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表題作ほんとは好きだ

北条崇臣,リア充の全寮制男子高校2年生
柾麻人,つまはじき者のクラスメイト,高校2年生

同時収録作品ほんとは好きだ

夏目征也,カトリック系高等学校の校長
藍沢,同学校の神父

その他の収録作品

  • たった一粒の砂糖の甘さ
  • 恋に落ちるときの重力加速度g
  • 番外編 二人だけの夏休み
  • 僕の恋人は赤い赤い薔薇
  • この世界のすべては君の宝物
  • 幸せになってはいけない運命
  • 番外編 Kについて
  • 君を失った僕の世界に冷たい雨が降る
  • ほんとは好きです(描き下ろし)
  • カバー下 : ほんとは好きです 新学期篇
  • カバー下 : 諦めない男

あらすじ

郊外の全寮制男子校。リア充・北条が恋したのは皆のつまはじき者・柾。人を寄せ付けない柾がふと見せた笑顔で北条の世界は一変し?

作品情報

作品名
ほんとは好きだ
著者
ARUKU  
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
ISBN
9784344831254
4.4

(236)

(159)

萌々

(45)

(12)

中立

(8)

趣味じゃない

(12)

レビュー数
27
得点
1019
評価数
236
平均
4.4 / 5
神率
67.4%

レビュー投稿数27

独特な世界観

ARUKU先生作品初読みです。この後5冊読みます。
絵も雰囲気も独特ですね。
表情の変化が少なくてカメラ目線が多い。
首の角度、動きのある絵が不思議な感じ。
会話ややりとりも独特なノリで。
懐かしい少女漫画、メロドラマな雰囲気ありつつ、たまにこれはギャグなのかしらと思うフシがあり独特な世界観を楽しむ作品なのねと思いました。
このお話の時代設定はいつ頃なんでしょうか。
現代なのはわかるんですが、昭和?平成?
お駄賃20円て…ちょっと現代だとは思えなくてw
着地点がどうなるのかな〜と読み進めましたが、正直なところ長く感じてしまいました。
北条があれだけ柾を好きだったのに守れなかった。
一生後悔するのはわかります。
それが再会して柾が北条を許してまた恋をするという終わり方? それでいいのか〜となりました。

0

王道BL?ラブロマンス?でもそれだけではない奥深い作品です。

何十年経っても変わらない愛。BLと少女漫画の夢が凝縮された作品です。ARUKU先生、素敵な作品ありがとうございました。

1

文章力が凄まじくて詩を読んでいるようでした。

かなり厳格なミッション系男子校の同級生同士+後半に判明するもう1カップルのお話です。

冒頭、主人公の柾くんが学校で誰かのラブレターを見つけるのですが、その愛にあふれた切ない告白文を読んだだけで泣いてしまいました。セリフの一つ一つがとても素敵言葉選びが秀逸で美しい純愛。涙なしにページがめくれません。

物語の後半では結構辛い展開があり2人は別れてしまうのですが、言葉では素敵な愛を語っていたのになぜ!?とヤキモキしました。

3

Kってそういう意味だったのか・・!

ARUKU先生の作品は泣けると「答えて姐さん Q&A」で書かれていたので、片っ端から購入して読んでいます。そして一番最初に読んだのがこの作品なのですが、泣けるというより驚きました。導入からラストまで流れるように進むので無駄がないのにボリュームがある。すごいですね・・。

内容としては全て持ってる北条に何も持っていない柾が見初められて、ある種シンデレラストーリー的に進むのですが、悪いやつが一定数いるのでそう簡単には行きません。二人の蜜月はすごく短く、障害も多くて、やっぱりそうなったか~という結末を迎えます。展開は切ないのですが、この辺の伏線の回収は綺麗でしたね。私はKの真実にびっくりでしたけど(笑)。その発想はなかったです。

ただ、欲を言えば夏目校長の話をもっと掘り下げて欲しかったのと、再会後の北条と柾にもっと救いが欲しかったなと。というのも、再会後の北条と柾はもう友達以上になれないような気がしました。柾にとって北条はあの手紙を書いた時点で過去の人になっていますし、後悔と罪悪感に悩まされてきた北条と違って、柾はある意味できることを全てやってから去っていますからね。結局その後も生き方は変わらず、自分を大事にできないまま成長したんだと思います。しかも年齢も重ねているわけで、今の柾がかつての北条に感じたときめきを再び感じるとは思えなかったです。

1

ふぁぁっ!?

レビュータイトルが全く思いつかず、読み終わったときに最初に頭に浮かんだ言葉にしてみました。
この気持ち、既に読んだ方はきっと分かってくれると思います。

山奥にある寄宿制のカトリック系名門私立男子高校。
16歳だった北条は、モデルで大学生の彼女がいて、母親は下着ブランド会社の社長、寮の自治会補佐を任され、クラスの中心的存在として、何不自由ない生活を送っていた。
そんな北条の視線の先にいつもいたのは、誰にも馴染もうとしない柾で…。

冒頭の切ない述懐から始まる、高校時代の回想という構成。
「あの頃の僕は…」で始まる、昔懐かしい野島伸司脚本のドラマのようです。
1ページ目に綴られたモノローグが既につらすぎて、どこで襲ってくるか分からないつらい出来事に耐える準備をしながら読み進めることになります。
この作業が思っている以上につらい。
北条に芽生えた気持ちが膨らんで、柾との時間に心躍れば躍るほど、孤高の存在だった柾の過去が紐解かれて、孤独と一緒に育ってきたような子が心を開いていけばいくほど、2人の時間が楽しければ楽しいほど、つらい!
だって1ページ目に「この恋は叶わなかった」とネタバレされてる状態で、のほほんと「北条イケメン、柾可愛い」なんて読めませんよね。

