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Charaコミックス初登場! ! 草間さかえの芳醇な夜の香り漂う珠玉の作品集。
草間さかえ先生の自分語りが面白い。
【園芸に激しくはまってます。
以前まで「変態と年寄りの趣味だ」と
偏見を持っていました。
さすれば自分が現在、変態で年寄りということです。】
それ~、私も同感ですがな~。土いじりは楽しいですよね!草間先生!
そんなこんなで、本編も超面白いです。短編7話入ってます。
受け達の初めて*の相手が素敵な攻め達で良かった~。
このコミックは、ネタバレ無しで読んだ方が絶対いいですよ!
3組の恋愛が謎を解きながら楽しめます。カバー下にも♪
1作目で薔薇が出てくるのですが、薔薇は育てるの本当に難しい。虫もつくし。
『隠された謎が恋を呼ぶ、スリリングな3つの恋愛譚』
意味深なキャッチコピーと、美しく陰影ある表紙絵にひかれ購入。
登場する謎すべてに、誰かへの愛やドラマがあります。
死、セクシュアリティ、犯罪者の家族などテーマは重いが、
支え合い生きる登場人物の姿に希望があり、読後感は爽やか。
三つの話すべて、ラスト間際に「夜空」が登場していることも、タイトルにちなんでいて象徴的です。
■【夜明けに花降る】【小夜啼鳥の夜】
生真面目な裁判所事務官・山田は、
隣人の吸う煙草の香りが大麻ではないかとの疑念に囚われ…。
真面目すぎるあまり、時に自身をがんじがらめにしてしまう山田。
そんな山田を「正しい人」と肯定する高天(隣人)の懐の深さが素敵です。
世の中は予想外の連続。
それでも一生懸命、真実を追い求める山田が、すごく愛しい。
(ベランダで〇ラえもんのテーマ完唱なんて、可愛すぎますよ…!)
彼を温か~く見守る里村書記官との、とぼけた会話が大好きです。
■【明け方に止む雨】【少し戻って】
前の話で登場した、里村書記官の話。
刑事の結城は、自殺した青年の部屋のゴミ箱から
「兄さんが好きだった」と書かれたメモを見つける。
現場に駆けつけた兄(里村)にその事実を告げることができないまま、一緒に弟の死の真相を探ることになり…。
里村は、弟の想いに気づかなかった罪悪感から男と寝ようとする。自分を罰する姿が、痛々しくも色っぽいです。
結城は里村を優しく抱いた後、弟のメモを「隠し通してみせる」と心に誓う。
秘密を一人で背負う決意と、里村への深い愛情が伝わってきて
彼と一緒なら里村はきっと大丈夫だろうと安堵しました。
この話を読むと、里村が山田を弟のように可愛がり、高天をいびっている姿が微笑ましく見える…か?w
■【歌わない鳥】【風景画家と肖像画家】【鳥と木】
農場主の息子で、画家を夢見るジョゼは
「人殺しの孫」と忌み嫌われる絵描き・アーサーの絵に魅了される。
アーサーの祖父が残した絵の秘密を解き明かした二人は、
全てを捨て、町を出て、画家として一緒に生きていく…。
アーサーは、長年周囲から疎外されてきたせいか
人と関わることに臆病で、傷つく前に逃げようとする傾向があります。
ジョゼはそんなアーサーを一途に愛し、優しく背中を押す。
年を重ねても、そういう関係や愛情が全く変わらない二人にじんわり感動しました。
わだかまりを残した故郷の旧友とも、近いうちに会えるに違いない。
切なくも温かいラストに余韻が残ります。
BL作品は作家買いしています。
イラストが好きじゃなくとも
読み終えることには艶っぽいなと必ず思ってしまう
草間さんのイラスト。
今回はいまいちどの作品にもはまれなかった。
はまらなくても、良かったと思うことが圧倒的に多いのに
今回は珍しくどこにもかすらなかった。
弟の就職祝いにバラの花を送る姉、それをまじめに育てている弟。ベランダ越しに感じた匂いの変わったタバコを吸う男性。
兄への想いを自らの命をもって
整理しようとした弟
異国の話。
それぞれ決して明るくはない想いを抱えている誰かと、一般的にはみたされた地位にいる誰かと。
それが関連してくる。
表紙のイラストはとっても好きでした。
今回の作品は終わった後に
良かったなと思えなかった。
正しいことをする人、出来る人、何が正しくてなにがいけないのか、
思い込みと冷静な思考の判断、隠し通すと思い詰めた秘された思い、
それでもやはり愛しい人に告げたかった一方的な思い、それがエゴで相手を傷つけても。
う~ん、奥深くて人それぞれの思惑や思いが交差し合って心を揺さぶられる。
大まかに3編で分けられるのですが、表題は禁忌の思いを抱いた弟が自殺をし、
遺書ともいえないものを残し、全ての身辺整理をして消えてしまう。
そして残された兄は、弟の死を探るが、そこには仲の良かった何でも話せる兄弟でも
言えなかった事実が見え始める。
弟が唯一兄に残した1枚のメモ、死にゆく時に見せた愛する者へのエゴが切ない。
しかし、そのメモを兄が目にする事は一生無い、弟の自殺を担当した刑事が
そのメモを隠してしまう、これはその刑事がゲイで、そのメモ1枚で全て理解し
咄嗟にメモを隠したことから、その兄と共に弟が死ぬ前の足跡を共に辿る。
正しき人をこれ以上不幸にしない為に、いつしか愛してしまったと自覚した時、
刑事は弟が残したエゴを隠し通す事を誓う。
スリリングな雰囲気に苦しさ切なさ生きていることの辛さと幸福をそれぞれに
込めたような感じがして心に余韻を残すような作品でした。
やっぱり草間ワールドは奥が深くて素敵です。
草間さん初Chara?
