• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作黒王子はいじわるに溺愛中

黒沢和臣
23歳,カフェの住込バイトをする法学部三年
八野伍夏
19→20歳,和臣と同じバイトを始めた文学部2年

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大学生の伍夏が泊まり込みのバイトで同室になったのは、イケメンだけどいじわるな和臣。一ヶ月も一緒に寝泊り出来るのかな!?

作品情報

作品名
黒王子はいじわるに溺愛中
著者
小中大豆 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344838567
3.6

(74)

(19)

萌々

(29)

(15)

中立

(4)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
11
得点
260
評価数
74
平均
3.6 / 5
神率
25.7%

レビュー投稿数11

わんこ×溺愛×スフレパンケーキ

もふもふワンコのいるカフェで、ふわっふわのスフレパンケーキが
食べたくなるー

カワイチハル先生の美麗イラストと小中大豆先生による
軽快な文章の相乗効果で、キュン!とときめきながら
一気読みした一冊です。

わんこが出てくるお話が読みたいなー…と思い、
手に取ったこちら。

電子で読もうと思っていたのですが、
電子版は挿絵がないとのことで、紙本をお迎えしました。
読んでみた感想としては、保管スペースなどの問題がなければ
ぜひぜひぜひ!紙の本で!!と、イラスト付きをおすすめしたいです◎

とても印象的だった口絵のシーン。
かわいい”れんげ”(カフェのわんこ)も描かれていて、
読み終えた後もう一度見返し、甘い幸福感に浸りました✨

その他のページのイラストも最高オブ最高に
麗しく、読んでいる間のときめきを高めてくれるものでした。

そんなこちらは、大きな失恋の傷を抱えた
甘ったれ末っ子・伍夏(いつか・受け)が
ひと夏の住み込みカフェバイトをすることになり、
そこで出会った3歳年上の青年・和臣と恋に落ちるー

という大学生同士の恋物語。

小中先生はファンタジーも最高に良いですが、
こういった現代ものもやっぱり素晴らしいですね...!

物言いがキツく、ストレートすぎる”当たりの強い”和臣。
タイトルの「溺愛」とは…?と途中まで
遠い目になっていましたが、読み進めるごとに分かってくる
和臣の分かりにくい優しさに、あっという間に虜に//

もーーーバイトが始まった当初は、伍夏の失敗描写が
出てくるたびにドキドキ、ハラハラ。
というのも、ほんっっとにミスばっかりしちゃうんですよ、伍夏くん。
お皿何枚割ってるんだーって、和臣が言わなくても
思わずツッこみたくなっちゃうぐらい。

ただ、読んでいて不思議と全くイライラしないのは、
自分が”甘ったれ”であることを自覚し、なんとか
変わろうともがく姿が健気で一生懸命で、応援したくなるんですよね。。

そんなふうにミスにミスを重ね、緊張してさらに体が硬くなり
またミスをー

となるのも、実は彼の抱える失恋の傷、
トラウマが関係していたりします。

で!

この元彼が本当ーーーーーーに!酷い奴で、
読みながら憤慨。

自分の浮気を、あたかも”伍夏が非常識すぎて耐えられなかったから”
と人のせいにして論点をすり替え、
伍夏に消えない傷を残したこと、許せん!という感じなのです。

終盤、そんな元彼の登場に和臣が現れ、
力強くカッコよく撃退してくれた時には
心の中で拍手喝采でした。

そして、一見無愛想で冷たそうだけれど
その実、伍夏のことをよく見ていてさっと手助けしてくれていて、
「ただの意地悪」ではない和臣の人柄が見えてくると、
萌えがグングン急上昇⤴︎

実の父親から追い出され、家族との縁薄い彼が
呟く「寂しい」という言葉が切なかった...( ; ; )

和臣に助けられてばかりの伍夏だけれど、
実は和臣の方も伍夏の一生懸命さ、健気さ、可愛らしさに
心癒され、救われていくー

というのが最高に良いです。沁みます。

二人仲良くパンケーキを食べる姿に、
ほのぼの、じーん。

タイトルに偽りなし!の溺愛っぷりを終盤ドドド!と
見せてくれた小中先生に大感謝です◎

わんこと、溺愛と、ふわっふわのパンケーキと。

心がほかほかとする、素敵な現代ラブストーリーでした✨

1

まだ未完成のふたりがいい!

年相応な大学生カップルにキュン!

先生のあとがきには「カチンとくる攻めランキングにランクイン」と書かれていましたが、全然!むしろこれくらいが良い〜。

だって、攻めは物言いがややキツめだったりハッキリした性格で怖く見えがちですが、極めて常識人で指摘もご尤もなことばかり。
むしろ優しさは最初から見え隠れしています。(どん底状態の受けは余裕がないから怖く見えてしまうのは仕方ない…涙)

受けが失恋で傷つきイジイジしてたけど、生来の素直で明るい性格に戻れて自信を取り戻した流れも良かった!

途中攻めとカフェオーナーの会話で受けが傷ついた様子には心が苦しく読んでいて涙してしまいました。
でも、攻めにきちんと会話を聞いて傷ついたことを伝えられたし、それに対して攻めがあたふたしてるのが、めちゃくちゃ好きでした。これからも受けにあたふたして欲しいww

攻めが受けを好きになった辺りから分かりやすく甘くなっていき、とにかく萌えが散りばめられているのですが、
モテるけど本気で人を好きになったことがない攻めが、「次は本気で好きな子と付き合いたい。付き合えたら絶対大事にする」と受けに宣言するのも良き〜〜〜!

