電子限定おまけ付き
箱庭のうさぎ の続編。
恋人になってからの2人。
箱庭のうさぎ で散々、共依存だと言われた彼らの共依存脱却編。脱却は言い過ぎかしら。
受けの響太が頑張ります。
パティシエ修行中の攻・聖がコンクールに出場したり、将来を語ったり。そんな聖の負担にならないように、また、聖の家族に認めてもらいたい、安心してもらいたいから…僕も頑張るよ!と奮闘します。
ただ、頑張り方がそれでいいんか?と思うちょいズレなんですね。
問題のある家庭に育った響太は、家族の普通を知らないし、何より辛いこと、悲しいことを心の中の箱に入れて、蓋をしてやり過ごしてきてしまった。
全部丸ごと受けとめます!な聖におんぶに抱っこだった子が、急にあれこれやろうとしても、そりゃ無理があります。
響太は頼り方を知らない子で、それは聖に対しても。
聖が響太にしているのは、あくまで"お世話"で、聖はしたくてしてるし、それは聖の庇護欲を満たす行為。
響太が聖にしてもらってる食事の支度は、"頼る"とは、ちょっと違う。
人に助けてもらったり、頼ったり出来ることって、仕事でも家族間でも恋人間でも、すごく大切なことで、それは自分の至らなさや弱さを晒せる信頼がないと出来ないことだと思うのですが、響太はそれにが出来ないんです。
頼らない と 頼れない は違いますから。
結局、無理が出てくるし、食べられなくなるし、具合も悪くなる。
読んでいてもどかしく、少し苦しい。
ただ、響太の周りの大人達が温かい。優しい。
ちゃんと見守り隊してる。
自分も見守り隊になったつもりで、じっと堪えながら読んでいると、響太の視界がぱぁっと開けてくる瞬間がきます。
視界が開けて初めて、周囲の人の温かさや自分が愛され、必要とされていることに響太は気付きます。生きることを肯定的に捉える響太になります。嬉しくて、私、泣きました、、
前作ではなかなか危うい2人だな、と思った彼らが、ちゃんと前に進んでいるし、世界を広げていく。
エロはもりもり、大満足。
箱庭のうさぎの続編です。
今作では自分が大人になりきれていないと聖のことを幸せにできないと思い込みどうにかしようと頑張りすぎてしまう響太のお話でした。
箱庭の時から思っていましたが、響太のことを身体的にはもちろん精神的にもものすごく生きづらそうだなぁと。自分を卑下するのが得意でこうと思ったら一直線で自分のことは蔑ろにしがちな響太が、今回自分は今の幸せから動きたくないと認めた上でそれでも聖のためにちょっとズレた方向へ無理をしていたのがとても切なかったし、この方向性がどうやったら修正されて響太に心の余裕ができるんだろうと不安になりながら読んでいました。
最後は文句なしのハッピーエンドで大満足です。
意図せずに荒療治のようにはなってしまいましたが、やはり響太のことを救うのは聖なんだなぁと再認識できました。
聖を絶対的に信頼し心に余裕が生まれた響太の可愛いこと!読後はとても幸せな気持ちになれました!
『箱庭のうさぎ』の続編です。
恋人同士になった二人。
今回は聖と聖の両親の関係に響太が思い悩んだり、
聖が事故にあってから響太がトラウマ状態になってしまったり、
主に響太が色々とマイナスに考えこんでしまいます。
聖の為に色々頑張ろうとする響太ですが、
聖はいつまでも面倒を見たい。でも響太が成長しようとしてるからと見守っていたのですがー…。
響太が考えすぎて頭の中ぐるぐるになっている中で、聖が響太に言った魔法の言葉。
普通なら有り得ないことなんですけど、聖が言うことでほんとにそうなると思える響太。
きっとこれは共依存なんだけど、ガチガチしていなくて今回もすごく良かったです。
シリアスな展開もあるのでエッチは『箱庭のうさぎ』よりも少ない気がしたけど
最後がすごく濃厚で最高でした…!!!!
