俺たちは一緒に死ぬのさ。 真の恋人が運命づけられているようにーーー。

アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影

tenshi no kage

アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神20
  • 萌×217
  • 萌6
  • 中立4
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
11
得点
190
評価数
49
平均
4 / 5
神率
40.8%
著者
 
イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム
発売日
価格
¥900(税抜)  ¥972(税込)
ISBN
9784403560156

あらすじ

LAでミステリ専門の書店を営みながら小説を書くアドリアン・イングリッシュの元をふたりの刑事が訪れる。
従業員であり友人のロバートが惨殺されたのだ。
前日レストランで口論して別れたアドリアンに、殺人課の刑事・リオーダンは疑いの眼差しを向ける。
調査に乗り出したアドリアンだったが、犯人の深い憎悪と狂気はやがてアドリアンに向かう。
彼の危機に飛び込んで来たのは!?
それぞれの運命と向き合う男たちを描き上げたM/Mロマンスの金字塔、ついに刊行。

2006年ブックニュースアワードGLBTフィクション部門受賞作(シリーズ第三作「The Hell You Say」が受賞)。

翻訳:冬斗亜紀

表題作アドリアン・イングリッシュ(1) 天使の影

評価・レビューする

レビュー投稿数11

何度読んでも面白い

何度目かの再読。今回は電子書籍で読みましたが「このシリーズは紙の本で読んだ方が雰囲気が良い。それもぶっ散らかっている仕事机なんかじゃなくて、ソファか何かに座って時間をたっぷり取って」と改めて思いましたです。

LAの書店主(日本の一般的な書店と異なりミステリ小説専門の書店で、アマチュア作家の批評会が開かれたり作家による朗読会が開かれたりする、本好きのサロンとしての機能を備えたアメリカの書店です)兼、駆け出しのミステリ作家である、32歳のアドリアン・イングリッシュが主人公。

大まかにはミステリ小説に分類されるシリーズですが、所謂『謎解き』が主である物語ではありません。
図らずも次々と殺人事件に巻き込まれてしまう素人探偵の役割が振られているアドリアンはゲイ。アメリカ社会におけるゲイをめぐる社会問題をアドリアンを通して描くという『ネオ・ハードボイルド』の流れを汲んだ作品だと思います。

なのでBL(ボーイズのラブですね)という括りで読むと「あれ?あれあれ?」と思われるのではないかと思うのですね。特にこの巻は「どこがLOVEなんじゃい?!」と怒り出したくなる姐さま方もいらっしゃるかも?

でも『ストーリー重視』で、沢山の登場人物がわちゃわちゃしながらそれぞれの人生を生きていくドラマがあって『その中のひとつとして男性同士の恋が描かれる』という様な構成のお話がお好きな方には、堪えられないほど面白いシリーズだと思うのです。

ちなみに私は「棺桶に入れて欲しい」と家族に頼んでいるほど大好です。

1巻はあらすじ紹介にある様に、アドリアンの書店の従業員で、高校時代からの友人でもあるロバートの殺人事件から始まります。
事件は事件を呼びますのでストーリーを追う楽しみもあるのですが、それと同時にこの巻は主人公であるアドリアンとLA警察の刑事、ジェイク・リオーダンのキャラクターを掴む、長い長いプロローグでもあります。
16歳の時に罹ったリウマチ熱の所為で心臓に問題を抱えていながら、皮肉屋で、しかし『一人突っ込み』というユーモアを忘れず、自分の性指向を肯定的に捉えているアドリアンと、ゲイであることから目を背け、SMクラブに通っていることを隠し通そうとする優秀な刑事ジェイクのキャラクターを「ふんふん……で、今後、この二人はどうなっていくんかいね?」と、期待に胸を膨らませることが出来ます。

読み終わって感じたことは、聞き古された科白で恐縮ですが以下の様なもの。
「このシリーズを読んでいない人は幸せだ。何故ならこれからこのシリーズを読むという喜びがあるのだから」

