アドリアン・イングリッシュ(3) 悪魔の聖餐

akuma no seisan

アドリアン・イングリッシュ(3) 悪魔の聖餐
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神45
  • 萌×210
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

221

レビュー数
14
得点
279
評価数
61
平均
4.6 / 5
神率
73.8%
著者
ジョシュ・ラニヨン 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
アドリアン・イングリッシュ
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784403560187

あらすじ

悪魔教カルトの嫌がらせに巻き込まれたアドリアンはまたしても殺人事件に遭遇。自分の性癖を嫌っている恋人ジェイクとの関係も緊張状態で!?

翻訳:冬斗亜紀

表題作アドリアン・イングリッシュ(3) 悪魔の聖餐

ジェイク・リオーダン,LA市警の刑事,40歳
アドリアン・イングリッシュ,書店主で小説家,33歳

その他の収録作品

  • 解説:三浦しをん

レビュー投稿数14

なじみの悪魔

続けて4巻がすぐ読める状況になかったら転がり回っていただろう3巻です。勘弁してくれ!よかったよ4巻が目の前にあって!
ってレビュー他の本でも書いた記憶があります。稀によくあるというやつですね。

今回は登場人物がぶわっと増えて、ちょこちょここの人誰だっけ?と思ったりもしましたし、シリーズの前2作とミステリに関してはほぼ同じ感想でした。アドリアンは関わるなと何度言われようとも事件に関わり、正直3,4回死んでてもおかしくないのですが、度重なるラッキーで切り抜けています。コレぞ素人探偵。

この作品はミステリを楽しむというより、斜に構えたアドリアンの皮肉と冗談、そして周辺の人間模様を楽しむ作品ですね。前巻はジェイクのセクシーさを楽しむ作品だなと確信してましたが、今回ロマンスとは遠ざかってしまいました。ジェイク、罪な男。あの病室のシーンは息が詰まりそうで。分かっていたこと、分かりきっていたことだよ。

他に印象深かったのは、アドリアンが抵抗をやめ、目を少しばかり閉じて2分で全てを終わらせようとしたシーン。好きです。

0

胸が痛い

「2」でジェイクとアドリアンが心とカラダを通い合わせた…
…のもつかの間。
やはりそれは旅の恥はかき捨て的な状況だったのか。非日常の空気に飲まれたアフェアだったのか。
いつものテリトリーに戻ったら、やっぱりそうなるか…と言いたくなる2人を取り巻く空気感。
そんな宙ぶらりんのアドリアンに胸が痛む。
そして今回もまた事件に巻き込まれるわけで。
その事件というのはよりによって「黒魔術」ときた。
私はオカルトとかスリラーとか大好きです。
だけど、現実の事件としてのオカルトってのはシラける。あるわけないでしょ、となってしまう。
この辺アメリカ人と日本人の違いがあるのかな…ゴシックな雰囲気やファッションはともかくとして、アンチクライスト的なリアルサタニズム、って…マジに信じてんの?となる。
その辺はアドリアンもジェイクも信じてないスタンスだけど、書店員のアンガスがカルト集団に怯えたり、儀式殺人が起きたり、オカルトがリアルなのかフェイクなのかくどくどしい。
ほんと、ジェイクじゃないけどアドリアンもう首突っ込むのやめて〜!って何度も思ってしまった。アドリアンが何か動くたびに状況が悪くなっていく。
特にラストのお屋敷に忍び込むところ。ハラハラ通り越してアドリアンに怒りすら感じたわ…ジェイクの気持ちがわかる気がしました。
そんで驚いたのは、真相が本当に黒魔術信奉だった事。脱力〜。

と、ミステリ部分には本作も満足できなかったわけですが、ならロマンスはどうか。
これがまた…
もう、もう、胸が痛い。
なんでこうなった?
確かにジェイクは初めから悲観的だったし、何も期待させなかった。それは確かで、酷い意味で誠実とも言えるのかもしれない。
でもさ、ゲイを認めないまま隠した関係を続ける、というのと女性との関係を並立させるのは違うんじゃないの?と感じた。そこは不誠実だよねぇ。
クリスマス直前にジェイクと破局し、一方母親のリサは再婚が決まってお相手のきらびやかな娘たちのキャッキャウフフのギャップの哀しさ。
自分は長生きはしない、と感じていて、これから誰かと愛を見つけられるか、育てられるか、続けられるか、そこが揺らいで孤独に震撼する…
そんなアドリアンの姿はつらい…
そして…その孤独は全く他人事ではないところがなんとも胸に迫ってくるのだ。

