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表題作SUPER NATURAL/JAM

浅田 暢
24歳,アパレル店員
植村 大地
24歳,美容師

その他の収録作品

  • ①その後 それぞれ
  • ②プレゼント
  • ③無縁
  • ④一番大事なこと
  • あとがき

あらすじ

アパレル店員の暢(24)と
美容師の大地(24)は、
美容専門学校で出会った元同級生。
学生時代に付き合い、
一緒に上京して同居生活を始め、
気付けば4年の月日が経っていた。
周囲には付き合っていることを
隠しているけど順調にはいっている。仲も良い。
でもその一方で、
「男同士」である不安を消すことはできず、
その小さな不安から二人はすれ違い始めてしまい……。

作品情報

作品名
SUPER NATURAL/JAM
著者
絵津鼓 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Canna Comics
シリーズ
SUPER NATURAL
発売日
ISBN
9784829685921
4.7

(313)

(248)

萌々

(46)

(14)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
32
得点
1470
評価数
313
平均
4.7 / 5
神率
79.2%

レビュー投稿数32

動き一つ一つ、心一つ一つの描きが神でした

暢が男らしく成長してる!
前作からの変化を見ると、あらまー頼もしくなっちゃって。しかも男っぷりが上がってるし。大地良かったね〜〜(^ ^)♪…なーんて思ってたら。

どどどどどどどうしました、大地ー?!((((;゚Д゚)))))))
ってな感じでした。

大地の不安が痛くて胸にトゲトゲ刺さる。
前作と逆んなっちゃってるのね、大地の方が今回は色々考えちゃってて。余裕がまるでない。
暢の職場の女の子に嫉妬とか、女の子扱いするなよとか…日常のなんでもないことを暢にイライラをぶつける大地……どうしちゃったの。こんな大地、見るのツラすぎました。  

大地が思うこと、考えていること、不安なことも分かるけど。暢はちゃんと大地に寄り添ってくれているのに、大地の想像や妄想が先走って、暢の言葉や態度を信用しないで自分の感情で突っ走るの、前の大地からは考えられなかったです。2人がそれですれ違ってる姿は、あまり見たくない光景でした…(泣)
暢はちゃんと向き合っているのに、大地はそれを怖がってばかりで、しかも暢へのリクエストや注文が多い。そんなこと言われても……っていう内容で、2人の距離が開きかけていることに肝が冷えました。

なんていうか……大地は暢に強く当たって、暢の気持ちを再確認したいのかなって思いました。俺のこと好きならこれくらい分かってよ。受け止められるでしょ、というメッセージが、大地の不安心から見え隠れしてる感じ。
私ねー…この大地の気持ちのぶつけ方が卑怯だなと思って。暢を責める割に、自分からは決定打を出さないの。そんで暢を試してる。"別れ"のニュアンスを引き合いに出して、暢の出方を伺ってるのがすごくモヤモヤしました。
結局、大地は何がしたい?どうしたい?何を望んでるのかそのシーンでは分からなかった。大地が暢と望む未来像が見えなかったです。

大地の言動に思うことは色々あるけど、この作品のすごいところは、こんな風に入り組んだ感情の浮き沈み絡みを作品に落とし込んだこと。すごく難しい内容だったと思います。ストレートな感情じゃなく、その奥底で渦巻く暗い感情だったりを表情やセリフで表しながら、それも2人分。一番の見せ場となった、2人の話し合いのシーンはその迫力と臨場感にゾクゾクしました。細かい描写や心理変化が本当に作者さんの見せ方が巧くて、映画を観てるようでした。


そんな波乱の話し合いからのその後の描きが、これまでのモヤモヤを吹き飛ばすが如くで、ささささ最高でした。やっと素直になった大地。うんうん、そうこなくっちゃ!(=´∀`)人(´∀`=)
ひと山超えて、ひと回りスッキリした暢と大地の2人の姿に涙が出そう…。この光景が見れたことに大満足でした。
人物の動き、心の揺れ動きにこんなに感動したことはないかも知れません。切ないシーンでも、モヤモヤするシーンでも、最高の作品を構成する一要素だと思ったら全部が受け入れられました。何よりエンディングが良すぎたんでね、それだけでもう言うことは何もなかったです。

素晴らしい作品に出会えて良かったです。

0

男前アパレル店員✕意地っ張り美容師

SUPER NATURALから4年が経ち、暢はアパレル店員、大地は美容師として働いています。

職場には同居人と彼女がいるということにして同棲している二人ですが、大地が暢に女扱いされることを気にして徐々に険悪なムードになっていきます。
暢に女扱いしているつもりはなくても「夜道が危ない」といわれたら大地だって女扱いするなってなりますよね。
どちらの気持ちも理解できるので、読んでいるのがしんどかったです。

しかし、悩みが吹っ切れた後の二人がラブラブで最高でした。
ずっと一緒にいられるように寄り添い合っていてとても素敵です。
末永くお幸せに!!

