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小説


面白かったーーー…!
読み終えて思わず「わー、良かったー…」と呟いてしまいました。
終盤に向けてページをめくる手が止まらなくなる、
異世界転生×和ファンタジーのお話。
面白さと萌えが終盤に向けてぐんぐん加速してゆく感じにワクワク、大興奮でした。
攻め受け二人が出会い交流する中で、双方の考え方に変化が生まれ、
行動も変わってゆくー
そんな過程の描き方が本当に見事で、感嘆のため息が。
特に、身体的にも精神的にも劇的な変化を遂げる攻め・白夜の成長と、
ページが進むごとに糖度を増してゆく彼の溺愛っぷり!
ここが最高でした。終盤、私の心は蕩けに蕩けてました…(*´◒`*)
レビュータイトルにも書きましたが、なんとこちら、
海野先生初の”異世界転生もの”とのこと。(先生のブログより)
「ifの世界〜」は並行世界でしたし、
現世で命を落とした主人公が異世界転生、
という展開はこちらが初めてなのですね。
海野先生の異世界転生もの、まだまだもっと読んでみたいーー!!と、
読後の今、フンスフンスと鼻を鳴らして興奮しています笑
物語の主人公は、ブラック企業勤務の社畜リーマン・善文(受)。
明日30歳を迎えるというその日に事故死した彼は、
異世界から飛び出してきた手に捕らわれそうになった魂を庇い、
代わりに自らが召喚されることに。
しかしそれが大きな誤りであり、自分が”魂の取り違え”を
誘発してしまったのだと後に気付くも、時既に遅し。
自分が本当の”運命の相手”ではないことを隠しながら、
召喚の儀を行った子供のような見た目の白夜(攻)との
交流・生活が始まるのですがー
と続く、龍の出てくる和風ファンタジーです。
何がいいってまず、先述のとおり成長著しい
(→出会った当初より20,000%ぐらい成長する)攻めの姿です。
これは見た目もそうだし、内面についても。
出会った時には「超絶生意気なガキ」的印象の白夜が、
中学生くらいの見た目になり、さらにもっと進んで
高校生、大学生、さらに精悍な顔つきの青年へと変化していく様。
”逆転体格差”にもグッとくることこの上なし、なのですが
変化する度に増してゆく頼もしさと包容力、善文へ向ける愛がもう、半端ない!!
初めは子ども姿の白夜の可愛らしさと、白龍一族の中、
ひとりだけ異質な特徴を持つ白夜への同情心のようなものから
彼に寄り添っていた善文。
それが白夜の変化・成長を目にするごとに
同情心や庇護欲ではない、新たな気持ちが育っていくのですね。
こんなの、ニヤニヤが止まらないよー…!(。-∀-)✧*。
白夜がまだ生意気&我儘だったちびっこ時代。
元社畜リーマンだった善文にとっては彼の我儘なんて屁でもなく(笑)、
可愛いなあ〜と上手にあしらってるのが伝わってくるのですが、
いつの間にか成長した攻めの溺愛ムーブにはしどろもどろ、
立場が逆転しちゃうところも、大きな萌えどころでした◎
で。
白夜がどうして急激な成長を遂げたのか。
そのきっかけは何だったのか。
という理由付けの部分が、しっかり二人の絆の成果として現れていること、
また「国の盾」として働くという白龍一族の特徴そのものでもあることに、感動。。(ああ語彙力、、)
そしてまた、白夜と触れ合う中で変化してゆく善文の意識もまた印象的なのです。
誤解が生じたまま亡くなった母親の気持ちに思いを馳せ、
時を経て理解することができたのは、白夜との交流、やりとりがあったから。
この、互いが互いに影響を与え合い、変化をもたらしてゆく過程が胸熱…!