寸分の隙なく設定を作り込んでいるARUKUさんの作品らしく、柾の生い立ちや置かれた状況、そこから柾が辿り着いた諦観のような心情も、やるせない。
人の醜い部分を前面に出すARUKUさん特有の手法は、クラスメイトの須藤のやっかみから生じた悪意として、柾に常につきまとう。
悪意をぶつけられ続けたら、この世に生を受けて、一番最初に愛情をもらうべき相手からもらえなかった柾が、「自分は愛されない、嫌われて然るべき存在」と心を閉ざすのも仕方ない…。
だからこそ北条から向けられた好意が、絶対守りたい宝物になって…、おっと、涙が。
ジェットコースターの垂直落下のような展開に、涙腺が限界突破します。

北条と柾の恋とリンクするかのような、30年前のラブレター。
差出人が予想と逆でした。
こちらの謎解きも途中までわくわくしていたのですが、こっちは結局本人たちの手で解決するので、「あれ?」という感じ。

そして迎えるラスト。
卒業後の北条を追う展開に、冒頭1ページ目から推測したような悲愴感しかない悲劇エンドではないなと思いつつも…、ここで「ふぁぁっ!?」の出番です。
この「ふぁぁっ!?」のおかげで、読み終わったあとにつらい気持ちを引きずらずに済む効果があります。
悲劇エンドを予感して、ずっと緊張したまま読み進めていたわたしのハラハラは一体…、とも思うけど、「何だかんだと人間は強いものです」と気付かされて、すっきり読み終えられたから、これはこれで。

「ふぁぁっ!?」の正体を知りたい方はぜひ読んでみてください。
本を閉じる瞬間は爽快な気分になっているので、怖がらずに。

2

長年に及ぶ純愛×2

 ARUKU先生らしい学園ものだな、というのが第一印象。攻めは人気者の生徒で、受けはクラスでも孤立している幸薄な生徒。ただし、柾はいじめられたりしてもおどおどするようなことはなく、毅然とした態度を崩さないところがとても良かったです。北条のアタックにも最初から落ちるわけではなく、むしろ反発していたくらいで、自分の出自にコンプレックスを持ちながらも、彼がここまで強い心を保って生きてこれたのは育ててくれた神父のおかげかな、なんて思いました。

 徐々に北条に絆されていく柾は、可愛らしい表情を見せることも増えてきて。彼にベタ惚れの北条が、自分の一方的な追いかけっぷりにも頓着せず、柾に正面から好意をぶつけ続けるところにも好感が持てました。最後の展開はちょっと痛ましかったけれど、北条への気持ちを強く持って、北条からの気持ちも信じていた柾は、体に痛みはあっても心はさほど痛くなかったんじゃないかな。柾は北条の境遇を考えて、自分の方から縋ったりはしないけれど、何年か経って会いに行ってみて、それでも北条が好きと言ってくれるなら受け入れよう、そんな気持ちでいたのかなと思います。夏目と藍沢の恋愛にも、メインで読みたいくらい惹かれました。長年の時を経て、藍沢を攫った夏目の純愛っぷりが素敵でした。

0

江田くんに惚れる

◾︎北条×柾(まさき)麻人
ARUKU先生の作品の登場人物はひたすら自分と会話しがち。今作も北条の思考をだだもらしにし続けてくださるから、大変わかりやすいです。
「苦いと甘いの間を引きずり回されて…僕の心は君の奴隷だ」ってすごい文句。

彼女に好意は持っているけど恋ではない、彼…柾への想いは瑞々しい恋…ひしひし伝わってキュンとします。この少々とっつきにくい絵で手にとられていないとしたら勿体ないのよね。以前よりかなり見やすいけど。

初キスのあとの柾はこれでもかと可愛いし、読んでる間は甘いはずなのに、冒頭の描写と、何よりこれはARUKU先生の本だというのがあり、いつ地獄に突き落とされるのかと怯えながら読み進めることになります。北条の背負うものが10年で足りるのかという気もしますが、彼は赦されたのでしょう。一昔前の先生なら死んで再会とか全然あり得たな〜
柾のピアスやらタトゥーやらはだいぶイメージと違って残念で、そこに納得できる理由があるなら描いて欲しい気持ち。

江田くんがいい奴です。彼にこそ惚れる。柾に江田くんという友人がいてよかった。

3

こんな話、本当に大好き。

実は読む前は絵が好みじゃなかったんで迷いました、なんだか顔が長いって言うか集中できないなって思ったけど、読み始めては

これは神だ。。。しか言えない。。
もう絵なんてどうでもいいページの数が減るのが悲しい
文章の一つ一つがすごいドキドキしちゃいました。
読んでる途中でも攻め思いが心臓が痛いぐらい伝わって、本当に幸せでした。なんでこれを今読んだのか後悔しながら、こんな精神的に強く繋がっている二人の物語が読みたかったとやっと見つけたと幸せでした。

次はネタバレです





そして二人が離れてからの攻めの想いが切なくて散々泣きました。人生でだった1人を愛して、その人がいなくても誰も愛せず1人で生きていきながら、その人を待つとか一番大好きなパタンですが説得力がないならダメな設定でもあります、でもこの作品は展開がすごく伝わってて素晴らしいと思いました。
あるく先生の作品は初めてですが、今から他の作品も全部読むつもりです。受けのことが大好きすぎる攻めとかツンデレの受けが本当によかったです☺

5

私も好きだ

ずっと息をひそめるように読んでました。
カトリックの全寮制の高校のお話はいくつかありそうですがこちらは一方が自治会補佐の人気者、一方は辛い孤独な過去を持ちクラスのつまはじき者。