やっぱり聖が沢山響太を甘やかす光景が読んでいて幸せだなぁと思いました(*´▽`*)
前作で心療内科行きを強く推奨したかった二人。先行きがひどく思いやられた二人でしたが、なんと当作で成長しました。すごい!愛の力って偉大(笑)。
超世話焼きパティシエ攻め+ニグレクトされていた受け(尋常じゃない繊細なメンタル)が、なんだか二人で生きていけそう!と見守る親の気分になるお話、本編のみ240P超+先生のあとがき です。
地雷というか、受けが本当にメンタル繊細で、切羽詰まって辛そうにするシーンがあるので、そういうのがツライ方はご注意ください。
攻め受け以外の登場人物は
フランス人のパティシエ、攻めの母親、前作でも出た当て馬、受けの仕事仲間等。今回受けがイラストのお仕事をめっちゃ頑張ります!
カラー口絵は、二人の肌色一色で、とってもキレイです。モノクロは全部で6枚。一番好きなのは着衣二人がぎゅしながら眠りにつこうとするところの絵。いいなーぎゅしてもらってー暖かそう。
そう、ぎゅってしてもらっている受けが、今回は攻めの幸せに思いをはせるようになるのです。どうやったら幸せなんだろう、どうやったら一緒にずっといられるんだろうって考えてます。おー成長したじゃーん ってちょっと感慨深い(笑)。いろんなことを経験して乗り越えて、最後は甘えるのが上手くなって、もう本当に安心します。よかったね、響太。
先生のあとがきにもありますが、先生のブログ→ツイートで、おまけSSも読めます。
そっちもめちゃ可愛いですよ、是非どうぞ~♡
「箱庭のうさぎ」の続編です。
前作でようやくくっついた2人。安定のラブラブです。
今回は、聖(攻め)に甘やかしてもらっている響太(受け)が、自分も聖を幸せにしたい、聖の両親に認めてもらえなくても響太が聖に頼り切っているだけじゃないとわかってもらいたいと、仕事の幅を広げて頑張る話でした。
読んだ直後の感想は、(幸せになって)良かった!でした。
「箱庭のうさぎ」を読んでいるときも、響太が可哀想で心が痛くて、自分を守るためになかったことにしている感情を表に出せるようになればいいのに、と思って読んでいました。今回はそれでめでたしめでたしではなく、そこから先の二人の話で、まだ課題として残っていた聖のお守りがないとダメなところから前進できました。
初め、響太は早く大人にならなくちゃと突っ走ってどんどん自分を追い詰めてしまいます。タイミング悪く聖が怪我してしまったのもまずかった。祖母が亡くなったときのことを思い出してしまって、聖が死んだらどうしようとよけいに追い詰められます。甘えたいのに自分ばかり甘えちゃいけないと我慢するからよけいに悪くなってしまって、読んでて心が痛くなりました。
響太に甘えてもらえることが幸せで、頑張らなくていいと言いたいけど、外に出ようとしている響太にそれを言うことはだめだと見守ることしかできない聖も切ないです。
響太が聖を幸せにしなくちゃという強迫観念にも似た感情から解放されて、響太が甘えてくれるのが聖の幸せだとちゃんと理解できて本当によかったです。
でも、需要と供給は合ってるんですが、甘やかされるのを当然と思うんじゃなくて、自分も恋人を幸せにしたいと思う響太には好感を持ちました。違う方向に行っちゃってましたけどね。それに、恋人になってからは、恥ずかしがらずに「好き好き大好き、誰にも渡したくない」と自分の気持ちをちゃんと口に出して聖に伝えられるのも、とてもいいです。
登場人物もいい人ばかりで、気持ちいいです。年齢的には10も違わないと思う編集者の篠山やパティシエの成原はすっかりお姉さんお父さんのようになっていて、本当にいい人たちに恵まれて良かったねぇとお母さんになった気分でした。
ただ、今回初登場の天才パティシエのローランはちょっとよくわからなかったな。いい人だったんですけど、将来一緒に店を開くと決めている恋人のシェフがいるのにいろんな人と寝てるっていう設定は必要だったんだろうか?響太はローランなりの理屈があるんだろうって流してたけど。せっかくいい人だったのに出てきたときがこれだったから最初の印象が良くなかった。
カワイチハルさんのイラストは、相変わらずとても繊細で綺麗でこのお話しにぴったりでした。欲を言えば、響太が書いたイラストがどんなだったか、ちらっとでも見たかったな。