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◆僕の知るあなたの話(表題作)
片方がヤクザなのにこんなにほのぼのしてていいの?と思うくらい、穏やかな作品でした。ワンコを通り越してふにゃふにゃな雰囲気でヤクザの渋沢に迫る、波亜人のキャラクターが新鮮でした。渋沢が受けなのも最高ですよね。こんなに警戒心がなくしっかりしてない子がヤクザとデキてしまう展開には現実味はないですが、BLファンタジーとしては十分楽しめ、殺伐とした日々を生きる渋沢が癒されればいいなと思いました。
◆ソテードオニオン
高校生同士、お互いの好意も自分の好意も自覚していながら、不器用な進み方しかできなくてもどかしい手順を踏んでくっつくのが可愛らしかったです。全部分かっていて、布石を打ってあげる根岸の大人な性格に惚れました。
短編4本。
どのお話もテンポ良くスムーズに無理なく進みおもしろかったです。
キャラも好感持てて、みんな好きです。
表題作に出てきたホストの尚は「あかないとびら」に収録されていた「冷たいさびしがり」の子よね。
どういう時系列かわからなかったので、他の方のレビューを拝見すると、本作の方が先なんですね。
「冷たいさびしがり」では尚は39歳と言っていたし、一緒に住んでいた人はマンションを残して死んでしまったの、本作の西島のことだったんですね。納得。
そうか、元ホストだったのか。
「あかないとびら」の中でいちばん好きなキャラだったので登場してくれてうれしい。
本作でもいい奴だったし。
表題作の2人もよかったし、ハゲがいい味出してた。
「オ…オレ アニキ好みの男じゃなくてすいませんっ」
に笑ったw
ツタ先生の他作品でもナイスな脇キャラ多くて、キャラ立ちしている脇役を描かれる漫画家さんの作品はたいていおもしろいのでうれしいです。
あとがきで「かみさまの目をぬすんで」の2人の受け攻めが結局決まらず、その2人が先生に首根っこ掴まれ引っぱってこられて正座している絵がかわいらしくてツボりましたw
母親の連れてきた男に恋をした 理由は簡単 だれより優しくしてくれた人だったから
ちょっとアホな子とヤクザの話
そんなつもりで読んでたら大間違いだった
鈴木ツタさんの作品ってちょいちょいツボついてくれるので定期的に読みたくはなるんだけど 実を申せば【三軒隣の……】にあまりハマれず どハマりした【メリーチェッカー】と【BARBARITIES】を繰り返し読んでるたけの状態で これはよろしくない と今回チャレンジしてみたんだけど ツボついたどころかどたまぶち抜かれた気分
親との縁が薄く孤独に傷ついていた少年をこれ以上傷つけ孤独にしないよう立ち回るも意図も容易く傷つけてしまう 傷つけないことより自分が傷つきたくない離せない大人のエゴってやつが思いの外滲みでてて だからなのか重くなりすぎないところで軽く切り上げられちゃって 途中までの表題作の重みが………ちょっと勿体ない
で挙げ句は それまで普通だった思考回路を変に揺るがすアホの子推し
不覚にもツタさんの描く大柄ポンコツが大好物 そんなものチラつかされたら重みとか勿体ないなんてどっかにぶっ飛んでっちまって 気がつけば 深いたんだか浅いんだか 真面目なんだか不真面目なんだか
この独特な後味 ある意味通常運転のツタさんだった ←特にあとがきw
表題◾︎松本波亜人(はあと 高校生〜ホスト)×渋沢(ヤクザ)
単行本の5割ぐらい。
ストーリー:波亜人は母親の恋人だったヤクザの渋沢のことが忘れられない。突然会いに行った高校生から、卒業してホストになった後も関係は続いていて…
ヤクザものが苦手なのですが、この攻めと受けの関係性はとても好きでした。波亜人からの好意を流し続けていた渋沢がそれを受け入れるとき…好意はもちろんあれど、個人的には贖罪も含まれているって解釈をしたい。
この辺りもっとドロッと描くことはできると思うのですが、そういうのは鈴木先生の絵柄にあってないんですよね〜勿体ない。
◾︎根岸×玉央(たまお) 高校生
タマネギCPです。CP表記的にはネギタマだけど。
◾︎斎藤(武士 幽霊)×翔太(高校生)
◾︎楢崎×若月 (同じ会社で違う部署)
レビューのために再読
【僕の知るあなたの話】【僕の知る僕らの話】【あなたの知る僕らの話】
ずっと母親に虐待をされていた美人ホストの波亜人(攻め)とヤクザの渋沢(受け)という組み合わせ。
本を入手した当時は、虐待されて行き場がない高校生とヤクザといういわば底辺に生きる二人の切なさ、行き詰まり感みたいなのを読みたくて入手したのですが、何だか違うなぁと違和感を感じてそのまま放置していました。
そんな入手当時の思い込みがようやく抜け切った今、再読。
この二人には私が当初期待していたどうしようもない行き詰まり感みたいなものが決定的に欠けており、そこが以前読んだ際、何か違う、これじゃないと思ったところでした。
もちろん薄暗い風味はあるのですが、それを打ち消すのが元・被虐待児である波亜人の素直でピュアなキラキラした存在です。渋沢に言い渡された男の三か条を必死に守りつつ渋沢をずっと健気に慕っている。虐待を受けて育ってきたのに行方不明になった母親の帰りをじっと待っている。人を憎むという事を知らない笑顔のあまりの眩しさが少し切なく哀しい。
そして過去虐待されようが、取り巻く周囲がどう変わろうが、ホストになろうが波亜人の本質は「変わらない」のであり、そこが渋沢も「なんかほっとするよ。」と言っている。そして「変えたくない」からずっと変えてしまうような要因から自分が盾となり波亜人のことを守り続けている。
この話は切なさを感じつつも、波亜人の可愛らしさ、そしてヤクザである渋沢がずっと波亜人を守り続けた挙句「渋沢さん、かわいい、かわいい」と波亜人に抱かれちゃうというところを味わうべき本というか。
もちろんそこに波亜人の母親絡みのエピソードなども描かれているのですが、そこまでダークな扱いではありません。
【ソテードオニオン】ネギちんと玉ちゃんという高校生カプもの。この呼び名で判るとおりバカップルで、あーだこーだ言ってるアホっこ二人を愛でる話。
【声が届くのなら】まさかの守護霊との恋。
【かみさまの目をぬすんで】10年前に親友に告白されて拒絶した過去を持つ男。社会人となり同僚から告白されるのですが、高校生時代に告白された当時を思い出しつつ現状になぞらえて男自身が成長している様が描かれていました。
しかし、前途多難だと思われます(笑)