ボタンを押すと即立ち読みできます!
人形メンテナンスの仕事に就いた前科のあるモドル。人間そっくりの見た目と質感で人工知能を備えた人形たちは、人との違いがわからない程。相棒のススムの抱えてる真実と深まる2人の仲がとても切ない。
大切なものって何だろう。自分も昔から球体関節人形が好きなので、余計に愛おしさを身近に感じた。
初期の短編集との事でNobody knowsのお話がまとまってて読みやすいし、同時収録の焼鳥屋風来の店長テルとそこに集う人々の恋模様もとても良い。(ススムとモドルもちらっと出てくる♪)
全体に優しさが満ちてる一冊。
◆Nobody Knows(表題作)
個人的な好みですが、まるっと1冊この2人の話でも良かったくらい、お気に入りの作品です。ススムとモドルの淡々とした話し方や、静かな空気感なども世界観に合っていて、とても引き込まれました。人形に恋をするのはどんな感覚なのか。最初はそんなの他人事でしかなかったモドルがそれと気付かずに自然と恋してしまっていたところが、情とは切っても切り離せない人間の性を感じて切なくもあり、愛おしくもあり。結局普通の恋愛と何も変わりはないんですよね。最初は近未来を見ているようだったのが、徐々に現代のありふれた恋愛を見ている気分になっていきました。
◆樋野山修一の教育実習
こちらのシリーズは表題作よりコミカルに進んでいく作品でした。何度もG(虫)が出るシーンがあるので、繊細な方は注意(実体までは描かれていませんが)。樋野山のヘタレっぷりも可愛いのですが、私はそれ以上にお人好しなテルちゃんが可愛いなぁと思ったので、やっぱり樋野山×テル派かな。真面目同士、一旦くっついたらすごく安定しそうなカップルだなと思いました。
表題作のSこしFしぎな話とても好き。
絵がかっこよく色気がある。触れ方がとても好み。瞳もいい。
セリフが少なくモドルの静かな独白で進むテンポ、2人の距離が縮まる感じがぐっとくる。
ススムとモドルの関係がどうなるかも実験で観察されていたら嫌だなと思ったけど、それは杞憂で切ない感じのままにならず。隙あらば静かにいちゃいちゃしてくれるハピエンでよかった。
後半のお話は表題作と全く違う温度差で。ススムとモドルがちょいちょい出てくるので同じ世界なのに真逆のドタバタギャグw
焼き鳥屋が舞台で超苦手なG(虫)がよく出てきたのが辛かったぁ
旧版に書けなかったので
◾︎Nobady Knows
ススムとモドル
ドール作品は数あり、こういう作品も数あれど、作家さん次第で如何程にもなる。ただこれだけで終わるわけがない!そこが先生!単行本「Non tea room」に続編が収録されてますので一緒に読むべし。
SHOOWA先生のSHOOWA節は抑えられて繊細さ強め。好きです。
◾︎Everybody Knows, 樋野山修一の教育実習
やきとり屋のテルちゃん、ヒロ、樋野山さん
モドルもチラッと出てきます。ススムもわずかに出てきます。
こっちはSHOOWA節が少しだけチラ見せ。まだまぁこんなものじゃないけど!テルとヒロがくっつくかと思いきや…なのも先生らしい。
◾︎愛と現実の狭間に
新装版には収録されてないようです。「NON Tea Room」の新装版に収録されてるっぽい。たしかに表題と同時収録が相応しいかと言われると違うかもしれないけど!
ついにSHOOWA節全開!主役が「ラテンの血を持つ裏筋太郎」で、良い話かと思いきやこの終わり方ですから…荒唐無稽な話だと理解しつつそれでもハピエンを期待してしまうのはなんなんでしょうね。「焼き鳥の日々」に太郎も出てくるし老人も出てくるのなんなの笑