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表題作イケメン君とさえない君

真柴光
健太郎

あらすじ

彼女いない歴=年齢…さえない大学生・健太郎はさえない理由で頭を強打して以来、身に覚えのない行動に悩まされていた。そんなある日、目を覚ますとそこは見知らぬ部屋のベッドだった。目の前には、見知らぬイケメン。――こいつは誰だ?

作品情報

作品名
イケメン君とさえない君
著者
秀良子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
ISBN
9784758071024
3.4

(160)

(45)

萌々

(38)

(38)

中立

(29)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
38
得点
520
評価数
160
平均
3.4 / 5
神率
28.1%

レビュー投稿数38

授業中の練り消し並みに練られたプロット

一番最初に購入した秀先生の作品がこの本でした。
実は初読のときは萌えなかった。
でもちるちるを知らなかったおかげで、評価もレビュー欄も無傷でした。バンザイ。

子供の頃はスーパーヒーロー、大きくなったらふつうのひと。
というのはよくある話で、幼稚園時代に人生の最盛期を迎えた健太郎は、悪いことを引き当てる運ばかりが強い、さえない大学生になっていた。
そんな彼が新たに引き当てた「悪いこと」、それは霊に取り憑かれたことで…。

自分の記憶が曖昧なことが増えて、気付いたらイケメンの家。
いいですね、目が覚めたらそこにイケメン。天国かと思いそう。
2週間前に亡くなったイケメンの彼女の霊に取り憑かれた健太郎は、彼女の霊の思うままにイケメンと過ごす時間が増えていって…。

練り練りされたプロットが素晴らしいです。
ただ初読のときはそこに気付けなかった。
そこを「え、ご都合主義?」と思ってしまった。
BL初心者すぎたばかりに、理性的かつ現実的に健太郎とイケメンくんを遠くから観察しすぎて、健太郎の気持ちの変化にいちいち「なんで?どうして?なんでなんで?」と立ち止まって考えてしまった。
恋心というのは説明できるものではないのです。
それをいまだにきちんと理解できていないせいで、人の感情を分析して解説しようとするから、多くの方が「良作!」と萌え倒している作品で萌えることができず、ホゾを噛むこと数知れずなわけで。

最初に幼稚園時代の輝かしい日々を見せた理由は何だったのかと。
単純に健太郎の人となりを紹介するだけのエピソードではなくて、壮大な伏線。
1冊まるまるかけて、秀先生が読者に仕掛けた罠だったんですね。
その罠を「ふーん」とスルーしてしまうと、「萌えぬ…」というラストを迎える結果に。
ただこれ、初読じゃスルーしてしまいますよね。
分かった状態で読み返して、初めて「よし!ここ、引っかかっておこう」って思うレベルの、すごーく小さな釣り針なんです。
その釣り針に貪欲に引っかかりに行くと、健太郎が自分を消してもイケメンくんを喜ばせたいとまで思う気持ちに萌える。
三つ子の魂百まで。
幼い頃に喜んだ顔を見たかった相手のことは、別々に過ごした年月に埋もれて行っても、笑顔を見たときの嬉しかった気持ちはどこかに残っているんだなあと。
深読みしすぎでしょうか。

喜ばせたいと思うのが、自分の気持ちなのか、彼女の気持ちなのか。
イケメンくんを喜ばせられるのは、自分なのか、彼女なのか。
イケメンくんから向けられる優しい笑みは誰に…。
と、いう辺りはふつうに萌えます。

余分に萌えるには、プロットを把握して読み直し必須。
初読で「うーむ…」だった方、試してみてください。

0

BがLする5秒前

ちょうど十年前に発行された秀良子さんの初単行本だそう。
確かに今の作画よりやや可愛めのキャラクターな気がします。
線もやや太い感じかな?独特の間合いなどは今もそのままですね。

さえない大学生健太郎が、気絶したり眠っているうちに亡くなった女性に取り憑かれて、彼氏に会いに行ってるというお話です。
何故男の健太郎にとり憑いたのか、女性とは誰なのか、その彼氏真柴とは何者かが最終話で明らかにされます。
あー、そうなんだ!ってスッキリしますよ。

確かにBL感はかなり薄めで、4話の終わりくらいからじわじわ来る感じです。じれったいというよりBLに発展しそうな前の段階ですね。
少女漫画でももう少し早いBL展開のものもありますもんね。
お話は面白いし、作者さんの描く漫画が好きなので私は物足りないとは思いませんでした。

0

うぶなBL…未満な感じ

先生の初単行本なんですね。
健太郎(さえない君)の体に光(イケメン君)の亡くなった彼女が憑依するお話。
健太郎がほんとにさえなくて…気の毒になるくらいそこまで卑屈にならなくていいのにと。
不思議な出会いから少しずつ心を通わせ合っていく…うぶBLな感じかな。

健太郎が意識を失っている時だけ憑依されそこは描かれず。
意識が戻った時、彼女として光と過ごしていた延長上に突如(健太郎目線で)場面転換するのがおもしろい。

光がイケメン君なだけあり顔がいい(眼鏡ないダイヤのAの御幸先輩に似てる)。
ラストがほんわか✨
絵やコマ、余白がきれいでさらさらしている。

0

かっこつけマンの恋

B Lかといわれると違うかもしれません……
でも、恋の始まる予感という意味ではそうなのかもしれない……

健太郎の身体を借りて恋人の真柴に会いに行く真柴の亡き彼女。
霊となってまで大好きな真柴に会いたい彼女は、健太郎の意識がない時だけ現れることができる。
彼女を通して真柴といる時間が増えていく健太郎は、いつしか真柴自身が気になるようになる。
真柴もまた、彼女が好きなのか健太郎が好きなのか分からなくなっていき……

