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表題作はきだめと鶴

岡崎準太
サラリーマン・23歳
澄川螢
元ゲイビ男優・フリーター・35歳

その他の収録作品

  • 雀の千声 鶴の一声

あらすじ

映画館でバイトとして働く、元AV男優の澄川螢、35歳、フリーター。
澄んだ川に蛍だなんてうすら寒い冗談の様な名前に、〝綺麗〟なんて言葉とは相容れない至極どうしようもなく堕ちた人生。

毎週日曜日のレイトショー、螢の働く映画館にやって来ては螢のことを「ほたるさん」と呼びやたらと懐いてくる一回りも年下の男・岡崎準太に〝綺麗〟だの〝一目惚れ〟だのと言われつい口を衝いて出た言葉……。

「僕ね、今の映画館でバイトする前はゲイビに出てたの バリネコでハードなやつ」

綺麗だなんて 何も知らないくせに 馬鹿馬鹿しい――。

作品情報

作品名
はきだめと鶴
著者
キタハラリイ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
発売日
ISBN
9784801956674
3.6

(255)

(76)

萌々

(77)

(63)

中立

(23)

趣味じゃない

(16)

レビュー数
31
得点
900
評価数
255
平均
3.6 / 5
神率
29.8%

レビュー投稿数31

読了後にタイトルを見返して切なくなる

初読から何年も経ってからCD視聴したので、再読。
近年とみに記憶力が衰えているおかげで、新鮮な気持ちで読みました。

表紙の色味、雰囲気、表情で連想できるように、ドロドロした暗めのお話です。
明るい救済によるラスト、とならないのが、今作の魅力だと思います。

綺麗な名前に綺麗な顔、35歳にもなってフリーターとバイト仲間に陰口を叩かれている、澄川螢。
毎週日曜日のレイトショーにやってきては親しく声をかけてくる一回り年下、社会人の岡崎準太。

準太の思い切ってからの告白からの、急展開。
螢は元ハード系ゲイビ男優だと伝え、身体を重ね、その後、セフレ以上、恋人未満もような関係が続きます。

明かされていく澄川螢の過去は読んでいて、とても胸が苦しくなりました。
また、螢が、絶望して自暴自棄になっているわけではなく、達観して、日々を過ごしている様子が切なくもありました。
準太は螢が好き、螢も準太に好意を持っているけれど、追いかけて来る過去が、2人を恋人関係にさせてくれません。

過去の地獄のような生活に関係する男たちが、二段重ねで登場し、さらにその問題の根源にあたる人物は回想シーンでしか登場しない、という展開が、重くてつらくて、救いがないように感じました。

2人が掴んだのは小さな幸せであり、末永く幸せにくらしました、めでたし、めでたし、的な明瞭ハッピーエンドではないところが、かえってよくて、心に響いて素敵でした。

1

受けの壮絶な過去と、攻めの涙にもらい泣き。

蛍(受)の境遇と、蛍を抱きながら涙を流す準太(攻)の姿が切なすぎて、夜中に読みながらボロボロ泣いてしまいました。胸が痛い…

わんこ年下攻めの涙ーーー…!!なんだかこう、胸を刺すような痛みを感じちゃいますね。

親元を飛び出し、ホストになって酔い潰れたところをヤクザの組長に拾われ囲われ愛人として束の間の幸せを得るも、波柴の嘘により転げ落ちるように転落していく蛍の半生が痛々しくて、途中読み進めるのが辛かった、、

バイト先の映画館で落とし物のマフラーを見つけ、走って届けたことから繋がった準太との縁。
ごく普通の社会人として生きる準太の姿は眩しすぎるよね…
自分が蛍であっても、準太にものすごく惹かれつつも離れる選択をしただろうな、と思います。

蛍に冷たい言葉で突き放されても、どこまでも追い縋る準太に「よく粘った!!!」と声をかけて褒賞をあげたい気持ちです。
個人的に、”受けにすげなくされ、追い縋る攻め”が大好きなので、どストライクでした。

そして圧巻のラスト。冷蔵庫にたくさん貼られた映画の半券…最高の終わり方で、またここでも泣いてしまいました。こんな素敵なラストってないよー。。

切なさをぐーーーっと限界まで感じてからの、至福のラストに胸がいっぱいになりました。

はあ…キタハラ先生大好き。。

1

さらっと読めてしまった

再生、救済、ヤクザもの好きなんです。
が、そこまで刺さらずさら〜っと読めてしまった。

悪くはないです。
おもしろかったです。

螢の生い立ちや自分を振り返って語る言葉には共感できました。

ただ、ちょいと物足りなかった。
惜しい!という感じ(すみません)

なぜかと考えるに
・螢の過去は悲惨だけれども、本人から闇を乗り越えた凄みが感じられなかった。私の感性の問題だと思いますが。
ただ、きれいでエロくて、表情があまり変わらない人なんだなくらいの印象で。

・大野、波柴、喬がそこまてワルに見えなかった。
人間味があまり感じられないというか、記号、設定という感じで。
波柴の複雑な心境や大野のゲスい感じはよかったと思います。

・準太が好みのタイプじゃない(ごめんなさい)
陽キャでぐいぐいきて「ほたる」と呼ぶなと言われるのに呼び続けるような奴。
螢がほだされるくらいの、まっすぐな性格である必要があるんだろうけど、彼自身に魅力を感じられなかったです。
準太がそこまで螢に入れ込むのも、ふーんそうなの?くらいの感覚でしたし。

ただ全体的には、ぐいぐい読めて良かったです。
悲惨な場面がさらっと描かれていたのも好きです。

設定が重い割に、薄味仕上げでした。
キタハラ先生の特長かもしれませんが。

1

泣けちゃう

最初にネタバレしてしまうとハッピーエンドなのですが
ただのハッピーエンドじゃなくて
螢が幸せになるまでの道のりが果てしなく長くて
読んでいるとすごく辛い気持ちになりました。

螢は元々ホストをしていて、そこから組長の愛人になり
そこではめられて借金を背負わされてAV男優になります。
そして借金を返し終わって映画館でバイトをしている時に
準太に出会って告白され幸せになる流れなのですが
過去編がほんとに辛くて…。

お話としてはすごく素晴らしいのですが
ハピエン厨の私は過去編は読み返せそうにないです。

準太は年下だけど過保護な部分があるので
これから螢にうざがられるぐらい愛で満たして上げてほしいです。
(既に若干うざがられてますが。)

1

置いてけぼり

ケイさんの堕ち方(家出→ホスト→愛人→av男優→フリーター)にたいして、彼の過去(親が厳しく、子どもが思い通りにならないと嫌/詳細な記述なし)が弱すぎて、どうしても入り込めませんでした。ひとまわりの歳の差を超えて、過去を全て受け止めて、オカザキくんがケイさんを好きになった理由も…

ストーリーは切なく、美しい絵がそれをより一層際立たせています。ハッピーエンドなんですが、このあと二人はちゃんと幸せになれるのかな?と頭の中ではクエスチョンマークが浮かぶ感じ。なんだか全体的にすっきりしない読後感

2

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