象的だった上巻。
本来であればこの負のループに巻き込まれることはなかったはずの海路視点で、蓮と共に呪いめいたミステリアスな現象を追いかけ、時に淡く複雑な想いを抱き、やがて疲弊し…
と、上巻時点では話運びの上手さと心理描写の繊細さに夢中になっていて気が付かなかったのだけれど、下巻を読み終えた今にして思えば、あちこちにヒントと少しの違和感が隠されていたように思います。
上巻で何度も繰り返されていた、1人の少年の死と共にループし続ける高校3年生の1年間は、ある意味地獄とも言えるものだったのではないでしょうか。
そんな中で、海路というイレギュラーな存在が思い切ってとった行動が負の1年間を最後で最高の高校生活に塗り替えていく。
正しくは「海路と蓮と光一の3人で」ですね。
上巻のミステリアスさも確かに香るのですが、より甘酸っぱさを感じる青春ものになっているという味付けが本当におもしろく、読み応えがありました。
3人で知恵を絞る姿を見ては一緒になってうんうん唸り、キーとなる日付が近付くたびにハラハラし、今までの1年にはなかった蓮と海路の間で静かに芽生えるなにかにじわじわ萌えがつのる。
登場人物たちと同じ歩幅で、一生忘れられそうにない青春の日々を追いかけられた下巻でした。
「3人で呪われていた運命を変えた」のではなく「イレギュラーだった呪いを、3人の高校生が力を合わせてあるべき形の運命と一生ものの青春に戻した」のかもしれないななんて。
落語をかじったことがある方ならば、作中のキーとなる演目を見て、そうきたか!ときっとにやりとしてしまうはず。
お話のいわゆるサゲの部分に関しては、それまでの盛り上がりが素晴らしかっただけに、もう少しだけグッと掴まれるようなものがほしかったかなと感じるところも。
しかしながら、上巻下巻共に味わいが絶妙に異なるおもしろさに最後まで虜になれました。
忘れられない最高の1年間でした!
何一つとして文句なし、完璧だ…!!と、雄叫び上げながら手足バタバタ、床ゴロゴロしたいほどの面白さと感動でした、感涙( ; ; )
文句?なしなし!何もなし!
小中先生ありがとうございます、と感謝の言葉を添えての「神」一択です。
何を書いてもネタバレになっちゃいそう…以下、ネタバレありの感想となりますのでご注意ください↓
まず、表紙!
上巻と並べてみるとわかるんですが、上巻のあの二人の硬い表情から一変、下巻で見せる蓮&海路のこのふんわりとした笑顔…見つめてるだけで幸せ。笠井あゆみ先生の美麗イラスト、表紙でも作中でも眼福すぎました。
で、届いた時びっくりしたのが下巻の厚み。封筒で届いたんですが、一瞬「何か別の本買ったっけ?」と思ったほど、予想以上に分厚かった。あとがき入れずにラストページまで450P強。ひっ。
でも、でもでも、読んでたら一瞬だから!本当にページをめくる手が止められず、サッカー日本男子戦をテレビで見ながらずーーっと読み、結局朝方4時半ぐらいまで読んでました。(読むのに時間がかかる方なので;)
面白すぎて続きが気になりすぎて、「眠る」という選択肢がなかったです。
で、表紙・分厚さときてその次、内容が神がかってました。
察しの悪い自分には、落語のお話(あらすじ)が出てきても全ての謎が「ピンと解けた!」とはならなかったのですが、その後の説明でちゃんと全て理解(ほっ)。
・タイムリープの呪いの真実と、その発動の本当のトリガーの正体
・最後のタイムリープで、海路だけが一人戻ってきてしまった謎の解明
→「膝を打つ」とはこのことか…!!! もう一人で深夜「なるほど!」って叫んでました。
・”呪い”でありながら死んでもリープしてやり直せる謎の、理由
→このラストの海路の推測に感動しちゃって震えました。
・蓮が海路に冷たい態度を取り続けていた理由と、その行動の裏にあった気持ち
→これも蓮の気持ちを考えると痛々しくて感動して震(以下省略)
・「蓮は誰(どっち)のことが好きなのか?」蓮の気持ちの変化(光一への恋心がなくなった経緯、海路への気持ちの変化)の謎
→実は上巻を読んだ時に一番気になっていた、この「どっちが好きなんだ」問題。
もーーー小中先生すごいです。恋心の移り変わり、気持ちの変化が、全く違和感なく理解できてスッと心に入ってくる。はあ、、すごい。。
他にも色々書きたいような気がするんですが、興奮しすぎて頭が沸騰していて言葉が出てこない。。
とにかく、ミステリー好きには本当にたまらない、至高の一冊でした。✨
この週末は上巻から何度も読み直そうと思います。仕掛けが分かってなお、いや更に楽しめるタイムリープラブ。
恋も、家族愛も深く深く感じられた、最高のお話でした。感謝…!!!!!
今回はクラスの中心的な高校生とごく普通の高校生のお話です。
攻様に巻き込まれたタイムリープから逸脱した受様が
その世界の攻様と最後のタイムリープに挑む顛末を収録。
受様は顔も知性も運動神経も
芸術的なセンスもないごく普通な高校生です。
高校の入学式で同じ新入生の中でも目立つ存在だった攻に
強いあこがれを抱き、ある出来事で攻様に助けてもらった事で
淡い恋心を抱くようになります。
3年に進級した年、
受様は攻様と幼馴染と同じクラスになりますが
受様が近寄る隙間などありません。
攻様の幼馴染は攻様より1つ年上ですが
去年一緒に事故に遭って重傷を負い1年留年していました。
いつも幼馴染の隣にいる攻様を見て
攻様が幼馴染を特別に思っている事に気づきますが
幼馴染は卒業を間近にして事故で亡くなってしまいます。
お別れ会の日、
攻様が橋の上から身を投げるかと勘違いした事から
受様は攻様が幼馴染の死を食い止めようと
何度もしているタイムリープに巻き込まれます。
しかしながら攻様は受様と幼馴染を関わらせようとせず
受様は何もできないままに巻き込まれる
タイムリープに疲れて川に飛び込むのですが
それによってタイムリーパーである攻様のいない
0回目の世界にリープしてしまうのです!!