実は、3人には共通の思い出があった。
だからこそ、彼女は健太郎の身体に入れたのかもしれません。
二人が惹かれ始めていることを知った彼女は、健太郎に真柴を託して……

それぞれの思いが切ないです。
この後、健太郎と真柴がどうなっていくのかは分かりません。
だけど、3人がまた会えるその時まで2人の関係が続いていって欲しいです。

さすが秀良子さん、とても儚くて美しい物語でした。

0

彼女の想いが切なすぎて

BLに女の子が出てくるのは嫌いじゃないのだが、この作品の場合、彼女の気持ちを考えると辛くなってしまってしんどい。だってすごくいい子なんだもん。
ラスト、なぜ主人公に取りついたのかの種明かしを読むと、よりいっそう辛さ倍増。
BL成分が薄くてもじゅうぶんいいお話だけど、いっそBLじゃなくて彼女視点の少女マンガだったらしっくりきたのかもと思う。年齢とともにリアルでもう二度と会えない人が周囲に増えてくると、マンガと言えど人の死を扱ったものは本当につらくて。

商業BLを本格的に読み始めたばかりの頃に手に取った作品なのだけど、せめて憑依モノだと分かりやすいタイトルにしてほしかった。最初に対称的な男の子ふたりのほのぼのラブだと思って読むと、思いがけず心にズシンと来る。当然萌えるどころじゃないです。

0

愛おしさを感じる

秀良子先生の作品の、柔らかな悲しさがとても好きです。バッドエンドではないのに、寂しさが漂う。愛おしい。絵も(好き過ぎて最早冷静には見られませんが、おそらく)華やかではないけれど、ストーリーに合っていて大好きです。

初単行本とは思えない熟した作品だと思います。BL的な萌は薄いし、女性がたくさん出てくるし、ファンタジーでクセがあるお話。
描き下ろし、光(イケメンくん)が幼稚園の頃から変わらず花が好きなの、たまらないですね。

秀良子先生が好きすぎて神評価にしてしまいますが、偏った目線を無くすと萌〜萌2かな。

0

受けが不憫だけど雰囲気は好き

 正直ツッコミ所はいくつかあるのですが、全体的には悪くないかなと感じました。大学でまともな友達もおらず、彼女もできたことのない冴えない健太郎。たまたま飛んできたボールが頭にぶつかって意識を失っている間に、真柴という男の亡くなった彼女が取り憑いてしまいます。誰かに取り憑かれるキャラって時々見かけるけど、これは取り憑く過程が雑で強引だなぁと最初に感じたことは否めません。一応、健太郎に取り憑いた理由はちゃんとあるので、後で納得はしましたが。

 それから健太郎が意識を失っている間は彼女が体を操り、健太郎は気付いたら真柴の家にいるということが増えます。真柴は相当彼女が好きだったようで、健太郎には基本的に優しく接してくれる。でも、健太郎自身に興味は示さないし、優しさの先には結局彼女がいることを健太郎は何度も痛感します。健太郎目線で読むと、彼の意思が蔑ろにされているようで、真柴はなんて自分勝手なんだろうと思いました。でも、真柴目線で読むと、健太郎の意識がない間は確かにそこには彼女がいて、真柴と生前と変わらぬやり取りをしているんです。大好きだった彼女の魂がまだ成仏せずそこにあると分かっていて、健太郎に「自分自身を大切にして欲しいからもう来なくていい」なんて言えないよね、まだ希望を持ちたいよねと、共感できなくはないなぁと思い直しました。

 それでも自分を殺して彼女の意思を優先してあげようとする健太郎に真柴はもっと配慮すべきだったと思いますが、彼も徐々に、自分がまだ彼女を愛しているのか健太郎自身に惹かれているのかを自問し始めるんですね。そして、最後の最後にやっと健太郎への好意を認めます。時間はかかったけれど、別の人間へ好意が移る過程としては、妥当な長さだったのかもしれません。ただ、ラスト直前に明かされた幼少期の3人の関係性には驚きましたが、別にそれは健太郎が一向に報われなかった理由にはならないだろうと思ったので、あんまり響いてはきませんでした。健太郎を好きだと認めた真柴が、その後どんな風に彼に接しているのかは気になります。

0

固定観念を捨てて読みたい本

BLコミックのレーベルから出てるからBLとして扱われるのですけど、一般のコミックスとして出ていた方が幸せだったんじゃないかなぁとも思える一冊。(フラ○ーズとかあたりから…)

主人公の男の子自体は実に普通の大学生(ヒエラルキー低め)ですが、ファンタジックな設定で非日常的な状況に入っていきます。と言っても派手なイベントなどは起こらず、男の子2人(と女の子1人)の心の奥の奥をジーっとだまって覗いているような感じ。切なくてじんわり来る。

登場する女性も嫌味の無い人達ですし、主人公たちが抱いた感情が「恋」なのかな?ということを認識するあたりで終わっているのも良いです。
「BL」としてLOVEの進展を期待する派には物足りないかもしれませんが、この話はこれで良いのだと思えます。

ただタイトルは、意図は分かるのですけど"損してるな"というような気もします。

0

BLとして読めないけど、切ない。

BL作品としての萌えどころはないかな。
でも、すごく切ないお話でした。
秀良子さんの作品らしい良作です、

0

ほんのり

BLとしては物足りない感もありますが、私は秀良子さんの作品の中で一番好きです。
恋が始まりかけた所で終わるというムズムズ感も残りますが。
健太郎は、真柴に対して乙女ちっくなときめきを覚えたり、真柴のために体を張ったりする訳ですから、恋心は芽生えていると思うんです。
姉からも「恋してるんだね」みたいなこと言われてますしね。