2

モノクローム文庫は質が高いので、安心して読めます

ゲイコミュニティーを舞台にした洒落た雰囲気のあるミステリー小説でした。
サブカル好きな人は間違いなく嵌るんじゃないでしょうか。
文章もストーリーも自然に流れる感じで、先が気になって一気に読破しました。
真相自体は、ミステリーを良く読む人間からすると、物珍しく無いですが、
良いところも悪いところも含めてゲイコミュニティーが積極的に描かれているストーリーは興味深かったし、色々制約が多いBL小説にはお目にかかれない展開もあって満足です。

吊り橋効果の末、ようやくメイン・カップルに動きがありそうですね。続きが楽しみです。
表紙絵が無ければ、主人公が誰とくっつくのかが 一番よめなかったかも(笑)
そういう面は異色ですね。

モノクロームロマンス文庫は、ファンタジー要素の強いBL小説と違って、マイノリティーなゲイ故の社会での葛藤がリアルに描かれていて色々考えさせられる部分が多いです。またBLにありがちな、主人公の受にとって攻は唯一の運命の相手という少女漫画的思考は無く、普通に他のゲイ男性と関係を持ったりするのも新鮮です。全体的に構えない雰囲気で読み易いです。個人的にBL小説は、カップリング萌えに比重が置かれるのに対し、モノクローム文庫はストーリーに自然に同性愛が組み込まれる感じに思いました。どちらも良さがあって楽しいです。

1

俳優さんのイメージは007

書店を営みながら小説を書くアドリアン
ゲイ
心疾患があり、どことなく儚げなイメージ
皮肉屋で会話も刹那的


そんな彼に疑いの目を向ける刑事・リオーダン
長身・威圧的でゲイフォビア
アドリアンに対しても差別的



この二人がある事件をきっかけに出会い、惹かれ、葛藤し、最終的には、、、
シリーズを通して一つの映画を観ているよう。


天使の影(本作)が第一作目

以下
死者の囁き
悪魔の聖餐
海賊王の死
瞑き流れ
So This is Christmas
と続きます。


草間さかえ先生の挿絵も秀逸

ただ、私には
アドリアンは007のQ、ベン・ウィショーでした笑
ということはリオーダンは、、、

1

非常に出来の良いBL

ミステリーのネタバレはしないようにレビューします。

本格派ミステリーの中に織り込まれたBL。読み物としてクオリティが高く最後まで息もつかせず読ませます。(しかし、本格ミステリーとまではいかない)

シリーズ5作で完結ですが、この1作目は執筆当初は当然単発として書かれたのでしょう、この作品だけでさわやかなBLとして読めます。

体の弱いアドリアンと、ひたすら強い男、ジェイク。ジェイクは寡黙で自分を外に出さない、王道攻めキャラで、ここが作品のポイントでしょう。

なぜか事件に遭遇しやすい(お約束)アドリアン。本屋経営の傍ら執筆活動もする美青年。しかし彼の事件に対する好奇心は誰に求められません。彼が雇っていた同級生が亡くなったことから事件は始まり、捜査に当たった刑事のジェイクは事情を聞くためにアドリアンの元を訪れます。

出会ったとき、ホモフォビアのような態度だったジェイク。しかし、事件を独自に調べるアドリアンと、半ば個人的な交流の中で協力して事件を解決に導きます。

そして、どうしようもなくアドリアンに惹かれてしまうジェイク。事件の緊張がどんどん高まるクライマックスの直後、二人のプライベートな関係に兆す予感で心が温かくなるラストでした。

アドリアンはエイドリアン(ロッキー。。。)でもいいと思いますが、一般に女性の名前ですね。外見は華奢でも事件となると男前な受けでした。

個性豊かな脇役が多く登場しますが、色々な理由で続編には出てこないのが残念ですね。特にカフェ・ノワールのおフランスかぶれなクロードがよい味でした。


2

いつか受のように「ベイビー」と呼ばれてみたい…ッ!

