気鋭の実力派・恋煩シビトのヤンキー三角関係

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表題作溺れる

高校生 受とは中学からの仲良し 八田千陽(ハチ)
高校生 ラブホで清掃のバイト 朝比奈馳男

その他の収録作品

  • BONUS TRACK(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

「俺の本能は、男ではなく既に」 

腐れ縁のヤンキーは不変の仲…と思いきや、馳男の幼なじみ・次郎に彼女ができた。
その日から、馳男の心中は嫉妬でヒリつき始める。

そんな馳男の変化に、仲間のハチだけが気づき
「なぐさめてやろう」と押し倒してきた。
なし崩しで始まった2人の関係は、次郎にも見せつけるように
自室やラブホテル、果ては教室…と奔放に続く。

女に奪われた親友を追ううちに、
女のように抱かれるようになった馳男の本性とはーーー。

描き下ろし後日談収録。

作品情報

作品名
溺れる
著者
恋煩シビト 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396783310
4.1

(130)

(61)

萌々

(40)

(17)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
24
得点
523
評価数
130
平均
4.1 / 5
神率
46.9%

レビュー投稿数24

カバー下のイラスト

とても好きな作品なので紙で取っておきたいと思い購入しました。
カバー下の絵がとても素敵で、買ってよかったと思いました。
何気ない絵なのですが、ある意味結末を示唆しています。

この作品、もっと評価されてもいいのにな、と思います。
随分前の作品ですがキャラクター作りやストーリー構成が唯一無二かなと。

次郎はノンケ、ハチは自分のセクシュアリティを自覚できているゲイ、馳男は自分自身よくわからず悩んでいる、といったところでしょうか。
それぞれの立ち位置がとても明確に伝わってきます。

特にハチというキャラクターが非常に魅力的です。
執着攻め好きにはきっと響くはず。
終始ハチに感情移入してしまいましたし、彼の馳男を思う真っ直ぐな気持ちに大変萌えました。
そのためか最後は普通にハッピーエンドだと感じました。こういう愛の始まり方もあるのでは?
最初から次郎とくっつくのは現実的ではないなと薄々感じていました。
ノンケでも最終的にくっつくBLが多いですが、この作品読んでいて、物語の深さとかキャラの繊細さみてて、他の作品とは違う方向いくだろうな、と。

正直言うと、デッサンがところどころアレ?て思うことがありましたが、画力とかどうでも良くなるくらい、キャラの表情、キャラのセリフ、漫画の書き方が全て秀逸でした。脱帽です。
ハチのチャランポランからシリアスに変わる表情の切り替わりとか、馳男の傷付いた表情とか、次郎の嫉妬してる顔とか。
一つ言いたいのが、馳男と姉たちとの会話…なんてリアル!!口汚い女兄弟あるある。
また、男子高校生同士の何気ない会話が全てリアルでした。

とても好きな作品なため、うまく言葉でまとめきれないのですが、
この漫画は萌えがどうとか以上に、物語として感動しました!

0

びっくりしたけど、この結末にありがとうございます。

友情か恋か、あるいは性欲か。

予想外の結末に驚き、でも、個人的にはこの結末を望んでいました。

次郎と幼馴染の馳男。
そこに中学からハチが加わって、今ではすっかり腐れ縁の仲間たち。
だけど、次郎に彼女ができたことでその均衡が崩れ始めてしまいます。

馳男は昔から次郎のことが好きでした。
そんな馳男のことをハチは好きでした。

それまでの自分の居場所を彼女に奪われた馳男に嫉妬心が芽生え…
そんな隙間にハチが入り込み、馳男を抱くようになります。
性欲処理ができれば、ハチに抱かれようと、どうでもいい馳男。

だけど、次郎はそんな馳男とハチの親密さが気に入らない。
教室で2人がセックスしているところを目撃してしまい、
問い詰める次郎に馳男は
「ハチの事誰より好きなんだ」と嘘をつく。

なぜ、ハチなのか、次郎は動揺します。
彼女がいても、今までと変わらず馳男と一緒にいたい次郎。
だけど、それは大事なおもちゃを取られた子供のような
独占欲に過ぎず、馳男が次郎を想う気持ちとは違います。

友達のままで、変わらずに馳男に隣にいてほしい次郎。
それは純粋な友情だけど、とても残酷に思えます。

次郎の恋人になりたい、一途で健気な馳男。
頭では叶わないとわかっていても諦めきれず、期待しては裏切られ、
その一方でハチの気持ちを知りながら見ないふり。これも残酷です。