真柴の方も、健太郎の中にいるミッちゃんに愛情を感じているのか、健太郎自身にときめくようになったのか判らなくなり、それをミッちゃんに覚られて「健ちゃんなら許す」って言われたりして。
真柴のことをよく理解しているミッちゃんが、健太郎に憑依して真柴と接する中で、真柴が自分ではなく健太郎にときめいていることに気づいた訳ですから。
真柴も間違いなく健太郎に恋心を抱き始めているはず。

でも物語はそこで終わっちゃうんですよね~!
この二人のラブな展開をもっと見たかった気もしますが、これはこれですごく良い作品なので仕方ない。

1

にたものどうしだから、


題名からわかるふたり、『イケメン君』と『さえない君』がいるということ、せつないということ、恋が始まりそうなところでおわってしまうということ。
このみっつだけ教わっていたのですが、やっと読めました。

萌えとは違うけれど、女の子が大切な存在として在るBLは貴重だなぁと思います。そしてやさしい。
小さい頃の面影があるのはひかりちゃん(イケメン君)だけですね(笑)やさしさが際立って伏線でもない雰囲気なので、もう少しみっちゃん(女の子/イケメン君の亡くなった元彼女)とひかりちゃんにしろ、ひかりちゃんとけんちゃん(さえない君)にしろ、結び付きがあったらよかったかなと思いましたが、最後みっちゃんがけんちゃんに託す想いで帳消し。

だれがちいさい頃に気付いていたんだろう。
みっちゃんだけ?けんちゃんの思い出しは無意識の内の気付きなのでしょうか。

イケメン君もさえない君も泣き虫さんじゃみっちゃんも心配だろうから、気になっちゃうだろうから、男子もうちょっと強くならなきゃね…!(*ˊ;v;ˋ*)


イケメン君が、中にみーちゃんがいる筈のさえない君を意識し始めたところがよかったです。

ときめき。

0

萌えはないがじんわりとくる

ひでよしこファンとしては萌え足りない。

タイトルもちょっと違うきがする。

でも自信がぜんぜんなくて消えちゃいそうな不器用さがせつない主人公キャラは健在。
おバカだけど生きていくうえで大切なことが見えている女性キャラも秀逸。
一見イケメンでも、なにかとめんどうくさい憧れの対象男性キャラもひでよしこクオリティ。

主人公がとりつかれているあいだのエピソードがなにも見えないところが
人と人の関係の妙というか、これから二人がつきあうならお互い一から知っていけばいいよ!がんばれよ!と掛け声をかけたくなるというか。

BLとしての萌え評価はできないけど、名作だとおもいます。

0

BL目線で読むと視点がブレてしまうから勿体ない

これはたぶん、さえない君が
「なぜ自分はさえないのか」に気づくお話なんだと思う。

ちっちゃい頃はイケてたさえない君。
年齢と共にさえなくなってしまったさえない君。
友達が殆どいないから他人との付き合い方があまり上手くないし、きちんと恋したこともないから恋に恋してる状態。
そんなさえない君がひょんなキッカケでイケメン君と一緒に時間を過ごすようになって、何も知らないイケメン君のことをこっそり観察して少しずつイケメン君のことを知っていくことで、さえない君の心に色んな気づきや揺れや喜怒哀楽が生まれ始める。

イケメン君は顔がカッコいいからイケメン君なわけではないんですよね。
さえない君も顔がカッコよくないからさえない君なわけではないんです。
「何かいいことないかなぁ…」
さえない君が最初の方でひとりごちてるこのセリフが、さえない君が何故さえないのかをすごく端的に表してるなって思いました。

さえない君のお姉ちゃんがまたステキな女性なのです。
弟の変化を敏感に感じ取って、
初めて恋したさえない君にステキな言葉を贈っていて、
本当にいいお姉ちゃん。
美人に描かれていないのもわざとなんだろうな。
でもってストーリーの所々に小さいコマで挟まれるお姉ちゃんカップルの一見意味のなさそうなバカップル描写が本筋の伏線(ヒント?)的な役割を担っているのですよね。これがまた上手いなぁと思いました。
あと、イケメン君が恋人のみーちゃんと過ごしている様子が一切描かれないのは、そこを描く必要がない(むしろ描いたら作品としてブレてしまう)から描かれないのだと思います。

初めて読んだ秀良子さん作品の「宇田川町で待っててよ。」も大好きですが、これはそれ以上に好きかも。
自分とさえない君がかぶって、色々ハッとさせられました。

ただ、
何人ものレビュアーさまが書かれている「これはBLなのか?」ってツッコミは私も同感です。

5

BL作品として読むと物足りない。一般向け?

まず想定していた話と全く違っていて吃驚しました。
まさか“憑依モノ”だなんて、しかもイケメン君の亡き彼女がさえない君に憑くだなんて…あらすじから予想出来るわけないじゃないかっ(ノ ゚Д゚)ノ ==== ┻━━┻
カバー引っ剥がしたら出てくる絵がこの話の内容を端的に表してくれていると思うので、コレをカバーに出来なかったのだろうか?
…したらBLレーベルから出しづらいかwww

それにしても…みっちゃんの変わりっぷりにはΣ( ̄□ ̄ノ)ノです。
だってあんな可愛い女の子に成長するなんて誰が予想するだろうか、否ムリ。

さえない君のお姉ちゃん、単なるアホ子だと思って眼中に無かったんだけど良いこと言ってくれますね~(*´∀`)
バカにしてからかうのかと思いきや「もっと泣いたり笑ったり怒ったり悩んだりしまくればいいよ」「好きな人いると大変だよ」「きっと楽しいよ」「よかったねぇ」…お姉ちゃん!!