そして、内容に対して長すぎた。こう思うのは話がつまらない証拠。
アドリアンについては良かったけど、ミステリ部分、黒魔術はバツ。


1

読んでいて涙が止まらない3巻でした

kindleアンリミテッドで1巻~5巻まで一気読みしました。
1、2巻もミステリーやロマンスの先の読めない展開にハラハラどきどきでページをめくる手が止まらなかったのですが、この3巻からは特に感情が揺さぶられ、終始涙が止まりませんでした。
視点となるアドリアンの感情の動きももちろん、相手のジェイクのわかりにくいながらもかすかに揺れ動く感情を垣間見るのもまた辛い…そして悲しい。

3巻はクリスマスシーズンに悪魔カルト集団の事件に巻き込まれながら、アドリアンとジェイクが甘々イチャイチャと逢瀬を重ねる様子が前半に盛り込まれています。2巻までのぎこちないふれあいから一変、情熱的で心温まる描写に読者もにっこり…
同時に、外で会うときはどうしても人からの目を気にしてしまうジェイク…カミングアウトをしない”クローゼット”の男としてのジェイクの恐怖が、じわじわと伝わってくるとともに、それをアドリアンの視点から見ることで、アドリアンの言葉にはされていない寂しさも感じられるようです。
でも、アドリアンは決してそのことでジェイクを責めない。その鷹揚な、ある意味自立した人間同士の関係として二人のことをとらえているアドリアンのスタンスが、きっと彼の魅力のひとつでもあります。
そして、事件の謎解きを進めるとともに、ふたりの関係にも暗雲が差し込めて行きます。

他のレビューではジェイクへの怒りが爆発しているみたいなんですが、私自身はジェイクのような流され侍、愛はあるけど煮え切れない不貞男がとても好きなんです…。自分がゲイだということを自己嫌悪してて、でもそれは家族を失望させたくないとか社会的な体面という、根っこには優しさや自分の人生を自分だけのものととらえられない親しい人への思いやりがあって、それゆえの臆病さだと思うとまた切ない。この優柔不断な不誠実さ。
ずっとアドリアン視点で物語が進んでいくのでジェイクの心中は推し量るしかないのですが、今までSMクラブのマスターとして「怒り」の形でしかゲイとしての性欲や自我を発散できなかった彼が、一巻の中でアドリアンに恋をして、付き合いを申し込んで…一方で彼は女性と付き合って結婚を考えている最低男だったわけですが、どこかでほんとうの自分を認めて生きていく生き方も模索していて、無自覚だとしても一縷の望みをかけるようにアドリアンに告白して付き合ったと思うと本当にズルくて自分本位。でもその足掻く姿が堪らなく哀れで、愛おしいと思ってしまいました。最低だけど最高に人間くさい。
穏やかに二人が付き合っている期間のジェイクのアドリアンへの物言いやセックスは慈しみと愛に溢れているのに、決裂寸前はレイプ紛いの乱暴さと強引さで、ジェイク自身がゲイである自分をどう思っているのか、その態度が鮮やかに語るんですよ。ジェイクのアドリアンへの恋心と、彼の自己受容は表裏一体……

あとこのシリーズ、主人公のアドリアンが私と年齢が近いのもあって、ゲイとか関係なしに彼が感じている「寂しさ」がひしと滲みてきます。独身の女性も男性も、誰もが持ち得てる寂しさが、彼のユーモアと飄々とした態度の隙間から覗くのもまた堪らないのです。
ゲイに対する悪感情もそうだけど、好意的な感情や善意の好奇心からくる無意識の差別もほんと痛々しく生々しい。これは同性愛だけでなくて、日本社会の中での独身女性・男性や外国人というあらゆるコミュニティにおける「普通」でない人たちの内側に少なからずあるものだと思います。

