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浮世渡らば豆腐で渡れ! あなたと小さなアップデート

ukiyo wataraba toufu de watare anata to chiisana update

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表題作浮世渡らば豆腐で渡れ! あなたと小さなアップデート

深見祥吾
電源装置メーカー 第二工場勤務,24歳
渋谷慶一
電源装置メーカーの営業部次長,40歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

揚げ物はもう胃もたれがする、営業部次長・40歳の慶一。上司の重圧も、部下とのジェネレーションギャップも、自分さえ耐えれば波風は立たない。そう諦観していた中、担当工場からクレームが!? 工場勤務の強面の青年・深見とともに体制を整えることに。内心深見に怯えていた慶一だったが、自分にない視点で物事を捉える彼に徐々に心を開き……。歳の差16歳。居酒屋のメニューから対人関係まで。価値観の違う二人が見つける、恋と小さなアップデート。


初版のみにお付けしている特典(初回特典、初回仕様特典)がある商品は、商品ページに特典の表記が掲載されている場合でも無くなり次第、終了となりますのでご了承ください。

作品情報

作品名
浮世渡らば豆腐で渡れ! あなたと小さなアップデート
著者
海野幸 
イラスト
逆月酒乱 
媒体
小説
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
カクテルキス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784866697789

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9

4.4

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(28)

萌々

(9)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
11
得点
194
評価数
44
平均
4.4 / 5
神率
63.6%

レビュー投稿数11

お仕事!お仕事!

海野先生の新作!今作もしっかりお仕事してらっしゃる!
タイトルはことわざなのですね。勉強になります!

主人公は、しごできなのに自己評価が低めな渋谷さん。歳をとるとアップデートは億劫になる…めちゃくちゃ沁みました。わかりすぎて。歳をとると、油物とかが胃にくる…めちゃくちゃ染みました…わかりすぎて(笑)
そんな彼が惹かれるのは、出向先の強面わんこな年下好青年。待てのできる、懐の深いめちゃくちゃいい男でした…。

お仕事描写は「ああああありそう!!ありそう!!」と、何度も頷いちゃうリアルさで。現場の内情を知らず仕事を投げてくる営業、納期が間に合わず、休日出勤サビ残当たり前な現場…。板挟みな中間管理職、渋谷さんの胃を心配しながら読み、要所要所で助けてくれる年下青年にときめかずにいられない 。
後半、ようやくましになった現場に投げられた無茶ぶり仕事に対する渋谷さん、格好よくて痺れました!

ノンケ同士、一回り以上ある年の差に戸惑う渋谷さんのお気持ちわかります。一回り以上年下なんて、そりゃ迷いますよ。渋谷さんの、自己評価が低く臆病で、慎重なところ、とても好ましかった。気持ちを固めてからの突撃っぷりも好きです。いけいけー!がんばれー!と心のペンライトを振りまくりましたもの。
待てができる、人間ができすぎてる年下わんこががっつくシーン、年下らしくってかわいらしくて…面白かった!面白かったです!

0

受けがイジイジしている……

海野幸さんのお仕事BLということで読んでみました。

しごできで、40にはとても見えない綺麗なお方だけど、やたら自己評価が低い受けの渋谷。
眉毛さげながら、ははは……力なく笑っているようなイメージというんでしょうか。
なんかどこか弱々しいというか……。

いや、めっちゃ仕事できるんですよ。
こんな人材、引く手数多だと思う。
頑固なじいちゃん揃いの第二工場と、現場無視の本社営業部との板挟みになりながらも奮闘している様子とか、読み応えあります。

相変わらず勝手なスケジュールを捩じ込んでくる営業部に対して、正当に怒る、物申すシーンなんて、めちゃくちゃスカッ!として、良く言った!!と拍手したいくらいです。

なんだけど、その後の恋愛シーンで、またイジイジし始める……。

40で恋愛経験も低いノンケなので臆病になるのもわかるんですけど、久しぶりに「読んでてイライラした気持ちにさせられる受け」に遭遇したなぁ……と思ってしまいました。

中学時代の友達からの一言や、大学時代に付き合っていた彼女とのうまくいかなかったやり取りを、40になるまで消化しきれず抱え続けているんですね。
渋谷自身、「こんなこと、後生大事に覚えてるようなことでもないのにね」と言ってるし、こんなにもありふれた出来事をいつまでも引きずってしまうこと自体、恥ずかしいと思っているけれど、でも忘れられず情けなさに俯いてしまう姿がこれまた歯痒すぎるというか、約25年前のやり取りをこんなにも引き摺らせていることにマジか……!と思ってしまう自分もいたりして……。

素直でとても良い方だと思うのですが、デリカシーのない私が無自覚に傷つけてしまいそうなお方といったイメージを抱いてしまいました。
海野さんのお仕事BL作品で「社長、会議に出てください!」がありますが、あちらの受けの鳴沢もやはり自己肯定感が著しく低いんですね。
でも一度も鳴沢に対してはイジイジしていると感じたことはないので、同じ自己肯定感の低いキャラなのにその差はどこから来るんだろう???







