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イケメンニート×オヤジ作家の、嘘から始まる恋物語。
テンポが良くサクサクと読める1冊でした。
名倉先生の文章って、すごく読みやすいんですよね。
今でこそ年下攻めの40代受けはそこまで珍しくはないように思いますが、そういえば発売当時はあまり見かけなかったかもなあなんて思ったり。
ただ、石神の性格が40代にしてはピュアすぎるというか…
年齢のわりに子供っぽかったり、自信がなくておどおどしていたりと、あまり大人な感じはしないかもしれません。
残念ながら今回は様子がおかしな攻めは出てきませんが、攻めのことがタイプすぎておどおどバタバタと様子がおかしくなるキュートな受けは出てきます。
誰もが羨むような豪邸と資産、そして才能ある文章を書く腕を持っているというのに、とても社会には適合できそうにはない石神という人。
極度の人見知りかつやや自虐的で、すぐにめそめそと泣いては、耳たぶを真っ赤にして照れたり、かと思えば自信がなくおどおどとする。
なんというか、一言でいうのならものすごく面倒くさい人なんです。
ですが、ころころと変わる感情の喜怒哀楽が激しくて、なんだかだんだんかわいらしく見えてくるんですよ。
だから周囲の人々も、相手となる脩一も放っておけなくなってしまうんだろうなあ。
後半の彼なりの頑張りっぷりは印象的でした。
攻めの脩一視点で進む前半を見ると、正直言って、脩一への印象はあまり良くありません。
でも、好みのタイプではないと思っていた石神に、あれよあれよと転がるように落ちていく姿はおもしろかったですね。
元遊び人で、当初は石神のことを軽く見ていそうだった彼が、小狡い計算なんてできるはずがないノーガードの相手にまんまと骨抜きにされている姿はなんとも愉快でした。
口調は荒っぽいけれど、なんだかんだと石神のことがかわいくてたまらないのがわかるので、不安を覚えやすい石神にはこれくらい正直にストレートな物言いをしてくれる、ちょっと強引な恋人がちょうどいいのかもしれませんね。
どこから見てもお似合いな2人でした。
コミカルで読みやすく楽しめたのですが、飛び抜けて萌えたか?と考えると微妙なところかなと、今回は星3.5寄りのこちらの評価になりました。
石神の元彼・雅巳と、脩一の友人・小城のCPになりそうな関係が本当におもしろそうだったんですよね…
あとがき部分のSSの時点でもうおもしろそう。いつか読めたらうれしいです。
とにかく受けの石神が可愛いです!ネガティブ志向で傷つきやすくウジウジと考え込んでしまう42歳のおじさんなんですが、これはついついいじめたくなってしまう可愛さですね。
とにかく色んな意味でも反応が良くて、これは年下好きの脩一も好きになってしまうなぁと納得。
編集から依頼された夜這いというインパクトから始まり徐々に脩一が石神に夢中になっていく前編と、本当の意味で心が通じ合った後編に分かれています。後編は攻め受け視点が交互にあり、ドタバタコメディタッチながら切ない部分もあり読んでて楽しかったです。
石神はもちろん、脩一の俺様年下男前攻め(基本Sっ気)もいいですし、可愛い顔して恋愛遍歴がえげつない息子など脇キャラも魅力的。
あとがきに、脩一の友人と石神の元カレのショートショートがくっついてるのでお見逃しなく!
三澤は数年前に失業し、今は叔父の手伝いという名目で好き勝手な生活をしていた。
そんな時、叔父がぎっくり腰になってしまい、造園の仕事ができなくなってしまう。
事情を話に行った家は大豪邸で気のいい通いのお手伝いさんと、家主である四十過ぎた小説家・石神と二人きりで生活をしているらしい。
実は家主である石神は、数年前恋人と揉め事を起こし、自宅に居座られた過去がある。そのことから、過保護な家政婦と彼の息子が、浮世離れした石神の次の恋人は自分たちが見つける、と言って張り切っていた。
そこに現れたのが三澤。
二人に見初められた三澤は、三澤のことを意識している石神と付き合ってくれと言われるけれど、年下の男が好みの三澤は断っていて――という話でした。
収録されているのは二編。
一つ目はカッコつけの男が気が付いたら年上の男にほだされていた話。
二つ目は年下男のプライドの話。
四十男と言っても、ちゃんとしたらこぎれいな四十、という設定なので、「四十!? 無理!!」という人でも楽しめるかと思います。
逆に、「四十男!? 大好物です!!」という人の方ががっかりするかもしれないです。
なんにせよ、意外とまじめな年下に、生活能力のない美中年が恋をする話でした。
うーん、攻めがちょっと好きになれませんでした。
でも受けにとってはぴったりな攻めだと思います。
攻めの横暴で乱暴で優しくないところがどうも。特に日本酒を受けこと石神の顔にひっかけたり、畳をバンっと叩いたり、すぐ舌打ちしたり。個人的に苦手なんです、すみません。
それを除けば脩一は石神の性格や行動パターンを知りつくし、年下のプライドと男の矜持をもっていて。
昔の石神の男のことも石神の為にこっそり片付けようとしたり立派な男らしいいい攻めなんですが。
石神はかなり自虐的で悲観的で消極的ですが最後の最後はきちんと脩一に言いたいことを言えましたね。小説も読んでもらえて普段言葉に出来ない想いを伝えられたのでしょう。
脩一にとってはこんなめんどくさい恋人だけど本当に愛してるんだって、もっと石神に伝わるようにしてほしいな。そして石神に幸せをかみしめて欲しい。
あとがきのショートで石神の元カレと脩一の元セフレのカップルが出て来ます。こちらもいいんじゃないですか!