アドリアン・イングリッシュ、アドリアンとジェイクというふたりの主人公は、まさにこの社会における「恋愛」や「家族」というものをどうやって築いていくか、その裏にある感情や価値観を切々と表現してくれるお話です。ゲイロマンスというのはもちろんですが、そういう意味でも共感できる部分は多いんじゃないかな、と思います。

1

ディープな世界に引き込まれました

相変わらずやめ時が見つからない程面白かったです。
ミステリーや小説のプロットが緻密であるという訳でもないですが、ストーリー進行がテンポよく、登場人物が実に個性豊かな人達ばかりで引き込まれるんだよね。。。
今回はオカルト系の話でカルト教団的な話にまで及びますが、引き出しも多いし、なかなかディープな知らざれる世界も味わえるので没頭できました。

 今巻は主人公アドリアンはお相手ジェイクにメンズラブでお約束的な酷い仕打ち(?)を受けます。読者も予想外でガーンとショックを受けますが、ジェイクの事を忘れちゃうくらいオカルト事件の展開が忙しいし、ガイやらガリバルディといったアクが強く妖しくも魅力的なキャラクターが次々出てくるので、紛れました。このシリーズの起承転結の「転」の巻でした。まだまだ謎も解き明かされていないし、ガイの事も気になります。

 アドリアンは自主的に事件に巻き込まれ型主人公なので読んでいてハラハラします。ジェイクも本気で心配していると信じたいな。
個人的には色々マイナスに作用される面も受け入れつつも、プライベート趣向をオープンにしているアドリアンやガイの生き方の方が共感できるな。社会性を一番重視して自分を偽るジェイクの方が葛藤とかストレスすごそう。。
恋愛色が薄くても、それ以上にストーリーが面白ければ、満足度が高く感じられる証になった巻でした。

 作家のジョシュ先生は親日家でしょうか?話の節々に感じる所がありニヤニヤしていました。オカルト話でも「遊戯王」が出ていたりと嬉しかったです。

0

事件の内容(黒魔術系)も恋愛もキツかった

2巻の2人は幻だったの?
ってくらいアドリアンとジェイクのシーンが少ない!
2巻で仲深まったからこっちとしては期待するじゃんか、この2人なりの甘いやつ。
まあ最初だけほんの束の間あったけど(アドリアンがジェイク大好きなんだなって感じで微笑ましくて今思うと切ない泣)。

ジェイクが任務中入院レベルの負傷してもお見舞いにさえ行けないアドリアン。心配すぎて内緒で行ったものの、ジェイクの傍には女性の姿が。家族もいてただただ傷付くしかないシチュエーションで読んでてつらいシーンでした。
これもほんとはジェイクがアドリアンの心臓を気遣っての事だったんだけど(でも多分来て欲しくはなかったよね)、人を介したから正しく伝わらなかった。でもすれ違う時ってこういうのが続くんだよね、、

あーなんかこの流れ、嫌な予感がする

と思ってたらジェイクからの
「彼女が妊娠した」「結婚する前にお前には言っておかないと」発言
うわー来たよ
ジェイクテメーコノヤロー

ジェイクがずるいのは、この時にズバッと別れ話をしない所ね!
自分も離れがたいからって死の宣告されてカウントダウン始まったアドリアンの苦しさ全然考えてない。
本人的には心の準備期間与えたとでも思ってるんだろうか?
世の中はクリスマス前で浮かれてる時ですよ、、アドリアンと一緒に傷ついた、あんまり酷くて。

結局その後正式に別れを突きつけて来るんだけど、そのタイミングも俺が決める!とばかりにクソ俺様でなんなのコイツ???って。
というのもこの別れ話前にアドリアンが事件に深く関わっちゃうんですね。そんときのジェイクが自己保身の為につじつま合わせようと必死でなんか「小物(笑)」って感じなの。らしくないんです。
あれは100年の恋も冷めてもいい案件だった。
でも間違ってもアドリアンから捨てられるってのはプライドが許さなかったんでしょうね。先手打ったようにしか見えない。くそー