0

私もアップデートを(*ˊᵕˋ*)

さすが海野先生(⑉>ᴗ<ノノ゙
素敵な2人の素敵なお話でした。

受様は営業部次長の渋谷。
上から無理を押し付けられ、下から泣きつかれ、胃が痛い40歳中間管理職。
ある日、本社から2時間程かかる第二工場の工場長が倒れ、リモート会議の画面に工場長代理だと現れたのは、強面な若造、深見。

深見は、営業部が依頼していた納期が間に合わない、とバッサリ。
慌てた部長から様子見と説得を命じられた渋谷は第二工場へ向かう。
そこで会った深見は、仏頂面の画面越しとは違い、「来てくれた」と満面の笑みを浮かべていて。

第二工場の現状を知った渋谷がなんとか立て直しを図ろうとするも、手強い手強い。

お仕事BLとして、しっかりと面白い。
私も平和主義で波風立てなくないので、言いたいことは飲み込む方でして。
渋谷の気持ちがよーく分かる。

『正しく怒る』って必要ですけど、なかなか難しいんだよなぁ(>ㅿ<;;)
今回、渋谷が第二工場の為に正しく怒った姿はかっこよくて惚れ惚れしました。

また、年下ながら、深見はなかなかいい男。
あそこで好きな人は大事にしたい、なんてセリフ、うわ~~~✧ \(°∀°)// ✧
紳士!可愛い!惚れる!!

こちらのお話を読み終えて、私もトシなんて関係なく、いくつになっても微々たるものでも、アップデートを積み重ねていきたいものだと思いました。

素敵なお話をありがとうございます。

3

リアルお仕事と歳下わんこ×可愛い40歳受

お仕事ものです。

中間管理職で上からも下からも色々押し付けられちゃう営業の慶一(40歳)が受
穏やかでどこかおっとりした印象で、仕事は有能なのに謙虚すぎる努力家。素直な可愛らしい人です。タイトルのお豆腐は慶一の好物です。

慶一の働く会社にある工場長代理になって工場の正常化に奮闘する深見(24歳)が攻
深見がめちゃくちゃ健全な若い男の子!という感じの青年で、大柄強面なのに可愛い大型わんこ感。興味のなかったお豆腐も慶一に勧められると興味を持って食べてくれる素直な人。


お仕事描写がリアル…受の慶一と一緒に胃が痛くなりそうなくらいでした笑 仕事をしていて、慶一達の環境(好き勝手言われて振り回されたり押し付けられる)に共感を覚える人にぜひ最後まで読んでほしい。すかっとしますので!!

2人の恋も、歳の差もあってなかなかにモダモダするんですが…待てのできる歳下わんこが好きな人におすすめです。

3

日々の積み重ねがもたらす変化

今回は第二工場長代理と営業部次長のお話です。

工場長が倒れた事で発生した納期遅れ対応で
出向した受様が工場の就業改善を図る顛末を収録。

受様の勤める電源装置メーカーは
都内の本社ビルの他に2つの工場を抱える中小企業です。

受様は営業畑で40を過ぎて次長となり
売り上げノルマはなくなるものの無茶な納期短縮や
予期せぬトラブル対応で多忙な日々を送っています。

そんなある日
特殊製品を製造する第ニ工場長が倒れます。

工程が切迫しないか危ぶむ受様に
営業部長はどうにするだと楽観的でしたが

工場と本社のオンライン会議で
工場長代理として会議を仕切ったのは
製造部所属で工場最年少の入社6年目社員の攻様で

開口一番で注残の確認をはじめ
納品できない機器の納期調整を口にし
客の都合を叫ぶ営業部員を工場の都合も考えて欲しいと
一刀両断にされます!!

会議を終えた営業部員達は
若い攻様が昨今の働き方革命を唱えて
暴走しているのでは!?と言い出し

部長には工場の様子見を兼ねて
攻様の根性を叩き直せと受様を送り出しますが
工場の実態は営業部の想定とは全く違う事態で!?

本社向けに工場代理となった攻様と
工場と営業の緩衝材の役目を担わされた受様の
本格お仕事モノになります♪

なんと第ニ工場では
営業部の無理な受注もできないと言わずに受付けて
サビ残と休日出勤が恒常化していたのです。

工場長とともに現場を回す生産管理部員からは
工場長が退勤表を改竄していて
若いうちから仕事だけが生きがいの古株工員達は
働き方改革なんてしゃらくせいと
工場長に同調していたのですよ Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

工場の実態に受様は呆然としますが
これでは若手社員が長続きしないはずと
様々な意味で頭が痛くなる受様を救ってくれたのは
好印象で気配りできる若者だった攻様でした。

本社の対応が思ったよりも迅速だったと喜ばれ
受様はちょっと複雑な心境になりますが
工場の現状を知った営業部長は納期調整とともに
人員対策もしてくれます。

受様は工場に逗留されて工場の改善を図りますが
神中途採用者が働きだすと新たな問題が発覚し
工場長が復帰するとまた新たな受注を押し込んできたり
と問題はなかなか減りません。

それらの事情に受様は丁寧に対していくのですが
若い攻様の柔軟な思考と言動に接した事で
受様が苦手とした"正しく怒りを表明"する事ができ
事態を好転されていく様子がとても面白かったです。

仕事とは経験の積み重ねであり
苦手な事=出来ない事としてしまいがちですが
自分の為ではなく誰かのためになら
出来ないという選択肢は減っていくのかな。

受様を見習わないといけないなぁと思わせる
素敵なお仕事モノでした ヾ(≧▽≦)ノ

4

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