そしてイケメン君に憑いたみっちゃんが「また取り合いっこしよう」という場面…とても切なく、それでいて何だか暖かい気持ちになりました。



BLとして読むと消化不良なんだけど、一般向け?として読むと好きな話です。

0

見せないから気になる

タイトルの印象とは大分違った作品でした。
でも、予想外の展開で面白かったです。

彼女とイケメンくんのやりとりはまったくわからないのですが、そこがいい。こういう憑依ものって、たいてい憑依してる時としてない時、二つの場面を見せてくれて、そこのギャップを楽しむのがご酸味だと自分は思っていました。

でも、この作品は意識を失っているとき、どんなやりとりをしているのか気になって気になって(笑)
見たい気持ちもありしたがそこを徹底して見せてくれないから続きが気になる。

最後まで夢中で読んじゃいました。面白かったです。

3

BLというにはファンタジー、ファンタジーというにはBL

秀良子さんの作品は数点しか読んだことがないのですが、日常の恋愛を描いている印象でした。
初コミックスは意外や意外なファンタジー。

最初の方は続きが予測できなくてワクワクしながら読み進めていましたが、途中からなんとなく伏線回収ができてしまいました。
また、みーちゃんとひかる君が2人でどんな時間を過ごしていたのか、なぜけんちゃんに惹かれていったのかが少し不明で残念。
題材やストーリーはおもしろいけれど、いまいち入り込めない作品でした。

1

やわらかで恋の香りを含んだファンタジー。

BLにカテゴライズするならば
物足りない人はいるだろう。
ただ、日常が舞台の
ファンタジーと言うのならば、
なんだかとても納得してしまう。
そんな物語でした。

秀良子さんの作品はコンプしています。
その中では印象が薄いとは思う。
でも、秀良子さんの作品って、
すっごく引き出しが多いんだよね。
ガツンとくるやつもあれば、
甘切ない系もあり。
そんなたくさんの作品のなかでも、
これはなんというかスルメ系だなぁと。
「ネガティブ君とポジティブ君」もそう思った。
読み返すうちに、いいかも、
と思い始める感じだった。

2人はまだまだ恋愛関係、
と言い切れるわけではないけれど
柔らかな雰囲気が何と無く
幸せを予感させてくれる。
続編はこの話に限っては要らないと思う。

秀良子さん、コマノ×夏樹から入った人は
物足りなく感じるかもしれないな。
あと、憑依(と言うほど怖いもんじゃない)
という若干ファンタジー設定が苦手な人は
違和感感じたままになっちゃうかも。

BL感は薄く、なんだか中高生向けの
映画のようなお話だったので、
BL読みさんじゃない方の方が
ハマるのかもしれないです
(←ちるちるにおいて身も蓋もないレビュー・笑)。
あとは、雰囲気系・文学的な香りが好きな人なら
ハマる可能性が高い、かな?
でも、秀さん好きでも好みは割れそうです。


ただ、とにかく思うのは
秀良子さんってすごいなってことだ。

2

何かがひっかかった

秀さんの作品は気になり率先して読んでいる
状態です

この作品は、読んでる最中も読んだ後も
どうなの?という消化しきれない
もやっと感がありました

付き合っていた彼女が亡くなりその
彼女が男の子に憑依する
そして憑依した状態で生きている
彼氏に会いにいく

関係性は急に始まったわけではなく
結局は小さい頃知り合いだったのですが

いやーなんとも。
憑依って。彼女が明るくものわかり
良い感じで2人を励ます感じにも
どうなのよとかなり
不満タラタラで読みました

嫌いなテーマじゃないんです
彼女じゃなく、彼はだったら
違っていたのかもしれない男同士が
付き合っていて
どちらがか亡くなったなら
少しは不満解消になったかもしれません

ただでさえ、好きな人の過去には
ふりまわされてしまうものです

こんな形ではじまった付き合いなら
なおさらじゃないでしょうか
当の本人達が納得なのですから
見守るのみですが

続編があっても、読むことは
ないです。

1

優しい雰囲気

読み終わってから一番最初に思ったのは、
「もう一度読み直そうかな」でした。

秀良子先生の漫画は、
「ネガティブ君とポジティブ君」しか読んだことがなかったのですが、
大分雰囲気が違うと思いました。

BL漫画というよりは、少女漫画のような設定で、
イケメン君の真柴の心情が伝わりにくいかと思いますが、
言葉ではない、暖かく優しい印象が心に残ると思います。

私が一番好きだったエピソードは、
さえない君の健ちゃんが観覧車で自嘲するところです。
健ちゃんのもどかしさがあふれる最高のシーンでした。

この後の二人が幸せであればいいなぁと思いました。

1

思う難しさ

最初、初めて読んだ時の第一印象は、
「私のシュミじゃない、面白くない」
でした。

イケメンと言われる彼と、さえない地味な彼。
淡々と進み、イケメン君の彼女がさえない君に憑依して、でも男同士少しずつお互いを知って行って…と進む、本当にゆっくりとしたスピード。

私は大のヤマシタトモコさん好き。
けれど、秀さん…特別ツボらない。
空気で読ませる、雰囲気で引き込む、そういう作家サンなのは両作家同じだと思うのですが、私の好きな空気とかじゃないなーと。
あと、コレがBL!!と思えないなぁ、やっぱりBLの境界線って凄く難しいのかなぁと思った作品でもあります。

けれど。

レビューを書こうと思い、改めて開いて見ると。
何故でしょう、何かこう、ページをどんどんめくりたくなると言うか。
ちょびっとずつ進む彼らの気持ちが、一度目よりも格段に分かるようになっていたというか、感じ取れるようになっていました!!

