恋を知らない伸彦と惚れっぽい禄朗の年下攻めラブv

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表題作不実な男

富田禄朗,劇団員の優しいS,25歳
柾木伸彦,市役所勤務の自称欠陥人間,26歳

同時収録作品厄介な男

富田禄朗、劇団員
柾木伸彦、公務員

同時収録作品悪趣味な男

富田禄朗、劇団員
柾木伸彦、公務員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

お化け屋敷のデート中、彼女に気がないことを言い当てられ、ふられた挙げ句突き飛ばされケガをした伸彦。居合わせたお化け役の男・禄朗に手当てをしてもらうが、そこで少し話をしただけの彼に後日突然告白される。人を好きになれない自覚のある伸彦は、誰とも付き合う気はない。だがすぐに人を好きになる禄朗に興味を覚え、友人としてならいいと答えてしまい!?
恋を知らない伸彦と惚れっぽい禄朗の年下攻ラブ。

作品情報

作品名
不実な男
著者
久我有加 
イラスト
富士山ひょうた 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
不実な男
発売日
電子発売日
ISBN
9784403521959
3.9

(22)

(7)

萌々

(7)

(8)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
87
評価数
22
平均
3.9 / 5
神率
31.8%

レビュー投稿数7

自然体の男

久我有加先生の、関西弁BLです。

「不実な男」
のっけから、プロポーズをしようとしたその日に恋人(女性)にフられた伸彦と、遊園地のお化け屋敷で働く劇団員の禄朗の出会いです。
主人公は公務員の伸彦。今まで何度か女性と付き合った事はあるが一度も本気で好きになった事はなく、自分が人を愛せない欠陥人間だと悩んでいて…
一方、禄朗はゲイ。でも特に悩んでない自然体の男。
気の長い禄朗が伸彦を落とすまで、の優しく大らかな様子が描かれます。
禄朗はいちいち悩む伸彦を包み込み、なだめ、あなたはあなたのままでいい、と伝えていくのですが、ほんと、禄朗はイイ男ですよね〜。
伸彦がグルグル悩みすぎてるというか、いい人だから悩んじゃうんだと思うけど、正直ちょっとイラ〜っとくるかも…

「厄介な男」
2人の間に波乱を起こす男が登場します。
(のちにスピンオフ作品の主人公となります)
彼もゲイで、実らぬ辛い恋をしている。だから順風な禄朗x伸彦が許せず、伸彦を傷つけようとし、禄朗に好きでもないのに好きだと迫る…
免疫のない伸彦は翻弄されてグラグラ〜グラグラ〜。
勿論、禄朗はしっかりと伸彦を支えて、伸彦は好きな人と好きあうことの奇跡を知る…
禄朗と伸彦はついに最後まで結ばれます。ここの富士山ひょうたさんの挿絵、好きです。

「悪趣味な男」
付き合って5年の2人。
まだグルグル悩んでいる伸彦を面白がって見ていた禄朗だが、今回はちょっと深刻?
その悩みは、伸彦の両親が禄朗と会いたがっている、という事。
反対してないから、と言われているけど、禄朗に重いと思われたら…と悩んでいたのです。
勿論禄朗は自然体ですから大丈夫。2人の愛情は温かく、本物です。

0

恋の先生と生徒

表題作と続編、甘い短め後日談の3作品が収録されています。

「不実な男」は、二人が恋人になるまで。
「厄介な男」は、付き合って2か月。 定家順の八つ当たりにも振り回されて柾木が不安になる話。
「悪趣味な男」は、付き合い始めて5年。悩み事のありそうな柾木に禄朗が気がつく話です。

柾木がとにかく可愛いです。
自分は愛する事ができない欠陥人間だと決め付けているのを、禄朗がそうじゃないよと丁寧に教えていきます。柾木も生徒であるかのように、フラれて一週間後の男の態度はどんなもんだろう?などと尋ねる素直さです。
恋愛体質じゃないだけ、というセリフを筆頭に、禄朗が柾木に話す言葉はなかなか説得力がありました。

続編では、禄朗の「カワイイ」が自分では分からないから禄朗を繋ぎ止められないと泣く柾木が可愛くて可愛くて…禄朗が我慢できなくないのが分かります。

「悪趣味」だけ禄朗の視点で語られるというのも良かったです。柾木の目線で語られる前2作品ではちょっと出来すぎたぐらいの男前だったので、実はちょっとSっ気があるというのが面白かったです。

二人とも関西弁なのですが、禄朗は数ヶ月年上の柾木に敬語を使うのでちょっと標準語っぽい感じもあります。

社会人の関西弁カップル、ワンコっぽいけど実は優しいSの攻め、天然で可愛いな受けがお好きな方にお勧めします。

0

策士攻め萌え

劇団員×市役所職員の関西弁同士CP。
この作品は攻めキャラが異様に良かった!
同い年ですが学年が一つ下で敬語攻めです。

受けはノンケですが、26年の人生で誰も好きになった事がなく、
自分は欠陥人間なんじゃないかと悩んでいます。
攻めは惚れっぽい性質のゲイで、
すぐに受けに惚れて告白して、速攻振られるのですが、
受けは、自分とは逆に簡単に人に惚れる攻めに興味を覚えて、
友だちならと付き合い始めます。

