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短編が6本で構成されている単行本は最近とんと見ないです。電子で単話売りなんかもできちゃう時代だからかな。
◾️set me free
西田先生らしいようで、おふざけが少ない。社長(父親)がややおどけていたものの、先生のおふざけは普段こんなもんじゃない。
◾️all for you
ブログに時代を感じる。短い中に年下攻めのかわいさと年上受けのカッコ良さが詰まっている。
◾️thrill or sweet
「キャー煽情的ですこと」西田先生のテンポの良さ大好き。だからこそ密度の高い短編が描ける。
◾️-20℃の愛情
最後の2コマが西田節
◾️KING
かなり珍しい印象の作品
◾️好きになるとこわれる
表題作なだけあって、1番先生らしい気がしました。大石課長は既に壊れていて、山崎も仲間入りってところか。
◆Thrill or Sweet
誤解から始める警備員と課長の物語。硬派だけどどこか隙のある課長・溝口が、特にゲイというわけでもなかったのに、段々男に抱かれることを想像するようになっていくのに萌えました。警備員の辻田も、強そうなのに実はヘタレというギャップが可愛かったです。
◆-20℃の愛情
これはもう少し前後も読みたかったなぁという作品。同じ組の中で争ってきたヤクザの安田の辰巳。若頭になった辰巳の方が一枚上手なのかと思いきや、頭は安田の方がずっと良くて。最終的に安田に攻められてしまう辰巳が、王道の下剋上受けだなと思いました。
◆好きになるとこわれる(表題作)
ムカつく上司がゲイ掲示板に書き込みしてるのを見つけちゃいました、から始まる作品。弱みを握るつもりが、部下と鉢合わせても一切慌てることなく、むしろ絡め取ろうとしてくる大石課長に惚れました。仕事の出来は悪いけれど、課長を抱いてから迷いなくアタックし始めた山崎は、男らしかったですね。
SET ME FREE
これが一番良かったです。
高校時代から手島をパシリにしてきた真司。
真司の父が社長で手島の父を雇ってくれてて、それをなんとも幼稚なやり方で恩に着せて、レポートも焼きそばパンも女の子の携帯番号もパシらせて。
真司は手島を父の会社に入れて。
そして何年後でしょうか。真司の父の会社が危なくなって、事後処理に終われる真司と手島。
手島は資格もあるしどこででも引く手あまたなのに、いつまでも真司の会社に残って…。
父の言う真司のことを側にいなくてもわかってる人はわかってるって言葉。
会社を譲渡してやっと真司と手島の関係も終わる。その時真司は高校時代からの想いを逆効果では?という方法で手島にぶつけて。
いつまでも幼稚な真司。でもそんなやり方でしか手島と繋がり方がわからなかったんでしょうね。
そしていざ真司が会社を辞めたら手島は!
やっと敬語をやめた手島。たたみかける手島。いいですね!今度は離さない!
表題作は課長は部長に失恋したのかな?
それで掲示板に?
うーん。
ラグビーの話はひねくれた片想いが相手にも気付かれてて、なんやかんやで捕まえたの?
好きな人がどんなに満身創痍になっても目を離さない、ラグビーを終わらせるのは自分の役目ってのが良かったですね。
これまた最高!
西田先生の作品は、本当になにを読んでも面白いです!!
西田作品ではよくありますが、
表題作は今作では最後に納められております。
しかも、とても短い。
トップを表題作にしないのは、
なぜなんだろう?と、いつも思います^^;
【SET ME PLEASE】
大好きな作品です。
社長代理・有田×社員・手島
チャラくて横暴な有田と、
真面目で硬い手島のお話です。
不真面目で自分勝手に手島を使う有田ですが、
実はとても努力家なんです。
「側にいなくても、お前がどんなやつか分かる奴にはわかる」
という、父の言葉の先にいる人物とは?