そうか、私にとっての秀良子さんマンガは、《噛めば噛むほど》的な存在なのかも…!!
と気付かされたのであります(笑)

ただ、自分の中でポイントアップしたのは確かなんですが。
イケメン君の存在感が…何とも私の中で薄くてですね。
さえない君>イケメン君の霊彼女>イケメン君
という順が私の中で出来てしまった事がちょっと残念…
「みーちゃん」と言って泣いてしまった時のような感情の表れが、憑依されている時じゃなく普段の時のさえない君にも少しは出てたら良かったのになぁと贅沢な事を考えてしまいました。

ただ表紙からしてとても繊細で魅力的な秀さんなので、私の心は彼女に捕らわれかけているのは確かです(笑)

でも…私にはキュン不足でした。うーん、残念…(-公-;)

2

雰囲気がイイ☆

とても優しいお話で、癒されました。
秀良子先生の作品特有の雰囲気で魅せるお話です。

このお話の魅力はストーリーもさることながら、さえない君の親しみやすさにあるのではないかと思います。
無言が続くと居心地が悪くなったり、遊ぶ友達がいないとか言ったり…。
「あ、こういう人いるな」と思わせる人で、かなりリアルです。

お話は文句なく面白かったです。
ただ、始終さえない君目線でお話が進んでいくため、さえない君に感情移入しすぎたせいか、最後までさえない君への気持ちがはっきりしないイケメン君にはモヤモヤしました…。
その辺りを察して雰囲気を楽しむ作品だと思います。

0

かわったもの、かわらないもの

面白かった!
ガッツリ、ラブエンド~という感じではないにしろ、
読ませてくれる作品でした。
面白い!や、もともと評価の高い作家さんってのは知ってたのですが
他の作品も衝動買いしてしまいそうな衝撃いただきました。
好き人゚∀゚*)━vv

幼い頃の記憶、そして今。
ひとりの幽霊を介しての再会、交流、そして~から徐々に徐々に
近づいてって、本当に気づく。というストーリーが
すごく良かった。なんだかキュンなのだ。
日常が少しずつ変化していって、二人の関係もすこしずつ変化していって。
読むほどに心がほっこりする作品だったかなと。
ガッツリエロがなくても美味しい一冊でした。
続編とかあっても面白いとおもうんだけどなぁ

1

思い違い・・・

まるごと一冊ひとつのストーリー。
他作品と同じく、文字が少なく行間・空間を読む、と言った感じです^^

面白くない訳では全然ありません!・・・が・・・
思っていたストーリーとは違いました(^^;

自分の勝手な思い違いから、残念な印象になっちゃったのですが
「リンゴに蜂蜜」が良かったので期待しすぎました。

さえない君の気持ちもとってもリアルだし
わかるなぁ~って思うところもいっぱいあるけど
イケメン君の方の気持ちが・・・なんというか掴みにくいって感じで。

イケメンとサエナイの“絵”の区別もちょっと解りにくかったー。
(2人が似てるって意味ではなく・・・)

「リンゴに蜂蜜」のジワジワジワジワあとからあとから
どんどん響いてくる良さ、みたいなものが
あまり感じられなくってちょっぴり残念でした(>_<)

2

始終柔らかい優しい

全体に穏やかな空気が流れてます。
絵も頼りなげといいうか(繊細とは違う)ほわほわしてます。
全くエロいシーンなんて出てこなくてただ切ない・・・。

さえない君のさえない心情がいちいちリアル。
うんうん、わかるよーって。
華やかな学友に対してついついオドオド、むかつくけど羨ましい。
カバン肩からかけてる時、いつも手持ちの部分ぎゅって持ってて
さえない君の所在無げな感じが何だか愛おしい。。

さえない君は自分自身の評価がすごく低い。
そんなさえない上に男の自分とたとえみーちゃんが内にいたとしても
一緒に行動してくれて、しかも学校にまで現れて・・・
『たとえばあんな感じ』て思ったイケメンが自分を待ってたと分かったら
やっぱり嬉しくてちょっと好きになってしまうんじゃなかろうか。。

脈絡なくさえない君の前に現れたイケメン君。
さえない君の気持ちとは反対に何考えてんだかさっぱりわかりません。
それでも彼の優しさがちょいちょい垣間見れてきゅんってします。
みーちゃんに対してやってるのかもしれないけど・・・

観覧車で自分がはしゃいでるからみーちゃん出てこられないんだって
『すぐ寝るから』って、さえない君優しい子なんだな、そして不憫!愛おしい!
て、イケメン君も思ったんじゃないかしら。
だからつい・・。

さえない君のお姉ちゃんがこれまたいい感じです。
ちょっとアホの子っぽいけど優しいんです。

あたたかい気持ちになります。
秀さんファンになりました。

2

面白かったけど物足りなかった

悪くはなかったんですが、物足りなさも感じました。
こういうストーリーの中だと、エロがないことや女性が活躍してることはこれっぽっちも気にならないタイプなので、そこに不満はないです。
なんだろ、イケメン君のデレやら心情やらをもうちょい見せて欲しかったなと。
あと、タイトルから想像したものとまったく違うストーリーだったので、そこに肩透かしを感じたのもあります。
高評価の方はきっと、この作品の随所にある「見せない演出」の潔さにググッときたんだろうなと思いました。私はもうちょい見せて欲しかった!いかようにも想像できるし、示唆もされてるんだけど、そこに都合のよさを感じてしまって、モニョモニョしてしまったり。
さえない君のキャラは大好きです。
状況に流されて、振り回されて、オタオタぐるぐるしながらも、根底には芯のある優しさがあって。
イケメン君視点での続編とか出ないかな。
もうちょい踏み込んだところが読みたいな。

