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克哉の母親を死なせた犯人が判明する2巻。
正直評価が分かれるのが理解できる。
倫理的に受け入れられない人がいるのもわかる。
誰も罰を受けなかったことに私もモヤモヤはある。
でもですね、透が克哉への贖罪と情愛の気持ちの間で揺れ動きながらも、克哉と過ごした日々を「本当に楽しかった」と振り返る。このシーンに私は心を持ってかれちゃったんです。
そして克哉と身体は結ばれても決して最後まで「好きだ」と言わない透。
この終わり方も良い!!
1巻は小説っぽいと思ったんですが、2巻は映画のようだなーと感じました。何故だか。
BLとしての萌えは正直あまり感じない作品だと思いますが、そこを重視しなくてもいいかなーと思えました。(透の元カレ・黒田との過去話はBL的萌えありです。)
透の秘密…やっぱり克哉の母親を轢き逃げしたのは透じゃなかった。
克哉が思った通り!
でも透としては、責任を感じるのは当然だしわかる。
黒田が悪い奴で(あとがきで「くらい しんきくさい 黒田よ」×2回&一人エグザイるw と言われてたの笑ったw)
黒田がなぜ自分を見殺しにしなかった…と聞いた克哉の返事に感動。
「……もし俺が透に育てられてなかったら きっとあんたを見殺しにしてた」
「……透に育ててもらったから あんたを殺さずにすんだんだ」
てやつ。
こんなん聞いたら、透ちっこく丸まって泣いちゃうよね。
その時の透の心象風景が…黒田とすれ違って、ちび克哉によしよしされている図なのが泣ける。
克哉が名古屋に発つ場面もよくて。
ドキドキからの、じーん。
透が克哉に好きと言えないのが切ない。
気持ちが伝わりそうなものなのに、克哉はまだ若いし?透の本当の気持ちまでは分からんのがまた切ない。
これが本編ラストなんですね。
番外編もよかった。
黒田が過去編で超イケメンで!
ああなったのも生い立ちなんだなと(何でも生い立ちのせいにしたらあかんけど)
あ、それと病気で余命いくばくか…もあるか。
克哉と透はプラトニックのまま終わるのかと思ったら…きましたね!
でも克哉は名古屋にいたままで耐えたね。
実家に戻るたびにああなっちゃうのは仕方ないよねw
なんせ若いし、長い年月我慢してきたものが溢れているわけだし、体育会系だしw
透が克哉へ言えない言葉を、いつか言ってあげられるようになるといいな。
ただ、言えるようになった頃は、克哉も大人になっていて、もう透の気持ちがわかっているんじゃないかなとも思う。
全体的に、辛い場面が本当に辛かったけど、最小限の描写だから読み切れた。
その辺のさじ加減ありがたい。
作家さんの腕の見せ所だと思う。
しかし、先生が描く人物は色っぽくて魅力的。
ゆるい顔もきゃわいい。
(目の描き方が、雲◯先生に似ている気がする。好き)
あと、平井もいい。
当て馬的立ち位置だけど、克哉とのライバルな会話が笑えるし、透の理解者でもあるもんね。
透のかわいらしさはある意味、魔性ねw
本人全く無自覚の天然のやつ。
構成とかも良いので、またじっくり読み返したい。
辛い場面あるけど、ラストがわかっているので、次読む時はまだましかなw
やっぱり透が運転していて轢いたわけではなかったと知り、まずはほっと一安心。でも、黒田が飲酒していたのを知っていながら、彼に運転を任せた透にも当然責はあります。飲酒運転に対する戒め、世間の認識がもっと甘く、皆が今より気軽に飲酒運転をしていた時代というのは確かにありました。それでも、人を轢き殺してから初めてその恐ろしさに気付くのはあまりに遅過ぎる。目の前で血塗れの母親が息絶えていくのを見守るしかなかった、幼い克哉の姿には涙が出ました。絶対にしてはならないこととして改めて自戒すると同時に、どうしても黒田の名前、彼の車両を通報できなかった透に対する不信感が湧いてくるわけです。
