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昨年出たコミック「ハイブリッド・スターダスト」のスピンオフ作品で、
「ハイブリッド~」の主人公の兄・凛のお話です。
そちらを読んでいれば、
若かりし凛の姿に最初から釘づけ!になりそうですが(自分はそうw)、
未読でも特に問題なく、
描き下ろしに出てくるオッサンに、
あれ?これ誰?となるくらいで楽しめると思います。
絵の丁寧さ、話の雰囲気、ストーリーの組み立てなど全体的に見て、
今までのウノハナさんの既刊コミック中で、一番クオリティーが高い本じゃないかな☆
やっぱり切ない要素が多い方がグッとくる!
ウノハナさんいいですよ~~色んな人に読んでほしい1冊です♪
内容:
大学生の会沢(攻め・表紙右)は、
隣の家に住む同じ大学の院生(受け・表紙左)が、
縁側で煙草を咥えたまま雨に濡れているのを見て、
その姿がまるで表情を出さずに泣いている様で、人生初の一目惚れをする。
(実際にクールな受けの涙を知るようになる…
その未来を予感させる始まりがいい…)
攻めは、人のいい笑顔を絶やさない年下ワンコ。
一目惚れをした受けとまずは友達になりたくて、
距離を詰めようと色々試みるものの、
黒髪で鋭い目つきの超クールな受けはなかなか相手にしてくれない。
でもある日、
受けは、あまりに攻めがしつこいので追い払うためにキスを。
そして後日、
助けてもらったお礼に身体を繋げることを許す。
もちろん最初は、心まで許すつもりなど全然ない、
単に楽だから…受けはそう思っていた。
けれど、
共に時に過ごし、何度も抱き合っているうちにその想いは変化していき、
母と幼い自分を捨てた、
亡き父への消化しきれぬ心情を吐き出してしまうほどに…
「ハイブリッド~」を既に読んでいると、
2人がどんな将来を選んだのかが描かれているので、
この本の結末は分かっているのだけれど、
それでも読者を引き込み一緒に切なくさせる展開はさすが。
繰り返し読めば読むほど、
受けと亡き父の心情が重なっているように思えて、
どんなことを考えながら受けは好きだと告げながらも、
攻めと離れることを決意したのか…想像するほどに胸が痛くなりました。
好きという一過性の気持ちだけで攻めと一緒に居ることを望んでも、
父と母のように決定的な別れが将来に訪れるだけ…そう思ったのだろうか…
昔のように捨てられるのは耐えられないと思ったのか、
それとも攻めにその思いをさせたくなかったのか…
いつも人のいい笑顔で年下ながら包容力を感じさせる攻めが、
男らしいプライドや行動力を見せるところも、
クールで基本いつも硬い表情で、名前の通り凛とした受けが、
攻めの言動で急に頬を朱く染めたり、
我が儘を言うかのように、エッチの最中に攻めを噛んだりするところも、
すごくすごく魅力的でした。
読むほどに、好きなシーン、心情に寄り添いたくなるシーンが増えて、
なかなかレビューがまとまらなくて困ったほどです。
わたしのようにこの2人を好きになる読者が沢山いるといいな…と思います。
このお話、本当に大好きなんです!
年下ワンコxクール年上受けっていう私的に王道カプということもありますけど、この2人の関係性がたまらなく好きなんです☆
複雑なバックボーンのせいで、人との慣れ合いを避けて生きてきた凛と、そんな彼に一目惚れをした会沢。
この会沢がね、見てるだけで気持ちが良いんですよ☆
凛にどれだけ冷たくあしらわれても(容赦ない拒絶顔っていう表現にツボりました笑)、めげない折れない諦めない!
何を言われても軽く流していつも前向き☆
しかも愛情表現はストレートとくれば、どんな人でも心が動かないはずがない、そんな風に思わせるのが会沢なんです。
だから頑なだった凛も次第に会沢を受け入れ、流されてほだされてついには自分の弱い部分を全てさらけ出してしまうまでになります。
凛の会沢に対してだけ見せる照れ顔や嘘をつく時の癖など、ちょっとしたことがすごく可愛い☆
基本はツンなんですけど、たまのデレが私のツボでした。
でも、凛の背負うモノが大きすぎて重すぎでしたよね。
父親のようにはなりたくないと強く思っていたのに、結局は父親と同じ道を歩もうと決めます。
それも会沢への気持ちに素直になったとたん。
急に姿を消した凛。
取り残された会沢。
このシーンは本当に切なかったです。
でも、このお話で大好きなのはここからなんですよ!
凛が姿を消してどこに行ったかなんて考えなくてもわかる。
探そうと思ったらすぐに探せた。
でもそうはせずに、凛に見合う男になって堂々と姿を現した会沢がめちゃくちゃカッコよくて痺れました!!
凛は会沢を縛りたくなかったんだと思います。
自由に世界を飛び回って生きていきたいと話した会沢を自分の重すぎるしがらみに巻き込みたくなかった。
でも会沢は違ったんですね。
そのしがらみも受け入れて、敢えて凛と生きていく道を選んだ。
ずっと味方のいないところで気を張って生きてきた凛にとって、会沢の存在の大きさは計り知れないと思います。
2年半ぶりの再会で、貪るように求め合う姿は本当に情熱的で素敵でした。
元々いろんなセックスシーンを堪能させてくれる作品ですけど、この再会Hには本当にたまらない気持ちになりましたね。
聖人くん、早く大人になって2人に世界旅行させてあげてね☆
弟編の「ハイブリット・スターダスト」は見るからに華やかな表紙が目を惹きますが、こちらは一転してやわらかな印象でまた素敵です。
舞台が京都の風情ある一軒家なのもストーリーによく合っていて乙だなと思いました。
夏の京都の畳と扇風機と縁側、いいですね。
クーラー付けてしまったら汗出ませんからね!
美男子の汗は美しいです。超萌えポイントです。
庭で白シャツで竹刀振り回す凜の姿もかなりポイント高いです!
弟編ではいつもクールで感情を掴めなかった兄・凜の素顔と、いつも凜の側にいた秘書・会沢との関係、妾の子である凜がゆくゆくは本妻の子である聖人のものになる久喜宮グループを聖人のために守っている理由が明らかになりました。
まず何といっても、こちらが勝手に抱いていた凜のイメージとはかけ離れた凜の姿を一番最初に見せられてしまったことで、完全に心を鷲掴みにされました。
この男が泣くのか…!と。
淡い色合いの表紙や、季節、わざわざ東京じゃない街を舞台に選んでるところなんかもそうですが、前作との対比を徹底的に練られてる感じがします。
個人的には、時系列は逆にはなりますが、前作を読んでから本作を読む方がより楽しめるように思いました。
後日談では、弟カップルと兄カップルが集まったところで聖人が凜に会社の将来についてある提案をするのですが、これもまた前作とリンクしていてホロリときます。
この4人のもう少し未来が読みたくなりました。
スピンオフと知らず、あとから『ハイブリッド・スターダスト』を読みましたが本作だけでも十分楽しめました。
大学院生・凛は、財閥御曹司の父が愛人の母と自分を捨てたことにわだかまりを持ち周囲に心を開かない孤高の人、そんな不愛想で危なっかしい凛を放っておけずに見守る年下大学生・会沢。
会沢は年下でも包容力と明るさがあり、頑なだった凛のわだかまりをだんだんと溶かしていき、凛の中で会沢の存在がだんだん大きくなっていく。流れるようなテンポが心地いい作品でした。
和風ビューティの凛には京都という古都と古民家がよく似合う!
熱中症で倒れた自分を介抱してくれたお礼ではずみのように始まった関係なのに、キスに答え、足を開き感じてる凛の姿がとてもとても色っぽかった!カラダを重ねるたびに、会沢に対してカラダだけじゃなく心もだんだんと開いていくのが伝わってくる、作家さんの画力の高さに脱帽です。
描き下ろし『お兄ちゃんと僕』は後日譚。弟カップルが兄カップル宅を訪問するだけの話なのに、凛の会沢を愛おしく見つめる目線、弟との会話は会沢への想いが溢れまくっていてジーンとしてしまいました。
はぁ。。。
ここにもいた。ワンコが。私の大好きなワンコ。
それも駄犬じゃなくてかなりの忠犬かつ名犬。
これは「 いとしのワンコを愛でる会 」の会員入りに決定です。それも名誉会員でも良い位の。
ただノンケなのに受けに一目惚れしちゃう、というのがちょっとご都合主義に感じました。
一目惚れなら、ノンケが男を好きになる葛藤も、だって惚れちゃったんだもん!で片付ける事が出来るし便利だなぁと。
まあそこはさておいて、ワンコだから惚れたらもう一直線。受けの迷惑そうな顔もなんのその、おかまいなしです。
ワンコは人の心を溶かします。
最初は身体から、次第に心も攻めに溶かされていってる受けが凄く色っぽい。
抱かれている時の色気といったら凄い。
その色気に思わず喉が鳴りました。
途中、別れがあってどうなるの?と思ったらそう来たか!!
正々堂々と正面から来ました、という攻めがカッコ良すぎます。
はぁ。。。何て健気で一途なの。おまけに優秀。
言うことなし!の忠犬ワンコ。
このまま一生公私ともに忠誠を誓ってくれるだろうなぁと確信できるお話でした。
この作品はスピンオフですが、こちらが先でも全く問題なくかえって二人の将来を知らずに読めたので良かったです。