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現代タイムリープ物、上下巻の完結巻。
いやー、良いお話でした。
上巻と下巻では、描かれる学生生活がまったく異なります。上巻では、まず蓮が何度かタイムリープを経験していて、そこへ海路がくっついていく形で二人のタイムリープになっていきますが、蓮は頑なに海路と距離を置こうとするなど心を開きません。そのために海路の気持ちと同じくらい、こちらも苦しく、また、お話の先が読めないことからどうなっていくのだろうと下巻への期待感が募ったものでした。
対して下巻では、上巻とは違って海路だけがタイムリープをしたという世界。そこでの蓮はタイムリープのことなんて何も知らない普通の高校三年生で、何もかも一人で抱えて苦しんでいた上巻の蓮とは性格がまるで異なっています(下巻の蓮の性格がきっと本来の性格)。海路は上巻の蓮をブラック蓮、下巻の蓮をホワイト蓮と内心で呼んでいましたが、それほど上巻の蓮の悩みは深くぎりぎりの精神状態だったのだと、全貌が明らかになった後に理解できました。
この下巻では、光一の死というバッドエンドを回避するため、海路がタイムリープのことを打ち明けて、蓮と光一と三人でタッグを組むのですが、これがもうとにかく瑞々しくキラキラした日々でした。タイムリープについて真剣に意見交換や考察を重ねる一方で、他愛もないやり取りに、光一の家でのお泊まり、花火を楽しんだりカラオケに行ったり買い物に出かけたりと、三人が自然体で自分をさらけ出しながらお互いを思いやる様子は、無垢で時には幼さも感じられますが、尊いとはこういうことか、と目を瞠るような気持ちになりました。
ページをどんなにめくっても、タイムリープのからくりはおろか、このお話の行く末もまったく見当が付かないのも良かったですが、それよりもただひたすら、みんながこの難局を乗り越えて笑顔で明日を迎えようと頑張る様子に感動し、後半の海路の科白「無事に三人で大学生になろうね」には涙目になってしまいました。
最後の最後までどうなるのか引っ張られ、それだけに読後の爽快感もひとしおでした。
上巻と下巻の本の厚さの違いにも驚きましたし(下巻の方が1.5倍くらい厚い)、あとがきによると当初このお話にとりかかった頃には、240ページくらいという目算だったそうで、3倍くらいになっている事実に笑ってしまいました。楽しい読書でした。
小中先生の作品は色々読ませていただいていますが、この作品はとくに内容が秀逸でよく練られた作品だと思いました。
まず上下巻という物語の壮大さ。上下巻を一気に購入し、とりあえず上巻を読みましたが、続きが気になりすぎて、結局下巻も徹夜で読んでしまいました。伏線がたくさんあるのですが、それが少しずつ解かれていきます。ミステリー要素もすこしあり、次は何が起きるのか?!ハラハラドキドキが止まりません。これはBL作品でなくても素晴らしい物語に仕上がっていると思いました。
最後はなんとかハッピーエンド。
でも最後の最後までどうなるのか、ハラハラが止まりませんでした。
上下巻まとめての感想です。
上巻どころか下巻の最後の最後まで予想がつかず、読む手が止められませんでした。
ただ上巻はBLの萌え的な楽しみは正直皆無だったんです。
だって、攻めの蓮は長年の幼馴染(超美形)に片想いをしてるし、受けの海路にはそっけないどころか近寄るな!!くらいに威嚇してるし……。
恋愛的には無理ゲーすぎる、この二人がどうやってくっつくのか正直、想像できない……と思っていましたが
いやいやいやいや、めちゃいい感じになりましたね!!!!
ホワイト連とブラック連が合体したハイブリット連、いいじゃないですか!
萌えたのは、蓮がまさかのDTだったこと!
まじかー!!!
このこなれたハーフアップ姿で、まさかのDT!!!まじか。
うれしーーー!歓喜っ!!!
小中さんの作品、多分8割くらいは読んでると思うんですが、いつも手慣れた年上攻めが多くエッチも圧倒的に攻めが主導権握っていることが多いと思うんですね。
(二人ばかしDT攻めはいるけど)
だから同学年の、しかも、DK同士で、おまけDTな攻めというのがめっちゃくちゃ新鮮で。
フェラで即発しちゃう攻めとか、めーっちゃくちゃ新鮮で。
あーー小中さんがDKのDT書くとこんな感じなのかぁ!!と
最後にとっておきのご褒美がどかんと来た感じで嬉しかったです。
前巻同様、ハラハラドキドキが続き、ストーリーは面白かったです。
今回は蓮も巻き戻りをしていない0回目に海路だけが戻り、海路の記憶を頼りに海路と蓮が協力し合って光一の死を回避する、という初めてのパターンでした。
結局、何度タイムリープしても光一が死んでいたのは、事故で死ぬはずだった蓮を助けたことで、死ぬ運命が光一に移ったから、という真相のようでした。
その死神の呪いが最後は光一から海路に移り、バイクが勝手に暴走して、逃げるために二人とも海に落ちましたが、結局二人とも助かります。そこでようやく死神も諦めたんだろう、という着地点でした。
蓮がタイムリープできたのは、亡くなったお父さんが、蓮が死なずにすむよう死神と交渉したんじゃないかという推測で二人とも納得して、すっきりした感じで終わっているのですが、とばっちりで何度も死ななければいけなかった光一のことを思うと、とてもよかったとは思えなくて、ちょっと後味の悪さが残ってしまいました。
誰かを助けることで死ぬ運命が他人に移ったり、バイクを暴走させるような力が死神にあるのなら、一度目の巻き戻りで蓮が光一を最初の死亡フラグから助けたとき、どうして死ぬ運命は蓮に移らなかったのだろうと思います。
それまでは蓮が巻き戻れば海路も一緒に巻き込まれていたのに、なぜ最後だけは海路と蓮で巻き戻りがずれてしまったのかも、納得できる説明はありませんでした。
そういった細かいところがちょこちょこ気になりましたが、ハラハラドキドキしながら続きを追うことができ、無事に光一を助けることができ、思いを伝え合えた二人を手放しで祝福することができ、満足度の高いお話でした。
登場人物らが引っ掛かったことをずっと意識しながら読んで行くと(もしかして、もしかして)てなっていくし、蓮が落語好きって判明したときに(あ!)てなってどうかハッピーエンドになりますようにって祈りながら読み進めて、最後まで止まることができなかった
どうして3人とも無事に乗り越えられたのかが、なんか本当落語みたいな印象で、頓知利いたな〜て膝を打ちたくなった
そして、そもそもどうして?てやっぱり思ったところで「あ!あの人でしょ!!」てかぶせ気味に気がつけて読後感が最高に良い
本当にお見事で面白かった
恋も、良かった
マウントの理由、理解できないのとか自分をモブと心から信じてる主人公面白かった