1

この物足りなさがいいのかも

タイトルからして、もっと全然違う感じの作品を想像していました。田中鈴木さん的な…ラブコメというか。
でも予想外ながら面白かった。

さえないけんちゃんは、ほんとに笑っちゃうほどさえません。
BLの主人公でここまでイケてなくていいんだろうか(笑)
だいたいブサメンとか言っても、それなりに可愛かったりするのがBLにおいてのセオリーじゃにゃーの?とか、ここまでやってくれて私はむしろスキーとかも思いつつ。

けんちゃんにとって見知らぬカップルのはずの真柴君とその彼女。
彼女は2週間ほど前に交通事故で亡くなっており、その彼女の霊がなぜかけんちゃんに時折降りてくるというお話です。
本人の意思などおかまいなしに、ちょくちょくイタコにさせられるけんちゃん。この辺の理不尽に振り回される感じもなかなか良し。
ちょっとイタい実姉も、けんちゃんのさえないぶりを心配してたり、家族がチラチラ出てくるバランスも良し。
ただね、けんちゃん視点でのお話なので、イケメン君である真柴君の思惑なんかが、いまいちよくわからなくて、意識のないときのけんちゃんと、どういう風に一緒に過ごしているんだかもわからず、最後の方までこれでどうBLとして成立するんじゃろうかと、心配をしてしまうほどでした。
だもんで、彼女がなぜけんちゃんを選んだのかがわかったところで、ものすごく腑に落ちた。
あ~~あ、そうか。そういうことか!というスッキリ感。
そのカラクリがわかったところで、最初から読み直せば、楽しさ2倍。
BLとは言い切れないかなとは思いますが、恋のせつなさを味わえる素敵な作品でした。



0

「さえない君」だけど、どストライク!

自分が「地味顔」も萌えキーワードだと
認識させられた作品。

初コミックスでこれですか!?っていうくらい好きだー!!
なんともいえない雰囲気をお持ちの作風、秀さん…。
今後絶対新刊買いします。(いえ、もうしてます)

ええと、実はあまり期待はしていなかったのですが(失礼)
これがキました。どかんと!

なんといっても切なさもさることながら、
たまにちりばめられるギャグが…いい…。
「さえない君のついてる日常」と、
余白のページに描かれているのですが。
その何番目だったか、
金縛りに遭ってるさえない君の頭上で
「ほーう、せい ほーう」ってラップ音て!!
ラップの意味が違うのか!と何回か読んだ後に気が付いて(遅)
よりいっそう秀さんが好きになりました。

すごく好きなシーンは、後半の
さえない君がイケメン君のアパートへ向かって
チャイムを鳴らした後、
「こんなに音大きかったっけ」と動揺し、
動悸が激しくなって、来た事も後悔しかけた時ドアが開き
イケメン君が微笑んでくれるところです。
ぎゅぅ~っとキました。胸に。

読んでるこっちの心臓もバクバクしだすような感じで
さえない君が勇気を出して訪れたというところに
非常に感情移入してしまいました。

でも、ひとつだけ疑問が…。
イケメン君は、さえない君が「けんちゃん」だと
いつわかったのでしょうか…?
何度読んでも私にはわからず、
みーちゃんがふざけて「一緒にねよう」と言った前には
わかっているのだろうか、というくらいしか…。
ごめんなさい。どなたか、わかっていらっしゃったら教えて下さい。

ま、ファンタジーなのでね、言及しちゃいけないのかな…。

それにしても、いちいちさえない君が可愛い!!
本当に鈍くさいけど、それすら愛しい!!
イケメン君の事を思って、遊園地で目が覚めた時
とっさにまだみーちゃんの振りをしてうなずくさえない君。
でも元に戻ったのがバレて、罪悪感に苛まれる…。

淡々と進むお話だけれど、すごく良かった。

普段は「エロなしでやってられるか!」というくらい
エロを重視するんですが(おい)
これに関しては、それでも「神」評価です。

キスも無いのが不満と言えば不満ですが(やっぱり?)

あーもう、これってさえない君が受けでいいですよね?
幼児期はさえない君が攻めっぽいですけど…。
(なんてったって「かっこつけマン」)
まさかの、さえない君が攻めだったりして…。
「ポジティブ君とネガティブ君」みたいに
どっちが攻めか受けかわからない…。
お互いが好きなら、どっちでもいいですけどね。
(リバにも抵抗ないです、自分)

いずれにしても、二人のいちゃこいてる続きが読みたいです。

「あわわわ」してる、とにかくうろたえまくりのさえない君と、
「ちょっとポーカーフェイス気味」のイケメン君が
どんな風に愛し合うのか…。
妄想せずにいられません。









1

イケメンというより今時の大学生。

線の細い繊細な表紙に惹かれました。
さえない容姿、さえない大学生活をまんじりと送る健太郎。
何の拍子か頭を打ち目覚めれば、横にはイケメンが!
いったいこれからどんな展開になるの?と先が気になる流れで、物語に引き込まれる。
二人の微妙な関係が少しずつ変わっていく気持ちの揺らぎが、せつなくもなぜか心地よい。幽霊を出すにおいても陳腐な感じになっていないのがよかった。
イケメン君とさえない君の今後がすごく気になります。続き、描いてほしいな・・・

 

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げっ歯目類な表情がツボ。

この手の作風が好きでしかたないです。癒されます。ずっと眺めてたくなる絵です。奇抜さのない凡庸な雰囲気がたまらない。

主人公のさえない君のさえなさもピカイチに素敵だった!
いい!こういう凡庸な健康だけがとりえみたいな子!大好きだァ~ヾ(´▽`)ノ
悪気ないのに、絶望的にタイミング悪くて損してばっかな不器用な子はいいですね。天然記念物並にさえない。そのさえなさが愛惜しいです。

