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蛮王という言葉から暴虐な王を想像していましたが、破天荒ではあるけれどとてもからっとした性格で、付き合いが長くなればなるほど憎めないような、案外本質的には誰からも好かれるタイプの王なのが、いい意味でイメージを裏切ってくれました。幼い頃から他人を救うために自由を奪われてきたミルザを外の世界に連れ出してあげてほしいと切に願いましたが、彼にとっては今の生活も切っては切れないもので。2人なりの着地点が見つかってよかったです。アスラの闇や呪い、周囲の純真なミルザへの執着などはもっと掘り下げてもよかったかな、ラストが性急だったかなという感は否めませんが、1巻という短さで綺麗にまとまっていたと思います。
緒川千世先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
健気 3
しんみり 2
エロ 2
禁忌 1
な感じだと思います。
アスラさん×ミルザさんのカプです。
人々の病を治す生神として祀られているミルザさん。しかし、本当は自身に癒しの力は無く、故郷の神様の水によるものだった。水を汲みに行ったある夜、毒に侵されている青年を助けると…。
生神として花の国の館から外に出てはならない、と10歳の時から15年も過ごしているミルザさん。でも神様の水を汲みに人知れずこっそりと外に出ているので、ミルザさんの現状は窮屈なものですが、信仰的な描写での息苦しさはそこまでしんどくはないかなと思いました。
首狩王と恐れられているアスラさんですが、命を助けられたからか、ミルザさんに対しては少し強引ですが、比較的好青年のような言動で、ミルザさんに外の世界を教えてあげようとします。
ミルザさんもそれに興味津々で、アスラさんと一緒に外に出たい、と思うようになります。
一応、生神として祀られているミルザさんなので、アスラさんに惹かれていく想いが「禁忌」ということになるみたいですが、元々外に出ていたし、その後も外に出ることに否定的ではない感じなので、あまり禁忌感や背徳感がある感じがしなかったですね。
アスラさんとミルザさんが惹かれ合っていることがバレてしまい、アスラさんの身が危なくなりますが、2人の仲自体は拗れるようなことはあまりないし、結末もハッピーエンドなので、是非とも読んでほしいです。
砂の国で“首狩王”と呼ばれる蛮王アスラ×病を治す力があり花の国で“生神”と呼ばれるミルザ。
毒に犯され行き倒れていたアスラを見捨てられず救ったミルザは、そのせいで治癒の力が神様の水の力によるものだとアスラに知られてしまう。
秘密を知られたアスラは実は首狩王で、のちに国を訪れてきて───。
“禁忌を犯す民族ロマンス”と書かれていたのと、アスラは蛮王だということからダークな展開を想像したんですが、あまり禁忌感は感じないロマンスでした。
よく分からないんですが、花の国の人々は神様の水のことは知らないはずなのに、侍従のダスは神様の水のことを知っているのはなぜなんでしょう?
彼はヘラの谷の者なんでしょうか?
だから彼だけは知っているということかな?と思ったんですが、どうなんだろう?
でも、もしダスがヘラの谷の者なら、傍で仕えるのはよくてヘラの谷に帰ることは汚れるから許されないというのもどういうこと?と思う。
なぜ花の国にいたら汚れないのか......ミルザを国から出さないためにそんなことを言っているだけなのかもしれないけど。
それとも、ダスは花の国の者だけどミルザが神の水のことを話したということ?
そうなら、重大な秘密を打ち明けてしまうのは不用心じゃない?と思ってしまう......。
水を汲みに行っているのを見られて知られたとか?
その辺の説明がほしかったです。
アスラを救うために口移しで水を飲ませたミルザに、目覚めたアスラがキスするシーンはなぜそうなるのかよく分からず。
一目惚れ?もっと水が欲しかった?
