電子限定描き下ろし付
注目の新鋭・ニャンニャの描く青春BL新境地!!
モテメンの攻めを好きな受けが攻めのこと好きすぎて闇落ちしてしまうお話。闇落ち系は苦手ですが、お勧めで見かけてなんとなく読み始めたら続きが気になって止まらなくなりました。
受けがかなり卑屈で、酔った勢いで隣に住む片思いの相手に告白し、そのときはスルーされたけど、翌日、「なんで告白したのに無視するんだよ」と泣いて迫って、「だったらヤッてみる?」という軽いノリで一夜を共にします。受けは初めてでしたが、道具を使って自慰をしていたので、最後までできました。
セッの相性がよく、攻めが受けのオッドアイを気に入ったことで、付き合う流れになります。
つきあうまではとんとん拍子にいくのですが、そこからの展開が面白かったです。受けは攻めと付き合いはじめたことを周囲に隠そうとし、付き合うといっても、デートをするでもなく体の関係だけ。付き合っている意味がないと言われて不安になり、「俺に何かしてほしいことないの?」と訊かれて、どうしてそういう思考回路になったのかは理解不能ですが、「俺以外のやつと付き合ってもいいよ」と言ってしまいます。
これに対して攻めは拗ねたふりをし、旅先で会った女の子が一緒に飲んだ流れで二人が泊まっていた部屋で一夜を明かし、受けは寝落ちしていたことから、「昨日無事にヤりました」という女の子の言葉を真に受けて浮気を疑います。
あげく、攻めに銃を突きつけます(弾は入っていなかったっぽい)。攻めのことを信用できなくて、このままではいつか本当に撃ってしまいそうという理由で自分から別れを切り出し、攻めもそれを了承して引っ越ししました。
それからしばらくして旅先で会った女の子と再会し、あのとき二人はヤッてなかったことを聞かされて、攻めがちゃんと自分のことを好きだったことを実感します。
受けは攻めに会いに行き、今度は自分の頭に銃を突きつけ、攻めに止められます。「お前か自分に銃を向ける以外、お前を手に入れる方法がわからない」と泣き崩れる受けに心を動かされる形で、元サヤに戻りました。
受けが卑屈すぎて、意地悪したくなる攻めの気持ちもわかるし、意地悪を真に受けて不安になる受けが可愛くて、更に深みにハマってしまうのもすごく共感できました。
好き嫌いは分かれそうですが、個人的には中毒性のあるお話でした。
ニャンニャ先生の新刊が出るし、そう言えばこちらの作品のレビューしてなかった!!
と、まりあげは。
言わずと知れた大学の同級生同士、陽キャ×陰キャBLですね!!
海外を舞台にしていることもあり、銃を持ち出す陰キャ受けのコールの行き過ぎたビッグラブも、そこまでシリアスにならない読みやすさが良きでした。
そしてなんと言っても、まりあげはの心を鷲掴みにしたのは、ノンケ攻めが受けにドンドンハマっていき、やがて受けのことを大好きすぎて、真剣に向き合おうとしているところです!!
対して受けも、攻めのことを信じられなくて、でも攻めが本気なんだと知って、ようやく信じる…的なあのくだりも大好きでした。
はぁ!
最高すぎる!!
これぞ、ノンケ攻めとの恋の醍醐味ですよねえ!!
アレックスが思いの外真面目ないい男で良き攻めでした!もっと派手に遊ばれちゃうのかと思った。
問題はコール。
コールの自信のなさや思い詰め方には、実際こんな人が目の前にいたらメンドクセーなと思う反面、どこかで共感してしまいます。
自意識過剰で、おどおど、いじいじ。
気にしなくていいことばっかり気にして。
ああもう何やってんの、と思うけど、うんうん、そうなるよね。とも思う。
だいたい、ノンケ好きっていうのがもう致命的なんだよ…
でも確かにアレックスは好きになる。
結果的には顔だけじゃなく、見る目があったと思う。コールはまだアレックスが自分だけなんて、信じられないかもしれないけど。ちゃんと好きでいてくれてます。
リリーに素直な気持ちを吐露しているところを見るに、すっっごくコールのこと好きになってるし、振り回されながらもハマっちゃった、っていう諦めみたいなのもありますね。アレックス陥落してる。
アレックスは割と率直でいつも素でいてくれてるんだから、コールも普段から愛情を小出しにすればいいのに、ドロドロになるまで愛情や執着を心にためてためて、しまいには拳銃つきつけて死にたい殺したい、ほんとにコールの不器用さったらないのですが、とても愛しくもあります。
オッドアイもとても素敵だと思うんだけど、コンプレックスに思うところも、その自信のなさにヨシヨシしたくなります。
コールが少しずつアレックスの愛情を信じられる時がくるのかな?道のりは長そうだけど…
がんばれアレックス。
海外ドラマや映画が好きな人にささると思います。作品の雰囲気がとても好きでした。主人公のコールは、重度の中二病、自己破壊的なところがあって、”もうそのへんにしとけ〜”って何度かツッコミをいれたくなるんですけど、面倒くさすぎて物語の主人公としてとても面白いですw その性格に加えてオッドアイっていうチャームポイントがよき。こちらわかりやすく病的。
いっぽう、攻めの超モテメン陽キャのアレックス、モテが状態化してて、あしらいすぎて感覚おかしくなってそうだったり、誰に対しても爽やかにいい顔しちゃうところとか、コールとは違う方向で同じくらいやばいものがあるんじゃないかと思えるキャラでした。ハイスペックすぎて、無駄にフィクションの主人公みたいな雰囲気が、誠実さを嘘くさく見せちゃうっていうか、、なんにもしてなくても相手に疑われてしまうというモテの弊害がすごくて、わかりにくく病的。
周囲への質量や意識が重すぎるヤツと軽すぎるやつっていうCPなので、どっこも噛み合わないんですよね。見てる世界が見事に違う。身体の相性はこの上なくよき、、なのでこの段階ではまだラブ?って印象です。好きな気持ち=独占すること、みたいな幼い感情が煮詰まって、浮気を疑って相手に銃を向けてって…どうしようもない人達なんです。そこで、アレックスがコールに”お前は恋愛やめろ、相手が気の毒だ”って言い放つのが、すごく印象的なんですが、、そういうアレックスもそんなに恋愛向きではなくて、だからこそお互いがなぜだか惹かれ合っちゃうミッシング・ピースなんだろうな…ってページを捲る指を止められないやつでした。
ニャンニャ先生の作品って凄く独特だと思う。
本作は、今となっては3巻ものの1巻目なわけだけど、発売当時は読み切り的な作品。
これは3巻まで全部読んでからのレビューですが、最初にこれだけで読んだら随分と違う感想になったのでは、と感じる。
この巻だけだと、メンヘラくんのヤバすぎドタバタLOVE妄想からの〜まさかのCP成立!
だけど変な女が現れて…ヤバ展開!
みたいな?
読者的には、やっぱりコールはどう見てもヘンなヤツだから、すっかり傍観者で「メンヘラやべぇ!」と笑って読むわけよ。
最後はすっかりアレックスも取り込まれちゃってあ〜あ!みたいなクスクス笑う感じ。なんだけど。
結局3巻分読んだ後での感想では、笑うとこじゃないよなぁ、ってこと。
どんどん深くなってく。個人の癖も、2人の関係性も、元からある溝も。