限定特典と割引が充実!
タイトルから受けるイメージはおどろおどろしい。実際なんとも不思議に薄暗い雰囲気を持つ作品。
主人公は冴えないリーマンの雅則。
ある日突然失踪した同棲相手(男)の借金のカタとして拉致される…と始まります。
男じゃソープにも売れない、臓器を取ってやる、と言われて裏金融業の宇喜多に引き合わされるが、相場の知識があったのですぐには殺されず飼われる事に。
本作は一貫して雅則の視点で語られるわけだけど、この雅則という男、非常に卑屈というか。
まずゲイである引け目。ノンケを好きになるため、お情けで抱いてもらってる、自分なんかという思考回路が強い。
そんな雅則が裏社会のカリスマ的な宇喜多に何故か気に入られ、毎日のように抱かれ、自分から離れるなと命じられ、流されながらも抵抗し、やがて宇喜多を愛するようになる。
雅則って結構ウジウジしてるんですよ。なのにどういう魅力があるのかというと、「心に黒い蛇を飼っている」。
そういう抽象的な表現で雅則には魔性があると示すだけなので、説得力はいまいち。
結局、隠された「蛇」はずっとその蛇を喰らうくらいの強さを持つ男を求めていて、これまでの男達は蛇に負けて自滅していった…
ついに蛇の愛を喰ってくれる男が現れた、そういうお話なのかな。
宇喜多の視点が無いので彼の考えが全くわからないのが残念。「萌」で。
電子版には挿絵無し。
主人公がすき焼きの材料を買って帰宅すると、
押し入ってきた反社なメンバーに、ある日突然拉致される
金目のものをもって逃走した、恋人の借金のカタになってしまった
でも、主人公は今までにない好待遇で、拉致先で大事にされだす。
主人公は、傍に居る間は金運が上がり、離れると相手の運が尽きる、
相手の運気を食いつくす黒蛇の性の持ち主だった。
白蛇の性を宿す、美男。
そして、蛇食いを宿すボス。
この二人の生い立ちは悲惨で、生い立ちを知ると憎めなくなる。
家庭運を持たない奇妙な三人の蛇愛の絡み合い。
ほの暗いハピエン。
気弱で意思も弱い主人公、雅則。しかしその奥底には自覚していないながらも蛇を買っていて。。。
という少し変わったキャラ。受け目線で進みますが、攻めのエリートヤクザ(準)も一風変わったキャラ。誰にも心を許さないけれど、雅則にだけは執着をみせる。
ここでいい具合に絡んでくるのが、攻めの右腕、高原。彼はかつて受けとして傷ついた経験を持ちますが、攻めとして雅則を犯してしまう。しかし、やがてわかり合える人間同士として強い絆で結ばれる関係に成長していきます。
シリアスですが、恋愛ものとしてはハッピーエンドで安心して読めます。ストーリーも終盤のドンパチに向かって盛り上がるという分かりやすい流れですが、ありきたりでないキャラ設定が光る作品。
1冊すべて表題作です。雅則(受け)の視点でストーリーは進みます。
主人公はビッチではないのですが、宇喜多(攻め)以外の男性に抱かれる場面がありますので苦手な方はご注意ください。
突然ヤクザの世界に関わることになるという話で、会社員だった雅則はワケが分からないですし、宇喜多は多くを語りません。そのため説明役としてか、宇喜多の右腕である高原が全体的に登場しています。
高原は宇喜多と争う気はないので三角関係というのとはちょっと違うのですが、雅則を強姦します。高原は基本的に「受け」なのでしょうが雅則に対しては「攻め」。そして雅則を「蛇だ」と断言し、自分もそうであり、宇喜多は蛇を食える男だと告げるキーパーソンです。
そんな高原に食われることなく、宇喜多も雅則も強烈な人物であり、三人一体となって進んでいく展開に引き込まれました。ただ、高原の「蛇」という発言が繰り返されるのはちょっとしつこいかも、終盤に一回あればそれで良かったのではとは思いました。
ヤクザの話ですが、問題が解決してスッキリするの明るめのエンドで、読後の印象は良かったです。
不幸な恋愛ばかりの受けが、借金のカタに知り合ったヤクザな攻めを愛するようになる設定がお好きな方にお勧めだと思います。
登場人物たちがみんな一癖あって、独特の空気でした。
主要人物は3人なんですが、それぞれに何かしら性格的に問題のある人。
そんな3人の人物像がお互いに絡み合って、さらに不思議な人間像を作り上げてる感じでした。
みんな結構身勝手で全然優しくなくて、自分のことしか考えていないようでいて、けども確かに3人の間に「情」と呼べるものがあります。
「信頼」というよりは「欲」に近いし、「愛情」と呼ぶには独りよがりすぎてるんですよね。
簡単に切れそうにも見えるだけど、時々すっごく強固なものにも見えて、とても不思議でした。
そんで、そんな3人の関係が、この作品の独特の魅力だったように思います。
こういう関係は、女子にはないなぁ…とつくづく思いました。
で、作品全体に出てくるキーワードが「蛇」なんですが……。
最初は、これは比喩なんだという理解で読んでいたから違和感無かったんですが、途中からちょっと拘りすぎな気が?
というか、なんでもかんでも、どんな場面での性格分析も、すべてが「だってお前は蛇だから」で結論付けてしまうから、なんだか後半ファンタジックな気がしてきました。
「前世が蛇」とか「蛇の特性を持つ人間」とかいう特殊な人格形成が普通なファンタジー設定なのを、私がのほほ~んと「比喩だよね、”蛇みたいにしつこい”とかって言葉があるくらいだし~」と読み違えていたのかな?
最後までその辺がわかんなかった;
ホントはどっち?比喩なの?ファンタジーなの?
比喩だと私は思っているんですが、それだとするとちょっと拘りすぎな気がしました。
けど、登場人物たち自身がまさに「蛇」に捕らわれすぎている物語なんだって見方をすると、「なるほどやられた!」とも思います。