気になりつつも海外物に苦手意識がありまして、手をつけてなかったのですが偶然機会を得て読んだところ面白いのなんのって読み終えないうちに最終巻までポチってしまいました。
はっきり言って表紙や挿絵の漫画絵に助けられたことは間違いありません。原書のリアル系表紙じゃあ全く妄想が掻き立てられないどころか、門前払いされている気分になったかも。改めて日本の萌え文化は素晴らしいと感じました。
内容に関してですがシリーズ通してほぼパーフェクトで大好きです!
自分がゲイであることをことさら強調したり嫌悪したりっていうのは、あまり日本のBL作品では見ないので新鮮でしたし、アメリカ社会でのゲイの立場を意識させられる場面も多く興味深かったです。会話も無茶苦茶楽しくてですねぇ…外国小説の面白さを思い出させてくれました。第一巻はほぼ恋愛過程無しなんですが、だからこそ貴重な二人のシーンを何度も何度も嘗めるように読み返しました。そして二巻でやっとラブい関係なったと思いきや、すぐさま三巻で叩き落す鬼畜っぷりときたら…比較的多くのBL小説を読んできたと自覚する私も「お行儀よくするか?」「ハイ……マスター」ってなもんですよ!

3

この巻だけで語ることはできない

ちるちるさんからの懸賞プレゼントを利用し、電子書籍にて購入。初じめての電子書籍な上、読み慣れない海外ミステリで、BLと銘打っていなければ途中で挫折していたかなと思います。

まず登場人物たちの会話のテンポについていけない。皮肉に皮肉に、ジョークにジョークの掛け合いで、君たちの会話の本題はどこなんだと嘆くばかり。直截的な感情表現や描写にもキョトンとなるしかなく、BL小説しか読んでこなかった私には難物でした。

ただ読み耽るにつれて唸らされたのは、最後の犯人発覚シーンです。主人公・アドリアンが本当に必要としているのは誰の助けなのか、それがようやく表われ始めていた所が良かったのかと思います。意志ある男性が相手に弱みを見せる瞬間は何ともそそられるものです。
また、どんな相手であっても人に執着されるほどの魅力を持つ受けは好きな要素の一つ。単に受け、ではなくゲイセクシュアルの彼、として読み解くこともでき、なんだか賢くなれた風でもあります。
そして、アドリアンの儚げな印象は草間さかえ先生のイラストにも影響されました。美しいです。

評価は中立となりましたが、この巻だけではアドリアンのその後が分からずじまいなので、次巻も読むつもりです。次は必ず書籍で購入します。

4

色々な意味で日本のBLと違う

登場人物多し…ミステリー物だから仕方ないのかな。
こういう時は海外物って有難いですね。
一般小説でもたいていそうですが、海外物は登場人物一覧がついているので。
ちなみに受けの一人称です。

********************
受けは書店店主で32歳のゲイ、アドリアン。
長身ではありますが華奢なタイプで、心疾患があり薬を服用中。

攻めのリオーダンは、ゲイフォビアと見られるような発言の多い刑事。
ガタイが良く、威圧感のある人物。
********************

1999年のロサンゼルス。
高校時代からの友人で、アドリアンの書店店員でもあるロバートが刺殺されたところからのスタートです。
その犯人としてマークされていると見られるのが、アドリアン。
アドリアン自身はロバートに出会ってから、ほぼ困らされたり迷惑をかけられたことの方が多いのですが、周囲はそうは見てくれていません。
二人ともがゲイだったことでロバートの別れた妻や警察に、恋人同士であったのではないかと疑惑を持たれているわけです。

リオーダンは登場時からかなりアドリアンを敵視している雰囲気で、刑事と容疑者という正反対の立場であるのも手伝って萌え要素はひじょうに少ないと言えます。
萌え萌えを求めて読むとガックリしてしまうと思います。
彼らの関係は終盤には変化が見られるもののこれも少しなので、ふたりのラブシーンはなしです。
アドリアンと他の登場人物とのシーンはあるのですが。(これが苦手な方はご注意を)

