この瞬間をもうずっと長い間待っていたのだ。 長すぎるほどにーー。

アドリアン・イングリッシュ(2) 死者の囁き

shisha no sasayaki

アドリアン・イングリッシュ(2) 死者の囁き
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神26
  • 萌×216
  • 萌5
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
210
評価数
49
平均
4.3 / 5
神率
53.1%
著者
ジョシュ・ラニヨン 

作家さんの新作発表
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イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
アドリアン・イングリッシュ
発売日
価格
¥900(税抜)  ¥972(税込)
ISBN
9784403560163

あらすじ

行き詰まった小説執筆と微妙な関係となったジェイク・リオーダンから逃れるように、
祖母が遺した牧場へとやってきたアドリアンは道ばたで死体を発見する。
だがその死体は保安官が来た時には跡形もなくなっていた。
敷地内のスパニアード・ホロウ峡谷では学者たちによる発掘作業が行われていたが、
謎の呪文や飼い犬の変死にスタッフは不安を覚えている。
そして牧場の郵便受けにはガラガラヘビが。これは谷の安らぎを守る「ガーディアン」の呪いなのか?
アドリアンを追ってやってきたジェイクとの関係も事件を通してゆっくりと動き出す、シリーズ第二弾。

2006年ブックニュースアワードGLBTフィクション部門受賞作(シリーズ第三作「The Hell You Say」が受賞)。

翻訳:冬斗亜紀

表題作アドリアン・イングリッシュ(2) 死者の囁き

ジェイク・リオーダン LA市警の刑事 39-40歳
アドリアン・イングリッシュ 書店主で小説家 32歳

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数6

甘い二人

ミステリーのネタバレはしないようにレビューします。

シリーズ第二弾。シリーズ中一番甘い作品でしょう。

1作目のラストで、ようやくアドリアンへの想いを吐露したジェイク。といっても寡黙で自分を抑えるジェイクですから、はっきりと言葉にはしません。
しかし、交際が始まった二人。

ジェイクは刑事という仕事柄もありクローゼット(カムアウトしていない)。ここがシリーズ前編にわたって今後キーになります。

二人は交際を始めたと言っても、たどたどしいおつきあい。そして、どうやらジェイクにはつきあっている女性がいるようです(これは1作目でも匂わされている)。

半ばやけになったアドリアンが、祖母から受け着いた田舎町の旧馬場へ休暇に出かけます。ここで色々な事件に遭遇します。
しかし、休暇をとってジェイクも追ってきます。ここで、日常を忘れたつかの間の甘い時間が繰り広げられます。シリーズ唯一のカタルシスと言ってもいい甘い作品です。

謎解きは割合早い段階で分かるので(それでも読み物として楽しめますが)、どちらかというとラブサスペンスとしてストレスなく楽しめる作品だと思います。

2

上質なミステリーを読んだ後の幸福感

まさしく、こういうミステリー読みたかったんです…!という理想型の小説でした。

ミステリー小説も犯人やトリックが云々というのは、年々興味が薄れていき、
その事件の起こる背景や動機に工夫がされていたり、目新しい題材(設定)に惹かれる傾向にあります。

その中で、この小説はアメリカならではの地理的要素や歴史背景も設定に生かされた重厚なストーリー展開がなされ、新鮮で非常に楽しめました。一巻はゲイ・ソサエティーを積極的に取り扱っている面では新しかったですが、ミステリー的によく見かける話だったので、今巻の方が独自性があって良かったです。
私有地の牧場の敷地に〇〇や〇〇があって、という設定とか面白過ぎです。アメリカらしくスケールの大きな話で。ここで心を掴まれました。全体的にムダな所が無く、設定も生かされ上手く纏まっていました。スリルも多分にあり、最後まで息を抜けませんでした。
上質なミステリーに少し苦味のある大人のゲイ男性の葛藤。味わい深かったです。

ゲイである事を受け入れて自然体で生きるアドリアンと常識や世間の価値観に縛られて自分を出せないでいるジェイドの距離感や話の掛け合いも楽しめました。事件の渦中にあっても、好きな人の事が気になったり、普通に夜の営みがあったり…というのも人間の性だなーと微笑ましく感じました。ラストのお約束シーンにはグッときました。

これだけボリュームの多い翻訳ミステリーを何のストレスも違和感も無く、楽しめたのは翻訳家さんの力が大きいですね。唯一つタイトルの邦訳を「死者の囁き」とつけられた意図を知りたいです。原題は洋書にありがちなシンプルなタイトルですね。洋画でも原題と邦題が見違えるように変わる事が多く、人種の違いを感じます。