馳男を自分のものにしたいために、弱みにつけこむハチ。
だけど、馳男に対する気持ちの純粋さを知っているから、
ハチだけが狡いとも思えません。

この場合はハチが当て馬になるのだと思います。
三角関係って大体の当て馬はすごくいい人で、散々尽くした
にもかかわらず、恋に破れ、報われないパターンが多くて、
(救いがあったとしてもお情けのように余り者同志でくっついたり…
その杜撰な扱いに当て馬救済委員会を設けようほどに)
そんな彼らの待遇に常々不満を抱いてきました。

読めば読むほどに当て馬への思い入れが強まってしまい、
いつも途中からもうこいつ(当て馬)にしておきなよ!と思っていたので、
正直、この結末は嬉しかった…
ハチがこれまで出会った当て馬たちの悲しみを
背負って幸せをもぎ取ってくれたように思えました。

どうせ、また…と思いながら行き着いた結末は意外なものでした。
馳男の次郎への恋を終わらせた「メス」の自覚。
受け容れたくないけど、受け容れることで馳男は自由になれたはずだし、
そうすることでようやくハチを正面から見ることができた。
都合のいい次郎だったら馳男は自分の中のオンナに気がつけずに、
嫉妬に狂い、ボロボロになっていたのかもしれません…
だからやっぱり、馳男にはハチがいてよかったのだと思う。

賛否分かれそうな結末ではありますが、
個人的には積年の恨み?を果たしてくれた1冊なので神評価です。

3

予想外

悩みなんかみんな解決すんのに お前がこっち向けば
こっちには絶対に来ない人間だよ アレは

シビトさんの描く男子たちの戯れが大好きです。全くもって取り留めない会話、そして一瞬見せるシリアスな顔。仲の良かった友人に抱く恋心は叶うのか叶わないのか、というお話だと思って読み進めれば、展開は意外なものでした。タイトルの「溺れる」は恋にでは無かったのでした。自分の性質というか行く道といったものだと思うのですが、それが馳男とハチは同じ方向に悩みながらも辿り着き、好きだった次郎は全く逆だったということを最後に悟り諦めがつきます。漫画としてはやはり、次郎とくっつかないのか〜〜はぁ〜〜と残念に思ってしまう気持ちもあるのですが、この諦めはリアリティがあるなと思いました。
シビトさんらしい闇を含む心理描写がたまりませんし、ここぞという台詞でも文字は抑えめに顔面で魅せる!という気合が良いです。

1

脇田がいい奴

脇田は三角関係の中にいないモブ度のかなり高い友人です笑
表紙は馳男(受け)ですが、中とイメージがだいぶ違う。

恋煩シビト先生の作品は、ハッピーエンドとは限らない、AくんとBくんは必ずしもCPにはならないし別れるかもしれない、と覚悟して読むのですが、どうしても読んでるうちにこのキャラとこのキャラがくっつくのかな〜とか、無意識に誰かを応援したり感情移入しだして、ヒヤヒヤする。推しが幸せになれないのはやっぱ悲しいし。
ずっとどこかジメジメしてる作品なのに、最後が妙に爽やか。馳男の気持ちをあらわしているのか。描き下ろしも甘め。

2

思春期ヤンキー三角関係

思春期のヤンキーならではなところもあるのかな?
いつでも何でも一緒で何でも知ってるはずだった親友が彼女が出来て関係が変わっていって。

彼女が出来た方も他の皆が気になったり。

ハチと馳男が何ともお互い切ないですね。
男が好きだけど怖くもあるハチは馳男が好き。でも馳男は親友の次郎に彼女が出来て傷ついて寂しそう。
ハチはそこにつけこみますがいつまでたっても馳男の気持ちは手に入らないし、発散するだけの相手のように扱われたり。

でもだんだん馳男もハチを見てくれるようになって。

答姐で戻れないという質問に出てたので読んでみました。馳男は確かにこんな体になっちゃって。もう男じゃないって。

次郎は初彼女と高校卒業前に妊娠して出来婚です。
馳男ももう大丈夫そう。ハチがどんな想いで馳男と接してきたのかな。切ないけど最後は良かったですね。

この作家さんの本は2冊しか読んだことがないのですが絵や話の進みかたが独特な感じがします。

1

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