俺たちは一緒に死ぬのさ。 真の恋人が運命づけられているようにーーー。

アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影

tenshi no kage

アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神44
  • 萌×229
  • 萌20
  • 中立5
  • しゅみじゃない2

250

レビュー数
20
得点
401
評価数
100
平均
4.1 / 5
神率
44%
著者
ジョシュ・ラニヨン 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
アドリアン・イングリッシュ
発売日
ISBN
9784403560156

あらすじ

LAでミステリ専門の書店を営みながら小説を書くアドリアン・イングリッシュの元をふたりの刑事が訪れる。
従業員であり友人のロバートが惨殺されたのだ。
前日レストランで口論して別れたアドリアンに、殺人課の刑事・リオーダンは疑いの眼差しを向ける。
調査に乗り出したアドリアンだったが、犯人の深い憎悪と狂気はやがてアドリアンに向かう。
彼の危機に飛び込んで来たのは!?
それぞれの運命と向き合う男たちを描き上げたM/Mロマンスの金字塔、ついに刊行。

2006年ブックニュースアワードGLBTフィクション部門受賞作(シリーズ第三作「The Hell You Say」が受賞)。

翻訳:冬斗亜紀

表題作アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影

レビュー投稿数20

腐女子なら一度読んでもよいと思う

名著である。
間違いない。ただ、一巻だけ読んでもその良さは解らない。
全巻完結まで読んでみて、多分素晴らしいと気づく。そんな本だ。
一度腐女子なら読んでみて、損はない。

アドリアンは美しい男で、品がある優美さを兼ね備えた黒髪で背が高く、地中海を思わせるような瞳の色をしている。
そんな男が、ちょっと古いホテルを改装した本屋を経営していて、名画のように収まっているのは想像してみると相当見ごたえがある。
そんなアドリアンはゲイで、ちょっと美しすぎて品の良い色気のある男はなかなかにいないから、そういう人をゲイと間違える人が多いように一目でゲイと看過される。

そんな彼が事件に巻き込まれていく話だけれども、見所はいくつもあって
おそらく初めからアドリアンに心を奪われただろうジェイクは、In the Closetの男だった。
In the Closetは、秘密を隠し持つこと。ゲイであることをひたすらに隠しているということにも使われる。
社会の中で、様々な差別が語られて、人権だのなんだのと騒ぎられているが、そういう主張を聞くよりも彼らが何を恐れているのかが
全巻を通すとゆっくりと見えて、社会の中での生きにくさというのが深く感じられる。
アドリアンシリーズの凄いところは、押しつけがましくなく日常的な生きにくさ、悲しみ、苦しみがほのかに見えるところにあると思う。
そして、In the Closetであるジェイクは自分の生き方にずいぶんと苦しいんでいる。
彼が言う「女は好きだ。けれども男はもっと好きなだけだ」というようなセリフは、苦しみをよく表しているし、深く考えさせられる。
ジェイクは必死に、警察というゲイを好まない団体の中でまともであろうとしている。
それでも、生来から持つ「好き」という感覚はおそらく止められないだろうし、生きていくうえで必要なものであるから、彼は自分の中の矛盾を許せずに苦しんでいる。
様々な生きづらさ、いじめの問題など社会的な要素が絡まって見える一巻である。

人は誰にでも生きづらいような秘密はどこかにあって、大なり小なり悩んだり悲しんだりする。
そんなな中でも、性向というのは生きている根幹的な部分であるから、その悩みや生きづらさは深いだろう。
自分としてどうやって生きて行くのかというのは壮大なテーマだと思うが、誰もが抱えているものでもあると思う。
その生きている困難さが、とてもうまく描かれている。

本としても本当に面白い。
ジェイクとアドリアンの関係を見ていくのはハラハラさせられる。

よんだあと、おもしろかった!というだけではなくて、きっと心に残るものがある。
そういう本だと思う。
私は強く勧めたい。

2

いかにもゲイを主人公に据えた海外ミステリー

2013年刊。
まずこのシリーズの1巻は、主人公・アドリアンが経営する書店の元従業員(*親友とは言いたくないらしい)の殺人事件に巻き込まれた事から端を発する。
彼自身も、店を荒らされ何者かにストーキングされるといった被害を被っているのに、警察には犯人と疑われてろくな目に遇っていない。
殺されたロバートも金と性にだらしないイメージだし、友人・クロードのヒステリーやロバートの元妻・タラのご機嫌を伺ったりと、何とも面倒臭い目に遇っているな。
…といった流れを読み進めていく中で、どうも今一つ思い入れが出来ずに読了したのだった。