0

作家買い決定しました。

初読み作家さんです。
わぁー良かったです。こういう心理描写がしっかりした作品を読むと充実感が違う。
絵もシンプルですが表情とか繊細な描写を上手に書けてます。言葉選びが秀逸。あと、方言!方言萌えた。これは他の作品も読みたい。
ノンケ×ノンケをここまでしっかり書いた作品は珍しい。
美容師の学生同士ですが愛情を認めたくなくて友情と愛情の間を行ったり来たりしてます。そんな2人のほのぼの空気が可愛いんですよ~。ほぼ暢君目線ですが不器用な所が可愛い。好きだけど上手く言語化出来ず、キツく当たってしまい、後悔。素直な所が可愛い。あら、可愛いしか言ってない。
変わって2巻

、四年後の2人。暢君のぶれない芯の有るところに救われます。大地君の不満に対して、良い感じ!その調子!って喜ぶって(笑)愛だよね。大地君の悩みがどんどん表面化して、見てるこちらまで心苦しくなりました。これぞノンケの悩みと言うか、男としてのウケ側の悩みとか周りの目とか…。あれ、これフィクションなのかな?と考えてしまった位引き込まれた。
最後の●と○には何が入るか教えて貰えませんか!?

0

マイノリティの捉え方は人それぞれ

前作、SUPER NATURALとはまた雰囲気の全然違う今作。前作がノンケ同士のキラキラしたあまずっぱい恋愛だとしたら、今回は現実と自分と向き合う2人の関係の障害物競走。
続きものですが前作を読まなくても読むことができます。

どんどん体も中身も変わっていき、ゲイではないのにゲイだと指摘される自分がわからなくなる大地と、昔とかわらず大地を愛していて、ただかわったところと言えば大地を思いやってやわらかくなった暢。

変わった人と変わらない人。最初は少しだったズレが時間とともにどんどん大きくなっていく。
2人のいきつく先は、ズレが修復された未来なのか、ズレが取り返しのつかなくなる未来なのか。

この作品はマイノリティの捉え方に違いのある2人のすれ違いです。
まるで自分のことをみているかのようで、それでいて私はとても救われました。

私はバイセクシャルなのでレズビアンではないです。ですがバイセクシャルなので女の人を好きになります。
レズビアンだっていわれると、男も好きになるからなぁとおもうので読んでいて大地のきもちはわかるんです。
でも、彼女がいたときに自分の指向をなにかいわれて大地のように悲観的にとらえたこともなかったのでBLや本とかインフルエンサーの発言は共感できないことも多くて自分はおかしなやつかと思ってましたし、なんかそういうのをみるとしんどかったんです。

そんな私を、暢の発言の1個1個が救ってくれました。
彼は思いつめる大地とちがい、私とにていてマイノリティに思いつめる様子はありません。
どの漫画でもテレビでもマイノリティをなやむのが美であり普通みたいな昨今で、彼は暢としてただ生きてるんです。
だからこそ、言葉狩りのようになんにでも敏感に反応する大地の気持ちはわからない。
暢からしたら、言ってるやつは言わせればいいし、自分は大地にしたいことをしてるだけ。
女の変わりでもなく、他の男でいいわけでもなく、男の大地にしたいことをしている。
それがすごく府に落ちて、共感できてなんか自分はおかしくないんだって泣けました。

その反面、周りの目に敏感だった元カノに、なんでわかってくれないんだと言われたときにわからなかった彼女のきもちを大地を通してしることができて少し申し訳なくもなりました。

ほかにも、同性で付き合うのを受け入れてくれない人は100%悪みたいな風潮も、逆にゲイの人から異性とも付き合うのを受け入れてもらえなかった経験からちょっと嫌だなとおもっていました。
マイノリティがある人は批判してよくて、ない人は率直な感想すらもってはいけないのかと。