人気者の北条の恋心、届くのか?しかもあの厳しい環境で。ハラハラしてました。
北条の優しさが柾を、柾の可愛さが北条をどんどん近づけ。

やがて柾も恋に落ち両想いになれ至福の時間。
なのに!カトリックの全寮制という制約が最悪の形で二人を引き裂きます。

柾が見つけた昔のラブレターの方はまとまりそうだったのに。でも何十年もかけて柾の手を渡って本来の想い人に届いて良かったですね。

北条と柾は涙の別れから10年。
北条が柾を探し回ったり一生の恋に生きていこうとしたり。あの時柾を庇わなかったことを背負って。誰も愛さず。母校に戻って。授業で習った異国の詩が効いてます。

そして新しい神父として柾が赴任してきて再会。最後の最後で!柾はまたつれない柾に戻っちゃって。どうなってるの?ピアスやタトゥーにそっけない態度。北条の事をどう思ってるの?
柾の気持ちがわからないままお話は終わります。

とても読みごたえのあるお話でした。
北条や柾が抱える複雑な気持ち。思春期の熱い恋。
北条を庇って去っていった柾。
柾から連絡とろうと思えば取れたはずだけどそうしなかった理由は?

もっと知りたい!その後も!そこをあえて書かない理由は?
校長と神父、Kと藍澤が再会でき校長がまだ好きなことには救われました。

とっても引きずられる青春と軽く言えないお話でした。

3

僕はこれが恋だと思い知る。詩的なモノローグで綴られる青春の一瞬の輝き。

ARUKU先生の作品は目を覆いたくなるような恐ろしさや、痛ましさ、胸が引き千切れそうな悲しみ、と言ったものが多く見られるので、心が少しでも弱っている時には読めないのですが、それらに比べれば、本作はうんと優しい物語だと思います。
その個性的な絵柄による、ガラス玉の様な瞳。本当に光が透けそうな髪や肌。恋する気持ちが見せている様な光輝くさま。透明感のある冷たい空気。
「僕の世界を甘く切なく変えてしまった。」
「君の笑顔が格別だってこと、僕は知ってる。」
「僕の心は君の奴隷だ。」
「僕は、これが恋だと思い知る。」
ポップスか?ポップスの歌詞なのか?と、思う様な甘い甘いモノローグで綴られる恋。詩的で、可愛らしいほど、北条と柾がきらきらと盛り上がっていればいるほど、そこにひたひたと潜む影を感じずにはいられない。
ARUKU先生の作品によく見られる、貧しくて不憫な生い立ちの柾。物語は柾がたまたま見つけた、封を開けられる事の無かった手紙を見つけるところから始まる。それはこの厳格なカトリックの全寮制の男子校で、禁忌とされたであろう、男子学生から男子学生へ宛てた、情熱的なラブレターだった。…この手紙の謎は終盤に明かされる。

二人だけの世界なら良かったのに。男子ばかりの狭いコミュニティの中で、規律を設けていないと学校の品位が保たれないという自治会長。迷い猫を見殺しにする教師。貧しい生い立ちだけれど、成績の優秀な柾を僻む須藤。この生徒のせいで物語は急展開していく。
愛しているから、守ろうとするもの。その気持ちが痛むほどに解っているのに動けなくなってしまう心。何もかもを悟った上で制裁を止めない会長。
とても哀しい別れ。

物語は夏目漱石の「こころ」の一節を急に挟む。そうなのだ、このいたたまれない感情は「こころ」のあの有名な K の自殺の章と似ているのだ。そして、それになぞらえた様に、現在この学園の校長になった「夏目」は、高校生だった当時、K とあだ名されていた。夏目校長もまた、遠い日、恋をしていたことを知る。

…それから10年。北条は大学を出て、教師となって母校へ戻ってきた。そして、神父として赴任して来た柾と再会する。と、いうところで物語は終わる。
再会を果たせて良かったとは思うのだけど、柾がどういう道を辿ったのか一切描かれていないのだ。あの可愛らしかった柾の耳にはピアスがビッシリ。タトゥーもビッシリ。神父というより、ゴス系のビジュアル系みたいなのだ。そして、北条にとても冷たい。ああ、北条の変わらない想いを受け入れてあげて欲しい。愛するが故に守ったんでしょう、赦して、愛してあげてほしい。と、切に願います。
とてもボリュームのある物語なのですが、恋の綺麗なところを丁寧に丁寧に綴られているだけに、急転直下の事件になだれ込んでからは、淡々と片付けられている様な気もしました。
夏目校長と藍沢神父の恋も、これから、というところで終わります。それがとても残念なのです。
北条の『死ぬときになって思い出すのは、この恋のことだと。』という気持ち。その懐かしい様な哀しい様な、どうしても寂しい気持ちになってしまう、この恋に。やっぱりとても涙が溢れました。
一生の間にそんな恋をする者が何人いるだろうかと。

5

再読してみてもやっぱり神だった

私が一番最初に読んだARUKUさん作品なんですが、当時は終わり方がどうにも腑に落ちず、そして絵柄がどうにも受け入れがたくて読みっぱなしに。
しかしその後、答姐のおかげでその他の作品を色々読むようになり、絵柄も気にならなくなった状態でこの作品を読み返したらどうかなぁと思って、3年ぶりに読み返してみることにしました。

全寮制の男子校を舞台としたお話で、母親が社長をやってて何不自由なく育ってきたけど愛情に飢えてきた攻めの北条と、捨て子で神父さまに育てられた貧しい受けの柾という組み合わせ。

どうしようもなく柾に惹かれてしまう北条の気持ちも、最初はツンケンしていたけどそんな北条に恋してしまう二人の吸引力みたいなものが、とても丁寧に描かれています。
後半の辛いシーンが記憶に強く残っていただけに、前半部分の恋する二人はこんなにベッタベタだったっけ…(褒めてます)と感じたくらいベタですね。でもそこがとても好きです。
(キャッキャウフフと追いかけっこしたりするところなんてまさにベタ)
二人で自転車で海に行った時の攻めのモノローグも好き。