個人的にジェイク憎し!そんな3巻でした。

ただアドリアンにもガイ・スノーデンという新しいロマンス相手が。
さあこれからどうなるのでしょうか。

…評価迷いました。作品全巻通してだと迷いなく「神!」って言えるけどこの巻は恋愛だけでなく事件まで乗り切れなかった。ユーモア不足。すみません。

1

つらい

予想と覚悟はしてたけど、やはりつらくて、ガチ泣きしてしまった…。
日本のBLなら、ゲイ同士だとわりとすんなり結ばれるし、同棲したり長く続いてるほのぼのカップルの話みたいなのもよく見るので、問題も起こらずうまくいきそうだと思っちゃうんだよな。でもそうならないところが現実的で、なんかずーんと胃が痛くなったよ。隠れてるかどうかって、こんなにも人生を左右するものなんだな。

ゲイをカムアウトしていないジェイクは、もともと女性の恋人がいて、女性とセックスもするし、二巻でもなかなかアドリアンを抱けなかった。そんな彼が、アドリアンを愛するようにはなっても、一生家庭を持たない決意を固めるというのは、なかなか困難なのだろうと想像はつく。つらいけど。
個人的には新しい恋人になりそうなガイが、なかなか良さげだったので救いを感じた。さて、どうなるのやら。

ミステリー部分も相変わらず面白くて、読み応え満点。悪魔崇拝って日本人には感覚的にピンとこない部分もあったけど、興味深く読めた。

0

源氏物語の『若菜』の章にあたる巻

電子書籍での再読、3巻目です。
私が使っている電子書籍リーダーでは、この巻からページめくりの形式が変わってブックマークも付けやすくなり、ストレスが減りました。

アドリアンとジェイクの関係が胃が痛くなるような展開を見せる『転』の巻。
2014年の発売直後に読み終わった時には、この二人がリアルなLAで生きている様に錯覚してしまい、もうどうしようもないほど狼狽えてしまったことを思い出しました。
辛い。
実に辛いのですけれど、でもここからの展開がたまらなく面白いのです(自分でも酷い性格だと思う)。

ミステリの方は『悪魔崇拝』のカルト教団を巡った殺人事件にアドリアンが巻き込まれる、おどろおどろしい雰囲気の物語で、LOVEの方もジェイクの『自分の性指向を拒む気持ち』と『家庭を持ちたいという願望』によって拗れに拗れるものですから、物語全体を覆うトーンはとても暗く、重苦しい。
その中で、精一杯自分らしくあろうとし、それと同時に、何と言ったら良いのか、自分がすっきりするためだけに感情を相手にぶつける様なことをしないアドリアンの姿がとても胸に迫ります。

「このまま突き進んで行っても結果は酷いことになる」と解っていても、そこに自分の信条があるために進んで行かざるを得ない時ってありますよね?
この巻のアドリアンは正に『それ』です。
結果が望まないものであると知りつつも、自虐的な皮肉を飛ばし、深刻な事柄を冗談にしながら、たった一人で進んでいくしかない……
だから泣けてしまうのです。
胸がつぶれるような気持ちになるのです。

私は、この物語は2000年前後のLAを舞台にしていると思っていたんですけれど、この巻を読んで「あれ?勘違いだったな」と気づきました。
アドリアンの家族が、同性婚について話している様な場面があったんですね。
カリフォルニア州で同性婚が認められたのは2008年。その後、州憲法が改正され同性婚は禁止されますが、2013年に連邦最高裁の判決で再び認められることになりました。
……ってことは、このお話、2010年前後のことか⁉
えーっ!合衆国って、そんなに同性同士の恋愛に偏見があったの?
自分の感覚との違いに大変驚きました。
いや、でも、マイノリティの辛さって、むしろこの手の『感覚のずれを理解してもらえない』っていう処にあるんでしょうねぇ……

3

痛い3作目

ミステリーのネタバレはしないようレビューします。

シリーズ3作目は、草間さんのカバーがさすが、と思わせられる内容。この3作目からは、作者の都合でキャラクターや二人の愛がゆがんでしまったと言うしかない、残念な展開です。4作目以降の展開も考えた上での、つらい回です。

ミステリーの方は、カルト集団がテーマ。カルト作家や、カルトを専門にする大学教授ガイなどが絡んできます。

メインの二人の方は、ジェイクがつきあっている女性、ケイトが妊娠したことにより、ジェイクが結婚を決意し、別れを切り出します。アドリアンがいったいどうやってこの試練を耐えたのか、想像もできません。しかし、ゲイのガイが優しく支えます。

