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表題作小さなガラスの空

矢田,クールないじめっこ
鈴木直樹,気が強いおかま

同時収録作品だって若いんだもん

工藤宏之,高校生,コンビニ店員
青木.工藤の3コ上,コンビニ店員

同時収録作品もしかして恋かしら / 恥ずかしくて言えない

坂本整,学生
児島,学生

同時収録作品おあとがよろしいようで / 今日はここまで

一郎,36歳,大学の同級生
耕介,36歳,大学の同級生

同時収録作品ぼくたちの交響曲

新入生
先輩

その他の収録作品

  • ぼくの好きな先生
  • おとこのこおんなのこ
  • おまけ

あらすじ

直樹は他人から少し浮いた少年だった。
それが原因でいじめられてもきたが、高校入学以来、矢田から受ける視線は今まで感じたことのないものだった・・・。

ティーンエイジの多感な恋愛をホロ苦くそして甘く描いた山田ユギの傑作読み切り短編集。

作品情報

作品名
小さなガラスの空
著者
山田ユギ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
芳文社
レーベル
花音コミックス
シリーズ
太陽の下で笑え。
発売日
ISBN
9784832281127
3.8

(26)

(12)

萌々

(3)

(8)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
98
評価数
26
平均
3.8 / 5
神率
46.2%

レビュー投稿数8

戻らない過去にそれでも笑いかける

90年代末の作品たちで構成された短編集。
若さゆえの切なさあり、大人の再会あり、浮かれ系あり、そして表題作…!心えぐられる。

「だって若いんだもん」
高校生xフリーター(3才年上)。
かきっこをズルズル続けてたけど、高校生君は本当にフリーターが好きだったという話。

「もしかして恋かしら」「恥ずかしくて言えない」
ヤリチンのモテ男・坂本が純情な児島に告白されて、ならやっちゃおうとしたら勃たない。それは児島を傷つけそうで怖くなったから。
続いて児島視点。坂本と付き合い始めたが、距離の縮め方が合わない中連絡が取れなくなる。坂本の事を何も知らないことに気付き…「恋」は2人で育てていくもんなんです。この2人かわいい。

「おあとがよろしいようで」「今日はここまで」
大学時代付き合っていた落研の2人。卒業と同時に仕方なく別れ、お互い結婚、そしてお互い離婚して…。古典落語「笠碁」の、喧嘩をしても他の相手ではダメだ、アイツでなければ、という筋とリンクさせています。大人のほろ苦ラブ。

「ぼくたちの交響曲」
高校の入学式。迷い込んだ音楽室でベートーベンを弾く美しい先輩に……妄想!というSS。

「ぼくの好きな先生」
高校生の時から付き合って7年。高校教師になった朋之は最早冷たい。淋しい哲は変装して高校に潜り込む。アホ健気なお話。

「おとこのこおんなのこ」
男の友達が可愛くて、襲うくらい大好きで。
『…おまえ…ホモ?』と問われてこの感情の落とし所を知る。(でもゴーカンはダメでしょ)

「小さなガラスの空」
女顔の華奢な直樹は、高校入学1ヶ月でいじめの標的に。オカマと言われ殴られカツアゲされて、それを後ろから見ているハンサムな矢田が気になっていたが、助けてくれた矢田もからかいの対象になり、それに怒った矢田が直樹を殴る蹴る。しかし…
精神的に大人の直樹、そこまで大人じゃない本当は周りの目が怖い矢田の、はじまりの話。
2人隠れて会う、小さな窓一つの準備室で。
「おまけ」
10年後の同窓会にて。
さんざんいじめ抜いてきた松尾が『…悪かった…あの頃はガキで…』なんて謝ってくる。そして、あの矢田が事故で亡くなったらしい…

実は先にこの直樹の物語「ワイルドマンブルース」が収録されている「水温む」を読んでいまして、この矢田とのいきさつを思いながらのこの「おまけ」は、胸に刺さります。やっぱりユギさんは凄いっす。

