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『彼が愛しているのは』を拝読しました。心を揺さぶられるというのはこういう事なんだと、この本を拝読して感じました。引き込まれ読み返しました。
真白と町田の軽妙なやりとりに心地よさを感じ、真白と東江の恋に切なさと少しの幸せを。2人で設計した住宅やウンベラータに絆を感じた次の瞬間、息を呑みました。
ただ町田の心情が解るにつれ救われた気持ちに。そんな町田を真白が好きになるのも罪悪感を持つのも解る。印象的だったのが東江の夢を見るシーン。東江の想いなのか真白の願望なのか、涙がとまりませんでした。
町田と真白で住宅の設計を完成させたのは東江の想いを昇華したように感じました。町田の「あの人はだめだ」は決め手でしたね。真白の全部を包み込むような告白に震えました、感涙。真白に町田が居て良かった。2人で幸せになってほしいです。
心がもっていかれる作品でした。
あらすじに「真白には辛い恋の記憶があり」とありますが、元カレ東江の描写がちょくちょく出て来るなぁと思ったら、途中、がっつりと出会いから付き合うようになるまで書かれているんですね。
もうね、単なる元カレレベルじゃないんですよ。
東江という男の存在感とそれを愛した真白の過去を読者が否応なしにわかる仕掛けになっています。
その後の、攻め視点ときたら!
あんた、めっっちゃ健気!!!
ほんと、めっっっっちゃ健気なの。
めーーーちゃくちゃ愛しているのに、重い感情をぶつけないように、負担にならないように自制しまくっていて。
そして町田が見つけた「luminous」という名前のついた製図画像。
これは東江と真白がああでもない、こうでもないと言いながら造った家。
それを残している真白の気持ちを思うと泣けました。
煌めいているけれど非現実的で…永遠に完成することはない「真白と住む」家。
泣ける。
それをあの町田が完成させたというところもいい。
そして一番泣けてしまったのが「いつか消えてしまうとわかっていても、確かにあのときは同じ光を求めていた」ってとこ。
一方通行の泡沫のような恋だと思ってたけど、確かにあの時、愛はあったんだと知ることができた真白の気持ちを思うと泣ける。救われたよね。
そしてそれを町田のおかげで知ることができたとか、luminousのくだりも含めてお話の回収が神すぎます!!!!
そして何より過去の男、忘れさせてやるよ系ではなく、忘れらない気持ちも含めて丸っと愛する町田、最高です!
安西リカ先生が大好きで、新刊が出るたびにすぐに読んでいます。
最近は軽めの作品が続いていましたが、本作はとても切なく苦しい物語でした。
気軽な体だけの関係を続けている真白と年下の町田。関係が続くにつれ互いに親密さが増しているものの、真白にはつらい過去があり、その先に進むことができない。
かつて、憧れの相手に捧げた深く苦しい愛を思わぬ形で失った真白は、その喪失から立ち直れていない。
町田との関係をいざ進めようとした時、かつての愛を忘れて進むことの恐怖に耐えられない真白。
真白の過去の恋愛の切なさも、過去に囚われる苦しみも、すべて身を切られるようにつらく、泣きながら読みました。
真白の苦しみを理解し、心にぽっかり開いた穴ごと彼を愛し、忘れるのではなく喪失を共有することで前に進む道を示した町田。彼の献身と深い愛情により迎えた結末に、静かな感動を覚える素晴らしい物語でした。
本篇中の視点切り替えが巧みで、安西リカ先生の物語運びの力も遺憾無く発揮された作品だと思います。先生のファンの方も、そうでない方もみなさんにぜひ読んで頂きたいです。
想像していた以上に、切なさ溢れてました。
誠実で包容力のある年下攻め×儚げ美人の年上受け。
セフレから始まった2人の関係は、最初から割といい雰囲気です。
