特典SS付き
公安の蛇に愛された鑑識員、恋の受難!?
これから面白くなりそう!と期待を大きく膨らませたところで終わった作品。魅力あるキャラクターと挿絵が素晴らしく、序盤からしっかり引き込まれた。この作者さんの警察絡みの話はやっぱり好きだなあ。
表題作本編、お遊び的な短編、続編的な日常話、特典SSで構成される一冊。恋愛面での決着はつくが事件は未解決のままなので、これだけで完結はしない感じ。
鑑識課の柏木と公安管理官西村のお話。デンパ男とオトメ野郎というタイトルだが、西村一人でデンパ要素もオトメ要素も醸し出していた気がする。話の通じない天然な面は、分かってやってたところとそうでないところがあるらしく、ちょっと分かりづらい。二面性描写もふわっとしていて、謎の男っぽさもある。
と、本編ではつかみづらさのあった西村だが、「日常」と題される続編で一気に好感度が上がった。どうやったらこんな大人に仕上がるのか、もっと詳しく背景を知りたい。
柏木は本音と建前をはっきり自覚していて、心理描写が読みやすい視点主。捨てられるのが怖くて本気の恋から逃げ出すという、BL向きの主人公。
二人がくっつくまでの紆余曲折自体はよくあるパターンで、職業の活かし具合に物足りなさはあるものの、これもまた続編の「日常」が補填してくれた。
未解決のまま終わる事件は、今後面倒な形で柏木を巻き込み、西村の公私混同を誘いつつ、大きくなっていきそうな雰囲気。
ただ、この煽りから想像するスケールの話を次に出ている一冊に納めたの?と少々不安。もっと長編でじっくり読ませてくれそうな風呂敷の広げ方なのに。
笑えて好きだったのは、黒を白と言うのは官僚のお家芸、みたいな西村のセリフ。そんなコントどっかにありそう。
これが長編シリーズの一作目ならめちゃくちゃ楽しみになりそうな一冊。キャラクター、特に西村に深掘りできそうな余地があり、続きがとても読みたいと思わされる。挿絵も素晴らしかった。
いや〜〜、面白かった!
公安の年下キャリアの天然デンパ男×鑑識のチャラ男…に見えてピュアな年上男のカプ。
この、攻めの公安キャリア様・西村が最高のキャラで。
受けの口から度々出てくる、かの有名な「時間は会議室で起きてるんじゃない」「レインボーブリッジ封鎖できません!」の刑事を実在の人物だと思い込み、恋のライバルとして部下に調査させる攻め様w
めためたに笑わせてもらいました。
で、お仕事BLとしても奥行きがちゃんとあって、気になりすぎるところで終わっているこちら…
ええええ!柏木の身に降りかかる「悪夢のような出来事」って一体何!?
気になってきっとこれから続刊を買って読んでしまう予感……週末で良かった;
軽快に読ませてくれる文章、跪く攻め様への萌えとときめき、事件の謎、といろんな視点で楽しませてもらい、大満足の一冊でした✨
自分には久しぶりの警察ものです。
前から気になってた作品でした。
一日かけて読みましたがなんと!続きがあったのですね。
どうりでセックスして合間に事件が起こりまたセックスしての繰り返しで、あの宗教団体の事件はうやむやになるのかなあと思ってたら、最後のあたりで雰囲気が変わり不穏な未来を予告する内容があり。
振られては傷つきもう誰も本気で好きにならない、体だけゆきずりの関係でいいと思う主人公はよくありますね。
そして本気で好きになれる相手が現れ逃げようとするも心をこじ開けられ恋人になると。
主人公柏木も好感が持てましたが後半からは西村に興味津々でした。
天然デンパ男ぶりはどこまでが素なのか。柏木の嫌味も気がついていて流してるようでしたが。
公安の蛇こと西村ですが有能な彼も一人の恋する男ですね。最愛の人の前では素直でいたい。
実はなんとか柏木を守っていたのですね。読み手もそうとは知らず、噛み合わない会話と濃厚なエッチを楽しく読んでました。
これから降りかかる柏木の苦難とは?西村はそのとき?