受様以外は攻様の幼馴染の死を知らない世界で
受様はまずこの世界の攻様に自らの体験を語り
攻様の幼馴染の死を止められなくても
コレを最後のタイムリープとするために
尽力する道を選びます。
果たしてこの世界の攻様は幼馴染の失わずに済むのか!?
幼馴染の死を防ごうタイムリープを繰り返す攻様と
そんな攻様のタイムリープに巻き込まれた受様の
タイムリープミステリーの完結巻になります♪
前巻にて受様は何度タイムリープしても
攻様の幼馴染との接触を許されませんでしたが
今回は攻様が何も知らないために
今までの攻様には訊ねられずにいた事や
攻様とともに幼馴染を護る行動をとる事ができます。
幼馴染は医大を目指すほどに頭が良い上に
今までの体験を推理小説の土台として聞かせる事で
幼馴染の推理力も借りることができるようになり
幼馴染の分岐点等が固まっていきます。
呪いと化した幼馴染の事故を回避する方法とは?
死を回避すれば呪いは解けるのか?
受様の恋が実る可能性とは!?
そして今回タイムリープできなかった攻様は
どうなったのか?
すこしづつ解けていく謎とともに
受様は今までにない充実した学生生活を送るのですが
最後の通過点と思っていた日に思いがけない
逆転劇が起こってしまい、ハラハラMAX!!
誰の上からも死の恐怖が払拭される終着点に辿り着くまで
たいへん楽しく読ませて頂きました。
まさか、まさかな連続なのに
読了すると細やかに張られていた伏線も見えてきました。
小中先生、すごすぎる!! ヾ(≧▽≦)ノ
上巻は序章に過ぎなかった…。下巻のタイムリープの謎解きとDKらしい恋愛要素にキュンキュンです。攻めも受けも良いんだ…。
上下巻で、下巻が分厚いですが怯まないで〜。小中作品なので安定して読みやすく、しっかり面白いです。
上巻で苦しくなるくらい何度もタイムリープを繰り返したけど、下巻は最後のタイムリープ回。海路の頑張りによって理想的展開で海路、蓮、光一の3人の関係性にも変化が出てきます。
なぜタイムリープするのか、海路だけ戻った謎について、光一の死を忌避するためにどうするか、海路と蓮の推察を交えながらじっくり丁寧に進んでいきます。
そして、その中で蓮と海路のDKらしいラブが…!上巻ではあんなにラブ薄めだったのに…!
ラブが主軸ではないのでずっとイチャラブしてるわけではないのですが、二人の"付き合う前の"甘いそわそわした空気感が堪りません。
いかにも高校生なデートしたり、プリクラ撮ったり、ハグやキスでドキドキしたり、段階を追って気持ちを通じあわせていく様子に胸キュン必至。
蓮の目線一つ仕草一つに、海路は「愛されてるな」って実感してるんですよ…尊い。
DTの余裕ない初々しい初Hも良かったです…!(もっと見せてくれ)
個人的には上巻で感じてたうっすら蓮→海路の気持ちが間違ってなかったことに、やっぱそうだよね!と答え合わせできた気がしました。
タイムリープという現象に理由を付けるからちょっとオカルト風味があり、それはそれで面白いけど、少しだけ最後の展開は盛り上がりに欠けるように思えました。
評価に迷ったのですが、全体的な作品の完成度はもちろん、小中作品のDKいいじゃん!!という点が後押しになりwやはり神評価で。
最後の海路の推察にはほっこり。あと、ブラック蓮も救われて本当に良かったーーーーーーー(涙)
小中先生初の上下巻ですが、これは一冊にできない…じっくり読ませてくれてありがとうと言いたい。
謎解きの要素にシリアスな展開でページをめくる手が止められなかった上巻を受け、下巻ではこんなにもハートウォーミングな眩しい青春が待ち受けていようとは。
これだけ高校生を繰り返し、ようやく今までになくDK生活を満喫しているようにも見える海路。自分の気持ちや他者の行動にモダモダしたり、ちょっとしたスキンシップでぎごちなくなってしまったりするさまが可愛らしいです。
何回も高校生を繰り返したお陰で周囲の人間のことが少しずつ見えるようになったり、また地獄を味わったことでどこか吹っ切れたような部分もあったり。下巻では端々から海路の成長がうかがえます。
それと同時に、“今回が最後” ということ、やり直しが効かずもう後がない、腹をくくらざるを得ないという状況も、今を精一杯に生きることへと彼を促しているように感じます。
海路が青春しているおかげで、行動を共にしている蓮や光一もめちゃくちゃに青春しています。
上下巻で登場人物はまったく同じなのに、異なった空気を味わえるという。スワンプマン的な同一人物の入れ替わりはありますが、すべてが結末に向けてあるべき場所へと収束していきます。
上巻で散りばめられた数々の不穏さや伏線にひたすらドキドキしておりましたが、それらの伏線も下巻でしっかりと回収されていきます。
下巻の中盤、11月1日の謎が明らかになる瞬間は本当に震えました。
上下巻合わせ、最後の最後まで息もつかせぬ展開に虜になりました。このような素晴らしい作品を世に出してくださったことに、心から感謝をお伝えしたいです。