”幼い頃、「霊感少年」として持て囃されていた”
という事実が受けの単なるトラウマとして描かれているだけではなく、
そのことが善文のピンチを救う鍵となり、
白夜との「つがい」関係にも影響を与えることになる。
序盤で明かされていた情報が既に、後の伏線になっていたのか、
ここに繋がってきたのか…!と興奮しきりでした。
色事に関してはウブウブな二人(DT同士❤︎)だけれど、
あっという間に色々習得しちゃいそうだな…と予感させる白夜の愛し方にも萌え。
と、成長度SS級の攻めにも、巧みなストーリー運びにもおおいに心昂る一冊でした。
欲というのか、一つ注文をつけるとすれば、、
イラスト、特に善文のビジュアルがもう少し”大人寄り”でも良かったような…?;
アラサーの善文ですが、確かに本文中に
”学生のように若く見えて童顔”との記述はある。
にしても、やや子どもっぽい感じが強めかな?と、
ちょっと気になるところではありました。
と、最後にごにょごにょ言ってしまいましたが、、
長髪黒髪褐色攻めとの閨でのひとときのイラストには
「くーーっ!」となり、心の内では花火が打ち上がっておりましたw
”魂の取り違え”だったことが、一体いつ
白夜にバレてしまうのか?というハラハラ感と、
「(大)雨降って地固まる」着地への満足感は大きく(ˊ˘ˋ* )
総じて大満足の、異世界転生×和ファンタジーでした・:*+.
年下の攻め(見た目は幼いけど龍年齢は107歳なので実質は超年上)がちっちゃいときから大きく成長するまでを見守るストーリーの面白さは、何と言ってもその成長率だと思います^ ^
千年は生きるという龍の寿命を人間寿命に換算すると、白夜の107歳は人間でいうと大体10歳前後くらいでしょうか。百歳を超えていても見た目や精神はまだまだ幼く、反抗期真っ只中の子どものように癇癪を起こす我儘な性格は、当然ながら"つがい"を持つに相応しい人物ではありません。
俺様でワガママな性格だった白夜が人として成長していくところとか、"運命のつがい"である善文を大切にしていく溺愛ムーブが増し増しになっていくところとか。ショタでは到底前には進めない大人の夜の世界を知っていくところなんかもそうですが、白夜のこうした変化や成長を、親の気持ちになったかのように温かい気持ちで見届けたストーリーでした。
白龍の系統の家族の中で自分だけが異色の姿をしているコンプレックスから、"運命のつがい"だけが与えられるパワーに期待して善文を召喚した白夜ですが、その際善文は本来白夜の"運命のつがい"になるはずだった魂を押し除けてしまい、自身が白夜のつがいになってしまいます。
白夜の"運命のつがい"だと偽ることに後ろめたさを抱えながらも白夜との生活に満たされていく善文と、善文に心を開いていく白夜。両者共に"運命のつがい"の言葉を拠り所として仲が深まっていくものの、そうした彼らの"運命"がいつまで続くのかは気になりどころです。
白夜の人格成長と白龍コンプレックスの克服、善文が"運命のつがい"でないことの身バレの展開に加え、白夜と白夜の家族との間にあるわだかまりの解消に繋がる人間ドラマもまたこの作品の注目すべきポイントです。
白夜を通し、善文自身の過去と重ね合わせて見つめ直していく母親との関わりも見逃せない部分であり、家族の問題と絡めながらBLにアプローチしていくストーリーは非常に複雑めいています。が、そこが心理描写を巧みに物語に落とし込む海野幸先生の凄さでもあるので、ゴリゴリのファンタジーでありながらも人間くさい人間模様を大いに楽しみました。
偽りのつがいから始まった関係だけど、何が真で何が偽りかはそれは彼ら自身で決めるべきこと。"運命のつがい"が必ずしも肉体的な意味ではなく、心で深く繋がり合っていく精神的支柱を意味するなら、彼らは間違いなく"運命のつがい"であったと言えるでしょう^ ^
ストーリーは異世界召喚ものとしては割と入りやすい部類でした。
ただキャラクターについては、少し引っ掛かる部分があったかな。
不在中にしていた白夜の家族が戻ってきて善文を紹介するのですが、家族はすぐに「白夜をよろしくお願いします」っていうオールオッケーな態度に疑問でした。手を焼いているとはいえ溺愛している息子のつがいなのに、どんな人物か深く知ろうと思わないのかねって思ったし、しかもまだ生活基盤も不安定な白夜に家族に相談もなしで家を出ようと提案する人物なら私なら警戒します。それこそロマンス詐欺を疑うレベルで。
キャラにイマイチ共感できないところがちょこちょこありましたが、ファンタジーの規模感や見せ場感は十分。"運命のつがい"のワードが頻出しますが、オメガバースではないのでそこだけご注意下さいね。(一応子は成せる設定です)