(死んだ)と思ってたんだけど、なんかいるみたい。
あんたの身体にとり憑いて

さえない君がイケメン君と接点を持ったのはこれがきっかけでした。2週間前に亡くなったイケメン君の彼女があろうことかさえない君にとり憑いているというのです。でも、とり憑いて身体を拝借できるのはさえない君の意識がないときだけだと。

体を乗っ取られちゃうっていうファンタジーさがなんら普通に描かれて、作品に溶け込んでるのがすごいなと思いました。「ああ、そうか。そういうもんか」と受け入れてしまっていた。

彼女がとり憑いてるときは物凄く優しいのに、ただのさえない君に対しては、無愛想で無口で意地が悪いイケメン君。でも帰り道はかならず送る。
彼女のためだとわかってて納得するけどなんだかこそばいさえない君。
なんじゃこりゃ。なんかね、いちいちこっちが照れる反応すんのよね、さえない君が。顔とかかわいくないし、態度もほんとさえないのに、なんかたまらない気持ちになります。

好き。という恋愛の相手に対する基本的な感情は、作中のほとんどに存在しません。さえない君の身体の中に亡くなった彼女がいるからイケメン君はそばを離れないだけです。ふたりは恋愛してないのに、甘い雰囲気とかまったくないのに、なのにどうしてこんなに胸がときめくのでしょう…不思議です…

あと、最後のオチにもビックリ。
そういうことだったの…??と、最後の最後に意外なネタバレがあって面白かったです。
淡白だけど、ストーリーと描写が好きなので非常によかった。
受、攻とかもわからない、というかそこまで至らないで終わっちゃったので、今度は二人の恋愛中の話が読みたいです。

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平凡萌~!!

帯『あの娘の向こうに、僕を見てはくれないか。』

ガトーコミックさんのレーベルコピーも情報として書いておきます。
「こっそり愛を信じてる、よいこのみんなのためのBLレーベル誕生。」
よいこですかー、よいこ……。ちっともよいこじゃないけど読みますですよ~!!

女性の位置が大きすぎて、一回目に読んだ時にはストーリー的には最後まで違和感が残りました。
イケメン君こと真柴が中心な話だと思ってもう一度読み返したらすとんと落ち着いた気がします。何度も読み返す度に味が出てくる作品かも。
絵的にはかなり好きなタイプの絵柄です。何よりさえない君こと健太郎は黒髪短髪ダサでちょいブサ平凡と自分的好みオンパレード!
特にたまに見せるハムスターみたいな口元が、か、かわうい!!!
可愛いよーー君はーー!!!
健太郎がともかくもっそい可愛くて、猛烈に萌えました。
ただ遊園地の夢で出てくるカエルや、健太郎の姉妹の突然台詞とかの演出はちとわざとらしいというか少々鼻に付きました、この辺りがわざとらしくなく画面に馴染んでさらっと読ませる様になるともっと良いと思う。
最後はマンガの雰囲気で強引に流されちゃったけど、展開が急転だった気もします。
健太郎は好みドストライクです、彼が可愛かったから萌で。
いいモノは持ってる作家さんだと思うんですが、今のところちょっと雰囲気漫画っていう感じがしなくもないかなあ。
でもそこが持ち味なのかも知れません。描く世界の雰囲気は好みです。
あとしつこいけど健太郎のハムスター口がねっ、可愛い!!もう可愛いよ!

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久々に出会った大当たり

 【無口なイケメン&地味なさえないくん&イケメンの彼女(幽霊)による三角関係】

 ボールで頭を強打してから、記憶障害に悩まされる健太郎。身に覚えがない奇行を指摘されるようになる。そんなある日、目を覚ますと見知らぬ男の家のベッドに寝ていた。

 男は無口で無愛想なイケメン、真柴。最近事故で彼女を亡くしたばかり。その彼女がとり憑いたのが、健太郎の記憶障害の原因だった。

 健太郎の体を借りて接することの出来る真柴と彼女。理不尽さや無愛想な真柴への不満はあれど、それにつき合う健太郎。

 物語の始めは、不思議な三角関係をコミカルにほのぼのと描いており、くすっと笑えます。

 しかし物語が進むにつれ、三人の心境に変化が。

 彼女に接する時の優しさや気遣いを垣間見せる真柴に、無自覚のうちに惹かれてしまった健太郎。健太郎に憑依した彼女と過ごすうちに、健太郎本人に恋愛感情を憶え始め、とまどう真柴。そしてそれに気付き、ほとんど姿を現さなくなった彼女。

 変わっていく三角関係を切なく、文学的な描写で描かれています。

 BL描写は抱きしめる程度でほぼないのですが、真柴と健太郎のもどかしい関係が丁寧に描かれていて、読んでいて胸がきゅうっとなりました。まるで最高の純愛小説を読んでる気分です。

 また女の子を含む三角関係となると倦厭される方もいらっしゃるかもしれませんが、憑依した彼女と真柴がいちゃいちゃしてる、とゆうシーンはないです。なので抵抗なく読めると思います。

 ヤマシタトモコさんが好きな人は、かなりツボに入ると思います。是非読んでほしいです。

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イケメン幼児も二十歳超えればさえない君

ひたすら地味な「さえない君」が、「イケメン君」の死んだ彼女に憑依される……というどこまでも報われなさそうな三角関係。
三角関係というには、彼女→→←←←←イケメン君←?←さえない君という、ちょっとぼんやりとした不明瞭な関係。

憑依されている間、さえない君の意識はなく。
求められることに焦がれ、求められているのは己であって己ではない、というところに 地味に 葛藤する。
どこまでいってもさえない「さえない君」……。

BLっぽくはないというか、着地点で着地しきってない感じがするけど私は好きだなー。
というか、ニアホモであって、BLでは決してないとだけ付記しておきます。

「BLは心と心の結びつき。エロなんてないほうが胸に響くわ!」という方には読んでほしいw
「なにもねえのかよー。ちちくりあってこそのBLだろー」という方にはおすすめしないw