今回も脇キャラの息子の恵と家政婦の芳江さんがいいキャラでしたね。
――はい、好きです。
と、答えるしかないですよ、コレ読んだら。
基本、私はオヤジ受に対する萌えってそう持ってないんですよね。
どちらかといえばちょい悪オヤジとかの方が好きなもんで。
単純に年下攻は好きなんですけどね。
だが、しかし。
このお話に登場するオヤジ・岩上(43)は非常にかわいらしいのですッ!
ちゃんとした恋愛をするのが初めてともいえるような状態のせいなのか1つ1つが初々しい。
いや、相手となる脩一(27)にとったら若干最初のうちとか特にウザイ気がしないでもないんだけども。
ドキドキとウジウジが同居するような岩上はなかなか心を開けないままにも、脩一が気になって気になって仕方なくて。
そんな脩一から夜這いなんてかけられた日にはもう天にも昇らん気持ちで。
それがそんな幸せな時間の後で、その時間が偽りであったことがわかって。
それはもう落ち込む落ち込む。
良い意味でも悪い意味でもそういう意味では気伏が激しいんですよね。
この岩上のかわいいところはたくさんあるんですが、とにかく自分に自信がないところさえかわいく見えるんですよね。
元々の脩一の好みは年下のかわいい男で、自分がそれにまるでそぐわないことはよくわかっていて。
加えて、以前唯一付き合った男からいいようには扱われていなかったせいで自分のことを卑下しがちなところがあって。
それでも脩一は岩上と過ごしてみて、岩上の書くものに触れてみて、その人となりを思い、自分の好みではないのにどんどん惹かれていって。
岩上にはそうは見えなくても結構夢中になってるんですよね、脩一。
最初こそタチが悪かったといえばタチが悪かったのですが、ちゃんと好きになって育んで行こうする気持ちがあって。
それでも。
両想いのはずなのにどこか不安げな岩上がまたかわいい。
続編ではそんな岩上の元カレが登場して2人の仲を引っ掻き回すことになるのですが。
それによって岩上の中の気持ちが確固たるものになって、自分からもちゃんと行動しようと変わっていけるように。
印象的だったのは脩一の電話に別の男が出て浮気疑惑の悩んで家へと行って、でも留守で戻って来たら、自分の家の前に脩一の車があって、つい落ち込んでたのも忘れて「わーい!」って感じで駆け寄っていくシーン。
岩上、どんだけかわいいんだ…。
あとはもう岩上の息子・恵が父親の性癖に理解がありすぎてすごい。
そして。
そんな岩上の元カレ・雅巳。
当て馬のように登場してた彼ですが、実は当時からちゃんと岩上のことを好きだったとしたら結構せつない立場だったんじゃないかな?とか思ってみたり。
どんなに構ってみても上手く関係を築けなくて。
久しぶりに会ったら自分の時とは比べものにならないほど、自分の意志を見せる岩上がいて。
それから脩一の元カレ・小城。
この人、どんな人なのかイラストで見てみたかったです。
脩一相手にはネコで、それでいて雅巳にはタチのリバで。
その方面にはそれなりに有名っぽい感じで。
完全にこの人がラスボスなのは感じるのですが。
そんな小城に愛されちゃったんだから雅巳も大変ですよね。
本編の様子だけではガバガバになった(笑)くらいしかわからなかったんですが、あとがきのところにSSがあって嬉しかったですww
なんだかんだで雅巳も振り回されて、ほだされる…のとは違うのかもしれないけど、何かが芽生えているようにも感じられて。
小城にガッツリ愛されてみればいいと思いました。
小城相手だと子供みたいになってる雅巳がかわいかったですw