命令することでしか繋がれず、
好きな男を抱くこともできない有田。
そして、全てを理解し、従う手島。
言葉はなくてもお互いに対する尊敬と、
深い愛情を感じさせる作品です。
とても素敵なお話でした。
【ALL FOR YOU】
これも大好き!
とても珍しい、ラグビー選手同士のラブです。
神野に憧れる選手・高橋×ベテラン選手・陣野
強がって文句ばかり言っている高橋は、
本当は陣野を尊敬し、愛してやまない男です。
陣野のためにラグビーを続けている高橋と、
追う高橋から逃げ続ける陣野。
高橋は陣野を捕まえられるのか?
ラグビーだけでなく男としても……
BLの中にラグビーがあるのではなく、
ラグビーの中にラブがある作品です。
最後の試合の二人は本当にカッコ良かった!
男同士の本気のぶつかり合いにホロっとくる、
そんな作品です。
【Thrill or Sweet】
タイトル通り!
これまた素晴らしい^^
警備員・辻田×サラリーマン・溝口
溝口に送られる脅迫状は、
尻を狙うような内容のものばかり。
疑わしいのは、警備員の辻田なのですが、
なかなか証拠が掴めず……
辻田ばかりをみてしまう溝口は、
もう辻田に心奪われていたのかもしれません。
そして、辻田もまた溝口に惹かれています。
ただ、二人がHに行き着くまでの流れがとても面白い!
クスッとさせる場面や描写がありますが、
初めてなのに青姦なのがとてもエロかった。
最後のオチは意外すぎて笑ってしまい、
また最初から読み直すことになりました(笑)
【-20℃の愛情】
ヤクザ・安田×若頭・辰巳
男らしい二人の−20℃の攻防戦。
直ぐ眠くなっちゃう辰巳にわらいました。
愛情があるのかないのか?
これからの二人の行く末が気になります!
【KING】
城主・バルト×騎士・ギウス
このお話はまた全然違うテイストです。
深くて難しいけど、
男が男に惚れる瞬間を見たという感じでした。
【好きになるとこわれる】
ついに表題作^^;
厳しい上司・大石×ダメリーマン・山崎
ある日、ゲイ掲示板で大石の顔を見つける高橋。
あの硬い大石が?
目の前で返信してみると、
大石の携帯に通知音が……⁉︎
ガテン系が好きな大石に送ったメールが(笑)
シュバイツァーって!!
面白かったです。
そして、実際に会い、
挑発に乗せられたまま大石と関係する高橋。
でも、高橋の目には涙が……
その理由に気付かせる表現が上手い!
ハッとさせられました。
大石が本当に思っている人とは?
これから高橋は仕事も恋も一生懸命頑張るのでしょうね。
まだまだ大石の掌で転がされそうですが、
いつか認めてもらえるように頑張れ高橋!!
とにかく、全て面白かったです。
テンポの良い会話とコミカルな表現。
本作も、シリアスとユーモアのバランスが絶妙でした。
巻末の四コマは、
いつも何気に楽しみにしています^^
可愛げのあるオス成分を補給したかったので西田作品で摂取。いやーどれもいいオス加減でした!
西田ヒガシさんの短編の中でも今作は粒揃いしゃないでしょうか、全部面白かった。
とくに一話目がお気に入り!!
わたし、好きな相手に何度も同じ事を言ったり聞いたりするシチュエーションが好きみたいで。中村明日美子さんの同級生でハラセンが佐条に「ライター持ってる?」って聞き続けたようなやつ。
今作は「コーヒー買ってきて(微糖のやつ)」でした。今作の場合はパシリだからハラセンのとは違うけど、どちらも相手の気を引きたい、接点を持ちたい、って意味合いだと思うんですよね。で、いい大人がそんな事してるのがもう…可愛げの塊じゃないですか。
パシリにされてる方も全部わかって受け入れてるのがたまらんわ…。ホロっと胸きゅんな終わり方も大変良かったです!