ミルザは本当はなんの力も持たないのにみんなを騙してきたと言っているけど、先に生神様だと言い出したのは花の国の者だし、ミルザはヘラの谷の人々の平和を守るために水のことを言う訳にはいかず自分の力だということにしているのであって、騙すつもりではないし。
これだけ秘密を守って花の国とヘラの谷の人々のために自分を犠牲に尽くしてきたのに、アスラと出会い外の世界を見たくなったとたん生神をやめて国から出ようとしてしまうので、そんなに簡単にやめて逃げられることだったの?と思ってしまったり。
ダスの件があって踏みとどまっているけど、これで踏みとどまれるなら最初からダスのことが頭をよぎってもっと葛藤したんじゃないかと思ってしまったり。
ミルザとアスラの関係を国王に密告した侍女も結局はミルザの願いを叶えていたけど......それなら国王に報告しないでよと思ってしまったり。
いや、仕事だししないわけにはいかなかったのかもしれないけど、あなたが言いさえしなければアスラもこんな目には合わなかったし、ミルザは生神のまま国に残ってくれてこれまでと変わらず癒してくれていたんだし......と。
「私達は貴方が神だからではなく貴方だから仕えていた」と言うシーンは感動のシーンなんですが、それにもそれなら尚更もう少しミルザとアスラの関係を見守ってあげてもよかったじゃない...すぐに報告したくせに...とモヤつく気持ちが湧いてしまいました。
ミルザの本当は神様の水の力だという告白についても、すんなり受け入れすぎに思ってしまって。
どこにその水があるのかとか本当にその水の力なのかとか確認が取れてから信じるのは分かるけど、あんなに生神だと信仰していたのに普通の人間ですと言われてすぐ鵜呑みにできるものか疑問で。
人としてアスラと生きる道を選んだと思ったら、神の祝福があり結局生神様の力は健在だということになって、また生神として生きていることもモヤモヤ。
そうしないと大団円のハッピーエンドにはならないのかもしれないけど、本当はミルザにはなんの力もなく神の水の力だという話は侍女にしたのに、丸く納まったということ?
あの話はあの2人だけの秘密にして口を閉ざしたんですかね。
あの祝福の後から氷河湖も神様の水となりましたが、氷河湖のことは国王たちも知っていますよね?
ミルザの力で神様の水になったと崇められているということ?
元々は神様の水のことがバレたら奪われたり争いが起きて平穏が失われるという話だったのに、そこに神様の水の源があるのに何事もなくめでたしめでたしなのか...と思ってしまいました。
国は湖のことは伏せているそうですが、湖があるんだからミルザが生神として国に縛られ続ける理由も、外の世界を見に行く自由を諦める理由もない気がする。
描き下ろしを見るに、ミルザは本当に神に愛されているようなので、あの奇跡もミルザのために神が起こしたことであり、ミルザが特別な存在なことは確かですが。
しかし、祝福してくれたと思っていたのにその子を返せとは......???
あの声は神かと思ったんですが、別のもの?
湖のことが他国にバレたら争いが起きそうだなとも思ってしまいました。
あと、緒川先生は口の形が▯←(縦長の長方形)なことが多いのがある時期からすごく気になるようになって。
四角すぎて違和感を感じてしまうんですよね。
迫真の顔でも▯なんですもん......気になってしまう。
▯の口がいちばん気になるんですが、▽の口も気になる。
もう少し自然な形の口なら気にならずに読めて嬉しいな。
色々書きましたが、キャラデザはとても好きです。
特にミルザの花の帽子が素敵で、石楠花色の髪をした可憐な姿は生神と形容されるのも納得の容姿で愛らしかったです。
アスラも褐色の肌に鍛え上げられたたくましい肉体、黒髪三つ編み、相棒の猿のハヌマンも相まってどこかアラビアンな異国情緒漂う出で立ちが土の国が思い浮かぶ姿で素敵でした。
シーモア→白抜き(P139の一コマが特大の白抜きでびっくり。)
作家様買いです!
10歳で親元を離れ、花の館で人々を癒す生き神として過ごすミルザ。生き神ゆえに、外にでることも許されず、清らかであらねばならない…という制約がある日々。
怪我をする者、病気をする者を癒して回復させてしまうミルザの力ですが、実は秘密があって…!
その秘密をたまたま知ってしまった土の国の王、アスラ。
どんどん惹かれていく二人。
生き神として生きてきたミルザに外の世界の楽しさ、美しさを教えてくれるアスラ。
ミルザ本人に神のような力はないとわかってからもミルザの人柄に癒されてきた人々のあたたかさ…。
アスラとも結ばれ、ハピエンです♡
描き下ろしで、アスラにミルザを返してくれと言うゾクリとする存在にどきっとしました!人外の作用は働いていたのだな…と
