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表題作彼の寡黙な唇

弓削大我・新進のシナリオライター/高校時代の先輩
笹色怜・ある事情で攻様の隣室に住込む編集者/後輩

あらすじ

取材で新進脚本家を訪問した編集者の笹色。その脚本家は笹色が恋愛に臆病になった原因の男・弓削だった。―高校時代、好奇心にかられた情事の現場を、憧れていた先輩の弓削に踏み込まれ罵倒されて以来、笹色は自らの恋愛を封印してしまった。嫌悪に歪んだ彼の眼差しが忘れられない…。―しかし、数年後、弓削との再会で彼が笹色に嫌悪感を抱いていないことを知る。寡黙な彼が時折見せる微笑みや優しさが嬉しくて、笹色は封印したはずの恋心を抑えられなくなり…。

作品情報

作品名
彼の寡黙な唇
著者
火崎勇 
イラスト
奥貫亘 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784877245627
3.5

(10)

(0)

萌々

(6)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
34
評価数
10
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

再会もの

丸ごと1冊表題作です。笹色の目線で進んでいきます。

笹色(受け)は高校時代に先輩・成川と部室で初H中に、もう一人の先輩・弓削(攻め)に乱入されたのがトラウマになり、恋愛ができなくなりました。それから歳月は流れ…、26歳になった笹色は友人・穴沢に頼まれてネコの世話をするために穴沢の家に住むことになります。その隣に住んでいたのは弓削で…。

本を読み慣れている人には、序盤でキーである穴沢の考えが分かり、引いては弓削の気持ちや筆名にもつながり、オチが読めるかもしれません。それでも、脚本家と編集者という仕事を絡めた展開にし、飽きることなく最後まで読ませる筆力はすごいなと思いました。

ただ、ちょっとこれが欲しいな、と思うところのある作品でした。

題名に「唇」とつけるのなら、内容をもう少し唇に関連させて欲しかったです。あの唇が動くのが怖い、とか。あと、弓削は寡黙とはちょっと違うような…口下手の方かなって思いました。題名にインパクトがなくて、聞いてもぱっと内容が浮かばないのは残念です。

あと、成川が笹色に謝る場面。手出しした理由に、誰とまでは示さなくても「いつも可愛いと聞いていてから」などと言ってくれたら、個人的にもっと成川の好感度が上がりました(笑)

弓削も、襲ったとはいっても暴力はないし最後までしていないので自分では許容範囲でしたが、告白された後の場面で、その時の言い訳が足りないのは不満でした。弓削は友人(成川)に好きな人(笹色)が手出しされたのがトラウマになっていて、穴沢にもそれがリンクしてしまい、それくらいなら自分が…というような説明の方が納得できました。あとこれだけ尽力している穴沢には失礼な話なので謝れっ!とも思いました。穴沢は、セフレがいるということさえ気にしなければ、最初から最後まで惚れてしまいそうないい男でした。ぜひイラストで見たかったところです!

とはいえ、ちょっとした不満はあれど、イラスト効果もあって弓削は男前です。「やっと笑ったな」には、非常に萌えました。笹色は真面目で人を責めない男で、ネコに話すのが可愛らしかったです。ぶっきらぼう先輩攻め、後輩受け、恋だけじゃなく友情も欲しい、ネコ大好きな方にはお勧めです。するりと読むのに良いと思います。

イラストを描かれた奥貫先生のあとがきとオマケ漫画2ページがあります。穴沢のネコ・ジャックLOVEな内容でした。

6

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