イケメンくんが「みーちゃん…」って泣いちゃうのが大変かわゆうございました。
けど、凄く可哀想になっちゃう泣き顔だったな。。。
なかないで!そんなに泣かないでおくれ…となるんですが、それを見せつけられるというのは心惹かれているさえない君にとっては結構辛いことなんじゃないだろうか。

あとさえない君が個人的にタイプですw

2

花物語

実に地味な憑依ファンタジー。
メインモチーフが「花」なのに、、、

ビジュアル的にも、性格的にも「花がない」さえない君・健太郎。
ある日、学校でボールの直撃を受けて意識を失って…
「憑いている」事に関しては、早々にネタ晴らしされている。
健太郎は、「憑かれた」自分と真柴がどのように過ごしているかまったくわからない。
それでも、徐々に真柴を意識していきます。
真柴も、健太郎に「憑いて」自分の前に現れた彼女と過ごすうちに、だんだんと感情は複雑になってきて、、、。
最後に、なぜ死んだ彼女=みっちゃんが、健太郎に取り憑いたのかが明らかになり、ようやく、これからBL的展開がありそう、かも、というところでお話は終わりです。

絵も、お話の展開も、実にしみじみと地味で、色っぽいことは何一つ起こりません。
これでも、一応BLの範疇でいいのか?って思う位です。
こんな、どこにも分類のしようがないような、それでも間違いなく「恋愛」を扱った作品が成立するって、BLは奥が深い。

2

名作!

すごく暖かいお話です。キスシーンやラブシーンはありませんが(抱擁止まり)、そんなの抜きにして良い!

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あたたかいお話

健太郎がほんとに地味でさえないんですが、可愛く見えるんですよね。
次第に光に惹かれていく様子が健気で可愛い。
続き読みたいです。

2

BLなのですが、何だか物たりないぃ~(゚ーÅ) ホロリ

頭を強打して以来、身に覚えのない行動に悩まされていた。
そんなある日目を覚ますとそこは見知らぬ部屋のベットだった!
となんとも衝撃的な&先が気になるあらすじ!!>w<
通販サイトで試し読みもして(ちょうどあらすじのところで終わり♪
ここからどんな展開になるのかしら(ドキドキ
と、思っていたら…

ま、ままま、まさかの憑依ネタ!!!!!∑('□'*)ノノ
意外!意外だけど!!意外だけどもーーーー!!
憑依されたのがイケメンの死んだ彼女なんて!!
私が求めていたのはこんな展開じゃなぁぁぁい!
。゜゜(´□`。)°゜。ウワーン!!

と言うわけで…
なんだかめくるめく展開を…見知らぬベットの続きからをものすごく期待してしまっていたわけでございます(゚ーÅ) ホロリ
お話がゆっくりゆっくり進む感じとか絵も独特だけど見易いのとか
このゆるーい感じとか結構好きなはずなんだけど、大いに膨らみまくった期待がっっ!!せめてあらすじに憑依物だと書いてくれれば!!彼女の気配を匂わせてくれれば!!!orz

BLとして買ってなくて買ってみたらBLだったなら確実に萌えなのですが
結構?なBLだとおもってたのであまり萌えられませんでした。
話が分かってて買ったなら、萌え評価だったとおもいます~<(_ _)>ペコリ

2

まさに癒しです。

最初はほわわん、としていて、だんだんと胸がぎゅーとなって、読み終わった後はため息が出ます。
買ってよかった。
けんちゃんの思いがせつないです。
でも、自分の気持ちなかなか気づかないのがじれったくて、なんだか良かったです。
私が特に胸がぎゅーっとしたシーンは、観覧車ではしゃぎすぎてみーちゃんと交代するのを忘れていて、急いで寝ようとするシーンです。
せつない!
本当に買ってよかった!(2回目)

胸に残る作品でした。
作者買いしそうな勢いです。
初コミということなので、今後を期待しています。

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不思議な巡り合わせと導きの話

この世のものではない女子を挟んだ不思議な三角関係。
イタコになってしまったさえない男子が、何でだか彼女を亡くしたイケメン君とデートをするはめになり、いつしかその気持ちは一体どちらに向いているのかわからなくなり、それぞれに悩みをもたらす。
運命の意図する導きといってしまえば、必然の出会いであったのでしょうが、その気持ちの変化が迫ってくる様が、まるで映画を見て主人公に同化した時と同じ感覚を呼び起こす。
ちょっぴり切なくて、クスっと笑って、ほんわりとあったかい、いいお話でした。

健太郎の最大の春は幼稚園という情けなさが、また「さえない君」にぴったりで、イタコ化している間に何があったのか、それはイケメン君・真柴が知るのみ。
彼の優しさは、健太郎が彼女となっていると思うからなのかもしれないが、正気に戻った健太郎へも見せる優しさ、ここに彼の気持ちがほのかにくみ取れるのではないだろうか?
いくら健太郎に彼女の魂が入っているとはいえ、はたから見れば男同志。
遊園地でホモと蔑む周囲の言葉と痛い視線のシーンは、真柴に突きつけられた現実だったはずなのだが、そこで見せる健太郎の真柴への想いやった言葉と態度に胸を掴まれた!

ラストまで読んで、ああー、彼女と健太郎と二人で真柴を励まして癒していたんだ。
彼女が健太郎を選んだのは、最初は彼女の強い想いと未練だったのに、意味があったのだと、それがわかった時に軽い感動を呼びました。
イケメン君だけど超ヘタレ~
冴えない君だけど、本当は強くてたくましくてヒーローなんだって、人はみかけによりません!

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