いかにもゲイを主人公に据えた海外ミステリーだなといった印象を越えず。
先に読んだAll's Fairシリーズのほうが話の展開やキャラクターが断然自分好みで、同じ作者の他作品への期待が大きかったせいかな。

リオーダンとアドリアンがくっつく前提だとしても、1巻ではあまりいいムードではないんだよね。
何より二人の性癖も掴めていないし。

この『M/Mロマンスの金字塔』、全5巻読み切るまでに嵌ればいいのだけど…
つーか自分、今年度の目標に『(なるべく)モノクローム文庫作品を読破するぜ!!』って決めて一気買いしたのに。
盛り上がってくれないと内心困るなぁ…(知らんがな"(-""-)")

0

これは長い道のりになりそう

ついに手を出してしまったなーと思いつつの、初ジョシュ・ラニヨンさん。まだロマンス未満のシリーズ一冊目、このページ数も長く感じず一気に読めた。

主人公のアドリアンはごく普通の青年っぽい。殺人事件に巻き込まれ、何かするたびに裏目に出て追い込まれていくお約束。それが決して愚かな行動の結果でないのが良い。ただ、展開的に次に悪いことが起こると分かりやすいため、そこに突っ込んでいく主人公を見るのはヒヤヒヤする。心臓に悪く、引き止めたくなったりしていた。

リオーダンはアドリアンとロマンスの気配はまだなく、出番もそこまで多くないのに、存在感がものすごかった。ベッドシーンのあったブルースよりよっぽど。アドリアンの心の中に入り込んでいたことと、秘密を暴かれて捻じれた内面を見てしまったこと、事件における立ち回りに惹かれるところがあったためだと思う。

ストーリーは一つの殺人事件から連続殺人に発展するミステリー仕立て。残りのページ数が少なくなるにつれ、一冊で終わるのか心配になったが、ちゃんと解決してくれて良かった。
事件は犯人を推理しながら読むようなものじゃないと思う。犯人は一人だけBLしてるな~という感じだった。M/MでなくBL。動機やら何やらいろいろ。

ラストはちょっとした匂わせ?のようなものがあり、次巻への期待を煽ってくれた。

原書の初版は2000年らしい。作中世界も1999年設定だからか、ゲイとHIVをセットで出してきて時代を感じた。当たり前のように出てくるホモフォビアも、ご意見表明が昔風。
当時のこうした作品の雰囲気が感じ取れて興味深く、今書くとまた違った、より複雑な雰囲気の作品になるんじゃないかと思った。最新作も読んでみたい。

メインカプの出会い編でここまでの進行具合なら、恋愛方面の話はかなりゆっくり進行になるのかな。長期戦を覚悟して次も読もうと思う。

2

M/Mの世界

M/Mの小説初読み。
ちるちる内でもよく挙がる作品だったので気になっていましたが、ようやく読破。
一番好みだったのはセリフ回しだったり登場人物の関係性。
私が洋画を好んでよく見ますが、その好む雰囲気のままでとっても楽しめました。

例えば、雇い主と雇われ人の上下関係だったり自分を嫌っているであろう人とでも(なるべく低接触を図りつつも)ハグをする。
アドリアンと母親の関係性も好き
病弱なアドリアンを心配し、健康になったと一人暮らしを始めたり祖母の遺産で勝手に本屋を開いた息子に怒りを持ちつつも会わなくなるという選択は選ばない。
会えば喜び「ダーリン」と呼びかけ、髪型の称賛を要求しアドリアンもそれに応える。
怒りもあるけれどアドリアンの全てを否定しているわけではない。

一つの事柄で相手を決めつけないというのは本作の中でも色々な人当て嵌められていて、
~することもあるけれでそれは彼の一部分でしかないという考え方。
私から見たら情緒不安定すぎて怖いキャラもいるんですが、アドリアンからみた悪いことはできないさというような。