そしてやってくる例の急転直下…。前半があんなにベタに甘いからこそ、この展開のキッツいこと。
「迷うことがあったら自分のためじゃなくて相手のためになる道を選ぶんだよ」という育ての親の言葉を地でいくかのような柾の選択に従ってしまった北条はその後、ずっと後悔し続けて生きるのですが…。

私が腑に落ちなかったのはこの先。
柾神父として再び北条の前に現れた柾。
10年間の間に何があった?と思ってしまうようなタトゥー&ピアススタイルはまぁいいとしても、北条はあんなにシリアスに柾のことを思い詰めていたのに、再会直後からハートマーク全開のあっけらかんとしたワンコに変身してしまうのが納得いかなくて…。
(タトゥーは何刻んでるんだ?もしかして北条の名前?と思って拡大してよーく見たけどミサの典礼文の一部だった)

やっぱり再読しても終わり方に関する印象は変わりませんでした。
柾自身はあの日の出来事を一切恨んでいないはずなんだけど、区切りというかけじめみたいなもので北条から何か謝罪、あるいは許しを乞う言葉が欲しかったなぁと。
私の中の理想の終わり方としてはせっかく柾は神父になったのだから、柾が告解室で待っていたところ(北条を、ではなく神父の業務の一貫として人が来なかろうがいつも決まった時間には告解室にいるという設定)北条がやってきてあの日の己を懺悔する→赦すというのが良かったなぁと。
鞭打ちもキリストの鞭打ちを連想させるものだったし、作品全体がカトリックに絡めて描かれていたので、終わりもそういうのが良かったです。

でも終わり方にやはりちょい納得いかないにしても、やっぱり神かなぁと久しぶりに読んで思いました。

8

青くない春はまだ苦くて


それは苦い苦いコーヒーに溶け込んだたった一粒の砂糖のように
僕の世界を永遠に甘く切なく変えてしまった

こういう"くさい"感じがよく、後半までだいぶラブラブイチャイチャ盛り込まれているので泣く、泣くと聞いていても半信半疑になっていました…が。

泣きました。

かなり泣きました。

受けちゃんが泣かないから。
自分のためには泣かなかったから。
環境も環境…という言い訳はどーーでもよく。笑 とりあえず攻めは一度○ねばいいと思(( すみません 攻めが酷くて〜という意味ではなく、結果受けだけが辛い思い(物理的に)をしているような気がして…というかしていて。
それが…もう…ハッピーエンドだとかバッドエンドだとかメリバだとか、どうでもいいくらい悔しい…! 受けちゃんが幸せならいいのですが…
これから一生かけて攻めを苦しめて(幸せな意味でも)やればいいのですが…ˆ-ˆ

終盤ちょっと駆け足でしたが、養父さんの件がすきです。
それから、序盤の切っ掛けから少しずつメインカプと共に歩みを進めていた神父さんのところのおじさんカップルも。少し早くてまだ淡い、第二の人生と再会の恋を楽しんでいただきたい…。

欲をいえば会長も受けちゃんに転身しないかなと腐った欲望が……ARUKUさん、おすすめいただいて初読みでしたがとてもストーリー読み込ませていただきました! 最後にかけて攻めをぶん殴りたい衝動に駆られつつ、また読み返したい一冊になりました。

ありがとうございました!

2

続きをください……!

攻め視点で受けを愛でたい方っ、これはオススメですー。
ルチルの無料電子版で第1話を読んで これはッ!と思い購入に至りました。結果、買ってよかった、、と感じ入っております。

受けの柾かわいい、本当にかわいい。苦労させないで〜と作者様にすがってしまいそうです。悲しい場面じゃないはずなのに、柾が攻めの北条に自分の宝箱を見せるシーンで、あまりの健気さに涙が出そうになってしまいました。全力で、全速力で、幸せにしてやってくれ!と願いましたが……あの仕打ち orz

離れ離れになっている間、柾に何があってああなったんですかね? ハードな神父姿、ものすごいカッコよくて悶えてしまいましたが。柾は北条との思い出を抱えて過ごした10年間、幸せだったのでしょうか? 戻ってきた、ということは少なくとも北条に対する恨みはないですよね。柾の性格だと、そもそも恨まないか……。

このあと二人はまたラブラブになれたのでしょうか? それとも「ほんとは好き」なままでしょうか!? すごく誰かと語り合いたいです!いくらでも、萌える妄想ができそう。誰か私に妄想を分け与えてください!あの再会後のとんがった柾の乱れる様子が見たかった! あと、かわいいところも!
激しく続編希望です。

11

この作家さん初読みです

皆さんのレビュー見ました。どこの感想を見てもよかった~!泣けたー!とあるのですが私には合わなかったようです・・・。あえて書いてみます!

若干、竹宮さんのあの名作と被りました。大まかな雰囲気が、です。冒頭の始まりのセリフとか全寮制の男子校に誰にもなじめない受けとか(性格は全然違うけど)休みの間だけのほんのつかの間の幸せとか・・・

萌えポイントも自分的にはなかったですかね・・・ただ、受けの子がお見舞いに行ったシーンのおじいちゃんのセリフはじーんとしました。

あと、せっかく押して押してやっと両思いになったところで、キスを見られての修羅場のシーンは読むのつらかったですね・・・

攻めを守る為に受けは鞭でたたかれるとかもう・・・攻めがわが身かわいくてその場で動けずにいて、そのことをずっと何年も引きずるのですが、あそこはもう全員敵になってもいいから絶対守らなきゃいけないところでしょう・・・

すごく葛藤してましたがなんで動けなかったんでしょうか・・・。あんないい子いないよ。全力で守ってくれよ!!!さっくり読んだだけなのでもう一回読めばわかるのかな。

ラストもなんか受けの子があまりにも変わってしまってもう残念でしたね・・・受けの(こんなウザイ人だったっけ?)みたいな吹き出しで、ああもうなんか愛なんてないのかな?って思ってしまいましたよ・・・あれは笑みもなかったし照れ隠しではなかった・・・ですよね?私にはそう見えてしまって

でもでも二人で同じ学校に戻ってきたってことはお互い忘れられなかったんでしょうけど・・・

みなさんのレビュー見ると多分半分くらいは固定ファンなんでしょうか?こんなにたくさんの方々に支持されているのにもかかわらず私が作者様の世界観に入り込めなかったのは残念でもあります。

6

yuki

はじめまして。コメントありがとうございます!竹宮恵子さんの風と木の詩のことです。機会がありましたら是非…!