程よい距離感で接し、
自分の悩みの相談にも真面目に受け答えしてくれる攻めに、
友人として大切にしてもらいつつ
恋愛めいた誘いかけをされている状態を受けは心地よく感じ、
いつしか絶対失いたくない友人だと思うようになります。

攻めがにこにこ友達付き合いを続けてくれるので
引き際を心得たおっとり穏やかな人柄と思いきや
実は、人の心を読むのに長けたものすごいクレバーな策士で、
確実に受けを落としにかかってくるのが萌えます!

こんな完璧な男なら、掌の上で転がされたいっ (〃∇〃)

王道展開でしょうが、
キャラは立ってるし、とにかく面白いです♪

2

関西弁萌~

方言BL自体が好きなんですが、やっぱ関西弁はするっと読めるというか口当たりが良いですなー。
自分が方言とは無縁なので余計に方言に魅かれるのかも。

ゲイの劇団員・禄朗[攻]と公務員・伸彦[受]
どちらも関西弁なので交わされる会話のテンポも読んでいて気持ちが良いです。
伸彦は、恋愛体質の両親の元で育ったにも関わらず恋愛の出来ない男で、その事で自分が欠陥のある人間ではないかと悩んでます。
付き合っていた女性にも「貴方は私を好きじゃない」と言われてフラれてしまうのですがそこに偶然居合わせたのが禄朗で、落とし物を渡す為に彼等は再び何度か会うのですがそこで伸彦は禄朗に告白されます。
男女の差というより元々恋愛が出来ない体質だと分かっている伸彦は「友達としてなら」と返す。
その後仕事上の縁もあり彼等は度々出会い同じ時間を過ごし、恋愛が出来ないという伸彦に対して禄朗は、単に向いてないだけじゃないのか、恋愛はこうあるべきという形に囚われているんじゃないのかと言ってくれます。
そうして付き合っている内に伸彦は生まれて初めての恋に落ちてしまうのですね。
禄朗はやたらに伸彦に向かって可愛い可愛いを連発しまくり甘やかしてくれる。
同い年同士なんだけどそれが関西弁のせいか妙に違和感無い。

作中で時折、禄朗が伸彦を観察して反応や思考を面白がって可愛いと思っているシーンが出てきます。
きっと伸彦は禄朗の萌えツボにばっちりハマっちゃったんだろうなあって感じ。
最後は5年後の話で付き合って5年たってもまだ初々しい伸彦は確かに可愛い。
恋愛体質の伸彦の両親の伏線が最後でまた出て来て、ほんわかする読後感でした。

1

不実な男というよりも未熟な男

不実というより未熟な男だったような気がします。
まだ熟してなかったって感じ。
恋愛体質じゃなくって
どうも本気になれない
でも恋人を作らなきゃ
愛さなきゃ
結婚しなきゃ
って、不実ではなく誠実に悩む男でしたね。

フィクションの登場人物だけど
実際こんな感じの男の人は多い気がします。
性欲はあれど愛情を強く意識したことがないとか
ここで本当に不実な男なら心を痛めないけど
主人公の伸彦は、自分が悪いと悩む誠実さがありました。
若さと性欲がある時期を過ぎた大人ほど
この手の低温な恋愛感情な自分に悩むんじゃないかなぁ・・・
なんかすごく伸彦の気持ちがわかるよ!

そして登場するのが、ゲイの禄朗です。
この人、百戦錬磨なんじゃないのぉ?
と、思うほど確実に狙った獲物を手中におさめていくタイプだよねwww
温度差は一定だけど持続力がすごいというか
忍耐力が、パネェ!
ノンケの男をこんなにもたやすく落としちゃうなんてすげぇw
実際、禄朗みたいな男がいたら落ちるノンケ男性がいても
おかしくないかも!っていう説得力がすごくあった。

で、続く『厄介な男』では、そんな器用な禄朗に
いつまで愛してもらえるのかって伸彦が悩むんですよね。
恋愛に関しての情緒の目覚めがなにしろ禄朗とつきあってからだから
禄朗がすべてになってるんですよね。わかるわかる。
そして禄朗みたいな男と持続してつきあう怖さも、わかるわかる。

『悪趣味な男』は5年後のふたり。
関係は深まるけど、いまだに初々しいままとかすげぇwww
波風たたずに5年も過ぎてるのかー。
ほんとに禄朗すげぇなって思う。
しっかしこんな完璧に感情コントロールできる禄朗が
過去どんな恋愛の別れをしたのかが逆に気になりましたよ。

全体的に、地味めな本ですけど
個人的には、よくわかる!わかる!といった感じの本でした。
『神』ってまではいかないのは禄朗が得たいのしれないほど
人間が出来ていて
浮き沈みがないのがちょっと物足りなかったです。

2

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