気楽で楽しくて気が合って…攻めが弁えてて気遣いもできてすごく良い人。セフレだけど、どんどん恋人未満の関係に発展していくのが可愛くて。
だけど、受けは過去の恋の傷を引きずっていて、飛び込めないのが分かる。
何を抱えているのだろう…?と思っていたら、途中元彼と受けの恋愛話が始まり、結構ガッツリ展開するので正直戸惑いました。
なぜ、元彼との話をこんなに丁寧に描くのだろうと。
受けが元彼のことが大好きで、追いかけて、でも哀しい終わり方をしてしまった。
あぁ、このためにこんなに濃厚なエピソードがあったのかと…。とにかく切ない。
そして、受けはまだ吹っ切れていない心情がよく伝わってきました。
そして、その後に明かされる攻めの真実。
一途で誠実で健気な年下攻めだった。
この辺り安西先生だなぁと思う。切なさと救済と愛情が織り混ざっていて。
2人がお互いに好きだと自覚していて、正式に付き合う前の空気感すごく好きでした。
受けの傷をまるっと受け止めてくれる攻めで良かった。包み込んでくれて良かった。
ゆっくり好きになった、その気持ちの変遷に無理がなく、幸福で溢れる2人の未来まで見えるようで安心の読後感でした。
今回は建築設計事務所の若手設計士と
フリーランスの設計士のお話です。
元カレを忘れられない受様が
気安いセフレだった攻様を恋人とするまでと
伯母視点の後日談短編を収録。
受様は大学卒業後
受様の出身大学のランクでは本来通用しない
業界では存在間のある中堅設計事務所に
就職します。
受様は課題や提出物は常にギリギリクリアですが
学外のコンクールやコンペにセットと挑み
センスとアイディアだけで勝負し
対象には縁遠かったものの
特別賞や審査員賞などを獲得した成果を
最大限発揮して採用獲得でした。
その設計事務所には
代表の甥でエース級の若手設計士がおり
受様の同期達は彼に憧れ共に仕事ができるかもと
入所を志した者もいましたが
受様が彼の名を知ったのは入所後で
更に代表から数多くの志願者で採用を揉めた時に
甥の推しがあった事が決め手になったと言われ
彼の作品をみた受様も憧れるようになります。
そして少しでも彼に近づきたいと学び
仕事でも彼の助言を受けられるようになり
恋を育てる仲となり
彼の移籍と同じくして受様も事務所を出て
フリーランスとなるのですが
ある不幸な出来事で受様は恋を失います。
元々長くは続かないと思っていた恋ですが
彼を失った受様の傷は深く
誰かと付き合う事はありませんでした。
事務所からの依頼も多く受けていた受様は
去年の新卒で有望株と噂される攻様に
熱い視線で見られていて
年度末の飲み会で口説かれたこと話きっかけに
セフレ感覚で付き合う事になります。
受様はそれまでワンナイトを楽しみつつも
割り切った関係と言っても続ける事で
面倒なことが起きそうだと
特定の相手を持たずに来ますが
男は興味があったが初めてという攻様は
セックスに余計な意味づけをせず
性格もドライで
飽きたらあっさりと終わりにできそうと
セフレ関係を続けていたのですが・・・
憧れの人だった元カレを忘れられない受様が
遊び慣れていそうとセフレにした攻様との
恋物語になります♪
意味深なタイトルが
物語の展開に明暗をつけていて
大変楽しく読ませて頂きました。
受視点での2人の現状から
受様の過去の恋事情が語られ
攻視点で受視点には見えない攻様の恋事情が
描かれているのですが
受様の元カレ視点はないのですが
攻様から見た2人の様子を描くことで
元カレの心情が透けて見える事で
それぞれの立ち位置と思いが三角関係のように
絡み合って影響していて非常に面白い展開でした。
受様の元カレの不幸な事故は
受様が抱いていたネガティブな未来へと繋がり
ハラハラさせられましたが
受様が攻様との恋を選ぶまで
ドキドキ&ワクワクさせて頂きました (^-^)/
あとがきの後に番外編があるので
ここまでしっかり堪能しましょう♪