グクジン

竹宮さんのあの名作は何ですか? 気になって読みたいです。教えてください~

良い話

良い話でした。
全寮制で同性愛禁止とかルールが色々あって規則を破ったら鞭打ち。

全体的には好きだけど、
柾が鬼ごっこで捕まえられたら自分をあげると言って必死に鬼ごっこをするんですが、
きゃはは、とか木の影からこっちだよ~とか言っているのが馬鹿っぽい……。
鬼ごっこより、かくれんぼのほうが良かったと思う。
柾が隠れて北条が探すけど、なかなか見付からず焦ったりとか。
隠れてる間に北条を思って悩んでる柾とか。

柾が転校してしまい、離れ離れになった二人。
大人になって神父と教師で再会するけど、神父になった柾が極端過ぎます。
耳はピアスだらけだし、両腕にはタトゥーが入ってるし、その間にいったい何があった……。って感じです。
タバコは別に良いとして、ピアスもまあ良いとして……柾の性格だとタトゥーなんて安易に入れないような感じなのにびっくりです。
遊び半分で入れないだろうし、よっぽどの理由がないと入れないと思うんだけど……考えすぎ?

この2点が違う感じだったら、萌え以上でした。

2

読み返すたびに泣けます

アルクさんの作品で一番好きな作品です。ただ読み終わった後に物凄く切なくなるので、読み返す時には気力がいります。

舞台は、人里離れたカトリック系の男子校。柾(受け)は、出生の秘密から人付き合いが苦手で、クラスではつまはじきにされています。対して北条(攻め)は、裕福な家に育ってクラスでも人気者です。
正反対な二人なのに、柾が気になって仕方ない北条。二人の思い出が重なるたびに、心の距離が近づいていきます。

そして、意地悪な同級生のせいで、発覚してしまった関係。柾の決断と北条の後悔に、切なくて涙が止まりません。確かに、北条の行動は、ズルいと思います。でも、その後10年も辛い気持ちを抱えている北条を見ていると、胸が痛くて痛くて…。
北条の『ここで僕はただ一度本当の恋をした』の一言が全てを表しています。
再会できた時の北条の笑顔に、辛い気持ちが吹き飛んで嬉しくなります。

本当に本当に素晴らしいお話だと思います。ほんとに好きだ~。

18

神様どうか許してください!

読み終えた後の程よい余韻と
もう一度最初から読み返したくなる魅力があります。
間違いなく神作品だと言えるでしょう!
本当に素晴らしいです、泣けますし、笑えますし、萌えられます!!
どうして早くに出会わなかったんでしょうか。不思議なくらいです。
ものすごく個人的な話をしますと、身内が持っていたんですけどね!
何故もっと早くにおすすめしてくれなかったのか!w

ARUKUさん特有の攻めが受けを好きでたまらない話で
それは最後まで突き抜けていて、相変わらず幸せになれました。
受けの嫌々をしつつもまんざらではない仕草や挙動も
ものすごくかわいくて好感を持てました。
受けは生まれ育ちが可哀そうで、周りからの扱いも酷くて
攻めとは表だって仲良くできない間柄で、
読んでいて二人はいつ報われるんだとやきもきさせられました。
マフラーをあげたらそれを大事に使ったり、
鬼ごっこを提案したりと無邪気な受けにきゅんきゅんしっぱなしでした。

後半の走り抜けるような疾走感がたまりませんでした。
らぶらぶからの一気に絶望感に苛まれる感じは、
今回ばかりはARUKUさんに裏切られた!と思いました。
須藤(と先生)を絶対に許しません、ことごとく邪魔な存在でしたね。
BL界における必要悪だったのは分かるんですが、
本当に許されない行いばかりしましたね、受けをしいたげて
最終的にふたりの仲を引き裂くとかね、ありえませんよね。
そのあと数年会えないままだった二人に謝っても許されませんよね。
消えていただきたいと何度願ったことか・・・。
会長も酷い人なんでしょうが、どうしても憎めませんでした。
学園の治安維持に努めるばかり、やっていることは度が過ぎており
周りから恐れられている存在なんですが、きちんと二人のことを
分かってくれていた貴重な存在だったように感じ取りました。

神父と理事長も出張ってきたので不思議に思っていたんですが
まさか、それと関連しているとは気づきもしませんでした。
ラブレターの件も無事に解決して良かったです!
残り数ページになって、これはどうやって終わるんだと
ハラハラしていたので綺麗にまとまって安心しました。
数年後に再会とか卑怯すぎますよね。
そういう展開に弱いので、ARUKUさんの馬鹿!大好きだ!と
心の中で叫びましたw しかし、受けのツンツン具合が進化しており
攻めはその心を解くことができるんでしょうかね。
ピアスじゃらじゃら、タトゥーまでしていてあの純情だった彼は
どこにいったんでしょうかね。カバー下でも報われない攻めに涙しました。

途中つらいシーンがいくつもありますが、読後は必ず幸せになれます。
是非読んでみて一緒に萌えましょう!!