そして恋愛に対するスタンス。
告白するという文化のがあまりないのでその間の雰囲気が新鮮です。
いわゆるデーティング期間というのでしょうか。
交わした言葉だったり雰囲気で察する駆け引きがまた楽しい。
外国の暮らしや感情の描写と同時にBLも楽しめる、M/Mハマりそうです。

個人的にミステリーの部分は少し物足りませんでした。
でもなんだろうだからこそ展開にドキドキしちゃいました。
そこからBLとしてどう転ぶんだろうと。
2巻に手を伸ばさざるを得ないものでしたとだけ言っておきます。



1

共犯同盟

面白かったです。

ミステリは正直平凡。ミステリ部分にあっと驚く何かはほぼない。どちらかといえばゲイとその周辺人物の人間模様が深く描かれている印象。BLやM/Mってほどロマンティックでもなく、BLばかりよりかは一般小説も好んで読む方へおススメ。

主役のアドリアンは好みではないけど、こういうヒロイン(あえてヒロインと書く)は往々にしてモテるわけよ。君を守ってあげたいってタイプのメンズにさ。引っ掻き回して大人しくせず、最終的には彼の助けがないと生きていけない、そんな君。

だからリガードンがこれでもかって程セクシーに見える!彼はベッドシーンはおろか上着をアドリアンに貸すたった一枚の脱衣しかないのに、こんなにもセクシー。予備知識なしで読み始めたけど登場の瞬間「こいつがこの作品の攻めだ!」って確信する。

最初にゲイとその周辺人物の…って書いたけど、テッドとジーンの夫婦はじめ共犯同盟のメンバーがくどくて好きでした。同性愛に対して、それぞれのアプローチをかましてくる。令和な作品は随分この辺のタッチがソフトだから、この生々しさが読めるのはありがたい。海外が舞台だからこその良さもある。

クロードって完全に巻き込まれで死んでるのに、あんまり悼まれてないの酷いな…

シリーズ続けて読みます。

3

ピンともポンとも来ない。

私にとって鬼門の書、アドリアン・イングリッシュシリーズ。
買ったのはもう5年くらい前。お正月とGWの度にさあ読もう、読まねば、と思いつつ何故かずっと読めずにいたシリーズ。
ついに、ついに!という期待が…大きすぎちゃったんでしょうか…
「こういう話だったんだ…」
悪い意味でね。

レビューも裏表紙の粗筋も一切目に入れずまっさらで読んで、あ、ミステリなんだ、と。
(よく考えたら作者様はゲイミステリ作家でしたね。)
BLにはまる前は海外ミステリばっかり読んでた時期がありまして、まずそこで一度テンションが上がったんです。
が、逆にそれで余計期待値が上がってしまったというのもあるのかも知れません。
はっきり言ってミステリとしてはハンパ、ならBL/ゲイ文学/MM作品としてどうかといえば、そこも薄い。
すでにシリーズ作品とわかって読んでるけど、本作だけだったら何の恋も無いというか。単に出会い編として読めばいいんですか?という気分。
これ、日本版は草間さかえ先生にすごく助けられてるんじゃないですか?多分原書のイメージだともっとむさ苦しいんじゃ…?草間先生のイラストで日本人好みの少し線の細い繊細そうな雰囲気になったような気がします。

2作目以降に期待。

2

最初の2冊はいっきによむ

最近のBLを楽しめないとなげいていたところ、「ロイヤル・シークレット」はラストに不満がありながらも楽しめたこともあって、友人から強くおすすめをもらって、こちらを購入。おすすめのさい、最初の2冊はいっきによむように、と強調されたので、1,2と合わせて。たしかに、これだけでは判断するのがむずかしいかも・・・・・犯人は出てきたところからあやしいので、すぐにわかるし、動機も予想はつくけれど、それなりにたのしくよめました。

1

面白かったです

海外ものは初めて読んだのだが、さらっと読めて普通にハラハラドキドキ、楽しめた。
本格ミステリが好きなので、謎解きのようなものを期待していたのだけど、そこまでのものはなかったのがちょっと残念。
主人公の回りで殺人事件が起こって、主人公も狙われて、サスペンスフルな展開の中で、担当刑事のリオーダンとロマンスが芽生える…というお話。なのだろうが、この巻ではまだ芽生えていない!ので続きがとっても気になるところで終わっている。
後の攻め様?以外の人とのベッドシーンはあるのだけど、恋愛面は物足りなかったなあ。
事件の真相はなんだか切なかったです。アメリカのゲイってこんな感じなのかな…。

