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一束と圭輔、良時と密と十和子、西口と碧、冬梧と望の各カプのページ割合は1巻同様かな。相変わらず西口と碧パートはとても平和で、間に挟まれる清涼剤のよう。一束と圭輔も転勤による遠恋展開はまだ先のようで平和だった。
一束と密が再会し、良時に二人の過去を勘付かれたようだったけど、密と良時の関係に影響はなさそう。一方、一束の方は12時間もかけて圭輔のもとに飛んで行く。この二組のカップルの両極端な感じが面白い。
密と良時は、どこまでいっても三人なんだな、と思った。この二人で恋人同士で身体の関係もこの二人の間にしかないが、十和子がいないと崩れる繊細なバランスを保っている気がする。既存の言葉では言い表せない関係に見える。続編を読めば読むほど不安になる不思議。
このシリーズの新刊はもう出ないのかな。掌編集という位置づけの一冊にしては、スッキリしない気持ちが残ってしまったので、もう少し読みたい。あと欲を言えば、冬梧と望の番外編も読みたい。
シリーズを通してoff you goがとても好きなのですが、本作を読んで、佐伯密の魅力に圧倒されっぱなしでした。
それぞれの過去のエピソードが、私の頭の中にある人物たちのイメージをきれいに補完して、さらに輪郭をクッキリとしてくれて、あながち自分が抱いていたものと遠くなかったと、安心して読みました。
ほんとに、ほんとによかった。
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overtour
密と一束
無駄な言葉を全部削ぎ落としたようにドライな密が好き。
一束も、ドライだと思う。ちゃんと自分の考えを密に伝えている。
2人とも表面ではそっけなくて、愛想がなくて、冷たくみえても、心にある熱量を感じる、そこがイイ。
圭輔の佐伯への嫉妬も良かった。一束を愛してるんだなと。
良時と一束と密のからみは最初で最後だ思うけど、とても面白かった。
良時にたしなめられる密、会社でも人格者で良い上司だろう良時。
会社での密は、想像していた通りで、むしろそのふてぶてしさに安心した。
「半分が過ぎて、私の番は終わった。」
十和子のこの言葉が3人の関係を表している。非常に重い、そして優しい。
Ninna Nanna
密が十和子との結婚を選んだ時の、良時の気持ちをずっと想像していたけど、良時が酔っ払った勢いで密に告げていて、やっぱり良時はそうだよねと、すごく納得できたエピソードでした。
切ない、とにかく切ないけど、そうだよね…と腑に落ちた。
「俺だって寂しいよ」と密。その録音を聴く良時。泣けた。
このやり取りが心に沁みて、あぁ、やはり密と良時は大好きだと再確認することができた。
密の魅力、人間性を見抜く。情がある。男気があるのに、それを見せない。
こんなに魅力的な人物と、常識を大きく逸脱している関係を描く先生は素晴らしいなあと感動しました。
素晴らしい作品をありがとうございました。
私も表紙で驚いたうちの一人です。
西口と碧の大ファンのワタクシ、
少しでも入っていたらいいなあと期待して購入。
濃いいSS2本、入っていたので大喜び。
めちゃくちゃに面白いです..。
本編よりやんちゃしてる西口が読めました。
はあ〜面白かった、終わりかと思ったら半ページの空白の後にオチが2行。
めちゃくちゃに笑いました。
これは紙で読まないと味わえないです。
ペーパーバック1でも事後「正座で謝ってる」とあるので、西口ヤンチャし終わった後はめっちゃ碧に怒られてるやん..。と、萌に燃えます。
18歳年下の恋人に正座で叱られ、土下座する44歳サイコーです。
もうひとつのSSはヤンチャなし。西口の葛藤の吐露。
過去や歳の差はうめられないけれど、お互いの本気さを感じ愛おしいです。
最後は碧に可愛くなだめられて、おねむになる西口、本当にどちらが年上なのかわからない2人大好きです。
一穂先生のSSがたまらなく好きな私、
新聞社シリーズもSSが充実していて読み応えがありました。
佐伯密にこんなに入れ込むとは思いもせず…
