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朝田先生の最近の「スリーピング・デッド」が素晴らしすぎて心に刺さりましたので、過去の作品も読んでみようと思って本作を買いました。
何よりも心理描写が上手い!傷ついた、哀れな人にとって、自分に手を差し伸べて助けてくれた人という存在がただの人間、恩者などではなくて、まして拝むべき神様になる傾向を繊細で丁寧に描かれています。
カルトという非常に興味深いテーマを用いて、結構不気味な雰囲気を作れたと思います。最初は、もっと見せて欲しいな、もっとこの場所や信者を見たいと思っていましたがやはり知らないものが一番怖い、ということですよね?囚われる神父と同じく、狭くて感じて息苦しくなります。
二作目はまあまあ普通ですが、表紙作のインパクトが強すぎて神にさせていただきます。
『スリーピングデッド』を読んでからというもの、朝田ねむい先生の虜となってしまいました。
先生の作品で私が二番目に読んだのがこちら『Dear, My GOD』。
『スリーピングデッド』を読んで感じたことですが、やはりこちら収録の二作品も同様に、ストーリーの運びやシーンの捉えられ方などとても映像的に感じられます。
読後の余韻が映像作品を見た後のような感覚です。
ひとつひとつの絵やコマの連なりから、色や音や匂いがして来るのがよくわかります。
表題作『Dear, My GOD』では北米の片田舎の太陽が感じられました。暖かくてちょっと黄色くて眩しい。例のカルトの溜まり場では澱んで饐えたような臭いもします。そんな、息をするのもためらわれるような場所で無邪気に笑うリブの様子が痛々しい。
救済と言うよりは人の業に潜む闇や何かを盲目的に信ずることの恐ろしさを感じました。
同時収録の『はなばなし』こちら、かなり好きです。擬人化した花も可愛いけれどハナも可愛い。花に近寄ると、冷たくてしっとりとした水気を含んだ土と葉、そして清らかで仄かに甘い花弁の香りがするのではないかなと想像します。ハナが思わず吸い寄せられてしまうのも道理というものです。
この『はなばなし』の二人については、その後の話を読みたくて仕方ありません。少なくとも一年はあのままの感じで、接触したりしなかったり、したらしたで何かのせいにしてみたり…と、もだもだしていて欲しいところです。
表題作ともう一つの作品が収録されています!
表題作のDear,myGODは主人公ロース神父がカルト宗教に心酔している若者を救う話です。
後半のはなばなしは、拾った植木鉢が人間になる話です。
個人的に後半の話がすごく好きで、花が人間になるっていう発送が素敵なんですが、それ以上に、この人間も主人公の知ってる顔でして、、それがまた面白いことになるんですよ……
まじでよかったです
苫米地先生の、カルト洗脳浄化シリーズを読んでいるので、
この作品で取り上げるテーマに興味を持ち、だいぶ以前に読んだけど、
後味悪い作品なので、レビューを書く気になれなかった。
リブ(あばら骨)と ロース(背肉、「ローストに適した肉」)
非道なカルト教祖の名は、タン(舌)
カルト信者 と 神父
ネーミングは、訳肉シリーズのおふざけで、特にカルト用語ではないみたい。
カルトの洗脳は、潜在意識まで食い込むものなので、離教は強い恐怖を伴うので、カルト洗脳を受けた人は強く拒む。
・・信じてきた事の否定は、自我の崩壊を起こす。
薬物で洗脳を施し、信者に窃盗や犯罪を行わせて金を稼ぐ教祖。
教祖は、かなりの悪党。
ロース神父は、カルト教祖の悪行から、リブを救い出そうとするけど失敗。
不潔な室内で、タン導師の命令を受けて、
リブが麻薬を飲み、ロースにも飲ませて「番にする、天国に行ける」と話す場面は、とても気持ち悪い。
結末は、あっけないような耽美風なハッピーエンド
『はなばなし』
二作とも、幻覚幻聴が含まれている。
2つの作品が入っており、両方共良かったのですが、前半の表題作が素晴らしくて何度も読み返しました。
「Dear, My GOD」
不幸な生い立ちのリブと、ロース神父の話です。キャラクターの心情表現が素晴らしくて引き込まれてしまい、何度も何度も読み返しました。ロース神父のリブへの思いと迷いに心を揺さぶられました。
「はなばなし」
攻めは酔っぱらって花屋の前で鉢植えの花を拾って帰るのですが、朝起きると花が喋りだします。とても不思議なお話でしたが面白かったです。