それも、最後の方のお話で暢が、男と付き合う暢を受け入れられない人に対して「そいつらが悪いわけじゃない。自分の感想を言っただけだ」といっていたのに本当になんかすごく救われたんです。
漫画や創作物でそんなことをいえば叩かれるような世の中で私と同じ考えのキャラクターがいて、それはおかしなことじゃないんだと
所々にある暢の発言にここ数年なやんだ全てのモヤモヤがとかされていくのを感じました。

これはいわゆるゲイであることをなやむマイノリティのお話ではありません。
ですが、ゲイではないからこそのマイノリティの悩みやどうしようもない不安を描いているとても深いお話です。
また、片方はかなり悲観的ですが、もう片方は同性と付き合うことを悲観的にとらえていないため、みんながみんなマイノリティに悩んでるというステレオタイプのイメージを吹き飛ばしてくれます。

世間はゲイじゃなかろうが、バイセクシャルだろうが同性と付き合ってればそれをひとくくりにしますし、実際してることは変わらないんです。
それを上手く描き、マイノリティの問題に切り込んだ素晴らしい作品だと思いました。

この2人はバイセクシャルではなく、ノンケですがバイセクシャルのこともよくわかってもらえるんじゃないかとおもう作品でした。
バイセクシャルがテーマのものも、本当に悩んでいることを描いた作品もなかなかないのでマイノリティをしるためにも是非、他の性的指向をもつ人たちにも届いてほしい一冊です。

0

ノブルがすっかりいい男になってまぁ……。

リアルタイムで連載を追ってたら、ノブルの大成長ぶりにしみじみと感動して泣けたんじゃないかなと思うのですが、生憎、専門時代編とまとめ買いし一気読みしたもので……。リアタイ出来なかったの悔しいです!

ともあれ。

ノブルがすっかりスパダリっぽくなり、平穏にイチャラブ暮らしをしている二人なのかと思いきや、今度は大地が悶々とするターンです。……て、よ、四年後にか……? むしろ今までそこ気にならずに暮らしてこれたのがすごいのでは。

なぜか「ゲイですか?」と聞かれるようになり、自分の雰囲気に滲み出る何かがあるのか? と悶々とする大地。四年の間に気づけば「受け」でないとイケないように身体が変わっているわ、ノブルが自然に甘やかしてくるわと、自分の男としてのアイデンティティーが危機的状態であることに大地は急に気づくのです。そして彼は(おそらく)いまだかつてなく愚図り始めるのですが……。

これはいわゆる「喧嘩するほど仲がいい」ってことなのかなと。大地は何が不満なのかちゃんとノブルに言葉では伝えられないけど、とりあえずグズグズごねごね出来るのは、ノブルの包容力を信頼してる故なのではないかと思いました。

作田ちゃんが彼氏に本音でぶつかっていけずに悶々としているのと対称的ですね。仲良くないと喧嘩って出来ないもんなのですな、うん。

ところで作田ちゃん! BLの間に割り込んでくる鬱陶しい女キャラポジションの作田ちゃんですが、私けっこう作田ちゃんのことが好きです! キラキラ猛禽系女子だけどガチで幸薄そうで、でもちゃっかりノブルの事は狙い撃ちしようとしてくる強かなところがw でもちょっと肉食かますのには勢いが足りてないというか迷いがあるところが。いいですね……。自分の身の回りに出現しない限りは、味のあっていいキャラです。

作田ちゃんの恋愛相談シーンは、切なくてついノブルと大地そっちのけで熟読してしまいました。でも作田ちゃんそれ、「踏ん張り時」じゃなくて「潮時」のほうだと、おばさんは思うの……。

うっかりノブルと過ちを起こしかけたけどなんとか踏みとどまれた作田ちゃんに幸あれ!

で。本筋に戻ってノブルと大地ですが、「喧嘩するほど仲がいい」タイプの痴話喧嘩だから仲直りへの道は真っ直ぐだろと余裕ぶっこいて読んでいたら真っ直ぐ別れ話に行き着いたのでびびりました。

えー!? でもこの進行めっちゃリアルだ……。それまでずっとラブラブだったのにこの流れで突然の別れになって一生会うことの無かった二人って、人類史上で何兆組いただろうか……。うわ、絶望? これ絶望かな???

とハラハラしましたが丸く収まってよかったです。でも別れ話シーンの心理描写のリアルさには「神」ボタン百回押したいですw

ラストで仕事仲間にカムアウトし、結婚指輪も嵌めてるノブルと大地にほっこりしました。末長くお幸せに~☆

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