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待ち遠しかった最終巻です。
コルセーアを読んでいていつも思っていたのですが、作者は楽しんで書いたんだろうなぁ…と。
作者が楽しんで書いている気持ちが伝わってくる…、そんな感じがします。
カナーレはここにいたってまだ身の上に災難が…。
でもアイルは無事に奪還できたし、一つずつ解決していきます。
もちろん、ヤーニとセサームも、自分の仕事をきっちりと。
ピサール内部に潜むシャルクの暗殺者を暴きます。
アヤースも戦闘では大活躍。
カナーレを苛めた恨みを込めて殺す…そんな風に感じました。
そして奇妙な友情を築いたシャルクに関わった3人。
カナーレ、スライアン、ナフェルにも終わりの時が。
シャルクに滅びのときが来ても、スライアンはセサーム暗殺をあきらめない。
ナフェルの説得にも応じないスライアンは、カナーレと闘って死ぬ。
親友を殺したカナーレ、殺されるところを見ていたナフェル。
納得して死んでいったスライアン。
この3人がシャルクでなく別のところで出会っていれば・・・と思わずにはいられません。
遺体を抱くナフェルは、どんな想いで埋葬したのか…想像すれば悲しくなりました。
とてもスケールの大きなストーリーでした。
地名が出てくるたび、巻頭の地図を見て「ああ、此処か」と理解をしたものです。
しっかり「物語」として読ませていただきました。
読み終わっても、しばらくは心地良い余韻に浸ってしまう。
コレで完結…というのも納得だけど、
まだまだ書き続けて欲しいなぁ…と願いが止まないお話でした。
コルセーア最終章もいよいよ最終巻。
全ての出来事に決着がつきます。
カナーレは罠に自ら進み、声を失いながらも。
アイルを救出し。
長老の正体を知り。
そして―――。
長老の正体は意外な人物でそうかそうだったのか…と。
ある意味深い怨念のようではあるけれども、ごく単純な愛憎によるものでもあったのだな、と。
この巻で印象に残るのはやはりスライアンの最期でしょうか。
最後の最期まで自分の信念を曲げず。
曲げれず。
それでも、どこかでそれが終焉に向かうことを望んでいるようなところもあって。
最後、カナーレに向けられた言葉はこれまでカナーレと行動を共にして来た中で生まれた初めての感情や戸惑いでもあったのかな、と。
自分の生まれに少しも疑問も持たずここまで来たスライアンの選んだ最後はそれはそれで潔く男らしいものであったと思います。
そして、ようやくカナーレも自分の存在意義というか希望というか「欲しがる」ことを覚え始めて。
アヤースがしつこいくらいに教え続けた結果だとは思うのですが、あとがきの「割れ鍋に綴じ蓋」と言われてしまう2人のイチャラブが続けばいいのにと思いますが(周りがいろいろ振り回されそうな気はしますが)
そうそう。
このシリーズではジルが最強だと思ってたのですが、そのジルをたじろがせる?人物が今回いましたね。
ナフェル、すげー!
何気ない言葉でジルをうめかせるとは。
あとはセサームとヤーニ。
ヤーニ、また叩かれてましたが…。
再会して早々これですか(笑)
全ては心配の裏返しだとはわかっているのですが。
この2人の蜜月はまだ先のようで。
もう一仕事終えれば、ヤーニもしっかり…というかがっつり御褒美がもらえるといいな、と思います。
というか、それが読みたい!!
どっかにないですか、ソレ?
長い長い物語。
けれど、飽きることなく読み進めることができました。
BL小説でこれほど長いお話って珍しいとは思うんだけども(シリーズではっても1つのお話で、という意味)たまには読みごたえがあっていいものですね。
また、こんなお話を読んでみたいです。
最後に。
これはものすごい余談なのですが。
これは執筆状況やら締切状況やらのせいもあるのでしょうが、商品として出荷する上では最低限の読者への読み易さは保持して欲しかったです。
というのも、誤字・脱字が結構目立ったためです。
誤字はまぁ校正の段階で、読みが同じなら読み流してしまったのかもと少し寛容に見ることもできるのですが(それでも明らか文章変なとことかありましたが)
せめて、主役の名前だけは脱字ナシにして欲しかった!
脇役とかちょい役ならまだいいんですけど…。
ラストのすごくいいシーンでの「カナー」は正直萎えました。
この巻だか忘れましたが以前「ヤース」というのもありましたし。
重要な場面での誤字・脱字はその物語の評価を左右しかねないと思うので、時間が差し迫っていたにしてももう少しチェックして頂きたいかな、と。
それで発刊が遅れても最良の物が読める方が読後感は良いはずです。
一般書籍よりBL系とかの方が誤字・脱字が多い気がするのは気のせいでしょうか?
スタッフ不足とかなのかしら…。