ぱるりろん
「海鷲に告げよ」の特典SS小冊子。
まだお互いのことを知らなかった時、音が鳴る戦闘機があると注意喚起する三上からの電信が張り出され、腹を立てる塁。
懐かしい場面です。ここから少しずつ、塁が三上に心を開いていき、唯一の存在になっていくのですが、このSSは、「海鷲に告げよ」に収録されている「ローレライの手紙」の補完ともいえるかもしれません。
「ローレライの手紙」の中で、塁から衛藤新多への手紙にその時々の気持ちが綴られていますが、その手紙の背景となる現場をのぞき見る感じです。事象としては「蒼穹のローレライ」等で知ってはいますが、改めて焦点をしぼって確認するといったところでしょうか。
SSのタイトルは「ミカミテツオ」で、どこの誰とも分からない電信の送り手としての名前ですね。そこから、自分の機体を任せられる信頼のおける整備員、そして特別な存在となる「三上徹雄」へと認識が変わっていく過程の物語は、切り口を変えて何度読んでもじんわり来るものだなとしみじみ思いました。