13

表紙と中身の違い

高評価だったので買おう買おうとは思ってたのですが、表紙から年上の偉そうでモテモテの偉そうな先輩かな~と思っていてやっと昨日買ってみたのですが同級生だし偉そうじゃない・・・し1話の冒頭から泣ける予感しかしなくて予想外でした\(^o^)/

絵は全体的に固いなぁと思いましたが髪の毛とかまつ毛が細かく書かれていますね~線が細くなくて細かい書き込み好きですね!(^^)!
ちょっと最近にしては古いドキッなどの書き方も味を出してますね
話もギャグありエロありシリアスあり涙ありですね
話をどんどん読み進めたい衝動にかられます

最初の過去のことを後悔→過去回想みたいな流れ本当に上手いですね!そんなの見せられたらどうしてか気になりますよ 読者は
柾の自分の出生についてちまちま自分はこんな生活をしてはいけない~などと重いことを考えるのも最終話の伏線ぁと思って読んでいたので泣く覚悟で読んでいましたヽ(^o^)丿

そして最終話 泣きました
柾が可哀想だったのももちろんなんですが、北条の自分はなんてことをしてしまったんだという自責の念や自治会長、そしてお母さんとそんなこられたら泣きますよ 自分は柾のことを本当に理解出来ていなかったという所はヴッダメでしたづらい
後悔してももういないってのが悲しくて仕方ないですね

再開後の話は細かくかいて欲しいとは思ったのですが、逆に書かないほうが良かったのかもですね。
続いたら北条はあの時はすまなかった~などと謝るでしょうからまた話が暗くなり長くなってしまいますからね 2巻完結なら是非重い話もっと欲しかった所です(^^)/

唯一好きになれなかったのはエロシーンですかね、なんだろう生々しい?と言うかもう少し痛がったりツンツンしたりして欲しかったところがありますね

9

表紙を見るだけで泣ける

今年ベスト5位内確実です。
新作の度に「面白い」が上書きされていく、こんな作家さんは、そうそういない。
全寮制ミッション系ボンボン男子高。階層性のトップにいる北条と、クラスでも孤立している柾は神父に育てられた捨て子という生い立ち。
昔から使いまくられた設定でもアルクさんならこんなにも引き込まれる。
北条の苦しい片想いから段々と二人の距離が縮まっていく楽しさの影に常につきまとう恐怖。
だってアルクさんだもの。ページ捲ったら突然爆死とかありそうで。
さすがにそれはなかったけど後半涙でぐしゃぐしゃですわ。
校長たちの話も、もっと読みたい!

7

泣けました

すごい衝撃でした。
愛情って人間愛ってなんだろう?
いったい何が正しくて何が間違ってるのか。
生きるって・・・
もう、男同士の人間同士の真実の愛を見た気がしました。

グッとくるセリフの数々。
特に、一番最初のページ。
昔を思い出し、北条の現在の気持ちをつづった言葉。
北条の10年間の切ない想いと、後悔と、変わらない柾への愛情が
この1ページにつまっていて、最初からうるっと来てしまいます。

生い立ちのまったく違う高校生の柾と北条が
人を好きになるということ、愛するという嬉しさ
愛されるという喜びを、様々な困難を通して気づいていく。

kissしているところを見られてしまったときに
とっさに柾が言った言葉に従ってしまった北条がこの先10年も苦しみ続けるが
北条のために自分がとった行動や言動に、柾は誇らしげにさえみえる。
そのくらい柾にとって、北条は命に代えがたいほど大切な存在であることがわかる。
今までいじめられ、いつも一人で孤独だった柾が、北条を守ったことで
胸を張って学校を去っていく。
こんなにも人を愛おしいと思った経験のない柾にとって
北条が幸せでいることが、自分の幸せだと信じているかのようでした。

意外に印象に残ったのは、新旧会長がやりあうところ。
旧会長も、なかなかわかる人なのかな・・・とちょっと見直しました。

また、柾が拾った手紙を書いた本人があんな近くにいたなんて
途中から「ん?」と思いましたが
そういう展開だったとは・・・
アダルトな二人のこともスピンオフで描いて欲しいな。

10年後、北条は母校の教師として二人の思い出の学校に戻り
柾もまた、同じ母校に神父として戻り再会するが・・・・ちょっと「えっ?」

再開後の二人の新学期編、(2カプ)表紙裏で読めます。
北条の柾好き好きオーラにに結構笑えます。
こんなにも、男とか女とかという枠を超えた、人間愛を説いた作品に出会えて
読みながら、胸が締め付けられたようになったり
涙があふれてしまったり、心動かされっぱなしでした。
私にとっては、文句なしで神評価です。



10

夢物語

例えば、ここにコップ一杯の水があるとします。
一杯の水は、誰にとっても物理的に一杯の水であることは絶対的な事実。
だけど、クーラーが効いたカフェでお茶している人にとっての一杯の水と、インフラどころか飲料水の基準に足る地下水さえ汲めない土地の住人にとっての一杯の水を比べたとき、それぞれにとって同じだけの価値があると考える人はまずいないでしょう。
その価値をわけるのは重要性であり、単純に言えば、各々の「水が欲しい」という実感の深度。
つまり価値とは総じて相対的だということ。例えそれが人間にとって必要不可欠な水であっても。
では、「一杯の水」が「人からの好意」だったなら?
この作品は、その問いを投げかけてきます。

クラスの人気者の北条と、クラスのつまはじき者の柾。そんな対照的な二人の恋がテーマです。
特に北条は、恵まれた容姿と頭脳を生まれながら持ち、沢山の友人に囲まれ、使い放題のカードを与えられ、モデルの彼女までいて、おまけに進学校の自治会のメンバー……列挙するのもアホらしくなるくらいもう無条件で勝ち組ってやつ。
対する柾はというと、友達どころか実の両親ですらいない無い無いづくし。
この格差の意味は、身分違いの恋のロマンスというよりも、シンプルに「二人は違う」ということです。では何が違うのか。
それを象徴するのが第一話で登場する、母親からの贈り物を北条が捨ててしまうエピソード。
偶然その場に居合わせた柾は、北条のことが嫌いだったにも関わらず躊躇いなく探すのを手伝ってあげます。べつに柾が親切ということじゃない。
相手が嫌いだということが問題にならないくらいに、柾にとっては母親からの贈り物とは即ち「大事なもの」に他ならないということ。
子供っぽい拗ねでつい捨ててしまえる北条とは、決定的に尺度が違うことが示されています。
この違いは、後に大きな意味をもってきます。

