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塚森常務の不埒な恋人

tsukamori joumu no furachi na koibito

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表題作塚森常務の不埒な恋人

荏原達久
35歳〜40代、紡績会社営業二課係長→課長、塚森の恋人
塚森賢吾
30歳〜、紡績会社(親会社)の常務取締役、荏原の恋人

その他の収録作品

  • 荏原課長の不器用な恋人
  • あとがき

あらすじ

塚森が出向していた三柏からグループ本社の鷹羽に戻って三年。千葉県内を主戦場として働く荏原と主に都内で働く塚森は、週末のデートを楽しむ恋人関係を続けていた。塚森との恋は順調なうえ、二人が出会った頃のように身のまわりに不穏な事件が起きる気配もない。荏原は三柏社内で昇進したり、他社からは引き抜きの話も来ている。けれど、上司として部下のミスを見落としてしまった時、できる男である塚森との差も感じてしまい……? 二人の恋と仕事のその後を描く「塚森専務の恋愛事情」続篇!

作品情報

作品名
塚森常務の不埒な恋人
著者
栗城偲 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
社史編纂室で恋をする
発売日
電子発売日
ISBN
9784403526466

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4.7

(20)

(16)

萌々

(2)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
94
評価数
20
平均
4.7 / 5
神率
80%

レビュー投稿数3

格上の恋人と末永く共に歩くには

今回は繊維メーカー営業部係長と親会社の常務のお話です。

攻視点で格差のある受様との付き合いで生じる悲喜交々と
受視点で産業スパイ&横領事件に関わる後日談を収録。

攻様は大手繊維メーカー鷹羽紡績の子会社である
三柏紡績の営業部に勤務しています。

三柏紡績は累積赤字で破綻目前と言われていましたが
3年前に親会社の鷹羽紡績から出向してきた受様が
大胆で性急な改革案を実行して黒字転換させます。

営業部のエース社員だった攻様は反発しつつも
受様を知るにつれ俄然興味を惹かれた結果
受様の恋人として付き合いを続けます。

高羽紡績常務として多忙な日々を送る
受様との逢瀬は受様のマンションです。

恋人との経済格差を感じる事もあるものの
身の程を知って身を引くという殊勝さがない事が
攻様の強みでもありますが

恋人時間を過ごした受様に
受様に伝えられずにいた昇進話を振られて
慌ててしまいます。

中間管理職の係長職は業務も管理もさせられ
あまりヨロこはぜしいものではなかったが故に
言い出せずにいた為素直に謝るしかありません。

しかし受様が攻様の昇進を知ったのが
受様と仲が良すぎると思う友人の一報で
今彼が鷹羽本社に勤務していると知ると
つい嫉妬心が沸いてしまいます。

「報連相は大事だね」と言う受様ですが
受様こそ仕事柄すべてを詳らかにできない事が
ままありそうで…

『社史編纂室で恋をする』シリーズ2冊目
『塚森専務の恋愛事情』カプの恋人編と
その後のお話になります♪

『社史編纂室で恋をする』と同じ時間軸で
受様が絡むものの未読でも大丈夫ですが
前日譚になる『塚森専務の恋愛事情』は
読了していると攻様の葛藤が見えて楽しいです。

本社に戻った受様は常務となり
攻様も係長という管理職に昇進します。

攻様はもともと格差を承知の上という
格上の男を組み伏す事に喜びすら感じる男でしたが

昇進した事で先を行く受様に追いつけるかと思ったり
競合他社から引き抜き話がきたり
部下の発注ミスのカバーで走り回ったり
受様との逢瀬もままならずで
いろいろな面で受様と己の違いを感じてしまいます。

そんなぐるぐるな攻様を立ち直らせるのが
攻様が勝手に危険視している受様の友人となのも
なかなか難い演出で面白く

どうあっても埋められない(だろう)格差に
攻様がどう決着をつけるのかにドキドキ&ワクワク
できカプならではのぐるぐるを堪能させて頂きました♪

受視点の短編はさらに恋人としての絆が
強まった2人のお話で楽しかったです (^-^)/

2

穏やか

みずかね先生おっかけで購入。多分、塚森さんがこのシリーズで一番好きなキャラで嬉しかったんですけど、穏やかな分・・・という感じでしたので、萌にしました。うーーん。大人な二人のもだもだが好きな方でしたら良いのかも。本編160P弱+後日談40Pほど+あとがき。

