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「茶柱が立った、なんかちょっといいコトありそう」
好きすぎて、好きすぎて、読み終わったあとに本を抱きしめてしまいました。
何度でも言いたい。好きすぎる!
友人に借りたのですが、読み終わってから光の速さで本作と続編を注文しましたよ。
散歩中に頭に当たった洗濯ばさみ。
拾おうとしてしゃがんだ先に咲いた小さな花。
呼びかける声に振り返ると、そこには…。
手芸作家の椿太郎が中学校の同級生だった平岩と再会してからの日々が綴られています。
平岩はバツイチで史生という女の子とふたり暮らし。
椿が平岩の子どもとは知らずに史生と仲良しになる過程がかわいいのです。
史生の父親が平岩だと分かってから3人の距離がぐんぐん近付いて、椿の気持ちもちょっとずつ変化していく様子もかわいいのです。
とにかくもう全開でかわいいのですよ!!
椿は「きれいなおねいさん」や「きれいな女の人だなー」と思われるような見た目に加えて、性格もほわほわした子供みたいな子です。男性要素は朝になったら生えているヒゲくらい。一目惚れしたレインコートが着たくて雨を心待ちにしたり、仕事で疲れているときに平岩の姿がちらっと見えただけでうれしくなったり、女の子なら誰でも経験したことがあるような気持ちをたくさん持っています。だから共感しやすいし、応援したくなるんだなあ。
平岩はふつうの男の人。どこからどういう角度で見てもふつう。再会の場面で椿が全然思い出せなかったくらい、きっと昔からふつうの子。だけど椿の恋する目を通して見ると読んでいる方まで、ふつうなのにどこかキラキラして見えるのです。
イシノアヤさんの作品の中にはどこか冬野さほさんを思い出す雰囲気があるのですが、この作品は特にそう感じました。
椿が生きているキラキラとワクワクが詰まった世界が、冬野さんの描く子供が見ている世界と重なるんですよね。この世の中にはきれいなものや楽しいことしかないと信じているような、純粋な世界。こういうの好きだー。本当に癒されます。
湯のみ茶碗のエピソード、小学校の改装のシーンでは胸きゅんが許容量オーバーしてしまう危険性があるのでご注意ください。
派手なイベントやものすごい事件はなくて、ただただ椿と一緒に毎日を過ごして、史生と楽しく遊んで、ときどき平岩家におじゃまして、平岩のちょっとしたことにどきどきして、「このどきどきはなんだろう?」ってなるのを楽しむ作品です。
ずっと手元に置いて、たびたびページを開きたくなる。きっと大事な一冊になる本です。
大好きです。
何だか色々俗世離れしている椿くんと子連れバツイチの平岩くん、娘の史生ちゃんの三人のお話。
BLかと云われるとキスどころかそういった描写は一切ないのですが、だからといって萌えがない訳ではなく、キュンキュンきます。
史生ちゃんが椿くんに懐いたからというのもあるのですが、好きとか嫌いとかそういった恋愛的な繋がりよりも、家族として繋がっていく過程がのんびりほんわかと描かれています。
恋愛じゃないからでしょうか、全く不安要素もなく、この三人にはいつまでも一緒にいて欲しいなあと思わせてくれる一作でした。
読み終わった後にほんわかあたたかくなる一作です。
帯の通り、恋愛未満のお話。
エロもキスも全くないのに、それでもこれはBLです。
子供を出すと、内容がぐっとUPしてしまうので
ずるいよ~!と思いつつも、ぐいぐいひきこまれる何気ない日常。
平岩の子供・史生ちゃんがかわいいです。
きれいなお姉さん(?)椿太郎くんもそれに負けず可愛い。
彼が子供のような心で存在しているからいいんだと思います。
「じれったいよ」「早くせまっちゃえ」などと下世話なチャチャは
一切いりません。
ただただ、この二人を見守っていたい暖かい気持ちにさせられました。
絵だけでその気持ちが伝わってくる、この暖かさとキュンとする心。
史生の入学式写真を見たいというたろちゃんに
「来ればいいじゃん、もう家族みたいなもんだし」
とシレっと発言する平岩に、涙ぐむたろちゃん。
ピュアな萌えゴコロもらいました。
手芸作家の椿とバツイチ子持ちサラリーマンの平岩と幼い娘の史生ちゃんの三人で過ごす家族とも違う、恋人同士とも違う、友人同士とも違う穏やかでゆっくりと流れるやさしい時間、季節感溢れる日常エピソードの数々。
春は桜吹雪の下で、夏は涼しい木陰で、秋は日向ぼっこしながら、冬はあったかいお布団にくるまってぬくぬくしながら読みたくなります。
私は大抵寝る前のひとときに読む事が多いです。一回読めばその後はエピソードのどこから読んでも基本大丈夫なので、その時の気分で好きな箇所を読んでます。
私は椿が買ったばかりのレインコート着て、待ちに待った雨の中、長靴でばしゃばしゃ満開の紫陽花のなかを掻き分けて進むシーンが登場するお話【レインコート】がとくに好き。
「あじさい横断〜!」「梅雨どまんなかー!!」と言いながら平岩親子のほうへやってくるんだけど、その様子を見た平岩が史生ちゃんに「あーゆう大人になるなよ 史生 」と言い聞かせている。
椿は子供心を忘れないまま大きくなった稀有な人だなぁっていうのがよく判るし、憂鬱な梅雨の雨ですら椿のフィルターを通して見るとこんなに生き生きとした世界なのかって感じることができるんです。
そして椿の髪の毛についたカタツムリを平岩が取ろうとして髪の毛に触ったときに、椿がどっきん!とする様子がとても可愛い。
なんてことのない日常の話がたんたんと描かれている漫画なのですが、絵といいコマの運びといい、すべてからほんわかした雰囲気が漂ってます。
癒されるんですよねー
主人公の椿は自分で小物つくったり裁縫したりするいわゆるオトメンな成人男子。部屋もなんだか女子的です。
普段、こういうタイプのキャラはあまりツボに入らないのですが、椿の一挙一動や言動をみているとすごいかわいい!と思ってしまいます。元クラスメイトに対する椿の無意識的な恋心にもニヤニヤしちゃいます。きっと自覚しちゃったらこのほんわかさはなくなっちゃうんだろうなー、と思います。
それに、元クラスメイトの娘も可愛いし、椿の姉も個性的だし、とにかくキャラのひとりひとりが魅力的です。
些細なコマにもキャラの日常が垣間見えて本当にほんわかする漫画でした。