挿絵に躊躇していた頃の自分が懐かしい。
今では、漫画、小説読み漁っている身でありながら、佐伯密がお気に入りの受け第1位ですし静良時がお気に入りの攻め第1位です………
もう、最近では朝起きる度に、あ〜佐伯さんは今日の新聞でどんなことにちゃちゃいれたのかな、とか、良時は今日の新聞どんな風に作ったのかな、とか。(良時だけなぜか呼び捨てなんですよね…笑)
そんなことばっか考えてます。
なので、その位に入れこみすぎていて、この作品を読み終えるのが寂しくて寂しくて仕方なかったです。
気晴らしにペーパーバッグを読みながら数日違う作家さんのお話を読んでみたり、漫画だけに留めてみたり。
けれどもう頭のどっかに彼らが住み着いているんですよね。
勿論、そこには十和子の存在もあり。
こうして、あの時のこの人の気持ちはこうだったのか、とか、違う側面から本編を読み返せるのって本当に楽しくて幸せでワクワクして。
それを佐伯密のお話として読めて本当に感無量です。
どれも印象深いお話だったんですけれど、
入院している時のモズのお話。
あれ、すごく佐伯さんらしくて胸がぎゅっとしました。
「自分が賢くも強くもないって
そう、俺の半分くらいは痛感してみろ。」
そう言いながらの独白のシーン。
そんなふうに感じながら、一心に十和子と良時のことを汚さないようにしている佐伯さん。
そこにどんな影も落ちていいはずがない。
そうやって言い切れるし、そうあるために自分がすべきことをわかっているし、汚かったり残酷だったり後始末だったり、そういう立場に立つことを寧ろ安心しているみたいにも感じて。
はぁ〜〜〜〜〜相も変わらずの不毛っぷり
不毛すぎる潔さと献身と健気っぷり
性格と口が悪いせいで伝わらないけど、この人こそ健気の鑑だと思うんですよ………
いずれにせよ、佐伯密が好きすぎる私には本当に大切な1冊になりました。
明光新聞社のシリーズの番外編集。
同人誌や小冊子やSSカードやその他諸々に掲載の番外編を集めた本の2冊目。今回も楽しかったです。
前作と同様、目次に惑わされて中編かと思うと、SSや短編の詰め合わせだったりするので、それはもうたくさんのお話が読めます。
とってもお得です。
(「アンフォーゲタブル」はまたしても冬悟がちらっと出るだけですが)
さて、今回とくに好きなのは「ハイファイ・ローファイ」のうち、新聞社に見学に来たどこかの小学生が、ソファで惰眠を貪る密に「おじさん、暇なの?」と声を掛けて、「僕のつくった学級新聞見てください」とお願いするシーンです。
知らない子供相手に、あの密が、結構短い時間の中で端的に赤ペンで添削してアドバイスして、でも毒舌なのが最高でした。
「やさしくしてくれた」、と表現する子供も最高。果物をお礼に送るその親も最高。何もかもが好みでした。
殊の外大好きで、何回も読んじゃいました。
それと、「アナザグラフィカ」。
「ステノグラフィカ」の松田さんの過去話です。どうやら以前、無配があったらしい、と羨んでましたが、きっとこれですね!(と信じる)
とっても少ない文章量なのに、すごく鮮烈。
誠士郎が長椅子に寝そべって上を向いて喉を剃らすのが、ネクタイをほどけ、っていう合図なのが素敵すぎました。
もっと読みたい気もするし、これだけでも充分な気もします。覗き見できて嬉しいです。
それと、すごく思ったのが、「off you go」の3人の絆についてです。
「ペーパー・バック」2冊中、とても多いんですよ、3人のお話が。
で、こういう番外編の積み重ねによって、本編では正直芯の所まで理解できたとは言いがたかった3人の関係性が、とてもよく分かるようになりました。
「off you go」は単体のBL小説だから、どうしても十和子の配分が少なくなるので仕方ないとは思うのですが、「ペーパー・バック」でようやく彼女の人となりが見えました。それで色々と腑に落ちました。
どうして頑なに密との離婚を押し通したのかとか。
関係性の理解を踏まえた上で「off you go」を再読すると、初読とは違った見方が出来ると思います。
「ペーパー・バック 3」も待ち望んでいます。もっと読みたいです。
