恋文で 人生が狂う

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表題作マッチ売り

廣瀬清
高,大学生
花城青司
出版社社長,燐寸売り

同時収録作品やぎさん郵便

澤陣一郎
花城の部下
有原岑生
大学生

その他の収録作品

  • あとがき
  • カバー下、社長の椅子

あらすじ

返って来た本のページにまぎれていた恋文。宛名があるはずの1枚目は無い。文末の署名は本を貸した友人の名。その友人は急に東京を去るという。それは渡せなかった手紙の所為か。手紙を返そうと友人を待つ学生、廣瀬清高。トンネルの向かいにはヤミのマッチ売り、花城青司が立つ。煙草を吸うため花城から燐寸を貰い、待ちぼうけのいきさつを話す。「何一つお前のせいじゃねえよ」と、お人好しの廣瀬に惹かれはじめた花城は――。 恋文で人生を狂わされた男たちが絡み合う人間関係と感情の中で選ぶ運命の相手とは。
草間さかえの長期連載「マッチ売り」~「やぎさん郵便」が描き下ろしを含みファン待望のコミックス化!他では読めないTHE草間さかえワールドをお届けします!
(出版社より)

作品情報

作品名
マッチ売り
著者
草間さかえ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
シリーズ
マッチ売り
発売日
ISBN
9784862638564
4.2

(256)

(146)

萌々

(61)

(30)

中立

(9)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
39
得点
1073
評価数
256
平均
4.2 / 5
神率
57%

レビュー投稿数39

作画と時代背景がピタリ

味わい深い草間さかえ先生の作画と、終戦後の時代設定がピッタリハマっています。

話はマッチ売りの男と学生の出会いから始まります。
謎めいたマッチ売りと、手紙の2枚のうちの1枚を友人に返すため待ち続ける男。
マッチを売るというのは表向きであり、実は…なお話。

ネコみたいに気まぐれ、気ままな花城と、年下ワンコ廣瀬の組み合わせが最高ですね。
花城の飄々とした顔の下に隠された暗い過去が割とヘビーでした。
廣瀬にハマっているけど、長くは続かないと思っている様子。

また、花城の部下で密かに花城に想いを寄せる澤も、廣瀬に手紙を書いた有原も辛い立場です。
それにしても脅迫はあかんやろですが、こちらの2人も意外と良い…いや、むしろ良い!
有原の薄幸そうな色気が好きですね。

2枚にしたためた恋文の1枚目と2枚目がバラバラになって、差出人の方だけが宛先である廣瀬に渡ってしまったことから始まる関係性が巧妙だな、と。
続きは『やぎさん郵便』シリーズへと続きます。

0

もつれ合う出会い

久々読み返したので、ここにも足跡を。
はらはらする本編と、草間さんの思惑がどんどん外れていくあとがきのギャップも楽しい作品です。

貸していた本に挟まっていた、恋文の最後の一枚。
それ返したくて、友人を待つ廣瀬清高。
彼の向かいに立つ、ヤミのマッチ売り。
この出会いが、4人の人間のその後を大きく変えて…。

廣瀬は、ヤミのマッチ売りが何を売っているのか知らないようなお坊ちゃん学生です。
来ない友人を待ち続け、友人が大学をやめて故郷へ帰ることを自分のせいだと考える。
スレていなくて、不器用だけど誠実そうな男。

花城は最初に引っかかってしまった相手が厄介だったせいで、変な性癖が染み付いてしまっています。
のちに最年少で文学賞を獲るような文才に長けた先輩の書いた恋文に恋をして、相手には恋をしていなかった。
軽くて適当に見える花城が、廣瀬と出会ったことで変わっていくのが見ものです。

花城の部下である澤は、引っ越した先で前の住人が忘れていった本の中に恋文の1枚目を見つけます。
突然現れた廣瀬への苛立ちから、手紙を取りに来た有原を脅迫して抱くような卑劣な人間ですが、彼の変化も見どころのひとつ。

分断された恋文。
その前半部分を知る澤と、手紙の主である有原。
後半部分を持ちながら、誰に宛てたものか知らない廣瀬と、盗み読みしたことで名も知らぬ誰かが廣瀬を想っていることを知った花城。

ふわふわと浮かれる2人と、思いのやり場がない2人のコントラストが絶妙です。

0

ミステリーな恋文に関わる物語 これは名作!

