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一方的な美しい恋、それで充分だったのにずっと君に憧れてた。
購入は2012年でした。およそ10年前…遠くまできたものだ。未レビューの本がまだまだある。
◾️窓辺の君
最近、登場人物の心内を文字で見せすぎる作品が多いような気がして。漫画なんだから絵でも見せてほしいと思うんですよ。その点、雲田はるこ先生の作品は一コマ一コマで魅せてきます。何も文字がなくても伝わる、柴田(先生もとい助手)の虚しさよ…
◾️good bye, honey
◾️lay down, sally
振り回す人と振り回される人
◾️はじめて弾く恋のうた
八木澤先生がほんといいとこ無しなんですよ。最後の最後もけっきょく深見くんが勇気出してる。大事にしてくれ!
◾️悪童セブンティーン
色々と厳しくなってるので、この物語の導入も今だったら無理かもな。間宮はなんでこんな男が好きなのか。理屈じゃないんだな〜
◾️あなたには言えない
◾️だいだい色に溶けあう
この両作品を見たあとの静かな熱さ…
「あなたには言えない」で感じた青二と「だいだい色に溶け合う」の青二の違い…確かに同一人物ではあるのに。あくまでも短話なのにここまで魅了してくる。初コミックス収録とは思えない傑作。
作者さん買いです。
雲田さんのデビューコミックなのですね。
イラスト入り手書き目次が可愛い。
7話のお話が収録されている短編集でした。
中でも表題作「窓辺の君」と「あなたには言えない」「だいだい色に溶けあう」が良かったです。
窓辺に見える彼をただ見てるだけで良かったのに、その彼からつきあってと言われて…なお話なのですが、想像していた彼とはかけ離れていて、しかも単なる興味本位で付き合いたいと思っている。
後から後から悲しみが溢れた というモノローグとともに、陰で泣いてる描写には胸が痛みました。
ハッピーエンドになりそうで良かった、ホッとしました。
「だいだい色ー」は「あなたにはー」の前日譚になっていて、過去に突然いなくなった恋人から手紙が届くというお話なのですが、どういう経緯で姿を消したかが描かれています。
恋人の居ない世界は地獄のようだと思いながらも、去らなければならなかった青ニと、突然恋人に去られた礼の気持ちを考えると辛くて。
最後のページ、ここで終わるんかと。これは罪です。心を持ってかれました。
読み終わってからもう一度「あなたにはー」を読むとまた違った味わいがあり、どうしようもなく胸がヒリヒリ痛みますがオススメです。
他のお話も可愛かったり、ほろ苦かったりと色々な感情を引き出されるお話ばかりで、読んで良かったなと思える作品でした。
先生の初単行本。
短めのお話7篇収録。
メルヘンな表紙デザインと絵でBL…少女漫画チックなのかしら…と思ったら確かにそんな雰囲気だけれど最初の表題作からエロいシーンがさくっとあり、おお!となった。
絵もラフな感じかななんて思っていたら、いやいやめちゃ美しい✨
人物の表情が皆、愛くるしくて。キャラも一筋縄でいかない憎めない奴が多くておもしろい。
「GOOD BYE HONEY」のヤスとかw
私はてっちゃんが渋くて好きだけど
「悪童セヴンティーン」の間宮の悪童っぷりが悪いやらかわいいやら色っぽいやらでめちゃ笑った。相手の先生のちょろさがまたおもろい。
キャラ皆、表情がくるくる変わってかわいいの何の
横顔や斜めのお顔がめちゃ色っぽかったり、相手のことを「かわいい!」という顔がこれまたかわいい。
エロいシーンもめちゃ色っぽい。
「あなたには言えない」の後にその過去篇「だいだい色に溶けあう」を読んで先のあなたには〜の話がまたよくわかるってのがよくできてるなぁと。
んで、それまでのお話はさらりと楽しかったのに対してこの2篇は深めで切なかった。
短いお話なのにこんなじーんとくるのすごいなと思った。
あとがきの雲田先生の自画像の雲助ちゃんが超かわ。
無類のどS好きとありちょと笑ってしまったw
間宮がどS1位というのもw
どの作品も雰囲気があって、起承転結もしっかり楽しめる短編集でした。ただ、すごく余韻の残るような作品はなかったかな。読みやすい分、さらさらと流れるように読み終えてしまいました。雲田先生の短編集は『ばらの森にいた頃』が私の中では一番です。
◆おやすみ、サリー
人気作家とマネージャー。こちらはマネージャーの高村が魅力的なキャラでした。ずっと好きだった作家のサリーのマネージャーにまでなり、一番近くで彼に寄り添いスケジュール管理などを任される幸せ。それを噛み締めている高村が健気で可愛い。よくある芸能人とマネージャーものとは少し雰囲気が違い、サリーがあらぬ疑惑をかけられ捕まってしまうので、短いページの中で2人が甘い時間を過ごせるのはさらに僅かな間なんです。そして、終わり方も呆気なくて寂しい。でも、読みようによっては未来の2人に少し希望も見出せるような、けっして暗くはない作品でした。
◆はじめて弾く恋の歌
初めての敗戦で燻っているボクサー深見と、彼にピアノを教えることになる八木澤。絶対王者が負けた時、悔しさや憤りの前に、どこかホッとする気持ちには共感しました。前を走る者が1人もいない、誰かに追いかけられるばかりのプレッシャーって、きっと想像を絶するものだと思う。追いかけている方が気持ちは楽ですよね。そうしてボクシングと少し距離を置くことになった深見は、ピアノと八木澤に癒しを見出していきます。心ない他人は王者の転落だとか、腑抜けたとか言うかもしれない。でも、本人にとっては今まで以上に甘美で、心が落ち着き満たされる日々かもしれません。何が幸せかは人それぞれ、ということを改めて胸に留めておきたいなと思いました。
これがデビューComicとは驚きです。
なんだかもうすっかり雲田さんの世界が確立されています。
強烈な個性なんだけれども、画質がホンワカなので、
それが緩和されているという不思議な作家さん。
この本は短編集で、短いお話しばかりなのですが、
どれもきっちりとは完結しているとは言いがたいイメージ。
その物語の先なり、裏なりを、読者に任せるというか、
解釈の仕方によっては、ハッピーエンドにもバッドエンドにも読めるという。
人それぞれの読み解き方に任せる感じが、
好き嫌いを分けそうです。
私はこういう感じはちょっと苦手ですかね。
しっかりと結末が見える方が好き。
ぼんやりとしていても、
せめてハッピーエンドかアンハッピーかは分かるくらいがいい。
それでも、どのキャラクターたちも暗い顔をしていないのは救い。
そこがまた雲田さんの個性になっている感じ。
何処にも暗さが漂っていないところを評して、「萌×1」で。