電子限定おまけ付き
“処女"のスパダリなんてーー重いかな!?
読み始めてすぐに引き込まれ、一気に読了。面白かったです。
主人公は、3代目社長の冬人。
同居している恋人は、世界で認められている彫刻家の馨。元々高校のクラスメイト。
2人は仲良くやっているけれど、どうやら冬人は一つ悩みを抱えている…
読んでいくと、冬人は自分の深い愛情を馨に知られないようにしている事がわかります。
馨はカリスマ的な魅力を持つモテ男。ひとりの相手に縛られたくないと公言していて、冬人ともずっと親友だったのにたまたま相手がいない時期が重なった時に「お試しで」付き合ってみようというノリで始まった経緯が。
ところが実は冬人はずっと馨に片想いしていて、そんな重い感情を知られたら馨は離れていってしまう、と思い込んでいるのです。
本作は一貫して冬人視点なのでひたすら冬人の思考回路を読むわけだけど、まあ想像通り馨の方だってちゃんと本気。
しかも冬人と同じでずっと。
だからお互い間違った思い込みに縛られた両片想いものの王道と言っていい。
終盤、馨の方も自分を想ってくれている、という幸福感を持った冬人を絶望に突き落とす馨の「裏切り」が起きます。
あくまで冬人視点なので実際はここも誤解。馨が何も言わないせいだったんだけど、ここの場面は私も不安で動揺してしまった。
結局は誤解も長年のお互いの思い込みも解けて、ハッピーエンディングになります。
が。
どうしても解せないのがタイトルと表紙の印象。合ってないと思います。
ラブコメイメージで読む人にはモダモダや冬人のネガティブさが合わないし、シリアス好きな人はこのタイトルじゃ手に取らない。ここで星一つ減で総合「萌」です。
タイトルと表紙から期待していた内容とは異なる内容でした。
まず新婚さんではありません。同棲しているだけです。
同性だから籍は入れられないとかそういう話しでもありません。
恋人同士で同棲はしているけれどお互いに本気では無いと思っていて〜という両片想いのモダモダが終盤まで続くストーリーでした。
そして心が通じあってからの展開も新婚さんらしい描写はほとんど無く、『新婚さんはスパダリ同士』を期待して読むことはオススメできません。
私は、新婚さん拝んでないな……? という気持ちになりました。多少は新婚らしい要素もあるのですが、圧倒的物足りなさ。
さらに、巻末の電子限定オマケがハッピーな気持ちのやや下降する内容(不吉な夢を見る攻めの話)なので、読後感もあまり良くありませんでした。
オマケのストーリー自体はどちらかというと好きな方なのですが、長年の両片想いモダモダ恋愛ストーリーの後にオマケとして読みたい内容ではありませんでした。
とはいえ、モダモダ系を好きな方にはオススメ出来る内容です。
双方一目惚れで高校生の時から二十年近く両片想い。超弩級のモダモダ両片想いだと思います。
一目惚れと言っても、その後更に相手を好きになるような描写もあります。個人的には攻め→受けの方が納得感がありました(受けの過去回想にも関わらず)。
ただ、二人とも様々な相手と関係を持っている設定なので、そういった要素が苦手な方は注意が必要な作品です。
ガタイが良い男同士の新婚さんにコミカルなタイトル。
しかもどちらもスパダリと来たら、これは読む以外の選択肢がないやつだ!と手に取ったのです。
ですが、うーん…読み進めても読み進めても、私が認識をしているスパダリも居なければ、新婚さんでもありませんでした。
タイトルと設定に惹かれたものですから、ちょっと残念。
35歳という大人の男同士で、高校時代から付き合いがあるよく知った仲の弓削と冬人。
お互いの今までの人生はもちろん、恋人遍歴もなんとなく知っているような関係性はおいしいです。
そして、理由あってのことなのですが2人とも元ヤリチンという…スパダリとは…?ここはちょっと疑問だったかな。