1

このカップルは好きですね、不器用で

『アドリアン・イングリッシュ』の二巻です。
電子で安く売っていたので購入しましたが、この作品は登場人物紹介が最初のページに載っているため電子ではひじょうに読み辛いです。
たびたびそのページへ戻るのが面倒で。
翻訳物は紙媒体の方が読みやすいかな。

********************
受け攻めともに今回も変わりなく、心疾患を抱える32歳のアドリアンが受け。
攻めは刑事のジェイク、40歳。
といっても、序盤は攻め受けなどと書くのも違うような雰囲気です。
********************

一巻で起きた、『ゲイ切り裂き魔』とマスコミから揶揄される事件で知り合ったふたり。
アドリアンはゲイで、最初それを軽蔑しているように見えたジェイク。
が実は彼もゲイで、それをひた隠しにしています。
一巻ではまるでゲイフォビアのような態度でしたが、それは長く己の性癖を隠し続けていたことで、『自分はゲイではない』と脅迫的に思い込むようになっていたせいかなと思います。
目を背けるといいますか。
そんなジェイクでしたがアドリアンと出会い、今巻では付き合うようになっていました。
ただ、ジェイクはSM行為やセックスには慣れていても、キスしてハグしてというような、普通の恋人同士でのスキンシップは経験がないのでギクシャクしております。
個人的には無敵のような刑事がアドリアンには不器用なところ、とっても可愛い(笑

今回はアドリアンが相続している牧場が舞台。
事件に巻き込まれるアドリアンですが、ある意味でアドリアン自身は自分の命に対しての執着がないのです。
心疾患によってつねに命と隣り合わせの生活をしていたので。
そんなアドリアンですが、ジェイクに命の危険が降りかかった時には今まで経験したことのない喪失感を味わうことになります。
いつかジェイクは女性と結婚し子供を授かりと、アドリアンの人生とはかけ離れたものを歩むのだろうけれど、それでもジェイクという人間に惹かれずにはいられない、そんな必死さと反面の諦めが表現されていて切ないなと思いましたね。

一巻よりも怪しい人物が多かったですし、あまりわたしは思いつかない人が犯人でした。
というか、この作品は犯人を推理しながら読むお話ではないのですよね。
そういう物が欲しければ純粋に推理小説を読めば良いことで。
このシリーズは、事件が絡む恋愛に不器用なふたりを味わう作品なのだと思います。

4

不穏さが際だつ『甘さ』

何度目かの再読を始めたら読む手が止まらず、気がつけばほぼ5日間に渉って、何とか時間を見つけて全巻ぶっ通しで読みふけってしまいました。
自分でも驚愕!
この物語の吸引力に改めて納得した次第です。

1巻が『起』なら2巻は順当に『承』です。
この物語はミステリですけれど、M/M『男性同士の恋の物語』なのですから、お互いに惹かれあったアドリアンとジェイクは週に何度かデートを重ねている(らしい)描写が冒頭で出現します。
でもね、すぐにジェイクが自分の性指向に対する抑圧から、アドリアンに対してセクシャルなふれあいが出来ない状態であることも書かれるんです。
なんと、彼はキスすら出来ないんですよ!
女性とは出来るのに。それだけではなく、男性とのSMプレイは出来るのに。
彼との関係に打開が見いだせないばかりか、次作の執筆にも詰まってしまったアドリアンは、亡くなった祖母が残してくれた牧場に『骨休み』という口実で逃げ出します。

で、そこで、死体は発見するわ、勝手に敷地内で大麻を栽培していた管理人が行方不明になるわ、敷地内で自分の知らない発掘作業が行われているわ、挙げ句の果てには誰かに殴られて昏倒してしまうわ、という風に、またしても『巻き込まれ犯罪』の物語が始まります。
まぁ、アドリアンの危機にはジェイクが必ずと言って良いほど駆けつけてくれるので、アドリアンが感じているほど、彼の身の危険でハラハラすることはあまりないのですけれど。
この巻は1巻よりも『謎解き』要素が強く、推理ものとしての側面が大きい所為もあるかもしれません。

今回、読み直してみて前にも増して感じたのはアメリカにおけるゲイフォビアの強烈さです。
2000年前後の、それも舞台がLAという物語で、これほどゲイが白眼視されているとは……「外から見ているのとはかなり異なっていたんだなぁ」と、何度か溜息をこぼしました。
ジェイクはアドリアンが好きで触れたいと思っており、それを口に出してさえいるのに、キスすら出来ないんです。禁忌という刷り込みの所為で。

