行き場をなくしても、恋心は死んではくれない――

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表題作涙の音

鳥飼六郎・サラリーマン
星野ルイ・花屋の店員

その他の収録作品

  • 作井さんはいい人だ
  • 六郎くんはやっぱりスゴイ(描き下ろし)
  • クズのメモリー(描き下ろし)
  • あとがき
  • 電子版描き下ろし「どこまでも…六郎」

あらすじ

サラリーマンの六郎は、仕事も優秀、上司の娘との交際で将来を約束されたエ リート。
けれど学生時代の恋を自分の過ちで失ってから、六郎の心は抜け殻同然だった。
このまま一生、昔の恋を引きずって生きていくのだと思っていた矢先、かつての 恋人・ルイを街中で偶然見つけてしまう。
その変わらない優しい姿に、ルイへの気持ちが抑えきれなくなってしまう六郎。
いけないと思いつつ、恋人からの連絡も無視し続け、毎日その場所に通い、遠く から見つめる日々を送るようになるが……。

愛情とエゴが交錯する、一途な大人たちのラブストーリー。

作品情報

作品名
涙の音
著者
ケビン小峰 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
発売日
ISBN
9784592720836
3.7

(47)

(19)

萌々

(10)

(8)

中立

(6)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
11
得点
165
評価数
47
平均
3.7 / 5
神率
40.4%

レビュー投稿数11

再会もの、攻めの成長物語

 
社会人の再会もの、主に攻め視点です。
※大人になった攻めに恋人がいるので地雷の方は注意です。

大学生時代付き合っていた二人。
ですが、攻め六郎が周囲からからかわれた時に「ホモ気持ち悪いんだよ」という発言を受けが目撃し、二人の関係が崩れます。

別れてから攻めは、惰性で上司の娘と交際します。
そして偶然、ルイに再会します。

ルイを忘れられなかった攻めは、それから「見守るだけ」という名のストーカーをします。
それまでは毎日、死んだ目をしていたのに「今日も会える」と、ウキウキの可愛い攻め。

同じく、攻めを忘れられなかった受けは絆され、また体を許してしまいます。

ですが、攻めに恋人がいたこと、それに伴う攻めの行動で先を見越した受けは身を引いて、また攻めの元を去ります。

受けが精神的に大人、攻めはヘタレでナヨナヨしてます。

最終的に攻めはちゃんと変化し、またルイを迎えに行ってハッピーエンド。

一冊通して攻めの成長物語のようでした。

2

シリアス路線だけど、笑える。

「涙」がつくタイトル、そして涙を流す訳ありそうな男の表紙……。

いかにも大真面目なシリアスっぽいんだけど、そこはケビン小峰さん。
シリアスの皮をかぶったコミカルさが笑えます。

とにかく攻めのヤンデレっぷり、そして最後のバカップルぶりに笑いがとまりません。

攻めは自分勝手なドクズなんですね。
恋人同士だったんだけど、ホモ疑惑が持ち上がって焦った挙句に、「気持ち悪い」と吐き捨てた姿を受けに見られてしまった。
それをきっかけに受けは攻めの前から姿を消してしまい、それ以来、後悔し続けている……。

6年ぶりに再会した二人。
攻めは夢中になるあまり周りが見えなくなっていき、嫉妬に狂った挙句、理不尽な暴言を吐く。

で、また受けは去ってしまい……

という恋人同士の別れと再会(複数回)を描いているので、攻めザマァであり、ドクズ男の成長記でもあるんです。

だけどきっちり反省してせっかく立派な溺愛スパダリ男になったのに、変態ヤンデレさんなところが笑える。
でも、受けも幸せそうだし、二人の世界がほのぼの〜としてるので、めでたし、めでたし……って感じです。

3

2人のために世界はある…?

なんか、腹が立ったけど面白かったです。
攻めの六郎が本当にダメダメで、何度も同じ相手に失敗を繰り返すお話です。

大学時代→世間体を気にして失敗●
社会人①→全てをルイのせいにして失敗●
社会人②→やっと自信をつけて成功◯(でも変人)

受けのルイは健気で優しい子なんですが、自分に自信がなくて、さらに六郎の事を考え過ぎてすぐに逃げ出してしまいます。

それでもお互いしか見えていない2人は、まさに割れ鍋に綴じ蓋なんですよね…
ルイに執着する六郎の言動を引かずに受け入れられるのがルイであり、それをカッコいいとすら思ってくれる唯一の存在だと思います。

自分勝手で傲慢で、さらにその自覚が全然ない六郎には腹が立ちましたが、付き合っていた女たちも皆変だったので、少し六郎に同情してしまいました。

終わってみれば、終始2人の世界でした…
恋は盲目とはよく言いますが、周りが全く見えていない2人に、もはやアッパレな気持ちです。
とにかく、幸せになってくれてよかった…周りの人たちのためにも…。

3

止まらないヤンデレ

もー!いいヤンデレ具合でした!
ある意味クズのざまぁ展開だと思っています笑

攻めの六郎は本当にクズでした。
ルイと付き合ったのも打算のない好意は気持ちいいだろうという理由です。
そんなクズが次第に夢中になり、逃げられ、ヤンデレの誕生です。
大好きな人に急にいなくなられたらそりゃあトラウマものでしょうけれど、さすがクズ!1度目の再会を活かせません。
完全に拗らせているルイへの思いを全然コントロールできず、またルイに逃げられてしまいます。

また一人になったところでルイの上司作井の後押しもありやっとクズ脱却です!
ただ病んでいる部分は残ったままで笑

自分の意思で2回目の再会を果たした後でもガンガンに病んでいます。
ルイの使った箸やナプキンを持ち帰り保管、映画館では映画ではなくルイをガン見などなど。
それを変だと思っていないところがまたいいヤンデレ具合です!いいぞ!六郎もっとやれ!!

ラブラブになった六郎とルイの生活をただ永遠と綴る1冊が欲しいくらい好みの病み方でした!

3

「作井さんはいい人だ」…コレに尽きます。

次はぜひ作井さんでお願いします!
私も攻めの六郎さんがクズ過ぎて「無いわ〜‼︎」と、一読してしばらく放置してたんですけども…。
久々に読んだら、意外とじわじわ来ました。
「こんなの(男性同士の恋愛)フツーじゃない。」と、学生の頃別れてしまった二人。「六郎くんは女性とも付き合えるんだから」と身を引くルイ。六郎くんは結婚して子供に囲まれて…テンプレ的な人生を歩むのが一番幸せな筈。BLにおいてもテンプレ的なテーマですね。
6年経って再会して。また離れて。5年を経て、やっと…。
六郎くんがクズのまま終わらず、ルイと幸せそうなところが見れて良かったです。ルイくんを大事に想う作井さんが(当て馬くんとして登場したにもかかわらず!)ちゃんと二人を見届けるのも素敵でした♡幸せに暮らしているのはいいのですが…6年後に再会した時も声を掛けられず、ストーキングしていたところに兆候は出ていたのですが。六郎くんは執着変態さんでした!ルイの使った箸を持ち帰るとか使った歯ブラシを取っておくとか。それに喜んでいるルイもルイですが。こんなんでいいのか⁈ っていう。「割れ鍋に綴じ蓋」と言い切って物語は終わります。シリアスに進行して来た物語も、実は「から騒ぎ」。喜劇だったのかな、とも思いました。
当て馬と言うよりは当てられっぱなしの作井さんはいい人なので、彼には幸せになって欲しいです。作井さんの方がちゃんとしてそうなので…物語としてはただのあまあまになっちゃうかも⁈ だけど。それもまた良いかと。

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