元同級生で付き合いの長い2人がようやく付き合ったところから始まるお話としてはありでした。
ただ、そこから終始受けの冬人視点で誤解と思い込みとすれ違いが続くので…すれ違い成分を多めに楽しみたい方や気が長い方であればもっと楽しめたのかもしれません。
個人的には、あまりコミカルな雰囲気にはならない中で冬人の健気さと自信のなさがぐるぐると低空飛行を続けていて、これは萌える展開は来るのだろうか?と、途中で休み休み読んでしまった1冊だったかなと。
誤解と思い込みとすれ違いはすごくおいしい食材なのだけれど、その焦ったさも料理の仕方次第というか…
受けが脳内でぐるぐるとする切ない成分が多すぎると、攻めが何をしようとしているのかが読み手には分かることもあって、ページをめくりながらいつまでぐるぐるするんだろう…なんてもどかしく思ってしまう自分がいました。嘘なんてつかなければよかったのに。
切なさ多めのエンドレスぐるぐるも、合間にどかっと萌えるようなエピソードが落ちていれば全く気にならないですし、むしろそうであればあるほど誤解が解けた瞬間が最高に気持ちが良いものになったと思うのです。
もうちょっと、もうちょっとだけ浮上出来るなにかがほしかったなあ。
この2人、種明かしをしてみればまあなんともピュアで。
「実はこうでした」がティーンエイジャーのようでもあり、30過ぎた大人のティーン返りがかわいらしく見えた部分もあったからこそ、不器用同士だったのは仕方がないものの、長い両片思い状態を抜けたその後が読みたかったです。
新婚さんは…というタイトルなので、すでに出来上がった二人のお話かと思いきや、かたち上は恋人同士、同棲もしているし、、、なのに「お試し」の一言が、そして冗談ぽくしかアプローチ出来なかったツケ?が回ってきてしまうという。
もう、お互いのすれ違いや思いの深さを勝手に決めつけてしまっている(互いに自分の方が本気で重い愛情を持ってると思い込んでる)のがもどかしくもあり、萌えるところでもあります。
蓋を開けて見れば、二人ともが両思い、どちらもほぼ一目惚れ。
なんて長期間のすれ違いなんでしょうね。でもうまくまとまって良かったよ。馨の体から入ってしまえ!という勢いがなかったら、進まなかったよねきっと。冬人は抑え込みきっちゃうタイプみたいだし。
思いの丈を告白し合うシーンはキュンキュンしました。だってすれ違いの答え合わせがね、ゲイビの思い出とか。
電子で読んだので限定SSも読んだのですが、最初は恐ろしかったよ〜、あり得るシチュエーションですしね。途中でお母さんや銅婚式とか出てきたので、そりゃないかって思ったけど。二人が金婚式を迎えるまで仲睦まじく元気でラブラブでいて欲しいな。
面白かった。
・・・こういう行き違いって、案外身近に起きているのかもしれない。
すれ違う二人の心理描写が秀逸。・・是非読んでみて、面白いので。
---面白かった所の覚書。
芸術家の馨と会社代表後継者の冬人。 才能が有って、容姿に優れた美男同士。
お互いに片思いだと思っている。
冬人は、喜怒哀楽を表に出さない性格、馨に告白して拒否られた時の痛手が怖い。
奔放で奇抜な馨の行動を理解できず、このまま親友でよいと思っている。
でも二人は実は相愛で、運命の出会いは高校の入学式。美少年の冬人への馨の一目ぼれだった。
有名な彫刻家になった馨が誘って冬人と同棲が始まる、でも二人は本心を交わせない。
意思疎通出来ず、誤解したまますれ違いが続く。
ついに奔放な馨を許せなくなった冬人は同棲を解消、実家に戻り母親に勢いに任せてカミングアウト。そこへ、手作りの婚約指輪を携えて馨が迎えに来る。
二人とも大真面目なんだけど、誤解して気持ちのすれ違いを繰り返す様子はコメディ、笑っちゃう。
実は馨は何度も必死でアピールをしていたのに、馨の本意に気づけない冬人。嫉妬していたのは実は、馨。
恋って面白い誤解を生むもんだな、と面白かった。