イラストで名前をよく見かける草間さかえさんにオリジナル作品が有ったと知り、驚きました。
バレンタインの聖日にふさわしい愛の告白物語だと思います。
沢山の人に読んで欲しいなー。是非よんでみてください。

帯文は「恋文で人生が狂う」
時代は、街娼取締りが厳しくなってきた戦後。
ミステリーな恋文は、露西亜語の本に宛て名と本文が別々に挟まれてた。

▶「マッチ売り 前/後」マッチ;燐寸
廣瀬清高が友人に貸した「露西亜語の本」に挟まっていたのは、宛名が有るはずの一枚目がない恋文で、文末の差出人の名は本を貸した友人の名だった。
突然東京を去るといっていた友人をトンネル通路で待つ。

トンネル内で、一箱300圓の燐寸を売る男がいた。(ここからしっかりBL)
復員服の燐寸売りの男は、「鳩の街」の人。
取り締まりが現れ、廣瀬清高は燐寸売りの男に引っ張られてビルの一室に逃げ込み、一夜過ごす。

▶「やぎさん郵便」(燐寸売りのその後)
復員服の燐寸売りの男娼は、澤。桃幻舎の社長・花城青司だった。

「第二話」
手紙の主・有原峯生が、手紙を挟んだ本をアパートに探しに戻ってきた。

「第三話」
アパートの次の借主は、澤。澤と一夜共にする有原。

「第四話」
花城と一夜過ごす広瀬。
今は澤が借主の部屋で、目を覚ます有澤。

「第五話」
澤にそのまま部屋にいて、ロシア語の翻訳を言いつかる有澤。
広瀬の祖父は、花城のお得意さんだったご隠居。
広瀬だけが気づかない、恋のアラベスク・・
花城は、広瀬との恋を諦めている。澤は、花城への想いを諦めている。有澤は、広瀬への想いを仕舞おうとしている。

「第六話」
花城の過去を教授が語る。

「第七話」
「第八話」

ラストのネタバレは、無粋で面白味を削ぐので割愛。

この後は「やぎさん郵便」連載へ続きます。…花城、廣瀬、有原、澤.
登場するキャラ、みんな優しい。特に澤。
こぼれていく人が居ない粗筋に、作者のやさしさを感じます。

1

やぎさん3巻までまとめての感想です

恋文が鍵となる物語…なんて文学的!と思う文学に縁のない私ですがw
廣瀬×花城、澤×有原の対照的なCPが出会い並行して話が進む。
二つの恋文が出てくるのが、ステキだけどそれぞれ人生を変えるとこにむむっとなる。
手紙にはそんな力があるねと。

「マッチ売り」はまんま花城(と出会った廣瀬)「やぎさん郵便」は恋文を捨てちゃった澤(と相手へ届けられなかった有原)のことかなぁと思ったり。

やぎさん本編ラストがマッチ売りの回収で鮮やか。
後日談「続 東京行進曲」も4人が仲睦まじくその後を過ごしていて良い。
花城と廣瀬の再会場面最高。

0

シリーズ増す毎にハマってくやつ

1話目読んだ時の感想…なんでこれの評価高いの
最終話読んだ時の感想…次!次!!

↑こんな感じで読めば読むほどハマっていくやつです。草間さん、恐ろしい人に会ってしまった。

2組のカプ(まだ両方とも違うか)が出てきますが、どちらもいいですね。
メインカプは受けの闇がどこまで深いのか、そして攻めがどう受け入れるかがこれからの鍵ですね!
サブカプは(私はこっちのが好きかも)まだお互いに違う人が好きっぽいので、どっちが先に気持ちに気づくのかが楽しみです!

この手の作品は話にのめり込まなければ楽しめないと思うので、軽く読みたい時には向いてないかな。
でも長編がっつり読みたいって時は、特にシリアス目な気分の時はいいね。
気分ドンピシャで読める。

リアルタイムで読んでなかったのは残念だけど、続編がすぐ読めるという利点もある!
今から読んできます!

今はまだ萌2だけど、きっとシリーズ終わる頃には神3くらいになってる予感(そんな評価はないけれど)。。。

0

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