1

萌えとは何か

先が気になり、ぐいぐい引き込むチカラがあります。読み終わるまで集中して世界に没頭出来ます。
感想は素直に「面白かった!」と言えるものですが、しかしずっと「これってBLなのかな…?」という疑問が頭によぎる作品でもありました。
たまたま主人公がゲイだったというだけで、一般の「サスペンス色の強いミステリー」なのでは?と。確かにベッドシーンはありますけれども、それは大人向けのミステリやサスペンス、ハードボイルドだって普通に描写される、あるいはそれらより大人しいくらいのものだと思うんですよ。

まあ、だからと言って、周りの男性、あるいは腐女子でない女性に「これ面白いよ!」と無邪気にお薦め出来るかと言われると…否、ですわな。悩ましい問題です(笑)

BLとは何かと考えた時、個人の感覚ではありますが、やはり「萌え」がどれだけ降り積もるかに掛かっている部分があるのではないかと。このお話は非常に面白かったけれども、萌えたかと言われると、その感覚に限っていえば一般小説の読後とあまり変わらないものでした。何なら他の有名本格推理のバディもの陣の方がよっぽど萌えますw

ごちゃごちゃ言いましたが、それでもこの作品の面白さを損なうものでも無いと思うので、普通のミステリの感覚で続編も購入するんじゃないかな~という予感。

2

何度読んでも面白い

何度目かの再読。今回は電子書籍で読みましたが「このシリーズは紙の本で読んだ方が雰囲気が良い。それもぶっ散らかっている仕事机なんかじゃなくて、ソファか何かに座って時間をたっぷり取って」と改めて思いましたです。

LAの書店主(日本の一般的な書店と異なりミステリ小説専門の書店で、アマチュア作家の批評会が開かれたり作家による朗読会が開かれたりする、本好きのサロンとしての機能を備えたアメリカの書店です)兼、駆け出しのミステリ作家である、32歳のアドリアン・イングリッシュが主人公。

大まかにはミステリ小説に分類されるシリーズですが、所謂『謎解き』が主である物語ではありません。
図らずも次々と殺人事件に巻き込まれてしまう素人探偵の役割が振られているアドリアンはゲイ。アメリカ社会におけるゲイをめぐる社会問題をアドリアンを通して描くという『ネオ・ハードボイルド』の流れを汲んだ作品だと思います。

なのでBL(ボーイズのラブですね)という括りで読むと「あれ?あれあれ?」と思われるのではないかと思うのですね。特にこの巻は「どこがLOVEなんじゃい?!」と怒り出したくなる姐さま方もいらっしゃるかも?

でも『ストーリー重視』で、沢山の登場人物がわちゃわちゃしながらそれぞれの人生を生きていくドラマがあって『その中のひとつとして男性同士の恋が描かれる』という様な構成のお話がお好きな方には、堪えられないほど面白いシリーズだと思うのです。

ちなみに私は「棺桶に入れて欲しい」と家族に頼んでいるほど大好です。

1巻はあらすじ紹介にある様に、アドリアンの書店の従業員で、高校時代からの友人でもあるロバートの殺人事件から始まります。
事件は事件を呼びますのでストーリーを追う楽しみもあるのですが、それと同時にこの巻は主人公であるアドリアンとLA警察の刑事、ジェイク・リオーダンのキャラクターを掴む、長い長いプロローグでもあります。
16歳の時に罹ったリウマチ熱の所為で心臓に問題を抱えていながら、皮肉屋で、しかし『一人突っ込み』というユーモアを忘れず、自分の性指向を肯定的に捉えているアドリアンと、ゲイであることから目を背け、SMクラブに通っていることを隠し通そうとする優秀な刑事ジェイクのキャラクターを「ふんふん……で、今後、この二人はどうなっていくんかいね?」と、期待に胸を膨らませることが出来ます。

読み終わって感じたことは、聞き古された科白で恐縮ですが以下の様なもの。
「このシリーズを読んでいない人は幸せだ。何故ならこれからこのシリーズを読むという喜びがあるのだから」

4

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