優しく大人しげな顔立ちなんだけど、会社の構造改革なんかをびしばし実施する優秀な人材の塚森。創業家の直系親族のため常務取締役に就いています。忙しい中、仕事の合間を縫って会うのは、付き合い始めて3年になる荏原で・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
稲葉(別作品に登場)、攻めの業界関係者、攻めの上司部下等々。リアル日本、リアルリーマン話!

++

攻めは、受けが常務取締役なんで「うーん」と悩んじゃっている方。係長に昇進して、あれこれ変わって、トラブルもあって、読んでいるこっちも「ぬあー。。。。おつ」という気持ちになりました。ま、その疲れちゃったのを愛しの塚森さんに癒してもらっているんですが!

受けは、穏やか貴族という表現がぴったりな方。だからといって「良きに計らえ」っていうのではなく、ちゃんと経営者目線でてきぱきお仕事されてます。まあしがない一般人の気持ちに100%寄り添えるか?というと、ちょっと離れちゃっているところが、悩ましいらしいですが。あんまり人前で感情を出さないようにしているようで、それって疲れちゃう時があると思うんですよね。その緊張をなぜか攻めさんが解してくれる・・・そんな関係と思いました。

お互いがお互いを必要としている とでも言えばいいのかな。ファンタジーでもないしめちゃくちゃ劇的な要素がある訳でもないし、その辺のリーマンカプにありそうな感情の揺れ というタイプのお話でした。

最後に大好きなみずかね先生の挿絵話を。
めっちゃいいんです、カラー口絵。肌色じゃなくって二人で夜景の見える窓際でリラックスしている様子。明るい色合いではなく夜の風合い。いいわーみずかね先生の描かれるリーマン(綺麗なリーマン)ってほんと最高・・・表紙も大好き。スーツ万歳ですわ!

2

ハイスペック受けとの"格差"を思い知っても。卑屈沼には落ちきらない、男前攻め!

『塚森専務の恋愛事情』の続編のこちら。
「塚森専務〜」で見事恋人同士となった二人の”その後”が、
主に攻め・荏原視点で描かれています。(後半は受け視点)

本編冒頭から始まる二人の甘い情事の様子に、
思わず頬が緩んでしまうー…(*´◒`*)

みずかねりょう先生による美麗な口絵、
塚森宅で夜景を眼下に見ながら
微笑み合う二人のイラストも最高です✨

感想の前に、これからシリーズを読まれる方、
また自分の備忘録として時系列順にシリーズを並べると
下記のとおりです。

1.『塚森専務の恋愛事情』
2.『塚森常務の不埒な恋人』(今作)
3.『社史編纂室で恋をする』
4.『経理部員、恋の仕訳はできません』
5.『営業部員・大町志月の恋愛収支決算報告書』
6.『犬も食わない同期の恋愛』

なお発売順は3→1→4→6→5→2となっています。

先生もあとがきで書かれているとおり、1→2(今作)以外は
どこから読んでも問題なく楽しめるかと思います。

今作についても、続編ではありますが前作未読でも
読めないことはないかな…?
ただ、前作での紆余曲折、事件と陰謀を知っていた方が
より感慨深く没入できる気はします。

さて、今作!!
初めは攻めが受けにバチバチに反発していたものの、
なんやかんやあって恋人同士となった後の、「その後」のお話です。

何がいいって、まず、攻め受け共に
めちゃめちゃに「できる男」だということ!

そして今作では陰謀は渦巻いておらず、
心から愛し合う二人の姿が堪能できる、ということ!

