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たくさんの向日葵がふたりを囲む表紙がとても素敵。
英雄のヒマワリの瞳とかけてますよね。
こういうのすごく好きです。
でも表紙はわりと明るめ?な感じだけども
ふたりの間に恋の雰囲気が出てくるまでは
重ためというかダークな空気感が漂っています。
そもそもふたりの立っている場所が違いすぎるので
交わるときはくるのだろうかと疑問に思うくらい何もかもが遠かったけれど、
過去と現在で絡みまくった糸を丁寧にほどいて
彼らの人生がまた正しく編まれていく様子には
運命すら感じました。
英雄への想いにはどうやっても蓋をすることはできず、
すべては過去のことだと折り合いをつけたつもりでいても忘れられないまま。
表面上では強がってツンツンしてしまう晴人の天邪鬼っぷりが本当に痛々しくて愛おしかった…!
不器用すぎる真っ直ぐさにハラハラする場面もありましたが、
遠回りして傷つけあいつつもその想いがしっかり英雄に届くまでを見守れて良かったです。
千地先生の作品は両視点で交互に描かれていることが多いので、どちらの気持ちも知りながら読み進められるのがすごく好み。
今作も英雄と晴人双方の葛藤を捉えながら読めたので、単なる再会モノや初恋のやり直しではない深さを感じることができました。
メイン二人ともが過去に縛られているお話。ただしその対象はお互いというわけでなく、決着の付け方も一瞬後退に見えそうな前進だったりして、不思議な読み心地。ラストに向け、爽やかさを爆発させていく文章がすごかった。
古着屋の店長と美人な警察官のお話。登場時から何かありそうだと思わせた晴人は、つまりは初恋を拗らせたのかな。晴人視点で語られる過去の英雄への想いはもはや崇拝のようで、理想と現実の違いを受け入れられない様子に心配になる。
でも晴人は憧れか恋かなんてことは飛び越えて、自分が好きだった過去の英雄に重なる姿を目にして気持ちを新たにしている。一見、理想の押し付けであり今の英雄を見てないようにも思えるが、英雄視点で見ると晴人の言葉が救いになっている。
英雄がかつて輝いていた時代の姿に囚われていた晴人が、その呪縛から解放される流れかと思ったら、逆に想いを強固にしていた。そして英雄は失っていたものを取り戻し、前に進み始める。
晴人の描写がセオリーから外れていて面白かった。ただ、過去の二人の関わりの少なさには驚いた。改めて晴人の拗らせぶりはすごいと思う。終わり方もとても良かった。
一言で言うと「初恋のやり直し」なのかな…
視点は2人の男性で、両方とも主人公です。
片や、古着屋店長の秀雄。
片や、交番勤務の警察官・晴人。
晴人は中1の時に絡まれていた所を中3の秀雄に助けられた事あり。その時の秀雄が忘れられず心に穴が空いたままです。
一方秀雄も、その後に起きたある事故で性格や行動が変わってしまい…
…という設定があっての、偶然の再会から始まるあれこれ。
とはいえ、秀雄の方は晴人の事を覚えていません。
なのに比較的初めから晴人が心に引っかかって、ゲイでもないのに思わせぶりな。
と同時に、秀雄の古着屋に勤める明るい夏希がストーカー被害に悩んでいたり、地域に通り魔的暴力事件が連発していたり、という背景があり。
プライベートではどこか投げやり、しかし警察官として真っ当に人の役に立ちたいと行動する晴人から目が離せない秀雄。
2人の仲は縮まっていくけれど、BLだからそのまま読むんだけどやはり不自然な部分はあります。ずっと秀雄が好きな晴人はともかく、ゲイではなくしかもEDの秀雄が晴人に欲情しますかね…
文章や構成が上手いので一気に読みましたけど、心の納得とまでは行かず。
「萌」で。
自由そうな古着屋の店長とクールな新人警官、
接点なんてまるで無さそうな序盤なのに
読み進めていくごとにどんどんのめりこんでいってしまいました。
警官の晴人が、英雄に対して素っ気ない態度をするくせに熱い目で見ていたり
キスしたのに「ノリでしょ」とか言っちゃうし
本音がわからない状態から明かされていく過去。
英雄視点での回顧シーンもあるので、ああなるほど…と
どうして今はこうなったのかを目の当たりにして切なくなりました。
“自分ではない何者かになりたい”ときっと誰もが一度は思ったことがあるでしょうけども
良くも悪くも自分は自分でしかない現実で
それは周りの人たちに支えられて存在する今なんですね。
英雄と晴人の心情も胸を打ちましたが
晴人の上司である弓削や、ダイニングバーのマスター(ママ?)リン、
古着屋で働く夏希とせりか、とても個性が強くて人間くさい人々が
物語に厚みを感じさせてくれました。
本当に弓削とリンは結ばれたらいいのに…リン×弓削希望ですが多分逆……。
不審者の犯人が意外でしたが、まさかと思う人がということもありますもんね。
間違った正義感ほど恐ろしいものはないかもしれません。
晴人が憎まれ口をたたいても内心はそうじゃないツンデレ具合や
英雄が軽口をたたいても決して忘れられない背負っていたツライ過去、
このバランスが非常に素晴らしかったです。
個人的に晴人×英雄だったら間違いなく神でしたが英雄×晴人も素敵でした。
晴人のギャップがたまりません。
人物描写や感情の表現がリアルで、小説読んだなーっと満足させられる作品です。
晴人はあまり感情を表さないミステリアスな人物として登場しますが、とつぜん「なんでそんな目で
俺のことみるの?」と英雄から指摘されます。
はじめはそれがどんな目なのか晴人にも読者にもわかりませんが、後にそれがどんな目かが語られて、
ようやく“あぁそういう事か”と、英雄のとまどいの理由に気づかされます。
小説ならではの表現で、叙述トリックが好きなわたしにはツボでした。
晴人にとっては、少年時代に憧れを抱いていた先輩との再会。
英雄にとっては、封印した過去の自分を知る人物との出会い。
未熟だった自分への後悔や、大人になって変わってしまった事への寂しさ、苛立ちなど、お互いの
複雑な思いがちゃんと伝わってきて、奥行きを感じさせる物語になっています。
人物のイメージがしっかり浮かんでくるので、この作品に挿絵は邪魔だったように思います。
たとえば、英雄の言葉足らずなセリフや態度から、モテる男独特の間のようなものをリアルに感じます。
もしかしたらモデルとなる人物がいたのかもしれません。
晴人のセクシーなのに実はストイックなキャラクターもツボでした
ゲイの男性って優しい人が多いので間違えて好きになってしまうことがあるんです。
夏希と話してるときに晴人の優しさとか、あるあると思ってしまいました。
後半の通り魔が現れるくだりは、少し強引だったように思います。
少年時代と現在の英雄が重なる素敵なシーンなので、都合よすぎな感じが残念でした。
とはいっても、全体にクオリティが高く読み応えあり。
エロは飛ばし読みしてしまうたちなので語れませんが、色気のある大人な作品だと思いました。
