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彼が愛しているのは

Kare ga Ai shite iru no wa

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表題作彼が愛しているのは

町田亮輔
建築設計事務所の若手設計士、バイセクシャル、25→26歳
片瀬真白
建築設計士、町田が勤める事務所から独立、29→30歳

同時収録作品彼が愛しているのは

東江由基
東江建築設計事務所所長の甥,設計士,真白の先輩
片瀬真白
新人建築設計士

その他の収録作品

  • あとがき
  • Home Coming

あらすじ

元勤め先の後輩・町田と気楽なセフレ関係を続けている真白。真白には辛い恋の記憶があり、誰とも深い付き合いをするつもりはなかった。だが町田は優しくて仕事熱心で、本人が軽く見せようと装っているよりは、ずっと深く真白を想ってくれているように見える。町田に惹かれていくにつれてかつての恋人の記憶が蘇るようになり、戸惑う真白だが……? 抱えた傷ごと、彼を愛した。切ない年下攻ロマンス。

作品情報

作品名
彼が愛しているのは
著者
安西リカ 
イラスト
橋本あおい 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403526435

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24

4.4

(50)

(34)

萌々

(11)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
10
得点
221
評価数
50
平均
4.4 / 5
神率
68%

レビュー投稿数10

心に刺さりました

すごく面白いお話でした。
安西リカ先生の本はほとんど読みましたが、このお話が1番気に入りました。
集中して一気に読んで、最後は泣けました。

元彼との話も含めて、そうゆうことあるよね、と共感。
好きになるほどつらい恋もあるし、今の自分のまま等身大でできる恋もあるし、どちらの恋も現実的。
リアルなストーリーと心理描写だなぁと思います。
行間から読み取れる気持ちの動きも、読者の心の深いところにささります。

建築業界のことは未知の世界ですが、ストーリーを通して建築士のお仕事を擬似体験した気持ちになりました。興味深いです。
素晴らしい作品なので、オススメです。

1

心が持っていかれる作品

『彼が愛しているのは』を拝読しました。心を揺さぶられるというのはこういう事なんだと、この本を拝読して感じました。引き込まれ読み返しました。
真白と町田の軽妙なやりとりに心地よさを感じ、真白と東江の恋に切なさと少しの幸せを。2人で設計した住宅やウンベラータに絆を感じた次の瞬間、息を呑みました。
ただ町田の心情が解るにつれ救われた気持ちに。そんな町田を真白が好きになるのも罪悪感を持つのも解る。印象的だったのが東江の夢を見るシーン。東江の想いなのか真白の願望なのか、涙がとまりませんでした。
町田と真白で住宅の設計を完成させたのは東江の想いを昇華したように感じました。町田の「あの人はだめだ」は決め手でしたね。真白の全部を包み込むような告白に震えました、感涙。真白に町田が居て良かった。2人で幸せになってほしいです。
心がもっていかれる作品でした。

2

過去含めてとても良かった。

あらすじに「真白には辛い恋の記憶があり」とありますが、元カレ東江の描写がちょくちょく出て来るなぁと思ったら、途中、がっつりと出会いから付き合うようになるまで書かれているんですね。
もうね、単なる元カレレベルじゃないんですよ。
東江という男の存在感とそれを愛した真白の過去を読者が否応なしにわかる仕掛けになっています。

その後の、攻め視点ときたら!
あんた、めっっちゃ健気!!!
ほんと、めっっっっちゃ健気なの。
めーーーちゃくちゃ愛しているのに、重い感情をぶつけないように、負担にならないように自制しまくっていて。

そして町田が見つけた「luminous」という名前のついた製図画像。
これは東江と真白がああでもない、こうでもないと言いながら造った家。
それを残している真白の気持ちを思うと泣けました。
煌めいているけれど非現実的で…永遠に完成することはない「真白と住む」家。
泣ける。
それをあの町田が完成させたというところもいい。

そして一番泣けてしまったのが「いつか消えてしまうとわかっていても、確かにあのときは同じ光を求めていた」ってとこ。

一方通行の泡沫のような恋だと思ってたけど、確かにあの時、愛はあったんだと知ることができた真白の気持ちを思うと泣ける。救われたよね。
そしてそれを町田のおかげで知ることができたとか、luminousのくだりも含めてお話の回収が神すぎます!!!!

そして何より過去の男、忘れさせてやるよ系ではなく、忘れらない気持ちも含めて丸っと愛する町田、最高です!

4

切なくて苦しくて、でも前を向ける物語

安西リカ先生が大好きで、新刊が出るたびにすぐに読んでいます。
最近は軽めの作品が続いていましたが、本作はとても切なく苦しい物語でした。


気軽な体だけの関係を続けている真白と年下の町田。関係が続くにつれ互いに親密さが増しているものの、真白にはつらい過去があり、その先に進むことができない。
かつて、憧れの相手に捧げた深く苦しい愛を思わぬ形で失った真白は、その喪失から立ち直れていない。
町田との関係をいざ進めようとした時、かつての愛を忘れて進むことの恐怖に耐えられない真白。


真白の過去の恋愛の切なさも、過去に囚われる苦しみも、すべて身を切られるようにつらく、泣きながら読みました。
真白の苦しみを理解し、心にぽっかり開いた穴ごと彼を愛し、忘れるのではなく喪失を共有することで前に進む道を示した町田。彼の献身と深い愛情により迎えた結末に、静かな感動を覚える素晴らしい物語でした。

本篇中の視点切り替えが巧みで、安西リカ先生の物語運びの力も遺憾無く発揮された作品だと思います。先生のファンの方も、そうでない方もみなさんにぜひ読んで頂きたいです。

5

切なさと救済と愛情が織り混ざって。

想像していた以上に、切なさ溢れてました。

誠実で包容力のある年下攻め×儚げ美人の年上受け。
セフレから始まった2人の関係は、最初から割といい雰囲気です。
気楽で楽しくて気が合って…攻めが弁えてて気遣いもできてすごく良い人。セフレだけど、どんどん恋人未満の関係に発展していくのが可愛くて。

だけど、受けは過去の恋の傷を引きずっていて、飛び込めないのが分かる。
何を抱えているのだろう…?と思っていたら、途中元彼と受けの恋愛話が始まり、結構ガッツリ展開するので正直戸惑いました。
なぜ、元彼との話をこんなに丁寧に描くのだろうと。

受けが元彼のことが大好きで、追いかけて、でも哀しい終わり方をしてしまった。
あぁ、このためにこんなに濃厚なエピソードがあったのかと…。とにかく切ない。
そして、受けはまだ吹っ切れていない心情がよく伝わってきました。

そして、その後に明かされる攻めの真実。
一途で誠実で健気な年下攻めだった。
この辺り安西先生だなぁと思う。切なさと救済と愛情が織り混ざっていて。

2人がお互いに好きだと自覚していて、正式に付き合う前の空気感すごく好きでした。

受けの傷をまるっと受け止めてくれる攻めで良かった。包み込んでくれて良かった。
ゆっくり好きになった、その気持ちの変遷に無理がなく、幸福で溢れる2人の未来まで見えるようで安心の読後感でした。

5

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