2

短編集

やっぱり・・・何度も言ってしまうけど
「山田ユギ」さんの本は面白い。
長編好きの私ですが、この短編集も色々な”味”がして
とっても楽しめました。

山田ユギさんの描かれるキャラの中に時々出てくるのが、
超純粋な人物。
このキャラの赤面振りや慌てぶり・・・というのが
いつも笑えて、悲しいストーリーや苦しい気持ちの
内容であっても、重くならずに読めたりするんですよね。

今回もその超純粋君が出てきて
かなり笑わせてくれますw

もちろんそんなキャラばかりではなく
色んな“テイスト”が楽しめるお得感ある一冊ですね^^

0

切ない

テンションが高かったり、切なかったり、オヤジ同士だったりと割とバラエティ豊かな短編集。
それでもなんといっても一番好きなのは表題作です。
私もこの作品で初めて直毅に出会ったクチ。
ストーリーは皆さんが書かれているので割愛しますが・・・・・・
お互いに子供過ぎて、形にならないまま終わってしまった想いが切ないです。永遠に実ることのない恋の話。
オマケの後日談がまた軽く衝撃で、でもだからこそいいのかもしれません。

ちょっとしばらく一人ユギさん祭りをしようと心に決めた一冊でした。

2

何度も何度も読み返したい

「挿絵で楽しむ山田ユギフェア」番外編。
「挿絵だけじゃ物足りないぜ!コミックも読もうよ!」って事で
こちらでも神評価率の高いこの作品を読んでみました。

サクッと短めの作品がたっぷりと詰まってる
山田ユギさんのいいとこどり的な作品集ですね。

しかし。。。
実は、期待に胸膨らませて読んだ1回目は
サクッと短すぎて、うまく流れに乗り切れなかったのか
あるいは
表題作「小さなガラスの空」の結末をなんとなく知っていたからなのか
期待していたほどの感動がなかったんですよ。。。OTZ
うわ。。。私って、人と感動を分かち合えないカラダなの??
っとちょっと落ち込みそうになりましたが
気を取り直して、再読してみたら。。。キタコレ!!

1回目にはわからなかった、作品同士のちょっとした絡みとか
さりげないセリフに隠されてた切ない気持ちとか
キャラたちの絶妙な表情の変化とかが
目からうろこが落ちるようにくっきりと見えてきましたよ!

どのお話にも共通してるのは「不器用な男たち」ってことかな。
若かったり、自分に自信がなかったりで
好きな人の前では上手く行動できない彼らにとっても共感しました。

そして、やっぱり一番切なかったのが「小さなガラスの空」でした。
高校生の幼稚ないじめって、ある意味すごく残酷で
そんないじめにあっても平然としてる(様に見える)直樹も見てられないし
好きなのに、心と裏腹の行動しか取れずに直樹をいじめる矢田も切ない。
でも、そんな素直じゃない二人を隔てていたものが
ふとした時になくなって、一瞬だけ距離が近くなる瞬間が、すごくいい。
ラストも、その先を期待させるような終わり方だったのに。。。

「おまけ」にその人の姿がないことがすごく悲しくてきついですよね。。。
直樹が「ホンモノw」になってたのもびっくりでしたが
そんなことどーーでも良くなるような事実がやるせないです。

読み返せば読み返すほど、新たな発見がありそうな
そんな、ずっと手元においておきたい1冊でした。

4

胸が締め付けられる

表題作が本当に切ない。短い話なのにこんなにも心をしめつけられた作品、そうはないと思います。
可愛いものが好きで綺麗な顔をしている直樹はイジメをうけてしまう。
そんな直樹を見ているだけだった矢田は、あるとき直樹を助ける。
しかしそのせいで直樹とデキていると、からかわれた矢田はその噂を払拭するために直樹をいじめるように。
表面的にはいじめながらも直樹の捨てられた靴や教科書をそっともとにもどしたりする矢田。
周りの目を気にして素直になれない思春期の少年の気持ちが切なくてどうしようもないです。

イジメる中でお前なんか女の変わりだと言って直樹を抱く矢田だけど、彼女と歩いてる時に通り過ぎた直樹に焦って声をかけるシーンがすっごい好きです。


読んだ後表紙を見ると、またいいんですよ!

1

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