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「オメガバース」を謳っていますが、実際のところはその設定はあってもなくても良い一冊でした。このシリーズから出すために無理やり設定くっつけました……という感じ。
だからがっつりと「オメガバース」の世界を期待して読むと、肩透かしを食らうかもしれませんが、そういうの関係なく、「セクシーな男優」と彼に憧れるパッとしないヲタクくんのエロティックラブコメと捉えて読むと、普通におもしろいと思いますよ。
ソバカスで自信なさげな頼りない青年が、抱かれることで艶っぽくなっていく様子はなかなか良いと思いました。
α同士のカップルというのはオメガバース漫画としては珍しいので期待したのですが、その設定が全然活きていませんでした。
αなのになんの取柄もない凡人の大地。憧れのAV男優・愛叶との同棲企画に当選。一緒に居られるだけで嬉しかったのに、愛叶の方が積極的に迫ってきて…というお話。
あまりにも予想通りの、ある意味少女漫画的展開。攻めがAV男優だから少々エロい場面が多い以外は引っ掛かりのないシンプルさ。
なぜ愛叶は大地に執着するのか、説明は一応あるけど、あまり納得いかず。その部分をもっと掘り下げてもよかったと思う。または、同棲期間中に愛叶が大地に惹かれていく場面を十分に描写するとか。全体的に説得力がないんですよね。
あまりにも上手く行きすぎの関係なので、続編がもし期待できるなら、「魂の番」(もしくは圧倒的な魅力のΩ)の登場で、この二人の関係を揺さぶってみてほしい気はする。
お話自体は悪くないと思います。
でも、本当にオメガバースの設定が何も活かされていないです。
せめて、α×Ωで運命の番の方が良かったのではないでしょうか?
α×αはただでさえハードル高いですからね…
お互いに惹かれる理由はなんとなくわかったし、大地の背中を押した友だちもとてもいい子たちだったし、オメガバースでなければ十分納得できた内容だったと思います。
結構あっさりくっついてしまったので、もう少し盛り上がる部分があったら尚良かったのではないでしょうか…
αなのに、学業もスポーツも苦手でコミュ障、
顔はソバカスだらけで、恋愛経験もなく童貞処女。
そんな冴えないα・大地の癒しといえば、AV男優の愛叶くらいでした。
ある日、大地の元に一通の手紙が届き、
愛叶との5日間の同棲企画に当選してしまいます。
ずっと焦がれてきた愛叶との対面に緊張する大地だけれど、
目の前に現れた本物の愛叶は地味な大地にも笑いかけてくれ、
二人でごはんを食べ、デートをして、たくさん話をして、
同じベッドで眠り、大地を優しく抱いてくれました。
一緒に過ごせば過ごすほどに愛叶を本気で好きになって
いってしまう大地ですが、残酷にも期限の最終日がやってきてしまい…
冴えない主人公が憧れの王子様に見初められ、
愛されるというシンデレラストーリーでした。
親や周囲から背を向けられ、ずっと自分に自信のもてなかった
大地が愛叶と出会い、愛されることでようやく自分の居場所を
見つけることが出来てよかったです…
物語としてはややすんなりいきすぎているような感じがしたけれど、
二人が再会し、夕焼けを背景に抱き合うシーンはロマンチックでした。
ただ、先行レビューの指摘通り、このお話がオメガバース
である必要性はあったのかなというのは私も感じました。
大地と愛叶は互いにα同士ですが、だからといって、
特に二人がポジションを争うというわけでもなく、
Ωの当て馬が登場するでもなく、α同士の恋が障害に
なるわけでもない。
主人公がαなのに冴えないというギャップ付けとしてでしか
オメガバースの設定が物語の中で活かされていないなぁ…と。
最悪、オメガバなしでも成り立ちそうな世界観に思えてしまいました。
キャラクターの設定が面白そうだし、蜂巣さんの1冊目が絵も綺麗でエロくて面白かったので期待して購入したのですが、全体的に話の展開が唐突なせいなのか、読んでいても作品の世界観に浸ることができませんでした。
オメガバースプロジェクト作品なので楽しみにしていたのですが、設定が全く生かされておらず、台詞だけで強引に入れている、といった感で残念でした。
あと、絵が1冊目と比べてだいぶ荒くなったような気がします…。そのせいか、エロシーンもあまりエロを感じなかったです。
期待値が高すぎたのかもしれませんが、それだけに残念な1冊でした。