けれど、そこから透と黒田がどんな恋愛をしていたかが徐々に明らかになっていきます。熱のない人間だった黒田を唯一熱くさせ、彼に手作りの指輪まで作らせた透。柔らか過ぎる性格のあまり人にいいように使われて終わってしまいがちで、誰かと深い関係を築いたことがなかった中、多少強引にでも自分に近づき、好意を伝えてくれた黒田にとても心を許し、好きになった。黒田も元から人でなしだったわけではなくて。だからといって犯罪はけっして許容されないけれども、透が通報できなかった心情が痛いほど分かり、やりきれない気持ちになりました。犯罪を犯してはならないのは当然で言うだけならとても簡単ですが、実際に自分が意図せず当事者になってしまった時、ただでさえパニックになっている頭で、他の様々な要因から誤った判断を下してしまうことは、誰にでもありうることだと思います。
もちろん、罪は背負わなければならない。そして、通報しなかった代わりに克哉の人生を背負った透。それが正解かどうか、解釈は人それぞれだと思います。真実をいつでも話す覚悟をしていたということは、克哉が自分を訴えても構わなかったということ。でも、透と長年過ごした克哉はそうしませんでした。それで十分なんじゃないでしょうか。たとえ結果論であっても、真実を知った上で克哉は透を嫌いにならなかった、好きでいてくれた。別の家庭に引き取られていても、これ以上幸せになれたとは限らない。唯一残った被害者である克哉がそれを透の贖罪だと許してくれたのなら、第三者に言えることはもうないんじゃないかと思いました。
伊藤克哉(高校生)×透(養父 絵描き)
義父モノがあまり好きではない上のこの設定。
透の感情に心を寄せる事ができない。犯罪ですし、好きな男が運転してたからひき逃げ幇助するってまともな感覚ではない。実行犯ではなくても透は社会的に罪を償ってないわけで。
黒田番外編でフォローが入りますが、もちろんのごとく黒田のことを想えない。
堂々と反社会勢力モノとか、明らかに下衆であることを許容しているならまだしも、この作品に萌えることを拒否したくなる。正直言って泣いてる透のもとに克哉が走って帰ってくるシーンとか、大学生克哉のストーリーとかめちゃくちゃ好きなんですが、自分の中の倫理観が萌えるべきではないと言ってくる。
これでストーリーの筋に納得いったら、萌は度外視して作品としてすきなのですが、それも納得いかないので。
え? 自首しないまま?
え? 時効ってこと?
え? 受も犯罪者ですよね?
せめていい人キャラなら、受おまえだけでも自首しろよ!
ヒトヒトリ殺めておいて、罪も償わないで、
なんで最後は「めでたしめでたし」なの???
え?えーーーーーーーーーーーーーーーー!?
という驚愕かつストレスフルな感想しか残らない作品でした。
まず攻受それぞれが事件の真相に対して
葛藤があまりにも浅薄すぎやしないかと。
犯人を知っていて通報も自首もしなかった受を
実行犯でないというだけで攻がすぐ許してしまっている。
受にいたってはそもそも、自分が犯した罪に向き合わず(自首もせず)、
不幸な幼少の攻を引きとり育てるという
なんだか贖罪ぽい行為でごましかしてません?
さらに受にとって都合がいいことに
攻が養子先でDVをうけていたエピソードまであるんだもの。
美談になりますよね。いいことしてる風になりますよね。
なんか贖罪ぽくなりますよね、だから自首しなくていいんですもんね?
という感じがどうしてもしてしまいました。
しかも攻をひきとってからは殺人に関わる罪を犯してるくせに
結構のうのうと生きてんな〜、
という印象がどうしても拭えませんでした。
(いじわるな意見ですみません…)
あくまで主観ですが、
結局、そういった倫理観をぶちやぶってしまうほどのドラマを
提示してもらえなかったので、
攻を引きとり育てたことが贖罪になっているとは思えなかったし、
受のことをどこまでいっても罪を償なわなかった犯罪者としか
とらえることができませんでした。
その要因はひき逃げ事件が受が犯した「罪」というより、
あくまでふたりの恋愛を盛り上げるためのエッセンスの域を
でていないからではないかと…
1巻までは非常に楽しく読ませてもらっていたので残念です。