初エッチの、攻めのむっつり感も受けの初心可愛さも、無茶した翌日の甲斐甲斐しい攻めの様子もw
2人が成熟しきってない等身大だからこそ萌えました。

攻めも受けもまだ若いから、性格的に未熟なところがあったり、分かっていても失敗しちゃったりして、それでももう一度チャレンジすることが素晴らしいと思うのです。
なので前向きなキャラクター達に好印象!

私はとても好きな2人でした〜。

住み込みのバイトでずっと一緒にいた2人なので、東京に帰ってからどう過ごしていくのか読みたいです。
関連の同人誌探してみます!

2

攻めが良かった!

あとがきによると先生の作品の中でも「『カチンとくる攻めランキング』の上位にランクイン」とのことだけど、特にカチンときませんでした。
むしろいい男だと思ったし、後半のメロメロっぷりには萌え転がりました。

受けは初めてのバイトとはいえ、皿や卵など割れるものはとにかくやたら割る、緊張しすぎてお客様には無愛想になってしまう、仕事の手はとにかく遅い……etc
受けのせいで余計な仕事が増えるという超〜お荷物っぷりなんですね。
もっとも、受けは元カレから人格全否定されるような振られ方をしたせいで、何がアリで何が常識はずれなのかもわからなくなってしまい萎縮しまくっているという同情すべき点も大いにあるんです。

だけど……「20歳になるまで家の手伝いを一切したことがない」ってさぁ……
ちょっとナイわと。

だから攻めの「お前、なにもできないんだな」って言葉は当然だと思ったし、むしろ「やめちまえ!」とか言わずに根気強く面倒をみる攻めはけっこう優しいなとしか思えなかったです。
だから別に黒王子でも、いじわるでもなんでもないと思う。

そして受けがビクついてた理由を攻めが知ってから、二人の関係がどんどんいい感じになっていくところが萌える!
少しずつ明るくなっていく受けの様子を目を細めて見ている感というのかな、かわいいやつと思い始めてるのが攻めから伝わってくるところがすごく良かった。

そして初エッチのときには、超〜メロメロになってて
「お前みたいな可愛いやつと付き合えるんだから」
「こんな可愛いの抱いて、余裕ぶってられない」
みたいな、「受けときたらクソ可愛い」を惜しみなくダダ漏れさせて、そこがすんごく良かったです。

それにしても元カレは、頭だいじょーぶ?!レベルの言いがかりをしてくる男で、いくら初恋&元親友フィルターがかかっていたとはいえ、受けの見る目の無さにびっくり……。

2

パンケーキが食べたくなります。

彼氏に散々な事を言われて別れ、自分の在り方が分からなくなってしまった伍夏が、兄の紹介で泊まり込みのバイトを始める。同室になった和臣は、伍夏がおどおどしていることや、仕事が全くできないことに強い口調で注意し、より伍夏は落ち込んでいく。

自分を変えたいと思うのに、どん底に落ちる様はかわいそう!元彼の暴言に凄く腹が立ちます!
でも、素直な伍夏は自分がいけないからと懸命で、見た目も可愛いので手をさしのべたくなります。
和臣のぶっきら棒さは、タイトル通りなので納得。そこからどう溺愛に変わるのかが読みどころかなぁ。
鈍感でトロい伍夏だけど、和臣に話を聞いてもらってからは、キラキラが増しました。

カフェの住み込みバイト、ハチミツたっぷりパンケーキ、モフモフのわんちゃん、可愛くて美味しそうで羨ましい環境の設定が、読んでいてフワフワした気持ちにさせてくれます。
後半での和臣と伍夏のエッチは甘々で良かったです。今後の姿も書き下ろしとかで読みたかったなぁと感じました。

2

フラレ方が半端ではない

「BOOK」データベースのあらすじの方が詳しいので貼っておきます。

──────
カレシにフラれた大学生の伍夏は、ダメな自分を鍛え直そうと泊まりこみのバイトへ。オシャレなカフェ、美味しいパンケーキ、可愛いわんこ―素敵な職場なのに同室になった和臣が怖い。誰もが振り向くイケメンなのに仕事に厳しいし、伍夏が同類なのを見抜いて「でもお前には興味ないから」と最低な一言。これから一ヶ月、同じ部屋で耐えられるの!?
──────

受けは、彼氏にフラレてネガティブ人間になってしまっているのですが、このフラレ方というのが酷くて、モラルハラスメント以外のなにものでもない。
そりゃ受けも人が変わるよ!と思ったところから、一気に作品に惹き込まれていきました。

ただ、そんな受けにも問題点はあって。
笑っちゃうくらい仕事ができない。バイトに来ているのに。
攻めはそれにイライラして、容赦なく非難します。
あとがきで小中先生は、先生の中の「『カチンとくる攻めランキング』の上位にランクイン」していると書かれていましたが、私はむしろ読んでいてスッキリしました。
モラハラ元カレのことは可哀想だし、それで人間不信&極度の緊張にあるのはわかるけど、それでもお金を貰って働く以上はがんばらなきゃ。
そんな攻めのキツい言葉と態度に耐えてがんばる受けを見て、受けを好きになれたような気がします。

そんな受けを見て、攻めもだんだん変わってきて……という以降の展開がとても滑らか。
最後までとても楽しく読めました。

6

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP