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もともといつか読みたいとは思ってたんですが、今回「売り系が苦手な人にも~」というレビューに少し背中を押されて読みました。
良かった!(レビュワーさんありがとう!)
5~6年前に試し読みして、なんとなく絵柄などが理由でスルーしてた本作、最近日野ガラスさんの良さを「花園の記憶」で再認識し始めたので再度トライ。
売り専ボーイに関する計3CPの話が収録されていて、すべてつながった世界です。
みんなキャラがちゃんと立っててすごく良いですね。ところどころコミカルなのもイイ。
①「真面目なノンケリーマンxゲイのキレイ系ボーイ」
充さんが涙もろいのオモロイw
「花園の記憶」でもそうだったけど、日野ガラスさんて絶対、指輪絡みの設定とか展開、好きですよね?
2014年発売の作品ですが、当時はLGBTなんていう用語は全然世間では知られてなかったので、店員の態度はごく普通だったんだろうな。
②「性格クズの金持ち客x小柄な可愛い系ボーイ」
これが一番個人的に萌えが少なかったです。
③ノンケ同士「店長xボーイ」
これが断トツで一番好き!
いつもつっけんどんな攻めが素直に照れた時の衝撃プライスレス。
不憫な人生を歩んで人間不信に陥った受けが独り立ちできるように、いろいろちゃんと教えようとするところにグッときました。
ちなみにここで言う「ノンケ」とはもちろん「完全にノンケ」という意味ではなく(もし「完全に」だったらそもそもBLにならないので)「ノンケ寄りのバイ」つまり「ヘテロフレキシブル」のことを指します。
<不満点>
顔立ちが全員ほぼ同じなので、髪型と髪色でやっと見分けはつくのですが、やっぱりもう少しキャラによって顔立ちを描き分けてほしかったです。
<注意点>
①女装シーンがありますし、受けの姉がトランスジェンダーとゲイを完全に混同してますが、女装BLではありません。
ちゃんとそれらの行動にすべて意味があるので、女装BL苦手な方でも安心して読み進めてください。
この作品は3つのカップルが出来上がるまでが書かれていますが、どれも可愛くて好きでした!
みんな同じお店のボーイなので、おまけ漫画で電話で繋がってるのがなんかよかったです。
こういう1つの本に話がいくつか入ってるのって、1つの話が薄くなりがちなので苦手だったんですけど、これはどれも満足度高めです。
カップルになるまでって区切りで描いてるからですかね?
全カップルみんな好きでしたが、個人的には金子さんと葵くんのその後がとても気になります。
たぶん両思い(金子さんの気持ちがよくわからないのは私の読解力のなさのせい…)なのに、金子さんの連絡の頻度の低さはなに??笑
仕事がとても忙しいのかな?
それに怒ってる葵くんは非常に可愛いですが、まだまだニ波乱くらいありそうな2人なので、続きが読みたかったなぁ。
他の2カップルは幸せそうで何よりです。
とてもまとまりが良く、読んでいて楽しかったです。作者さんの他の作品も見てみようと思いました。
みんな純愛ですね。
売り専ボーイズ達の恋のお話です。
みんな身内や知人の借金の末に転がり込んで来て、でも前向きにプライドを持って頑張ってるところが好感が持てました。
ある意味みんなシンデレラストーリーでは?なんだか遊郭の水揚げ?みたいな。
アキ編ではノンケリーマンとお店を通さず会ってしまうほど好きになって。でもわかっていた、本当は女の人の方が似合うって。
切ない別れで終わるかと思ったら、リーマン充が毎日お店のアキの出勤状況をチェックしてて。
やっぱり特別だったんですね。巻末ではもっとハッピーな展開に。
3話目の店長と売上ナンバーワンのベテラン瑞希とのカップル。知識がなくて不幸のドン底にいる瑞希に学ぶことの大切さを教えてくれて。
瑞希にお店を辞めさせてもなんだかんだと様子を見に行く店長です。いつかできるといいね!
三作品収録されています。
どれもウリ専のお店が舞台になっていて、そこで働くウリ専ボーイ・三人がそれぞれの主人公です。
どのお話にも他のカプのお話がちらりと絡んでて世界が繋がってます。
【溺れる瞳】
ノンケのはずだったけれど、最近男が気になる…というリーマンの充とウリ専ボーイ・アキのお話。
お話の進み方は普通っちゃ普通だけど、充とアキとの間でやり取りされるお金について、アキが思いを馳せるモノローグがキラリと光ってここがとても好きです。
写真家になりたかったという充が、写真ではなく他の仕事で汗水垂らして得たお金をどんな想いで自分にお金を渡しているんだろう…というところが。
そして実は、最近男が気になったから店にやってきた…のではなく、公園で見かけ声を交わしたアキが気になってしまったから店に来てしまったんだなぁ、とわかるところも良いです。
【最低彼氏。】
30代にして自社ビルを持つやり手の社長・金子とウリ専3年目、ほぼベテランに入りつつある葵のお話。
金子は葵の初めての客で、その時のスマートな振る舞いにポンと恋に落ちてしまったものの、遊び人の金子は数ヶ月に一度しか葵の元にはやってこず…。
あんあんとよがるキャラじゃないのに客からはそれを期待されてしまい、いつも客前では演技している葵。
それが三ヶ月ぶりに金子に抱かれた際に本気であんあん言ってる姿が◎
一生遊んでやるから店辞めてこいと言われて、なにそれ、サイッテー!!と言いつつも身体が勝手に動いて、浮き足立てて店に駆け込む葵がかわいかった。
だけど描き下ろしでは一生宣言をして恋人同士になった後も、一ヶ月連絡なし、丸二ヶ月会ってないで放置されてる葵が描かれて、なんか不憫…。
【HEARTS】
店長と、5年働く最古参でありながら、いまだにNo.1ボーイであり続ける翔のお話。
母親の借金のかたに売られてきた翔が、育ってきた環境のせいでろくに学んでこれなかった翔の背景を見抜いて、漢字の書き取りなど一般的な知識も身につけさせようとする店長が良いんです。
No.1として君臨し続けてタチネコSMなんでもござれだった翔が、店長に向かって「いつかセックスしたいね。本当に好きな人とするのってどんな感じなのかな。きっとすごく幸せなんだよ。」初々しく言うところが好き。
入店前の研修としてのセックス描写はあるけど、恋人同士になってからのセックスはないので、そこが見たかったような、でも明るい期待に膨らんでいる翔の言葉だけで終わっているところがかえって良かったような…。
描き下ろしでは、【最低彼氏】の葵が、元同僚の翔やアキに金子についての愚痴を電話でぶちまけるお話です。
愚痴を聞いてもらってすっきりするはずが、翔やアキが恋人とうまくいってる様子が漏れ伝わってしまい、なんで俺だけ………!!!となってしまった葵が、なんだか不憫です。
BLコミックを読み始めた頃に買った1冊。
本棚整理しなきゃなぁといつも手に取るんですが、やっぱり手元に置いておきたいと思い、ずっと手元に残ってます。
今も再読してみたけど、やっぱり面白かった。
同じお店で働く売り専の男の子3人のお話、
三者三様のお話でどれも違ってて、1冊丸ごと楽しめます。
「溺れる瞳」
2話構成で1話目が売り専側のアキ、2話目がお客の充側からのお話。
自分のセクシャリティを確かめたくて来店した充の相手をしたのが2人の出会い。
アキがつい自分の連絡先を充に渡した事で、2人はその後も関係を続けるんですが、
真面目な充は必ず別れる時にアキにお金を渡し、
アキも疑問を感じながらも充からお金を受け取る。
でもとっくに2人は恋しちゃってるんですよね。
クリスマスイブ、もうお金は貰わない、今迄のも返していこうと決意したアキですが…
というお話。
せつなくて、綺麗で、丁寧で、読んでてどっぷり世界に入れます。
充から受け取るお金の重み、夢とは違う仕事をして稼いだお金を渡す時、あの人はどんな気持ちで渡すんだろう…と、
どんどんと充を好きになっていくアキが、
きちんと充に気持ちを言えないまま、彼に渡すはずだった指輪と、最後に受け取ったお金を橋から捨てちゃうシーン、
好きだったなー。
「水色の隣はピンクが似合う」と子供の時に思った事を、改めて思う。
本当は相思相愛な2人なのに、お金の受け渡しがあったって事は、
現実は客とその相手な訳で…。
その現実をクリスマスイブに味わうなんて…。
そこまでが1話で、2話目は何故充がお店に行ったか、
クリスマスイブの後の2人それぞれが書かれていて、
これまたせつないです。
そんなにいっぱい書かれてる訳ではないんですけど、
アキがずっと抱えてきた「水色の隣はピンクが似合う」というのがよく解るので、
最後充に飛び込んでいった時が良かった〜、やっと落ち着いた。
なので最後、ベットで「本名で呼んで欲しい」とアキが本名を明かす所、
「あ〜、もう、本当良かったな〜」としみじみしてたんですけど、
ページめくったら、いきなり思いっきり盛り上がってたので、
まぁいいっちゃいいんですけど、
そこまでゆっくりゆっくり来てた感じのペースでいた自分としては
「はやっ!」と、そこだけはちょっと微笑ましくツッコミ入れてしまいました…すみません…(苦笑)
でも本当、クリスマスイブで終わりにならなくて良かったです。
「最低彼氏」
ツンデレ葵と俺様の金子のお話。
1話しかないので短いのですが、これもすごくいいです。
金子を好きな事がやめられなくて、金子に対して素直になれなくて。
そんな葵が最後「絶対幸せになれないと思うけど」っと金子に飛び込んでいくのが、気持ち良くて、微笑ましくて。
短いんだけど、短かさ感じないお話です。
「HEARTS」
お店No. 1の翔と店長の葉山のお話。
中卒で学がなくてまともな仕事に就けず、借金返済の為に無理矢理お店に入らされてと、やけくそ状態だった翔が、葉山に育てられ、変わっていく。
売り専で自分の存在価値を見つけたっという所が本来悲しい事だと思うんですけど、なんかそこが後ろ向きな悲しさではないんですよね。
お客に対して、多分誰にも言えない最大の秘密を、ボーイとしか共有できないってなんて切ない事だろうっと翔は思ってるのプラス、葉山との信頼関係がしっかり育まれているから。
でもやっぱりそんなお客ばかりではなくて、最後に翔は痛い目に合ってしまう、しかも翔の誕生日に。
そんな翔に葉山が「価値がない歳なってきたし、もう店来んな」って所の2人の顔がせつない…。
好きだから離れたくないから辞めないと言われても、葉山は翔に売り専をやらせてたという現実がある訳で。
その葉山にぶつかっていって、最後葉山が折れる所は、結末解ってても読んでて楽しい。
じっくり信頼関係で繋がってる2人が恋愛関係に変わる瞬間…いいです…。
お話最後迄2人は寝てなくて、また、翔がお店辞めてから2ヶ月会ってないみたいなんですけど、もうこの2人は全然大丈夫なんでしょうね。
末長く幸せになって欲しいです、いや、なるんだろうな〜。
後、翔が母親に会いに行った時の回想シーンも好きでした。
「愛してる」とか「ごめんなさい」じゃなくて、ただ一言ぽつっと言われただけなんですけど、私は好きでした。
くどくもなく、軽くもなく、
また、3人共三者三様魅力があって、読んでて情が湧くので、
何度読んでも飽きない1冊だと思います。
続きがもし出る事あったら、読みたいなーと思う3人のお話でした。