事件自体は一般小説にはおよびませんが、他のBL作品のミステリーよりもだんぜん良く出来ていたと思います。
洋物MMとBLを、まず並べて比べるのが間違いかもしれませんね。
まあ、萌え要素にページ数を割いていないので余裕を持って書けるのかもしれません。
濡れ場もないですしね。
萌えというよりも、人物の心情や社会というものが大きく、わたしは楽しめました。
続きも購入しましたので、読むのが楽しみです。
ただ、今後はもっとふたりの関係にヤキモキさせられるようなので、全巻発売されてから読むのも手かもしれません。

5

刻まれた影

社会派小説としては多分申し分が無い作品です。
帯にある『2006年ブックニュースアワード
GLBTフィクション部門受賞作』の謳い文句は
伊達じゃないと納得出来ます。
ただ、これをメンズロマンスとして捉えると
なると…増してや日本のボーイズラブの文脈で
読み解くとすると率直に言えば甘さに欠けます。
推理小説シリーズ作導入の一冊として考えるなら
程好い一冊ですが、ここから先の作品世界に
付き合えるかどうかは読者次第ですね。
お気軽に、とはお薦めし難いですが程好い歯応えが
欲しいなら一度読んでみて損はない一冊やも
知れません。

6

事件ものとして……?

BL小説というより、主人公がゲイの一般ミステリー小説といった感じ。
全編に渡って事件の話でそれ以外の会話や、キャラクターの深い掘り下げとかは無いので、これ一冊では特に萌えは感じなかった。
そのへんは事前に聞いた評判で分かっていたから、その分ミステリー要素に期待して購入しました。

先が気になって中断せずに読み進めました。
しかし、ミステリーに詳しいわけでもないのに偉そうですが、驚くような展開やトリックなどは無く、読んでいるうちに予想する範囲の話で終わったような感じで、事件ものとしては微妙なところ。
地味、というか。

そんなわけで、BL小説としてもミステリーとしてもイマイチ惹かれませんでした……。
でも同時発売の続刊やさらにその後もあるみたいだし、主人公たちの関係も気になるので読んでみたいとは思います。

ついでに。
アメリカの生活や、映画や小説の名前がよく出てくるので、詳しい人だとより楽しめるかもしれません。
分からなくても読むのに困ることはありませんでした。

4

キャラが弱い気がする

海外ミステリーって昔は好きだったけど、今はしんどい、カタカナ名がっとっつきが悪い、ゲイものなら興味がわいて読めるかな…程度の期待で読んだのですが。

ミステリーとしては弱すぎる。謎解きを楽しむような話ではないと思います。構成も悪い気がする。犯人にたどりつく展開があるのが後半すぎやしませんか…。

ならばゲイものとして恋愛部分を楽しるかというと、そうでもない。
まだ恋愛にいたってない感。セックスはあるが本命とはまだ芽生え、なのだろうか?
主人公を理解するまでの話なのだろうか?シリーズの1冊目だし。

教養、素養のないわたしには主人公はインドア派の、繊細ではあるがまあ、ふつうの男と思えた…
ラノベ的なキャラ立ちは最初から期待してませんが、シリーズものの主人公として弱い気がする。内省的なキャラは好みですが…視覚的な?挿画の姿が好みなのか(キャラの絵が好みです)、自分でよくわからない。

それでも萌え評価にしたのは、社会とのかかわりのなかでゲイであることが、アメリカ(地方によって違うにせよ)で、どういう位置づけや扱いをうけるのかが、興味深く読めたからです。

わたしには、この作品では魅力がつたわらなかった。シリーズ2作目も同時に購入したので、とにかくそっちも読んでみようと思います。

どちらにせよ、ライトな恋愛ものをのぞむ読者には向きません。

4

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