確かに北条は一途です。
でももしも恋心に重さがあるとすれば、北条と柾の想いの比重の針は常に柾に傾いている。どれだけ夢中になっても、北条にとって柾との恋は沢山持っているものの中の一つなんですね。
なぜなら、北条は「カフェでお茶する人」であり、柾は「水不足の土地の人」だからです。
同じだけの切実さで水を欲して味わえ!と命令したところで、それは土台無理なこと。
ところがどっこい、ARUKUさんはその不可能を覆すんです。凄いよ。

話数が進むにつれ北条は、自慢の彼女を皮切りに、柾への想いと自分が持っているものを少しずつ天秤にかけて、捨てていきます。それも無自覚のまま。
両手に抱えきれないほど持ってるものが自分にとって大事なものかどうか、結果的に取捨選択し直していくわけです。
対して柾は何も捨てないんだよね。秤にかけることすらしない。
だってあの小さな箱には最初から大事なものしか入ってないから。もちろんそこには北条も入っている。そして悲しいことに柾自身は含まれていない。
だからこそ柾は、微塵の迷いもなくあの小箱を守る決断ができるんでしょう。
皮肉なことに、喪失して初めて、この恋がお互いの中で同じだけの価値をもつようになります。

だからこの作品は、失う物語と同時に得る物語です。
不可能を描くという意味で、夢物語といってもいいと思う。
自分が求めるだけ求められたい。ラブレターへの憧れに秘められた、柾の儚い望みを昇華する奇跡の話なんです。

野暮は百も承知なんですが、この後の二人を新連載してくれませんか。
カバー下だけじゃ足りない。
超読みたいよー!

46

Penelope

ほんと、素晴らしいレビューです!ありがとうございます。

ともふみ

茶鬼さんおひさしぶりでーーーす!ぐわしっ

クーラー効いた部屋できんきんに冷やしたカフェオレ飲みながら書いたダメダメともふみでーすw
コメントありがとう。何より忘れないでいてくれて涙がちょちょぎれます。
コメントもらうの久しぶりすぎてどうやって書き込むのかしばらく悩んじゃった(笑)

てゆか、そのコメントそっくりそのままお返ししちゃう。
私がどんだけ茶鬼さんのレビューをチェックしてるか知らないでしょー!へへん!

茶鬼

ともふみさん、こんにちは

もう、毎度毎度ともふみさんのレビューは目から鱗がこぼれるどころか
ボロボロこぼれ落ち過ぎて禿げるんじゃないか?ってくらいこぼれます(!?)
今回も、なるほどな~って、
水の例えにうならされました!
もう、ボタン連打しても1しか入れられないのが悔しい(T_T)

お元気そうで嬉しかったデス☆

これは、泣く

高校生の、どうにもならない初恋。
恋を感じた時のドキドキ、キラキラ。
束の間の成就と、望まない破局。

うわー、思い返しただけでもウルウルしてくる。

この厚さのコミックで、丸々1つのお話なのでボリュームたっぷり。
更に、モノローグが非常に多いので、マンガとしては普通じゃなく文書量が多い。
というわけで、常々思っているのだが、ARUKUさんの作品って
なんで、小説じゃないの?
っていうか、もう、小説で読みたい。
この絵は、この絵で、味わいあるし、絵だからこそ表現できる、絵で表現したいことがあるのは重々承知の上で、
これ、小説で読みたいなぁ。

9

泣いた、泣いた、泣いた、、、

ARUKUさんの作品にしては思い切り現代風の明るい高校生の二人が表紙。
いつもとどう違うんだろう?
でも、この本の厚み。
あらすじ含め全くの予備知識を入れずにこの本を手にした時の期待感。
絶対裏切らないARUKU作品だから!
・・・かくして、ティッシュが手放せないほどにボロボロと涙がこぼれて絵がかすんでセリフが読めなくなるほどに心を打たれました!!


カトリックの全寮制の高校を舞台に
生まれや育ちに差のある二人、だけどどこか心に孤独を抱えた二人が
ある手紙をきっかけに近づき、そして恋の素晴らしさと苦しみを知る
思いっきり要約してしまえばそんな話なのかもしれない。


いつもARUKU作品について触れていることは、ARUKUさんの描きだすストーリーはお伽話というよりアンデルセンなどの童話をモチーフ的要素にして作られたお話が多い。
それが実に心を打つのですが、
今回はそんな童話的要素もありながら、作中でも引用しているが詩であったり、夏目漱石の「こころ」であったり、そんな要素も含まれている。
ARUKU作品の特徴としていつも何かしら登場人物にハンデを与えているのだが、これが童話的要素。
今回は身分差というか生まれ育ちの部分。

ああー!!逐一触れてしまうと全部ストーリーをなぞりたくなって某大なテキストになってしまう。
どうやってこの感動を伝えたらいいのか!?
逐一のエピソード、そしてセリフ
登場する場面全てが、ホントに、全てがあますことなく心を打つのです!
もう、それしか言えないよ~(涙)
読んでみて!としか言えないのがもどかしい。

クライマックスの二人のとった態度。
互いを思いやる為とはいい、切ないよ、でも、現実なんだよ。

彼等と同時進行で過去の恋愛も絡んでくる。
大人達の幼かった恋愛。
若者の恋愛と大人になってしまった彼等の恋愛が、微妙に絡み合いながら
ラストで希望を与える終わりに救いがある。
こうした「救い」の持ってきかたもARUKU作品独特だ。

重いモノがありながら、軽妙さも併せ持ち
絶妙なバランスで見せるストーリー
ARUKU作品は素晴らしい☆☆☆
決して涙を誘われるから素晴らしいわけじゃないのは読んだ人にはわかると思う!