西村も過酷な状況なのですね。せめて平和に柏木と楽しいひとときを過ごして欲しいです。
ところで西村は警戒してないようですが鑑識の検視官の仁科は絡んでこないのかな?元カレ?と同僚のままなのに全く存在感がありませんでしたね。
とりあえず3冊(BreakThrough デンパ男とオトメ野郎ex.)まで読みました。
読後、何よりも心配になったのは、自覚していないだけで、私は本当はデンパ女だったのか?ということ。
というのも、受けが攻めのことをデンパ、デンパ言ってるのだけど、全然デンパには思えなかったんです。
ちょっとズレてるけどさほどでもない。
世間一般はこの程度で電波扱いするのか?
これを電波だと思えなかった私は電波なの??ヤバイな…….
ものすごーーーく不安になりました。
そしたら、皆様のレビューで「電波ではない」というのを散見してすっごくホッとした。
私自身、刑事物は読まない、ドラマも見ないので警察組織に超絶疎いというハンデがあるせいか、攻めと受けと住む世界が違うという強調部分がピンとこなくて悲しかった……。
攻めは警察庁に属する公安官僚で、キャリア組の超エリート(エリートというのもピンとこないので調べたら、警察学校上位の人しか公安になれないみたいですね)
受けは警視庁の鑑識課所属。
警察庁と警視庁の違いすらわかっていないところからスタートしたので、受けが攻めとの身分差をやたら気にして自分とは住む世界が違うと言うのだけど、その実感が湧かない。
私から見ると、二人とも同じ警察官だよね?くらいにしか思えないので、天と地ほども違うらしい二人の立ち位置が掴みにくかった。
受けに会いたくて公安の人間が鑑識課に行っちゃうとか、それがどんだけなのかがピンとこなくて悲しい……。
(これは作家さんが悪いのではなく、疎い私が悪いだけです)
「公安の蛇」と恐れられる攻めが、受けの前では一途な天然坊ちゃまになっちゃうところがいいなと思うけど、もっともっと落差があると良かったなぁ。
そして受けが攻めに対して感じる「おっとりさ」を殆ど感じることができなかったのが残念。
というのも、お育ちが良いゆえのおっとりした友人たちがいて、性格はそれぞれ違うけど鷹揚さが似通ってるんです。
本当に彼らって独特のおっとりさがあって、ちょっとした隙に滲み出てくるので描写が難しいのかもしれないのだけど、攻めからは漂ってこなかった……。
「刑事Aを探せ!」
これは面白かった。
「踊る大捜査線」は見た事がない私ですが、さすがに「事件は会議室で起きてるんじゃない」のセリフは知ってたから楽しめた。
でも「レインボーブリッジは封鎖できません!」は知らなかったので、下手すると攻めと同類かもしれない……
そして電子書籍(シーモア)にはあとがきがない代わりに、セブンネット&ビープリ応援書店書き下ろしSSが特典として収録されていましたが、あとがきも読みたかったなぁ……。
話題になっていたので読んでみました。表紙を捲った瞬間、男らしい肉体美と妖艶さが溢れる口絵イラストにノックダウンされました。小山田あみさんのイラスト、大好きです。うっとり…。
警視庁を舞台にした警察官同士の職業モノです。中でも鑑識と公安というのは珍しい組合せですが、お仕事の描写と恋愛部分の描写が良い感じに絡んでいると思います。事件そのものは骨太な展開ながら全体的には(エロ)ラブコメで、最後まで楽しく読めました。特に「刑事Aを探せ!」は大変面白かったです。(刑事A、大好きなので)
ただし、タイトルの印象ほどにはデンパ男でもオトメ野郎でもありませんでした。攻も受も変わり者すぎるキャラクターは苦手なので、私は逆に安心して読めましたが…。あとがきでタイトルのことに言及されていたので、検討の結果なのでしょうね。