謎解きとしては、読み応えはありますがそれほど本格的ではありません。

アドリアンの一人称で書かれており、ジェイクはひたすら自分の気持ちを口にしないので、ただただ痛いです。

読み物としてはよく出来ているので、軽いミステリーものとして一気に読みましたが、BLとしてはなんだかなという想いが払拭できないままのラストでした。

2

きっと苦手な方はとことん嫌いであろう展開に…でも面白い

『アドリアン・イングリッシュ』の三巻です。
表紙がひじょうに意味深で、読む前から気になってしまいました。
まだ、口癖の『成程?』とかを楽しんでいられた序盤までは良かったのですが…

********************
受け攻めともに変わらず。
受けは大学卒業後、小説を書くかたわら書店を営む、心臓疾患を抱えるゲイのアドリアン。

そして、攻めはLA市警の刑事で己がゲイだと頑なに隠し認めたくないジェイク。
さらに彼は、女性警察官とも付き合っています。
********************

アドリアンの書店で働く唯一の店員であるアンガスの元へ、オカルトめいた電話が頻繁にかかり出したことからスタート。
これが面倒になったアドリアンは、多額のお金をボーナスがわりに手渡しアンガスに休みをとらせます。
これが更に彼を事件の深みへ嵌め、そして新しい出会いを演出されることとなります。

や、わかりますよ。
ジェイクが刑事の世界でゲイという自分を隠しているのは。
でもなー、アドリアンの心臓にショックがあると自分の半身もがれたようなショックを受けるところや、エッチでベタ甘なところなんかを見てると、どうにも納得し難いジェイクの態度ですよ。
あの甘い、愛おしむような行為の後がそれですか?
もうもう、ひじょーに!悲しい!
アドリアンがそれに対して無表情を貼り付けて、気持ちの整理をしたシーンが泣けました。
すごい切ないです。
男女の不倫での、既婚男性側が『おまえだって、わかってて付き合ってたんだろ』的なズルさと同じで、もうもう…(涙
これがこの巻で終わりだったならば手を出せませんでしたよ。
あと二冊?ですか?あるようなので、はやいとこ読ませてください!!

7

もし一生独りだったら?

1、2巻と立て続けに読んで発売と同時に買った3巻ですが、以下続刊の不穏な結末が分かっていたので読むのを先延ばしにしていました。
(あとどんどん分厚くなるのと…)

文章が独特なシニカルさで、長くても最後まで楽しく読めます。
生贄や悪魔や儀式といったおどろおどろしいものをテーマにしていますが、作者と訳者の文章の手腕で笑ってしまう所も多数。
(特にヤフーIDの箇所は吹き出してしまった…)
ミステリーなのでネタバレはしませんが、毎回厄介ごとに巻き込まれる主人公とそれに苛々な刑事のコンビというのは見ていて楽しい。
ただ今回は2巻より2人が揃っているシーンや甘いやりとりが少なかったため星3です。

ジェイクは普段甘くない分、甘やかしてくれればきゅんとなってしまうハードルが低く(アドリアンにとっても読んでる側にとっても)どんなに腹が立っても頭をくしゃっとされただけで許してしまう…というシーンはまさに2人の関係を端的に表している感じです。
ジェイクもいつも半分怒っているようで、最後に些細なフォローを忘れないところが(意識していなくても)2人の関係を続かせてきたんだろうなあ。

今回とても心に残ったのは、アドリアンが犯罪心理学者に話を聞いて貰った帰り道、事故に遭いそうになるシーン。
山道で眠くてこのままだと事故を起こすかもと頭ではわかっているのに、それで楽になれるかもとどこかで思っている。
パートナーがいないことが淋しい。このまま一生独りだったら?
同性愛者だから。病気があるから。自立して生きているように見えるアドリアンの辛さが突き刺さるように悲しかったです。
生きていたらこの先何かみつかるかもしれないのに、今この瞬間が堪らなく淋しいという気持ちが、端的な文章で切実に伝わってきました。

それでも耐えて、辛さが通り過ぎるのを毎日の生活を送りながらただ待つアドリアンに、たとえ何年かかっても幸せな結末があればよいなあと思います。

7

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う