神?悩み中、悩む必要ない?
・・・やっぱり神にします(号泣)

16

忘れ物はないですか。

 忘れていた記憶や子ども時代の宝物を思い出させてくれるような、懐かしい匂いがする物語でした。

「君が僕に残していった数々の記憶 
 それが今も 大人になった僕を支えている」

 27歳の主人公の回想が始まるシーン。美しい文章にぐっと惹き込まれます。

 人前では「王子と乞食」のような立場で接している2人の、禁断の愛。…禁断の愛! 原点でした、初心でした。溢れかえるBLの中で忘れかけていた「禁断感」がグサリグサリと胸に突き刺さりました。この、痛気持ち良さ。

 知られてはいけない気持ちを知られてしまい、口にしてはいけない気持ちを口にしてしまい、望んではいなかったことを望んでしまい。2人のどんどん抑えられなくなる気持ちが熱く切なく幸せです。

 甘えることなく愛する強さ、顔で笑って背中で泣く昭和男子の魅力、詩的なモノローグと台詞、お涙ちょうだいで終わらない明るさと希望。JUNEとBLの中間のような色合いの作品でした。

6

よくわかんないけど萌えた

金持ちの北条と貧乏な柾の物語
北条の言葉や心理描写からも伺えますが、
お金では買えない、父親からの愛情ってやっぱり大事みたい。
同性を意識してしまう、理由の一つかもしれないなぁと思いました。

序盤では、
北条は柾に対して、一目惚れして、積極的なアプローチを試みます。
が、この学校独特のヒエラルキーと彼のお金や地位で何でも簡単に解決してきた習慣もあってか、アプローチする前の心理状況が、相手のことを考えず、
少し自己中心的な面も伺えます。いかにも世間知らずな坊ちゃんって感じですし。
そこが面白いとこなんです。

そして、柾の過去話があってから、北条の心理描写が、
自分寄りと柾よりの両方になります。でも、やっぱり少し上から的な雰囲気もあり。
個人的に待ってましたな展開でした。

夏休みの後に、心理描写が、柾になるところも、
いいタイミングで変わっていてよかったです。
そろそろ彼のことも知りたいわと思っていたところでした。
北条と大違いで、意識はしているけど、彼に気を遣う気配のある心理描写でした。
やっぱり面白いわコレ。

鬼ごっこのシーンも、いきなりバカップル感がきて、よくわからないけど面白い。
こういう試し方する柾って、不思議だわ。

最後の展開で、この学校って、デジャブがあるのねと思いました。
なんかそういう呪いでもかかっているのかしら。
宗教的なものが、基盤にある学校なのにってとこが、ギャップで面白い。

独特な感じ。
よくわかんないけど萌えた。やっぱり心理描写の描き方に萌えたのかも
萌×2






5

読ませるなぁ~~~~~~~~~

相変わらず読ませます!!キング・オフ・グッドストーリー作家です★
ARUKUさんの描くお話はどれもストーリーがしっかりしていて、文章のひとつひとつに魅力があります。この方のすごいところは、1ページめの冒頭に魅力があること。
「あれから10年たった今でも誓って言えることがある
たとえこの先どれだけ素晴らしい人に出会おうとも
僕が17歳のときに失った恋以上に
もう僕は他の誰かを愛することはできないと」
「君が僕に残していった数々の記憶
それが今も 大人になった僕を支えている」
この文章から、受けは死んでしまったの?一体ふたりの過去に何があったの~~~?と
すっごく気になるっっ!!

舞台は全寮制の由緒ある進学校。
金持ち北条×親に捨てられ神父に育てられた貧乏な柾。

柾が図書館で、昔この学校の生徒が同級生にあてて書いたと思われる手紙を発見し、
持ち主を探す間、北条から一目ぼれされ、猛アタックを受けていた。

最終的に二人は再会し、ハッピーエンドになるけど、それまでの不器用な二人の恋のストーリーの描き方が素晴らしいです!!彼らを取り巻く友達や家族にもそれぞれ色々な人生があることもしっかり描かれている。
夏目と藍沢神父もハッピーエンドになってくれた事も感動・・・!!!
柾が手紙を偶然発見していなかったらこの結末もなかった!
ARUKUさん、やっぱ本当に素晴らしいストーリーでした。(><)

柾が最後にあの風貌になったのは謎でしたが、美人でした。

ARUKUさんの描く話は、境遇が不幸だったり、障害があったりとか、不器用な人間が多く描かれています。ありきたりのストーリーがひとつもないし、ショートストーリーさえも何回読んでも、読んでも飽きない読み応えのある作品ばかり。
貧乏だけど、心が清らかさんな健気受けさんが多いところも私のキュンキュンポイントを刺激します。次回作も楽しみです♪♪

15

ずっと待ってました!!

待っていた、ARUKUさんの新刊!
ミッション系のお金持ち寄宿学校のお話ですが、またもや受けが貧乏です。たまらん。
そして、王子系の攻めが貧乏な受けに片思いして、必死な攻めにほだされて……というARUKUさん王道の展開。
幸せな二人だったけれど、同級生に知られた事から二人は別れる事に。
この後半の一連は、今のBL界ではARUKUさんしか描けない気がします。
攻めが何も云えなかったあの瞬間、本当に切ない。
オチはまあ、そう来るだろうなと思ったけれど。
タトゥー?え?
ちょっと違う方向に向かわれてしまったような(笑)
結局、先輩二人と同じ道を歩んでるんですな。
ハッピーエンドだと思うので、これはこれでよかった!

読み終わると、また次の新作が待ち遠しくなってしまいます。
ああ、ARUKUさん大好き。

7

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