また後半の塚森(受)視点のお話では
出会ってから約10年後、40代となった荏原と
30代後半になった塚森との日常の一幕が描かれており、
糖度マシマシです(◍°꒳ °◍)

恋人になってから3年(!)。
二人ともそれぞれ前作とは地位・役職が変わっています。
塚森(受)は荏原のいる子会社の専務から、親会社の鷹羽紡績の常務へ。
また荏原(攻)は子会社・三柏紡績で管理職(係長)に昇進。

喜ばしいことだ…と思いきや、昇進したことで
荏原はより塚森との”格差”を意識してしまう。

そんな折、競合他社から引き抜きの話が来たり、
部下のミス(…というより取引先の発注ミスなのですが;)により
方々に頭を下げ、気分が沈んでいるところに
恋人・塚森の華々しい活躍の知らせが飛び込んできてー

と、できる恋人との”格差”と、そんな彼を組み敷くことに
昏い愉悦を覚えた自分に対する羞恥、内心の葛藤が描かれています。

前作では「格差なんか気にする小さい男じゃないぜ」
感を醸し出していた(?)荏原が思い悩む様には
おおいに共感できるとこがあり、
一体どう折り合いをつけていくんだろうー?と
のめり込んで拝読しました。

ここで荏原にとっては複雑な感情を持つ相手・
稲葉(塚森の親友)にかけられた言葉により、
ハッと気付きを得、卑屈沼には落ちきらない荏原、男前だったー…!!
(稲葉グッジョブ)

下手すれば考え続けて気にし続けて
”じゅくじゅくじゅく…”と膿んでいきそうな思いを、
「自分軸」をしっかり見つめ直すことで持ち直す。

追いつくことも、ひっくり返すことも難しい”格差”の問題を
どう捉えて収集つけるのか…とハラハラしましたが、
読み手側としても「うん、そうだよね」と納得する形で
出た結論に、大きく頷きました。

年収が同じでないと釣り合わない、というのであれば
例えばもし自分(荏原)の方が稼ぎが多くなったら、
塚森とは恋人同士ではいられないということなのか?

ーいや、それは絶対に違う。

と独白で力強く言い切る荏原。

地位とか年収とかの比較ではなく、
「ブレずに自分らしくいること」こそが
一番大事で、そんな自分軸を持つことにより
自信を持って塚森の隣に立っていられる。

大事なことは、地位や収入といったランク付けではない…

そう気付いた彼が、すぐさま思いを塚森へ伝えようと動く様に、
グッと拳を握りました(๑•̀ㅂ•́)و✧

男の矜持、プライドはしっかり持ちながらも、
柔軟にしなやかに受け止め動けるところ。
卑屈にならないところ。

もう、荏原という男の魅力全開で、胸が熱くなるー…!

以前この”格差”を理由に別れを告げられたという
トラウマのある塚森にとって、荏原の心意気、
言葉は本当に嬉しいもの、かけがえのないものなんだろうな…

と想像できます。

そうそう、この荏原と稲葉が飲んでいるところへ
稲葉からけしからん知らせ(?笑)を受けた塚森が
にゅっと現れ、口を尖らせるのが可愛かったw(*´艸`)

引き抜きの話を受けるか否かで荏原が出した結論、
ここにも彼自身の考え方の「軸」がしっかり現れていて頼もしい!・:*+.

好きな人の前で”かっこ良くありたい”と思うのは当たり前だけれど、
己の情けないところも隠すことなく塚森に見せた荏原。

そこに、付き合って3年が経ち
「さらけ出す」ことが出来るようになった二人の
絆の深まりを感じます。

後半、「荏原課長の不器用な恋人」の中では
二人が互いに”名前呼び”をしている様子に大興奮!!!!(◍°꒳ °◍)

「荏原さん」「塚森さん」呼びも良かったけれど、
「達久」「賢吾」呼びの破壊力たるや!

そう呼び合うようになったいきさつが明かされていて、
なかなか”達久”と呼べずに恥じらう塚森の描写に
萌え悶えました(*´∀`*)

前作から月日が流れ、より深く強固になった二人の愛と絆。
また思い悩む攻めへの、やっぱり男前ー!と思える
さらなる萌えを噛み締めた続編でした✨

3

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