当て馬くんの存在も含めて、様々な出来事の結果、この巻で二人は結ばれます。
LOVEシーンはとても甘く、けれど、夢見がちなものではなく(ものすごくロマンチックになりかけた時に不用意に動いて鼻をぶつけ合い、大笑いしちゃう処とか)実にリアルだと思いました。
ただ、その『甘さ』故に余計、二人の前にまだ続くであろう困難、特にジェイクの神髄にまで染み込んだ『自分がゲイである恐怖』を拭い去ることの困難が際だって、不穏な空気を打ち払うことが出来ない苦さが、物語の余韻を考え深いものにしていると思いました。

こういう処が、読む手が止まらなくなる仕掛けなんだよなー……

2

それぞれの葛藤

1巻と同時発売の、シリーズ第2巻です。

【あらすじ】
アドリアンは、刑事で隠れゲイのジェイクと微妙な関係に。
性癖を隠しノンケとして生きてきたジェイクは
男と付き合ったことがなく、ゲイになる覚悟もないため
アドリアンとセックスはおろかキスも出来ない。
不毛な関係に疲れたアドリアンは
祖母の遺した田舎の牧場を訪れるが、そこで殺人事件に遭遇。
追ってきたジェイクと生活を共にしながら事件を調べることに…。


【感想】
ジェイク(攻)の屈折した人物像が興味深いです。
ゲイの自分を嫌悪し、鬱憤を晴らすかのように
SMクラブで男達を痛めつける(なのにアドリアンには何もできない)。
アドリアンと一応付き合っていながら、
結婚を考えている彼女もいるらしい(これは真偽不明)。
そんな傲慢で苛烈な性格なのに、ときに驚くほど優しい。

矛盾に満ちた言動から見えてくるのは
自己を抑制したまま40歳を迎えた男の哀愁と、不器用な愛情。
アドリアンと生きる決心がつかない往生際の悪さにはイライラさせられますがw、魅力的なキャラであることは確かで、彼が自分の性癖とどう折り合いをつけていくのか気になります。

アドリアン(受)は、そんなジェイクに辛抱強く付き合う。
つい皮肉を言ってしまったり、
同じベッドで眠るジェイクに発情して、勃たせたまま朝を迎えたりw
健気なだけではない人間臭さが魅力です。
でも、ジェイクが逃げるのを恐れてか
踏み込んだ議論を避けている臆病な面もあります。
未来がなくてもいい、ジェイクを愛していると自覚した彼は
ジェイクが覚悟してくれるのを待つのか、それとも自分からガンガンぶつかっていくのか。このへんも気になるところです。

まだ恋人になったとは言い難い二人ですが、
一緒にいることで少しずつ互いを知り、スキンシップも増え…
ついに初めて身体を繋ぐ場面はラブラブです。
ジェイクの「くそっ――ベイビー…」はヤバかった!
体育会系VSインテリで衝突しがちな二人に
ごくまれに訪れる甘ーーーーく穏やかな空気がたまりません。
銜えられてテンパってるジェイクも可愛かったし、
こんなシーンが続刊でもっと見られるといいなーー
(調べたところ、なんかそれどころではなさそうですが…w)


このように、恋愛部分は面白かったのですが
ミステリとしては、というかストーリー全体はいまいち。
登場人物へのアドリアンの観察眼が1巻ほど鋭くないし
事件も、インディアンの伝説だの黄金だの出てくるわりに
展開は淡々と日常を描く地味なもので、どっちつかずな印象。
社会の中のゲイや人間関係を繊細に描いていた1巻の方が
面白かったかなと思います。

以上の点から、評価は萌で。
しかし、来年夏頃出るらしい続編は楽しみです。

8

出力の加減

シリーズ第一作の『天使の影』にてこずっただけに
ページが進められるかどうかかなり不安だったのですが、
今作は余りつまづかずに読み進める事が出来ました。
ロマンスと言う部分で予想以上の進展があったので
その部分でも食欲が進んだのやも知れません。
ただ、ロマンス以外の部分と言うと…ある意味では
『天使の影』に軍配を上げてしまいそうな感じです。
ロマンスと言う部分に重点を置かれる方は先ずこの巻を
読んで補完として前作の『天使の影』をさらりと読む、
と言う流れの方が良いかも知れません。

味わいは悪くはないんです。
ただ、活字で読むより3時間のテレビドラマにした方が
判り易いかなと思ってしまうだけで。

3

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