珍しく外国モノがあってびっくり!
しかし、少し前の時代という設定のせいか全然しっくりきて昭和のノスタルジーと同様にこの絵にとても合うのです。
そして、全体を通して感じるのは一見すごく重そうなものを抱えた主人公達なのだがそれが結末を迎える頃に「な~んだ」みたいな軽さを感じさせて、なんて軽妙なんだろう。
難しく考える必要なんかコレっぽっちもないのだ、終わりよければすべてよし(この作品の間において)
更にシリーズの終わりについている作者コメントを読んでその設定になるほど!
と、それを頭に入れてもう一度作品を読みかえすと実にコメディに近い形に見えてこのハッピーエンドが幸せなものに見えてくるのです。
重そうなモノに見えて実は軽い。この展開が作品の魅力になっている気がします。
几帳面で堅物の裁判所事務官・山田と怪しげな隣人・高天を描いた【夜更けに花降る】
この山田の性格描写が実に面白い!
中立視点が大事だと言い、仕事の事案を真剣に考え探偵のように推理しながら隣人の吸っているタバコの匂いが怪しげな匂いであることからひょっとして大麻では?と考えるその思考。
彼の頭の中には善悪があって、人の心を読もうとするより必ずどこかに”黒”があってそれを暴こうとしている頭があるように見える。
その事案にしても高天の事ににしても、そうやってクソ真面目に物事にあたることが、懐疑的な態度になってしまうというのはある意味いいことなのだろうが、予想できない展開に対して超ビックリしてしまう、この姿がいいのだ!
なんだかすごくイジリ甲斐がありそうなキャラクターでうずうずしてしまう♪
それを更に面白くさせているのが、山田の相談役的存在の里見書記官。
作者コメントで兄的存在と書かれていたが、その後高天の勤めるレストランへ訪れている山田と里見の【小夜啼鳥の夜】において、里見がシレっとした顔をして山田を弄り、一体山田のどこに惹かれたのかを聞くシーン。
大爆笑したのですが、、、こういう人いる!!ってか。。。楽しいなぁ~
その里見書記官が実は弟を亡くしていて、その現場を担当した刑事とデキちゃうというよりヤケのやんぱち(死語?)&刑事の吊橋効果でくっつくお話が表題の【明け方に止む雨】
ある男が今までの痕跡を一切消して自殺した。残された遺書には「兄さんが好きだった」というメモも添えられていて。
その場を担当した刑事の結城は、その場に駈けつけてきた兄・里見の取り乱し方を見てとっさにそのメモを隠す。
どうして弟が死んだのか理由が知りたい兄と、自分もゲイであることからその意識に共感を持ち、兄が放っておけなくなる結城。
弟がゲイで兄が好きだったという事実を自分で調べて知った時の里見の「そんな事で死ぬなんて」という自らの身を持って証明しようとする自棄的行為は、結城にとって”たなぼた”?なんて思ってしまった自分は不謹慎だろうかw
一見、弟が禁断の恋の末に自殺をしたという重たいモノが背景にあるのに、エッチした場所が弟の自殺した部屋とか、里見は殴られて鼻血を出してやってきたわけだが、行為の最中に再び鼻血を出すシーンに萌えを感じてしまったりw
里見は山田を几帳面で、でもちょっとそれがかわいらしいと思っていたようだが、実は里見も結構似てるんじゃないかと(笑)
こういう男ほどカワイイのだ。結城、ご愁傷サマなのです(爆)
表紙下の本体にあるおまけマンガ、これ必見ですよ!!
里見、お前自分が買ったあのアダルトグッズを高天にやったのか!?しかも普通のしか使ってないって高天・・・(爆笑)
【歌わない鳥】
大地主の三男坊で絵が描くことが好きなのに、家人に反対されているジョゼが出会ったのは、祖父が人殺しで墓守の手伝いをしているアーサー。
彼の絵に見入られたジョゼは、人殺しの孫というレッテルが付いて回る彼が、唯一慕ってくれている少年・ポールの信頼を失ってしまったのを見かねて一緒に逃避行をするというお話。
二人の事を誰も知らない街に行って彼等は自分の好きな事ができる。
逃避行という世間一般から背いた行為ではあるが、それは自由の翼を手に入れる為に必要だったのでしょう。
健気で一途なジョゼと、トラウマなのかネガティブなアーサー。
アーサーはその間にジョゼが好きになっているのに、引け目からか前向きになれないツンデレ。
ジョゼは草間作品お得意のワンコ♪
健気なポ9時ティブがネガティブをひっぱりあげる展開はどうやら自分は好きなタイプなようだ。
このワンコ、3年もよく我慢したよね(笑)
そして【鳥と木】において聖人して嫁をもらい時計職人になっているポールが、絵でアーサーと再会するお話は、これによってアーサーが救われた話になるのですが、
なんといっても中年?初老?
おヒゲのジョゼと白髪混じりのアーサーという熟年カプの姿が見られて思わずトキメイタ!!
アーサーは相変わらず美中年な雰囲気だったが、ジョゼ・・・
あとがきに、「ヒゲの呪い」とか書いてあって(どうやら家系らしい)爆笑してしまった
。
やっぱり草間さかえは、おいしいご飯かスルメか、というくらいに噛めば噛むほど味がある人物の登場する作品を描く♪
だから好きだ☆
茶鬼さんの評「重いのに軽い」。
読んだ瞬間に膝をたたいてました。
一言でこの漫画を表現し切っていると思います。
むぼち
魑魅魍魎さんと同じく、私も先生の挨拶文を面白いと思いました。
草間先生はちょっとしたコメントにも、ハイレベルなセンスがあふれていますよね。