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ymz先生の他作品を最近、2冊入手し、温かく優しくきれいな空気感が好きになりました。
全作品揃えて行こうと感じた作家さんの約10年前の作品です。
迷いのあるカメラマン、春次が仕事に行き詰まり、ある日、骨折をして入院。仕事をしなくていい免罪符を手に入れたけど、すっきりしない日々。
同じ歳でため口をきく主治医の睦の距離感と言葉の選び方がおもしろいです。
写真展に来てほしいけど、来てくれたのに気づいた瞬間の微妙な表情が、それからの対話、2人の不思議な距離感が味わえました。
医者と患者でもなければ友達でもない、でも、なんとなく気心知れた感じの2人。気に入った写真が同じ、という感性が近いところ以外は全く違う2人だけど、一緒にいるときの空気感が自然で素敵です。
恋愛じゃなくて、情と情の交わしあいが深まっていく感じ、情緒が素敵でした。
お互いのことが好きなのだけど、その好きをうまく自分で扱えていない感じが、少し切なく、そして甘酸っぱく感じました。
そして自分の気持ちがだいぶわかってからの2人がゆったり会話を交わすシーン、動きがほとんどなくて、睦に至っては座っているだけですが、穏やかで情がいっぱいで、欲がない、2人の対話がとても心地よく胸に沁みました。
そんなとき、春次に、睦の昔の交際相手がいきなり声をかけ連れまわし、ほぼひとりごとのような話をたくさんします。
これまでの2人の対話は、動きや変化はあったものの、静かで穏やかな感じが強かったのが、急に活動的で激しい人が介入してきた感じがしました。邪魔をしたいのかと思ったらそうではなくて。彼女も自分で何をしたかったのかよくわかっていなかったのかもしれません。春次と睦の間にはない、執着や欲の残滓のようなものを感じました。
時間が経ち、すごく自然に一緒にいる2人。
そして、好き、だと言葉にして伝える関係。
とても素敵で、読んで、見ていて、多幸感がありました。
BLではあるけれど、大切なことをそっと教えてもらいました。
睦は親が医者で自分も医者になる事に対して疑問も抵抗もない、そして人に優しくすることに対して当たり前だしそういうものだと思っている。
対して藤代は自分に素直で明るい子です。
お話の中で2人がちょっとすれ違うところがあるのですが(睦が藤代の言葉で拗ねる)
藤代が過去にカメラの不調で近所の方の写真をとれなくて次に会った時に撮ってあげようと思ったけどその方が亡くなってしまい、次の機会がなかったことがありそれを思い出して睦に会いに行きます、
今は今しかないんですよね、
あたりまえすぎて気付きませんでした
そんな些細だけど大切なことを教えて貰えた漫画です。
豊かであれ
というセリフもあるのですが日常の中で思い出すくらい素敵だなと思います。
幸せな気持ちになれる作品だと思います。
表紙が美しくて好きです。
遠景や色のトーンが好みです。
前作の表紙も好きでした。
中身は、前作よりは楽しめました。
お話もキャラも前作より大人で。
文字サイズも少し大きくなり、年寄りには助かります。
日常によくあるような人間関係における心理…うん、そうよね、わかる…と共感できる描き方がお上手だなと。
特に大きなドラマがあるわけではなく、下手したら退屈しそうなところをほぼ2人の会話劇で読ませるところが。
小洒落ていて、日常の人間関係の心理描写がメインで繊細で…絵津鼓先生お好きな方はハマるタイプなのかなと思いました(違ったらすみません)
個人的には、医者と写真家の仕事面がもうちょっとリアルに感じられるような絵や描写であればなおよかったかなと思います。
睦が好きでした。
完全に好みですが(5☆満点)
すごい ☆☆
面白い ☆☆
内容が好き ☆☆
絵が好き ☆☆
キャラが好き ☆☆
萌える ☆
ymz先生初読み。
で、何も知らず勝手に子供/中学生くらいの話かな、と勘違いしてました。
読んでみたらちゃんと大人の話で、しかもなかなか深かった。
写真家が頭を打って倒れ、その上手を怪我する。
悲劇から始まる?と恐る恐るだったけど、病院の主治医とのやり取りから全てが始まっていくこの感じ…
結論から言うと、エロなど無いです。それどころか恋愛の空気感も薄い。
写真家の怪我は大したことなくてすぐに退院。(←よかった…)
なんとなく言葉を交わした医師。第一印象は逆に悪かったようでもあり。
でも作品展に誘う。
そこから友人付き合いが始まるわけだけど。
お互い別にゲイでもなんでもない、それどころか普段から愛だの恋だのから遠い感じの2人が、ぼんやりと特別な存在になっていく感じ?
ぼんやりとした特別…って何よ?とも思うわけだけど、すごく日常的な交流から始まる2人がいい。
地味な黒い石、だけど光の当て方で微妙ないろ、輝きが見える…見ようとする人にだけ。
絵もさらりとラフな感じ、だけど意外と書き込みは細かい。そんなところも作品の空気感とあいまっている。
(しかし、睦の自称元カノはウゼーな。私も春次みたいにイラっときたよ)
ymzさんの「ハイ·ファイ·ランデブー」と一緒に購入させていただきましたが、本作「ラブラド·レッセンス」は大人の中にある少し子供のような純粋な部分を描いた作品です。
主な登場人物は、写真家の春次と医者の睦の2人です。
ある日、春次が目を覚ますとそこは知らない場所、病院でした。前日、春次は仕事の疲れなどが積み重なり階段から落ちてしまい、その弾みで落ちてしまったカメラを庇って手を動かせなくなってしまいました。春次は写真を撮らなくてもいい理由が出来た事に安心感すら感じていました。そんな中、春次の担当医である睦は、タメ口で接してくる上、態度も偉く、「なんでタメ口なの」と聞けば、「同い年だったから」と当然のように返ってきます。睦の態度に少しイラつく春次でしたが、睦と接しているうちに写真を撮ることの意味を見つけ出していきます。また、睦からみても春次は休憩中にタバコを求めてきたりと、少し困った患者のようでしたが、春次と一緒にいる何気のない時間がお互いに大切なものとなっていきます。
二人の間にある暖かくて何気のない空間がそこにあるどんなものよりも心地の良いもののような気がして、読み進めていくうちに、漫画を読んでいるという感覚よりも、二人の日々を覗いているというような感覚になっていました。
本作品の二人も登場する、ymzさんの「ハイ·ファイ·ランデブー」も一緒に購入していただくことをおすすめします。「ラブラド·レッセンス」に描かれた後の二人についてが描かれています。悩める青年たちに手を差し伸べる存在となっておりますので、是非本作とセットで読んでいただきたいです。